銀河戦記/鳴動編トップメニュー
2023.03.31

PC版ホームページからの移行ブログです。
最近はスマホが流行し、今後は主流となると思います。
そこで、スマホでは表示が見にくいPC版を、
こちらへと転載していこうと思います。
ルナリアン戦記
銀河戦記/拍動編 new
第一部後半はこちらです
第二部はこちらです
第二部後半はこちら
銀河戦記/脈動編
ファンタジー系はこちらです


序章
索敵 
士官学校 
模擬戦闘 
情報参謀レイチェル 
独立遊撃艦隊 
カラカス基地攻略戦 
不期遭遇会戦 

第八章~十章は、稚拙ながら推理小説仕立てとなっております。
殺人犯は誰なのか? お楽しみください(*'▽')

犯罪捜査官 コレット・サブリナ 
コレット・サブリナ 犯人を捜せ! 
コレット・サブリナ 氷解 
スハルト星系遭遇会戦 
テルモピューレ会戦 
ハンニバル艦隊 

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銀河戦記/拍動編 第五章 Ⅱ 亜空間戦闘
2023.03.25

第五章


Ⅱ 亜空間戦闘


 宇宙空間、遠方に小惑星が浮かんでいる。
 アムレス号が入港している秘密基地である。
 突如、何もない空間に姿を現した潜望鏡。
 やがて艦橋が現れてくる。
 亜空間潜航艦ノーチラスの一部分である。
「こんなところに、秘密基地があったとはな」
 指揮官が呟く。
「敵基地との距離は?」
 副官が尋ねると、
「三十二宇宙キロ。まもなく魚雷の射程距離に入ります」
 レーダー手が答える。
「確かに例の宇宙船が入港したのだな?」
「はい。間違いありません。たぶん秘密基地があるのでしょう」
「よし。第一戦闘配備だ。このまま直進、亜空間誘導魚雷発射用意!」
「しかし、これだけ接近しても敵に感ずかれないのが不思議です」
「当り前だ。このノーチラス号が、そう簡単に発見されてたまるか」
「魚雷発射準備完了しました」
「敵基地、射程内に入りました」
「よし、連続発射!」
 魚雷発射管より射出され、亜空間を突き進む魚雷。


 要塞寝室で寝ているアレックス。
 突然激しく揺れる艦内。
 ビックリして飛び起きるアレックス。
「何だ? どうしたんだ……」
 艦内を浮遊している兵士達。
「一体、何が起きたんだ?」
「敵の攻撃か?」
「重力発生装置が破壊されたのだな」
「とのかくアムレス号へ行こう」
「そうだな」
 館内放送が鳴り響いている。
『総員、アムレス号に乗船せよ! 戦闘配備!』
 あたふたとアムレス号へと向かう兵士達。
 その中にアレックスがいる。
 イレーヌのいる部屋の前で立ち止まり、
「イレーヌいるかい? 入るよ」
 ドアを開けて、中へ入るアレックス。
 そこには怯えて立っているイレーヌがいた。
「アレックス!」
 アレックスの元に駆け寄るイレーヌ。
「何があったのアレックス」
「僕にもはっきりは分からない。ここは危険だ、アムレス号へ行こう」
「ええ、分かったわ」


 アムレス号、コントロームルーム。
 エダとロビーがいる。
「敵の位置は?」
『分カリマセン。確認不能デス』
 アレックス、ビューロン達が駆け込んでくる。
「アレックス様」
「敵は地球かゴーランドか?」
「どうやらゴーランドの機動部隊のようです」
 何も映っていないスクリーンを見つめながら、
「どこから撃ってくるんだ?」
「それが予想もしない所から出現するのです」
「亜空間誘導魚雷か……」
 ビューロン少尉が呟く。
 彼は、軍艦のことにくわしいので、ここでは副官の役割を担っていた。
「そうです。亜空間潜航艦が近くに潜んでいたようです」
『基地ノ核融合炉ノ制御装置ガ破壊サレマシタ』
「何だって! それじゃ、炉が暴走して爆発するぞ」
「基地を放棄して脱出します。第一戦闘配備、各自それぞれの持ち場に着いてください」
 各自持ち場へと走り出す。
「アムレス号発進して下さい。ドッグゲートオープン」
『微速前進、0.5』
「亜空間震動爆雷用意。亜空間ソナーの準備を」

