冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 59
2019.09.12


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 59


勇者「で、洞窟の先には何があるんだ?」
コンラッド「進みます。行けば分かります」
勇者「同じこと言うんだな。訳ありか?」
ナタリー「いいじゃない、行けば分かるというんだから」
ナレ1「というわけで、ともかく洞窟内を前へと進みだす一行だった」
ナレ2「ピトピトと地下水が染み出る洞窟を突き進んでいくと、前方に光が見えて
きた」
リリア「出口だわ!」
ナレ1「出口が見えたということで、自然足早になるのだった」
ナタリー「出たわ!」
リリア「何よ、これは!」
ナレ1「目の前には、見渡す限りの原野が広がっており、周りは崖が取り囲んで中
心には大きな湖が青い水をたたえていた。いわゆる外輪山に囲まれたカルデラ地形
の中だろうか」
リリア「凄いですね」
勇者「滝の中のトンネルを抜けると、そこは別世界だった」
ナタリー「なんか聞いたような言葉ね」
リリア「このどこかにクアール最高導師様がいらっしゃるのでしょうか?」
コンラッド「大神官様から頂いた、導きの羅針盤が反応しています」
リリア「それは何ですか?」
コンラッド「どうやら魔力に反応するようでして、最高導師様の居場所を指し示す
そうです」
リリア「魔力ならナタリーも持ってますよね」
ナタリー「あたしなんかクアール様の足元にも及びませんよ」
勇者「だよな、羅針盤も全然反応しねえし、そもそも売春婦だろ」
コンラッド「売春婦にこだわるんですね」
勇者「日本軍性奴隷制被害者と言わないだけましだろ」
コンラッド「とにかく、羅針盤が指し示している方角に向かいましょう」
リリア「クアール様は本当にいらっしゃるのでしょうか?」
ナタリー「ここまで来たんだもの。信じて進むしかないでしょ」
ナレ1「羅針盤の示す方向へと歩むこと5時間、日が暮れ始めた来た」
コンラッド「今日はここで野宿しましょう」
勇者「ちょっとおかしくないか?」
リリア「なにがですか?」
勇者「足が棒になるほど歩いたというのに、反対側にたどり着かないってのはよお。
そんなに広い窪地じゃないだろ?」
コンラッド「気づいてましたか」
勇者「気づくさ。見た目、1時間もあれば端まではおろか、周囲をぐるりと回れる
はずだぜ」
ナタリー「だって結界の中を進んでいるんだものね」
勇者「結界だって?」
ナタリー「隠遁していらっしゃるクアール様が、そうそう簡単に人里の者と会うは
ずがないでしょ。この結界は、私達の本気度を試してらっしゃるのよ」
リリア「本気度ですか?」
ナタリー「そうよ。今日は歩かされるだけだったけど、明日からは強力なモンス
ターをぶつけてくるかもね」
勇者「分かった!引き返そうぜ」
コンラッド「さあ、今日はもう休んで明日に備えましょう」
勇者「おい、聞いてんのかよ」
ナタリー「さあ、寝よう寝よう」
ナレ1「勇者を無視して、野宿の支度をはじめる一行だった。やがて夜が更け、朝
が来る」


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