銀河戦記/鳴動編 第二部 第四章 皇位継承の証 XV
2020.01.18

第四章 皇位継承の証


XV


 新たなる情報がもたらされた。
 バーナード星系連邦において、クーデターが発生したというものであった。
 一部の高級将校が決起して、軍統帥本部などの軍事施設を占拠して高級官僚を拘禁し、
国会議事堂、中央銀行、放送局など、軍事と政治経済の重要施設を手中に収めたのである。
 総督軍の帝国侵略開始と時を同じくして決起したのは、総督軍からの鎮圧部隊の派遣が
困難な情勢となったことを見越してのことであろう。
「これで連邦側からの侵略の可能性は当分ないだろう。心置きなく総督軍と対峙する事が
できる」
 軍事クーデターが成功したとはいえ、政治経済の中枢を押さえただけで、これから国家
を立て直し、軍や艦隊を動かせるようになるにはまだまだ先の話となる。
 マーガレットの第二皇女艦隊とジュリエッタの第三皇女艦隊とを併合し、これにラン
ドール旗艦艦隊を合流させて、総督軍に対する迎撃艦隊とした。他の艦隊を加えなかった
のは、戦闘の経験もなく脆弱すぎて被害ばかりが増えると判断したからだ。また解放戦線
に援軍を求めるにも遠すぎて無理がある。総督軍にはまだ二百万隻もの艦艇が残されてい
る。それに対処するためにも解放戦線は動かせなかった。
 陣容は整ったものの、すぐには出撃はできなかった。
 国境を越えての大遠征となるために、補給を確保するための補給艦隊の編成と、燃料・
弾薬・食料などの積み込みだけで三日を要した。
 それらの準備が整うまでの時間を使って、アレックスの大元帥号親授式と宇宙艦隊司令
長官の就任式が執り行われることとなった。

 宮殿謁見の間が華やかな式典の会場となった。
 普段は謁見の間への参列を許されていない荘園領主や城主、そして下級の将軍達が顔を
揃えていた。祝いの席をより多くの人々に見届けてもらおうという配慮だった。
「アレクサンダー第一皇子、ご入来!」
 重厚な扉が開かれ、儀礼用の軍服に身を包んだアレックスがゆっくりと緋色の絨毯の上
を歩んでいく。宮廷楽団がおごそかな楽曲を奏でている。やがて壇上の手前で立ち止まる
アレックス。
 参列者の最前列には皇女たちも居並んでいる。
 大僧正の待つ壇上前にたどり着くアレックス。
 ファンファーレが鳴り響き、摂政エリザベスが宣言する。
「これより大元帥号親授式を執り行う」
 壇上の袖から、紫のビロードで覆われた飾り盆に乗せられて、黄金の錫杖が女官によっ
て運び込まれる。錫杖は権威の象徴であり、軍の最高官位を表わしているものである。
「銀河帝国第一皇子アレクサンダーよ。このたび銀河帝国は、汝に大元帥号の称号を与え、
宇宙艦隊司令長官に任命する。銀河帝国摂政エリザベス」
 別の女官が勲章を乗せた運び盆を持って出てくる。エリザベスは、たすき掛けの勲章を
受け取ってアレックスの肩に掛け、胸にも一つ勲章を取り付けた。そして豪華な織物でで
きたマントを羽織らせて、黄金色に輝く錫杖を手渡した。
 アレックスが与えられた錫杖を高く掲げると、再びファンファーレが鳴り響き、
「アレクサンダー大元帥閣下万歳!」
「宇宙艦隊司令長官万歳!」
 というシュプレヒコールの大合唱が湧き上がった。
 この儀式の一部始終は国際放映され、連邦や共和国へも流されたのである。

第四章 了

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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・6(金曜劇場)
2020.01.17

