冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 61
2019.09.17


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 61


勇者「ここはどこだ?」
ナレ1「先行した勇者の目の前には漆黒の闇が広がっていた」
ナレ1「勇者の目の前には漆黒の闇が広がっていた」
勇者「真っ暗だな」
ナレ1「一歩踏み出すと同時に、ふわっと出現したパーティー一行が覆いかぶさ
る」
リリア「きゃっ!」
ナタリー「どうやら無事に着いたようね」
コンラッド「みなさん大丈夫ですか?」
リリア「あたしは大丈夫です」
ナタリー「平気よ」
勇者「大丈夫じゃねえ!いい加減にどけよ」
ナレ1「下敷きになってしまった勇者が怒りの声を出す」
ナタリー「あら、クッションかと思ったわ」
勇者「どけえ!(と上に乗っかる一行をはねのける」
コンラッド「これは失礼なことをした」
勇者「ったく、しようがねえなあ」
リリア「勇者さんの見識が正しかったようですね」
勇者「あたぼうよ。だてにゲームキングを名乗ってねえや。ドラクエは11まで全
コンプリートだぜえ(と指でVサインを示した)」
ナタリー「さすが自他ともに遊び人を自覚しているだけあるわね」
勇者「あたぼうよ」
ナレ1「おべっかを使っていることに気づかない勇者」
コンラッド「先に進みましょう」
勇者「そうは言っても辺り一面の闇だぜ。どっちへ行きゃいいんだよ」
コンラッド「大丈夫です。羅針盤が反応しています。指し示す方向へ行きましょ
う」
勇者「本当に大丈夫なんだろうなあ」
リリア「信じるしかありません。他に行く道がないのですから」
ナレ1「闇に包まれた世界を、羅針盤を頼りに手探りで進む一行。やがて行く先に
光明が見えてきた」
リリア「光が見えます!」
ナタリー「ほんとだ。急ぎましょう」
コンラッド「足元に注意してください」
ナレ1「一行が暗闇を抜け出た先に待っていたのは……広々とした平原に断崖絶壁
に囲まれた空間であった」
勇者「なんだよ、あの洞窟を抜け出た光景とまったく同じじゃないか」
ナタリー「元に戻ってしまったの?」
リリア「まさか、また幻惑視なんでしょうか?」
ナタリー「いえ、幻惑視じゃないわ。でも前とは雰囲気が違うような……」
コンラッド「見てください!あそこです(指さす)祠のようなものが見えます」
リリア「あ!ほんとうだ、行ってみましょう」
ナタリー「トラップとかに気をつけながらね」


