銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ VII
2019.06.30


 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ


                VII

 ゆっくりと降下していくミネルバ。
「まもなく海上に着水する。総員、衝撃に備えて何かに捕まれ」
 座席のある艦橋オペレーターはともかく、機関部要員などは立ち仕事なので、衝撃に
吹き飛ばされて怪我をしないように、機械の出っ張りにしがみ付いていた。
 やがて豪快な水しぶきを上げながら着水するミネルバ。
 海面との摩擦力による急激な減速で、乗員達は前のめりになりながらも、なんとか乗
り切ったようだ。
「着水しました」
 冷や汗を拭きながら報告するオペレーター。
「全隔壁閉鎖」
 艦内のすべての防水隔壁が閉じられていく。
 水上戦闘では、喫水線より下部の艦体に損傷を受けて浸水した時に備えて、隔壁を閉
じるのはセオリーである。
「砲術長!」
「はっ!」
 呼ばれて立ち上がる砲術長。
「各砲門の戦闘指示は任せる。目標戦闘艦が射程に入り次第、攻撃開始せよ」
「了解。各砲門は自分の判断で戦闘指示を出します。目標戦艦が射程に入り次第攻撃開
始」
 命令を復唱して席に戻る砲術長。
 数多くの敵艦船に対して、艦長自らが攻撃指令を出していては、全体的な指令が出せ
なくなる。細かな指示は、各担当部門の責任者に一任するのは当然である。
 早速に戦闘指示を出し始める砲術長。
「135mm速射砲へ、APCR硬芯徹甲弾を装填!」
 APCR硬芯徹甲弾とは、軽合金の外郭の中にタングステンカーバイトなどの重金属
の弾芯を使用して侵徹長(貫通力)を高めたものである。全体として比重が軽いので高
初速が得られる。着弾すると外郭の軽合金は潰れて、弾芯のみが装甲を侵徹する。
 より貫徹力の強いAPFSDS弾ではなく、こちらを選んだのは連射能力がこちらの
方が高いからである。もちろん値段の関係もあるが……。
「APCR弾、装填完了しました」
 やがて速射砲台から応答があって直ぐだった。
「目標戦闘艦が射程に入りました」
「全砲門、攻撃開始!」
 砲術長が下令すると、各砲門がそれぞれ火を噴き始めた。
 ミネルバの兵装には、砲術長が担当する部門以外にもまだある。
 魚雷長の担当する魚雷部門である。
「魚雷発射管室に魚雷戦を発令せよ」
 フランソワは魚雷長に指示を与える。
「了解。魚雷戦を発令します」
 ミネルバには艦首に8門、艦尾に4門の魚雷発射装置がある。
 通常の魚雷はもちろんのこと、シースキミング巡航ミサイルの【トラスター】をも発
射できる兼用タイプである。
 水上艦艇の魚雷発射装置は甲板上にあるものだが、ミネルバは潜水能力があるので、
喫水線下に発射管を装備している。
「ADCAP重魚雷を装填」
 ポンプジェット推進にて最大速力50kt(最大射程8km)を誇り、全長約5.79m、重量
1,663kg、弾頭に292.5kg高性能炸薬(磁気信管)。1,000m以上もの深さからでも発射き
るホーミング魚雷である。
 誘導方式には、魚雷本体のソナー探索によるものと、母艦からの有線誘導の二通りが
ある。有線誘導の場合には、敵艦がデコイ(囮魚雷)などで対抗しても、それを廃除し
て命中させることができる。
「敵艦隊は密集しています。ソナー探索にしましょう」
「そうですね。発射すれば必ずいずれかの艦に命中するでしょう」
 一隻が魚雷に気づいて退避運動を起こしても、後続の艦艇がいくらでもいる。これだ
けの重魚雷、命中すれば一発撃沈である。

 魚雷発射管室では、指示に従ってADCAPを発射管に装填していた。
 もちろん人力では不可能であるから、自動装填装置によってである。
「装填完了」
「管内に注水」
「深度調停装置を調整、5m。雷速5kt」
「発射角度3度」
「圧搾空気弁正常。圧力正常」
「前扉を開放」
 次々と魚雷発射への準備が進められていく。
 そして魚雷長が艦橋へ報告する。
「魚雷発射準備よし!」
『魚雷、全門発射!』
 すぐさま命令が下される。
 魚雷発射!
 圧搾空気によって魚雷が押し出され、起動スイッチが入って機関が動いて、魚雷は敵
艦目指して進んでいく。
「魚雷発射、確認。敵艦への到達予定時間は二分後です」
『続ける。次弾を装填せよ』
 魚雷発射担当要員に休んでいる暇などなかった。