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・6



ナレ「毒モンスターやギラ使いの『まじゅつし』を倒しながら、サンペタへやって来たの
だった」
勇者「まずは、セーブだな。王様は……いるはずないか」
王子「とにかく情報集しましょう。セーブの仕方も判るでしょう」
勇者「おい、犬!セーブ場所はどこだ?」
王子「犬が、知るわけないでしょ。そもそも喋らないし」
勇者「だがよ、後ろにくっついて、一緒に着いてくるぜ」
王子「懐いてますね」
勇者「お!町の隅っこに誰か佇んでいるぞ。こういう奴に限って、重要なヒントをくれる
はずだ」
兵士「じ、じぶんがはずかしい!私はあまりのおそろしさに、城から逃げ出したのです。
今頃、サンブルグの城は……。ああ、王女さまっ」
勇者「なんだ、脱走兵か」
王子「それを言っちゃ可哀相ですよ。だれだって逃げ出しているんですから」
勇者「おい、そこの女」
女 「まあ、あなたはもしや勇者さまではっ!?私はむかしルーラシア城におつかえしていた者です。こんな所で勇者さまにお会いできるなんて。ああ、夢のようですわ!」
勇者「おおそうか。じゃあ、セックスしようぜ」
女 「まあ、あなたはもしや……以下略」
勇者「つまらんな……所詮NPCキャラか、ふん!」
王子「決まり文句ですからね」
勇者「宿屋にいる奴、何か情報持ってるかな。おい、そこの男」
男 「まったくぶっそうな世の中になったもんですなあ。この前もサマートリアの近くでスリにあいましてね。幸い犯人は見つかりましたが。まあ、今頃は牢屋の中でしょうね。わっはっは。」
勇者「ふむ、そういえば、地下牢にいたな。『ろうやの鍵』欲しがってるやつ」
王子「だめですよ。悪人の言うこと聞いちゃ」
勇者「聞くだけなら。大丈夫だろ?」
王子「そうですかね……何かありそうですが」
勇者「お、壁と壁の隙間に縮こまっているじじいは?」
王子「立ちションしているのでは……」
勇者「まさか、大の方じゃないだろな。銀魂の近藤ゴリ子がやってたしな……。よし、また話しかけてみよ
う。リアクションが面白そうだ」
王子「面白がらないでくださいよ」
勇者「いいから。おい、そこのじじい」
翁 「なんと ここでも そなたの旅を 冒険の書に記録することが できるのじゃ。便
利な世の中になったものよのう。勇者が次のレベル……そなたの これまでの旅を 冒険
の書に記録してよいな?」
勇者「おお!もちろんだとも」
翁 「たしかに 書きとめておいたぞ!まだ休まずに冒険を続けるつもりかっ?」
勇者「いいえ、と答えたらどうなる?」
翁 「では ゆっくり休むがよい。勇者よ!そなたが もどるのを待っておるぞ」
ナレ「そしておなじみの音楽と共に、タイトルメニューに戻るのであった」
勇者「冒険を再開して、冒険の書をポチッとな。お!始まったぞ」
王子「何やってるんですか。冒険を中断してどうするんですか?」
勇者「悪い、悪い。ちょっとためしにやってみたかったんだ」

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あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-10
2020.01.16

あっと! ヴィーナス!!第二部


第一章 part-10

「呼んだか?」
 突如として、天駆ける戦車にヴィーナスが姿を現した。
「危ない!」
 重量が偏るように増えたので、戦車が揺れて落ちそうになる。
 ディアナが天馬の手綱を操作して、体勢を立て直した。
「危ないじゃないか、ヴィーナス」
「わたしを呼んだだろう?」
「呼んでねえよ」
「いや、確かにわたしの名を呼ぶ声が聞こえたぞ」
「相変わらず地獄耳だな。おまえは」
「神なのに地獄耳とはこれいかに、だな」
「確かに呼んではいないが、名前が挙がったのは確かだ」
「酔っ払って寝込んでたんじゃないのかよ」
「人の口に戸は立てられない、っていう諺があるだろう。たとえ眠っていても耳に入れば
目が覚める」
 呆れ返る弘美とディアナ。
「来てしまったのは仕方が無い。邪魔だけはするなよ」
「判っている。もちろん事情はすべて理解している」
「ならいい」
 改めて、ラピュタに向けて帆を上げる一行だった。
「天空城な。解説が間違えるなよ」
 あ、すいません……天空城です。
「どっちも同じだろうが」
 天駆ける戦車は、天空城に向けて一直線に進む。
「ところで、弘美」
「なんだよ」
「女の子らしくしろと、いつも言っているだろう。なんだ、その男の言葉は」
「地の言葉で悪いか」
「悪いわい。その女の子の格好で、喋る言葉じゃない」
「女の子?」
 改めて自分の姿を見る弘美。
 学校帰りの女子校生の制服姿だった。
 学校から直接ファミレスに向かい、着替えてウエイトレスの仕事をして、終了後に再び
制服に着替えて、家に帰る途中に誘拐事件に遭遇したのだった。
 大慌てでヴィーナスの元に駆けつけたものの泥酔状態、困ったところにディアナが登場
して、その格好のまま追撃戦に参加していたのである。
「その可愛い女子校生の制服姿が似合う君なら、やはり可愛い声で優しく喋るのが本筋と
いうものだろう」
「勝手に女の子に変えておいて、よく言うよ。俺は男なんだぜ」
「違うぞ!」
 と、鼻同士がくっつくぐらいに顔を近づけて警告するヴィーナス。
「そもそも、君は女の子として生まれるはずだったんだ。運命管理局のちょっとした手違
いで男の子になってしまったのだ」
「そこは違うな。こいつの酒癖が原因だよ。プロローグを読めば判る」
 ヴィーナスを指差しながらディアナが横槍を入れる。
「こほん!」
 咳払いをして話を続けるヴィーナス。
「と、とにかく。弘美、あなたは女の子として生きるしかないのです。あなたが一人前の
女の子として生まれ変わるためなら、このヴィーナス全精力を賭けるぞ」
「ことわる!」
 拒絶する弘美。
 これまで男として生きてきたのだ、神の手違いだとしても、今更として女の子にはなれ
ないであろう。
 ことあるごとに男に戻せと言うしかない弘美だった。
「さてと……だ」
 ディアナが話題を変えるように話し出した。
「アポロの前に出ても、その男の子言葉でいる気かな?」
「アポロ?」

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