11
冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 60
2019.09.16


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 60


コンラッド「さあ、気を引き締めて行きましょう」
ナタリー「クアール様がどんな試練を与えるかが問題ですね」
コンラッド「モンスターをぶつけてくる物理攻撃か、幻惑視などの精神攻撃なのか、
しっかりと見極めなければなりませんね」
リリア「昨日は幻惑視だったということですよね。すると今日はモンスター?」
コンラッド「ともかく羅針盤の示す通りに進みましょう」
勇者「ちぇっ!面倒くさいな」
ナレ1「と、突然モンスターが現れた」
コンラッド「おいでなすった!」
ナレ1「スライムが現れた!」
勇者「こいつなら楽勝だぜ、それ!」
ナレ1「スライムは仲間を呼んだ。スライムが十匹になった」
ナレ2「なんとスライムたちがどんどん合体していく」
ナレ1「なんとキングスライムになってしまった」
ナタリー「仲間を呼ぶモンスターか、厄介だわ」
コンラッド「素早く倒さないとキング化しますからね。言いながらキングスライム
を倒す」
ナレ1「ドロルメイジが現れた!」
ナタリー「ああ、こいつはマホトーンかけてくるわね」
コンラッド「まかせてください」
ナレ1「腰の剣を抜くと、えいやっと斬りかかる」
ナレ2「次から次へと現れるモンスターを倒してゆく一行。最初はかなりの頻度で
現れたが、やがて少なくなってゆく」
勇者「もしかして種切れか?」
ナレ1「大神官ハーゴンが現れた!」
勇者「ハーゴンだと!?ドラクエⅡのラスボスじゃないか。フェリス王国の大神官
の回し者か?」
コンラッド「まさか……とにかく、気を引き締めていきますよ。ナタリーさん攻撃
魔法できますか?」
ナタリー「攻撃魔法ね。分かったわ」
勇者「こいつとの対戦にはスクルトが有効だぜ、甘い息掛けられても多少耐えられ
る。ベホマ使われないようにマホトーンを掛けるのも良作だ」
ナタリー「全部あたしの役目じゃない。あんたのやることないの?」
勇者「俺は遊び人だぜ。せいぜい応援するだけだ。それ!フレーフレー(と応援団
長よろしく踊り始めた)」
ナタリー「使えねえ奴だな」
リリア「あたしは、回復薬で支援しますね」
コンラッド「お願いします」
ナレ1「ナタリーとリリアの支援を受けて勇猛果敢にハーゴンに飛び掛かるコンラ
ッド。悪戦苦闘しながらも何とか倒すことに成功する」
リリア「やったあ!倒しました」
ナタリー「さすが正義の騎士。惚れちゃうわね」
勇者「さあ、エンディングだあ!テーマソング高らかに……あれ?」
ナレ1「ハーゴンは倒され消え去ったが何事も起こらない。いや、地面をよく見る
と何やら紋章が出現していた」
コンラッド「これは、クアール最高導師様の紋章です」
勇者「なぬ?するとこの紋章の上に乗ると、クアールさんとやらの所に行けるって
ことか?」
ナタリー「何のこと?」
勇者「そうじゃないか。2Dマップの上に描かれた城や町の図柄の上に乗ると、そ
の内部に入れるじゃないか。ワープゾーンだよ」
リリア「相変わらず、ドラクエなんですね」
勇者「あったりめえよ。冗談ドラゴンクエストだろうが」
ナタリー「これが罠ということも考えないの?」
勇者「これ以上、当てもなく歩き回る方が馬鹿だよ。俺は行くぜ!(と紋章の上に
乗る)」
リリア「消えました!?」
ナタリー「どこへ飛んだ?奈落の落とし穴かな?」
コンラッド「とにかく、彼を放っておくわけにはいきません。我々も続きましょ
う」
ナタリー「そうね。クアール様もそうそう酷いことしないでしょう」
リリア「行きましょう」
ナレ1「意を決して、勇者の後を追って紋章の上に乗る一行だった。途端にどこか
へと消え去った」


11
冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 59
2019.09.12


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 59


勇者「で、洞窟の先には何があるんだ?」
コンラッド「進みます。行けば分かります」
勇者「同じこと言うんだな。訳ありか?」
ナタリー「いいじゃない、行けば分かるというんだから」
ナレ1「というわけで、ともかく洞窟内を前へと進みだす一行だった」
ナレ2「ピトピトと地下水が染み出る洞窟を突き進んでいくと、前方に光が見えて
きた」
リリア「出口だわ!」
ナレ1「出口が見えたということで、自然足早になるのだった」
ナタリー「出たわ!」
リリア「何よ、これは!」
ナレ1「目の前には、見渡す限りの原野が広がっており、周りは崖が取り囲んで中
心には大きな湖が青い水をたたえていた。いわゆる外輪山に囲まれたカルデラ地形
の中だろうか」
リリア「凄いですね」
勇者「滝の中のトンネルを抜けると、そこは別世界だった」
ナタリー「なんか聞いたような言葉ね」
リリア「このどこかにクアール最高導師様がいらっしゃるのでしょうか?」
コンラッド「大神官様から頂いた、導きの羅針盤が反応しています」
リリア「それは何ですか?」
コンラッド「どうやら魔力に反応するようでして、最高導師様の居場所を指し示す
そうです」
リリア「魔力ならナタリーも持ってますよね」
ナタリー「あたしなんかクアール様の足元にも及びませんよ」
勇者「だよな、羅針盤も全然反応しねえし、そもそも売春婦だろ」
コンラッド「売春婦にこだわるんですね」
勇者「日本軍性奴隷制被害者と言わないだけましだろ」
コンラッド「とにかく、羅針盤が指し示している方角に向かいましょう」
リリア「クアール様は本当にいらっしゃるのでしょうか?」
ナタリー「ここまで来たんだもの。信じて進むしかないでしょ」
ナレ1「羅針盤の示す方向へと歩むこと5時間、日が暮れ始めた来た」
コンラッド「今日はここで野宿しましょう」
勇者「ちょっとおかしくないか?」
リリア「なにがですか?」
勇者「足が棒になるほど歩いたというのに、反対側にたどり着かないってのはよお。
そんなに広い窪地じゃないだろ?」
コンラッド「気づいてましたか」
勇者「気づくさ。見た目、1時間もあれば端まではおろか、周囲をぐるりと回れる
はずだぜ」
ナタリー「だって結界の中を進んでいるんだものね」
勇者「結界だって?」
ナタリー「隠遁していらっしゃるクアール様が、そうそう簡単に人里の者と会うは
ずがないでしょ。この結界は、私達の本気度を試してらっしゃるのよ」
リリア「本気度ですか?」
ナタリー「そうよ。今日は歩かされるだけだったけど、明日からは強力なモンス
ターをぶつけてくるかもね」
勇者「分かった!引き返そうぜ」
コンラッド「さあ、今日はもう休んで明日に備えましょう」
勇者「おい、聞いてんのかよ」
ナタリー「さあ、寝よう寝よう」
ナレ1「勇者を無視して、野宿の支度をはじめる一行だった。やがて夜が更け、朝
が来る」