 基地からアムレス号が出てくる。


 ノーチラス号艦橋。
「奴らが出てきました」
「右舷方向に逃げてゆきます」
「追え! 逃がすな」
「はっ。進路二十度転進。速力20%加速」
 加速してアムレス号を追撃するノーチラス号。

 アムレス号。
『敵艦追撃シテキマス』
「亜空間ソノブイ射出を」
『ハイ』
 射出口より投下される亜空間ソノブイ。
 ソナーを見つめる隊員。
「どうですか?」
「もう少し待って下さい」
「左舷後方に魚雷出現。五秒で接触します」
 激しく揺れる艦体。
「敵の位置はまだ分からんのか?」
「待って下さい……。判明しました。左舷三十度、距離二千。付近の亜空間に潜んでいるもよう」
「よろしい。亜空間震動爆雷セット!」
「反撃するぞ!」
「爆雷発射!」
 射出される爆雷。
 アムレス号の後方で爆発する。

 ノーチラス号艦橋。
 激しく揺れる艦体。
 一瞬真っ暗になるが、すぐに元に戻る。
「何だ!」
「敵の攻撃です。亜空間震動爆雷です」
「馬鹿な。亜空間爆雷を装備しているのか、敵は。やはりトラピストの艦船ではないのか……」
「艦長どうしますか? このままでは、いかにノーチラスでもやられてしまいます。ここは一旦退却して」
「分かった。敵を甘く見過ぎた。撤退しよう」
 進路変更して、アムレス号から離れていくノーチラス。

 アムレス号。
「敵の攻撃が止みました」
「退却したな」
「そのようです」
「しかし、態勢を整えて第二波攻撃を掛けてくるはずだ」
「基地が……」
 乗員の一人がスクリーンを指さす。
「なに?」
 一同が指さしたスクリーンにくぎ付けになる。
 爆発する要塞。
 次々と誘爆を繰り返している。
 そして眩い閃光となって広がってゆく。
「基地が消えてゆく……」
 コントロームルーム内も閃光で真っ白になっている。
 イレーヌ、アレックスに寄り添いながら、消えゆく要塞を見つめている。

 そして大爆発を起こして砕け散った。

 誰も言葉を発せず、じっと要塞の消えてしまった宇宙空間を見つめている。
「基地が消滅してしまった今、我々はどこへ行けばいいんだ。教えてくれエダ。君はどこへ行くつもりなのだ?」
 ビューロン少尉がエダに向かって尋ねる。
「その事なら、私ではなくアレックス様にお尋ねください」
「アレックスに? それはどういう意味だ」
「前にもお話したはずですが、このアムレス号の所有者であり、船長はアレックス様なのです」
「僕が、このアムレス号の船長?」
「そうです。アレクサンドル・グリフィズ様」
「アレクサンドル・グリフィズだって? 僕が?」
 今度はアレックス自身が驚きの表情を見せる。
 王族とかなんとかで祭り上げられていたが、
「おい。グリフィズ家といえば、クリスティーナ女王に繋がる王位継承権の最有力候補じゃないか」
 女王直系の
「とすると、クリスティーナ女王の次に、彼が王位に就くこともありうるわけか」
 全員、アレックスに注目している。
 トラピスト人の一人が歩み出る。
「アレクサンドル様、どうか我々をお導き下さい」
「あなたはトラピスト人?」
「はい。以前はクリスティーナ女王の従臣として仕えておりました」
「こいつ、侍女に手を出して前線に飛ばされたんだとよ」
 横やりを入れる者がいる。
「何を!」
 飛び掛かろうとするし、相手も身構える。
「待って!」
 アレックスが仲裁する。
「今は、喧嘩している場合ではないでしょう」
「はっ。申し訳ありません」
「あなたは?」
 敬礼してから、
「トラピスト星系連合王国第四艦隊所属、キニスキー・オルコット大尉……でありました。アレクサンドル殿下」