「左舷後方より高速推進音! 水中をこちらに向かってきます」
 周囲に潜水艦が隠れていたのであろう。
 こちらが撃てば、敵も撃ってくる。
「デコイ発射用意!」
 おそらく誘導魚雷であろうから、囮魚雷で敵魚雷をかわそうというわけである。
 もちろん同時に退避運動。
「取り舵一杯! 左舷エンジン停止、右舷エンジン全速!」
 ゆっくりと旋回を始めるミネルバ。
「魚雷発見!」
 正面スクリーンに敵魚雷が気泡を上げて迫ってくる映像がポップアップで投影される。
 艦橋は緊迫感に溢れていた。
「舵を中央に戻せ! 両舷前進半速! デコイ発射!」
 息詰まる瞬間であった。
 魚雷は退避運動によって目標を一時に失い、デコイに反応して反れていった。
「敵潜水艦の位置を確認」
「反撃します! ソードテール対潜魚雷発射用意!」
 艦上発射式の対潜ミサイルである。トライアス(改)巡航ミサイルの弾頭に誘導魚雷
を取り付けたもので、敵艦の大まかな位置に向かってランチャーから発射され、敵艦付
近に到達すると魚雷を投下する。着水後に赤外線シーカーと音響誘導によって敵艦の追
跡をはじめる。


11
銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 VIII
2019.06.29


第三章 第三皇女


                VIII

「内乱ですか……。宇宙港の物々しい警戒はそのためだったわけですか」
「双方にはそれぞれ穏健派と急進派がありまして、急進派の人々が至る所で騒動やテロ
を引き起こしているのです。要人の暗殺も起きております」
「大変な事態ですね。これは早急に手を打たないと、漁夫の利を得てバーナード星系連
邦の思う壺にはまりますよ」
 それは誰しもが考えていることであった。速やかに内乱を鎮圧して外来の敵に備えな
ければいけない。そのためには首謀者であるマーガレット皇女を捕らえることである。
 しかしマーガレット皇女率いる第二皇女艦隊は強者揃いである。そしてマーガレット
皇女が身を寄せているアルビエール候国にも、自治領艦隊百万隻に及ぶ大艦隊を有して
いた。それはアルビエール候国が、バーナード星系連邦との国境に位置しており、領土
防衛の観点からより多くの艦艇の保有を許されてきたからである。しかも連邦の侵略を
食い止めるために、常日頃から戦闘訓練が施されて精鋭の艦隊へと成長していた。
 第二皇女艦隊と自治領艦隊とを合わせて百六十万隻。
 対する摂政派率いる統合軍は、第一・第三・第六皇女艦隊、そしてウェセックス公国
軍とを合わせて二百四十万隻になるが、ジュリエッタ皇女の艦隊以外は、戦闘経験がま
ったくない素人の集団であった。まともな戦闘ができる状況ではなかった。
 銀河帝国の汚点とも言うべき内容を、外来者であるアレックスに対し、淡々と説明す
るエリザベス皇女。その心の内には、皇家の血統の証であるエメラルド・アイを持ち、
共和国同盟の英雄と称えられるランドール提督なら、解決の糸口を見出してくれるので
はないかという意識が働いたのではないかと思われる。
「もし許して頂けるのなら、私がマーガレット皇女様を保護し、この宮殿にお連れして
差し上げましょう」
 突然の意見具申を申し出るアレックスだった。まさしくエリザベス皇女の期待に応え
る形となったのである。
「そんな馬鹿なことができるわけがない」
「冗談にもほどがあるぞ」
 大臣達が口々に反論するが、一方の将軍達は黙ってアレックスを見つめていた。
「できるというのなら、やらせてみようじゃないか」
 そういう表情をしていた。同じ軍人であり、以心伝心するものがあるのかも知れない。
共和国同盟の英雄、奇跡を起こす提督ならやるかも知れない。
「判りました。いずれにしてもこのままでは、のっぴきならぬ状況に陥るのは目に見え
ています。前代未聞のことですが、ここは一つランドール提督にお任せしてみましょ
う」
 摂政が決断を下せば、それに従って行動を起こすだけである。
 アレックスは声には出さず、深々と頭を下げた。
「ランドール提督には、希望なり必要なものはありますか? できる限りの便宜をはか
りましょう」
「二つほどの要望があります」
「構いません。どうぞ、おっしゃってください」


妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の捌
2019.06.28


陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪


其の捌 惨劇


 その頃。
「美咲、いつまで閉じこもっているの?」
 返事はない。
 美咲の部屋の前で、ノックしつつ中の様子を探る母親。
 勝手に入ったりすると、非常に不機嫌になる娘なので注意している。
 しばらく待つが、一向に返答はなかった。
「入るわよ。いいわね」
 ドアノブに手を掛け、少しずつドアを開ける。
 照明の灯っていない薄暗い部屋の中。
「美咲?」
 美咲はいなかった。
「出かけたのかしら……」
 物音一つしない部屋には静寂が漂っていた。
 まるですべての音を、机の上の壺が吸収しているみたいだった。
「何あれ?」
 女子高生の部屋には場違いとも言うべき問題の壺に気が付く母親。
 壺に近づいてゆく。
 土くれが所々に付着して汚れが酷い。
「何これ、汚いわね……」
 土の中から掘り出したままの状態のようであった。
 壺の中身を確認しようと手を掛け蓋を開ける。
 その瞬間に、強烈な腐臭が辺り一面に広がる。
「うう、何これ!」
 あまりの匂いに、堪らず蓋を閉める。
 壺の中は、蓋を開ける前には酸素を使い果たして腐敗が止まっていて匂いも治まって
いたはずだが、蓋を開けたことによって空気と水蒸気が入って、再び腐敗が進んだとい
うところだ。
「どこから持ってきたのかしら」
 背後で音がする。
「お母さん、何しているのよ」
 振り返ると美咲が帰ってきていた。
「勝手に入ってこないでって言っているでしょ」
 その制服姿は乱れており、何より両手に付着した赤い汚れ。
 明らかに血液かと思われる。
 そして右手にはキラリと輝く刀子。
「おまえ、それ……」
 と、言いかけたその表情が歪む。
 胸元にはぐさりと突き刺さった刀子。
 力尽きたように美咲に寄りかかる。
 身動きしなくなった母親を、ヒョイと軽々と肩に抱え上げる。
 やおら窓際に寄りガラリと開けると、外の闇へと飛び出した。


冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 15
2019.06.27


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 15


08/04 15:27 ナタリー「きゃあ!」


08/04 15:28 勇者「遊び人の俺に不可能の文字はない」


08/04 15:29 ナレ1「いつの間にやら、ナタリーのブラジャーをはずしていた」


08/04 15:30 ナレ2「ナタリーの豊かな胸が露になって揺れる」


08/04 15:31 ナタリー「な、なにをするのよ」


08/04 15:31 勇者「無駄な抵抗はやめることだよ」


08/04 15:32 ナレ1「ナタリーのショーツの手が掛かったかと思うと……」


08/04 15:33 ナレ2「とうとう、すっぽんぽんになってしまうナタリーだった」


08/04 15:33 勇者「うん。なかなか良い眺めじゃ」


08/04 15:34 ナタリー「きゃあ! きゃあ!」


08/04 15:35 ナレ1「必死に抵抗を見せるが、遊び人の術中に完全にはまっていた」


08/04 15:36 勇者「いただきます!」


08/04 15:37 ナレ1「それからね……」


08/04 15:37 ナレ2「戦いすんで夜が明ける」


08/04 15:38 ナレ1「目を覚ます勇者」


08/04 15:39 勇者「今朝の太陽は黄色い……」


08/04 15:40 ナタリー「何を抜かしているのよ」


08/04 15:41 勇者「おお、そこにいたか、ジュリエッタ」


08/04 15:41 ナタリー「なにをお気楽なこと言ってるのよ。出発するわよ」


08/04 15:42 勇者「もう少し、休んでいかないか。このベッドの上で」


08/04 15:43 ナタリー「あんたには、20000Gの貸しがあるのよ。さっさと稼いでもら
って、返してもらうんだから」


08/04 15:44 勇者「ちょっと待て! いつから20000Gに増えたんじゃ」


08/04 15:45 ナタリー「身に覚えがないとは言わせないわよ」


08/04 15:46 勇者「なるほど……。納得した」


08/04 15:47 ナタリー「納得したなら、早く身支度しなさい」


08/04 16:03 勇者「へい、へい」


08/04 16:03 ナレ1「身支度を整えた二人」


08/04 16:04 道具屋「いってらっしゃい。お気をつけて」


08/04 16:07 ナレ1「という道具屋に見送られながら、オリコレ村を後にしたのであ
る」


08/05 11:46 ナタリー「ほら、素早さを上げるアイテムよ。身に着けておいて」


08/05 11:47 勇者「ほいよ(受け取って身に着ける)」


08/05 14:44 ナレ1「モンスターが襲ってきた」


08/05 14:45 勇者「ほいよ。逃げるんだろ?」


08/05 14:46 ナタリー「待って! この程度の雑魚はわたしが片付けるから見ていて」


08/05 14:47 勇者「なんでだよ」


08/05 14:48 ナタリー「話はこいつを倒してから」


08/05 14:49 ナレ1「というと果敢にモンスターに切りかかった」


08/05 14:52 ナレ2「モンスターを倒した。経験値5と5Gが手に入った。」


08/05 15:41 勇者「お!」



冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 14
2019.06.26


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 14


07/27 03:26 ナタリー「しようがないでしょ。10000Gの貸しがあるんだから」


08/02 21:27 道具屋「ところで今夜はどうするの? 泊まるところあるの?」


08/03 01:09 ナタリー「うーん……。どうしようか考えていたところよ」


08/03 01:11 道具屋「泊まるとこ決めてなかったら、うちに泊まりなさいよ」


08/03 01:13 ナタリー「そう言ってくれるとありがたいけどね」


08/03 01:15 道具屋「遠慮はいらないわよ」


08/03 01:17 ナタリー「助かるわ」


08/03 01:39 ナレ1「というわけで、その夜は道具屋の家に泊まることになったナタ
リー」


08/03 01:41 ナレ2「ベッドに眠るナタリー」


08/03 01:42 ナレ1「と窓が開いて、外から誰かが侵入してくる」


08/03 01:43 ナレ2「侵入者は、大胆不敵にもベッドに這い上がって、布団の中にもぐ
りこむ」


08/03 01:45 ナレ1「昼間の疲れでぐっすり眠っていたナタリーも、そこまで大胆にや
られると気づかないはずがない」


08/03 01:46 ナタリー「だれ!?」


08/03 03:14 勇者「静かに。俺だよ」


08/03 03:22 ナタリー「あ、あんた! 牢屋に入れられたんじゃないの?」


08/03 03:24 勇者「いやなに、ちょっと脱獄してきた」


08/03 03:24 ナタリー「脱獄?」


08/03 04:08 勇者「牢破りは得意なんだ。これまで抜け出せなかった牢屋はない!」


08/03 04:10 ナタリー「自慢してる場合じゃないでしょ。今頃、牢屋にいないってんで、
探し回っているわ」


08/03 04:13 勇者「それなら心配ないぞ」


08/03 04:14 ナタリー「どういうことよ」


08/03 04:15 勇者「身代わりを置いてきたからな」


08/03 04:15 ナタリー「身代わり?」


08/03 04:18 勇者「牢屋番の一人に催眠術をかけて、牢屋の寝床に転がしておいた」


08/03 04:20 ナタリー「催眠術?」


08/03 04:21 勇者「おうよ。女を口説くときに役に立つぞ」


08/03 04:31 ナタリー「まったく……。あんたの特殊能力って、みんな女がらみじゃな
い」


08/03 04:34 勇者「自慢じゃないが、遊び人の必須科目は一通り習得しているぞ」


08/03 04:37 ナタリー「自慢することじゃないでしょ!」


08/04 15:24 勇者「さてと……。朝までにまだたっぷり時間があるな」


08/04 15:25 ナレ1「というと、ナタリーにおいかぶさってくる」


08/04 15:25 ナタリー「な、なにをするのよ!」


08/04 15:26 勇者「男と女がすることといったら一つ」


08/04 15:27 ナレ1「というと、ナタリーのパジャマをいきなり脱がしてしまう」



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