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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 58
2019.09.11


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 58


ナレ2「コンラッドが放った矢は、見事滝のそばの木に絡まった」
ナタリー「やったね!」
コンラッド「さてと、ここからが大変ですよ(ロープを軽く引いて、しっかりと木
に掛かっているのを確認する)」
リリア「どうするんですか?」
コンラッド「このロープを伝って向こうの崖に渡ります(言いながら、ロープのも
う片端を近くの木に結び付けた)」
ナタリー「大丈夫ですか?」
コンラッド「見ていてください(とロープを伝って渡り始める)」
ナレ1「弛んだロープは川面に浮かび、コンラッドはそれを伝って慎重に川の中を
渡ってゆく」
ナレ2「やがて滝の真下脇にたどり着くと、真上の木に向かって登り始めた」
ナレ1「木にたどり着くと、掛かっているロープをピンと張るようにしっかりと結
びなおした」
ナタリー「大丈夫ですか?(大声で)」
コンラッド「大丈夫です(大声で返す)ちょっと中を見てきます」
ナレ1「コンラッドのいる木から洞窟の穴までは、少し距離があったが、ロープの
残りを身体に縛り付けて安全を確保して、慎重に壁伝いに洞窟へ渡った」
ナレ2「危なげにも無事に洞窟にたどり着いたコンラッドは、身体に縛り付けてい
たロープを外して、洞窟内にまで根を張っていた木に結び付けた」
コンラッド「さてと、洞窟は……だいぶ先まで続いているようだな」
ナレ1「残した者達のことも気になるが、まずは洞窟内を調べることが肝心だ。行
き止まりだったら全員で来ても意味がない」
ナレ2「30分ほどして、コンラッドが洞窟入り口に出てきた」
リリア「コンラッドさん!どうでしたか?」
コンラッド「今から戻りますよ」
ナレ1「レスキュー隊よろしく、するするとロープを伝って一行のいる対岸へ戻る
コンラッド」
勇者「すごいな、まるで猿だな」
リリア「勇者さん、失礼ですよ」
コンラッド「いいんですよ。気にしません」
ナタリー「それで洞窟の中はどうでしたか?」
コンラッド「行けば分かりますが、ビックリしますよ」
勇者「なんだ、意味深だな」
リリア「このロープを渡るんですか?(怖気づいている)」
コンラッド「大丈夫ですよ。ここにもう一つのロープを用意します。張ったロープ
を通すように輪っかを作ってもう一方を勇者さんの身体に巻き付けます。そしてグ
イと押し出すと」
勇者「な、何をするんだ。あ、ああ!」
ナレ1「スーっと勇者は、ロープを伝って前へ進んでいく」
ナタリー「これが本当のロープウェイね」
勇者「馬鹿野郎!なんてことすんだよお(大声で叫んでいる)」
コンラッド「そこから洞窟へ入って下さい。入ったらロープを外して(大声で)」
勇者「分かったよ。こんなところにいつまでもぶら下がってられっかあ!」
ナレ1「言われた通りに洞窟へ飛び移り、身体のロープを外す勇者。それを見届け
て、ロープに括り付けていた補助紐を引くと、移動用ロープは戻ってくる」
コンラッド「リリアさん。今のように渡って下さい」
リリア「ええ!あたしもですか?」
ナタリー「行くしかないでしょ。元の身体に戻りたければね」
リリア「(じっと考え込んでいたが)分かりました。行きます」
ナレ1「おっかなびっくりだが、意を決してロープを巻き付け飛び出した」
ナレ2「見事無事に洞窟へ渡り、続いてナタリー、そしてコンラッドと全員が洞窟
へ渡るのに成功した」