 インゲル星を脱出する時の崇拝者も集まってくる。
「それでこれからどちらへ?」
「トラピストに帰るのですか?」
 アレックス、暫く考え込んでいたが、
「いや、トラピストには行かない」
「どうしてですか?」
「この船には、バーナード星系の人もいるからね」
「しかし、アレクサンドル様」
「僕は、アレックス・ランドールだ! アレクサンドル・グリフィズではないし、トラピストやバーナード星系とは無関係だ」
「アレックス、ならどこへ行くつもりだ?」
「ゴーランド前衛基地のあるソドムに向かう」
「ゴーランドと戦うおつもりですか?」
「そうだ。我々の真の敵は銀河系外からの侵略者ゴーランドだ。地球もトラピストも同じ銀河の仲間じゃないか。なぜ仲間同士が血を流して戦わなければならないのか。そうだろう? 僕はゴーランドの前衛基地を叩く!」
「そうか、分かった。ゴーランドこそ我々の真の敵だ」
「我々に地球もトラピストもない」
「ああ、我々は皆、同じ銀河の仲間なのだ」
 ビューロンがキニスキーに手を差し出す。
 キニスキー、その手を握り返す。
「エダ!」
「はい。アレックス様」
「アムレス号をソドムへ」
「かしこまりました」


 アムレス号発進する。
 やがてワープして消え去った後に、ノーチラス号が姿を現した。
「アムレス号、ワープしました」
「ソドムへ向かったのか?」
「はい。間違いないでしょう」
「まさか、アムレス号一隻だけで、ソドムを叩こうというのか? 馬鹿な」
「いかが致しますか?」
「追え! アムレス号を追うのだ」
「はっ! 亜空間潜航! 十分後に亜空間ジャンプする。準備急げ!」
「この事態を一応、弁務コミッショナーのセルジオ様に報告しよう。通信長頼む」
「かしこまりました」
 ノーチラス号、再度亜空間潜航に入る。



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11
銀河戦記/拍動編 第五章 Ⅰ 訓練
2023.03.18

第五章


Ⅰ 訓練


 宇宙空間を猛烈な勢いで突き進む戦闘機。
 その戦闘機のコクピットにアレックスが乗り込んで操縦している。
 後部座席にはエダが指南役で着席している。
「次のが来ますよ。良く狙って下さい」
「分かっている」
 前方から戦闘機が飛んでくる。
 機銃の照準を合わせようと、必死に操縦桿を操作しているアレックス。
 なかなか難しいのか汗びっしょりになっていたが、瞬間的に照準中心に戦闘機が入る。
「今だ、発射!」
 機銃が掃射されて戦闘機に当たる。
 炎上してコースを外れてゆく戦闘機。
「命中です」
「こんなもんさ」
 と油断した途端に、激しく揺れる機体。
「撃墜された?」
「そうです。本物のミサイルでしたら命はありませんでした。まだまだ未熟ですね、アレックス様」
「チェッ!」
「ほら、また次の来ますよ」
「ワオッ!」
 危うくミサイルを避けるアレックス。
 冷や汗を拭う。
「今日は、これくらいにして船に戻りましょう」
「分かった。そうしよう」
「今回は、自動運転による戦闘機との訓練でしたが、次回からは人が操縦する戦闘機との訓練に入ります」
「実戦訓練に近づけるということか」
「そういうことです」
「分かった」
 アムレス号の艦載機発着口に、戦闘機を侵入させるアレックス。
 船内に着陸する戦闘機。
「見事な着地です」
「それは皮肉ですか?」
「そう聞こえますか?」
「チェッ。勝手にしやがれ」
 戦闘機から降りるアレックス。
 イレーヌ駆け寄ってくる。
「アレックス!」
「イレーヌか」
 イレーヌ、タオルを差し出す。
「お疲れ様、少しは戦闘機に慣れた?」
「まあね。操縦の方は、BWCCSに任せれば思うように動かすことができるのだが……。ちょっと考え込んだりしようものなら、失速したりエンジントラブルを起こしたりで、慣れないうちは常に精神集中してなきゃならん。手動の方がよっぽど簡単だよ。とにかく疲れたよ」
*BWCCS(ブレイン・ウェーブ・コンピューター・コントロール・システム)
「でもどうして、あなただけにこんな特訓をさせるのかしら」
「さあね。乗員のほとんどが軍人もしくは軍属の人間だからで、戦闘機の経験があるからだろう。今後、宿敵ゴーランド艦隊と戦うことになるだろうし、僕だけが何もできないで見ているだけなんて嫌だからな。とにかく今は退屈凌ぎにはなっているよ」
「でも……」
「気にしないさ。それより食事は済んだのかい」
「まだなの。あなと一緒にと思って……」
「そうか、じゃあ食堂へ行こうか」
 二人連れ立って歩き出す。