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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 57
2019.09.10


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 57


コンラッド「ここで議論していても仕方がないですが……どうしたものか」
ナタリー「見て!(指さして)滝のそばに結構丈夫そうな木が生えてます」
リリア「ええ、確かに見えますね」
ナタリー「あれにロープを引っ掛けることができないでしょうか?」
コンラッド「そうか、その手がありましたか」
勇者「どういうことだよ」
コンラッド「あの木にロープを引っ掛けられれば、ロープを伝い川の中を渡ってい
けますよ」
リリア「どうやってロープを?」
コンラッド「弓と矢を使います」
リリア「でもパーティーに弓使いはいませんが」
コンラッド「任せてください。皆さんはそこで待っていて下さい(というと森の中
に分け入った」
ナレ1「森の中から木を切るような音が響く」
ナレ2「やがて戻ってきたコンッドの手には、丈夫そうな竹と蔓そして木の棒が握
りしめられていた」
リリア「それは何ですか?」
コンラッド「弓矢を作るんですよ」
リリア「作れるんですか?」
コンラッド「まあ、見ていて下さい。それから火を起こしてくれませんか?」
リリア「分かりました。木々を拾ってきます」
ナレ1「竹をナイフで適当な長さに切り、3センチ幅に縦割りするコンラッド」
ナレ2「切り揃えた割竹の節を丁寧に削って滑らかにする」
リリア「木々を拾ってきました」
コンラッド「ありがとうございます。火を起こして熱湯を作って下さい」
リリア「わかりました」
ナレ1「言われた通りに火を起こして、飯盒でお湯を沸かすリリア」
ナレ2「その間にも着々と弓矢作りに専念するコンラッド」
リリア「お湯が沸きましたよ、コンラッドさん」
コンラッド「ありがとう」
ナレ1「と言うと、金属製の手付きコップに水を入れて、荷物袋から取り出した乾
燥ニカワを湯煎する」
ナレ2「飯盒の熱湯によって、コップの中のニカワが溶け始めて粘着性を帯び始め
る」
ナレ1「ちなみに、ニカワはバイオリンなどの楽器の組み立てにも使われ、経年劣
化の少ない良質の接着剤として利用されてきた。また止血にも使われる他、主成分
がゼラチンなので食用としても用いられる。旅の必需品である」
コンラッド「よし、いいだろう」
ナレ1「溶けたニカワを使って、数本の割竹を張り合わせ始める。」
ナレ2「用の済んだ飯盒を片付けて、竹を火で炙りながら少しづつ曲げてゆき、適
当な具合で両端に蔓を取り付けて弦を張る」
ナレ1「続いて矢の製作に取り掛かる」
ナレ2「こちらは簡単だ。先を尖らせて、後ろにロープを結ぶだけだ。そして弓矢
が完成した」
リリア「出来たのですか?」
コンラッド「出来ましたが、たぶん一発限りで壊れるでしょう」
勇者「なんだよ、それって……」
コンラッド「あの木に届きさえすれば、一発あれば十分です」
勇者「で、誰が弓を引くんだ?」
コンラッド「君が引きますか?」
勇者「俺は遊び人だぜ。弓を使えるわけないだろ」
コンラッド「でしょうね。私がやりますよ」
ナレ1「と言うなり、弓矢を構えるコンラッド」
ナレ2「きりりと表情を引き締めて、弓矢の投射態勢に入るコンラッド」
リリア「コンラッドさん……(成功しますようにと祈る」
コンラッド「えい!(とばかりに、弓を射る)」
ナレ1「ロープの繋がれた矢は一直線に例の木へと突き進む」


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