 通路で窓辺に寄りかかって寂しそうな表情のルシア。
 他に誰もおらず、窓から外の星々を眺めては涙している。
 そこへビューロン少尉が通りかかる。
「ん……?」
 近づいて、
「こんな所に一人でどうしたんだい?」
「え? 何でもありません」
 ルシア離れようとするが、ビューロンに手を取られて動けない。
「待てよ」
「話して下さい」
「そう逃げることはないだろう」
「いや! 離して」
 ビューロン、厳しい表情になり、ルシアの頬を平手打ちにする。
 ルシア、壁に寄りかかるように倒れる。
 ビューロン、ルシアの前にかがみ込む。
「済まない。ついかっとなった」
 伏したまま動かないルシア。
 頬に手を当てて押し黙ったまま。
「そうやって塞ぎ込んでいたって、死んだ人は帰ってこない」
 ルシアの表情が変わる。
「いつまでお爺さんの死を悲しんでいるつもりだ」
「やめて! その話は」
 耳を塞ぐルシア。
 その手を引き離して、
「いや、聞くんだルシア! いいか君のお爺さんは死んだんだ。その悲しみは良く分かる。しかし、現実から逃避するのはよせ。どうして自分一人殻の中に閉じこもるんだ。もっと目を見開いて」
「あなたに私の気持ちの気持ちが分かるはずがないわ」
「ああ、分からないね」
「分かるはずが……」
 ルシア泣き崩れる。
 ビューロン黙って見守っている。
 インゲル星脱出の際に、囚人の三分の一が逃げ遅れて射殺され、その中にルシアの祖父も入っていたのである。

 軽やかな音楽の流れる食堂。
 食器の触れ合う音。
 食事をしている乗員達。
 その中に混じってアレックスとイレーヌの二人が仲良く並んで食事をしている。
「ねえ、アレックス」
「何だい?」
「あのエダっていう女性、あなたの忠実なる下僕だと言っているけど、一体何者かしら」
「さあな。正直言って戸惑っているんだよ。しかし……」
「しかし……?」
「確信はないんだけど、何だか小さい頃に会っている様な気もするんだ。あの人に会っていると、母を思い出すような、そんな気分になる。母に会ったこともないのだけどね。気のせいかな」
「でもアレックスは、捨て子だったのを拾われたのよ。やはりあの女性の言う事も本当なのかもしれないわ」
「僕が、トラピスト王族の一人である事も? だとすれば地球人である君とは、敵同士ということになる……」
「言わないで! 私達の間には地球もトラピストも関係ないわ。ただ私はあなたの……」
「それもそうだな」
「そうよ」
 食堂に、ビューロンがルシアを連れて入ってくる。
 アレックスのそばに近寄ってくる。
「よう、アレックス。訓練の方は、順調にいっているかい?」
「まあね」
「そうか。ま、しっかりやんな」
 ビューロン調理場の方へ向かう。
 ルシア、アレックスとイレーヌを交互に見つめていたが、ビューロンの後を追ってゆく。
「アレックス。あの女性は誰? 何だか、あなたを見つめていたようだったけど……」
「何だい? 何を気にしているの。あ、さては妬いているのか?」
「ち、違うわよ」
「心配するなよ。彼女とは何でもないさ。彼女は叔父さんを亡くして気を落としているんだ。そっとしておいてあげよう」


 アムレス号コントロームルーム。
 船内チェックをしているエダ。
 ふと大きくため息をつく。
『ドウカシタンデスカ? タメ息ナンカツイテ」
「え? ああ、ロビー」
「アレックス様ノコト?」
「いえ。アレックス様なら大丈夫よ。戦闘機の操縦の上達も目を見張るものがあるわ。後四・五回乗り込めば完全にマスターするでしょう」
「デハ何ヲ悩ンデイルノデスカ」
「インゲル星より連れてきた中でも地球人のことよ」
「地球人?」
「そう。今後、ゴーランド艦隊や地球艦隊と戦うことになりますけど、果たして彼らが私達に味方して戦ってくれるかどうかなのよ。それが心配なの。役に立たない人や、敵対するかも知れない人を乗せてゆくわけにはいかないでしょ」
「彼ラヲドコニ降ロシマスカ?」
「どこへ? 彼らは、トラピスト人にとっては政敵であり、地球人に対しては反逆者なのよ。彼らを受け入れる所がどこにあるの? まさか何もない無人の星に降ろすわけにはいかないわ」
「デハ、仕方アリマセン。共ニ連レテユクノデスネ」
「そうね。それしかないようね。まあ、何とかなるでしょう」


 たくさんの人々が、スポーツ施設で汗を流している。
 その斜め上方にガラス張りの部屋がある。
 そこから、その光景を見つめているアレックスとイレーヌの二人。
「それはね。宇宙空間で無重力状態の中に長い間いると身体が鈍るからさ。いいかい重力のある地上では、立っているだけでも重力に逆らうために、筋肉を使いエネルギーを消費しているんだ。心臓も重力に必死に耐えて血を全身に送り込んでいるんだ」
「重力って大変なものなのね」
「そうさ。宇宙航行するのも、ほんの小さな星の重力だって無視できないんだ。そう、例えば僕と言う物体と君と言う物体の間に働く重力が無視できないようにね」
「まっ。アレックスったら」
 頬を赤らめるイレーヌ。
「さあて、僕も汗を流してこよう」

 シミュレーション室で、コクピットに座り懸命にスクリーン上の敵機に向かっているルシア。冷や汗を搔き、必死に照準を合わせようとしている。
 その脇で見つめているビューロン。
「今だ! 撃て!」
 ルシア、発射ボタンを押して、スクリーン上の敵機を撃墜する。
「いいぞ、その調子だ」
 次々と撃墜され爆発炎上する敵機。

 しばらくしてマシンから出てくるルシア。
「素質がいいね、君は。ようし、今度は第二シミュレーションだ」
「第二?」
「そう。今のは第一で、前方から向かってくる敵機を撃ち落すだけだが、第二の方は四方から飛んでくるミサイルを回避しながら敵機を撃ち落とす。第三となると、味方の編隊も加わり敵も編隊で襲い掛かってくる。敵の攻撃を避け、味方と接触しないように、協力し合いながら敵機を撃ち落してゆく。要するに段々と実戦に近づいてゆくというわけ」
「じゃあ、第三シミュレーションをマスターしたら?」
「そりゃ、後は実戦本番だよ……まさか君、実戦に出ようというんじゃないだろうな」
 ルシア黙ったままで微笑む。


 寝室1、六人部屋。左右の壁際にある三段ベッドに横たわる兵士。
 イビキをかく者。寝相の悪い者、様々な格好で寝ている。

 寝室2、すこやかに眠るイレーヌ。

 寝室3、女子用二人部屋。きれいに片付けられた部屋。
 ベッドに横たわる女性。
 その隣のベッドの縁に腰かけて考え込んでいるルシア。



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