冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 58
2019.09.11


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 58


ナレ2「コンラッドが放った矢は、見事滝のそばの木に絡まった」
ナタリー「やったね!」
コンラッド「さてと、ここからが大変ですよ(ロープを軽く引いて、しっかりと木
に掛かっているのを確認する)」
リリア「どうするんですか?」
コンラッド「このロープを伝って向こうの崖に渡ります(言いながら、ロープのも
う片端を近くの木に結び付けた)」
ナタリー「大丈夫ですか?」
コンラッド「見ていてください(とロープを伝って渡り始める)」
ナレ1「弛んだロープは川面に浮かび、コンラッドはそれを伝って慎重に川の中を
渡ってゆく」
ナレ2「やがて滝の真下脇にたどり着くと、真上の木に向かって登り始めた」
ナレ1「木にたどり着くと、掛かっているロープをピンと張るようにしっかりと結
びなおした」
ナタリー「大丈夫ですか?(大声で)」
コンラッド「大丈夫です(大声で返す)ちょっと中を見てきます」
ナレ1「コンラッドのいる木から洞窟の穴までは、少し距離があったが、ロープの
残りを身体に縛り付けて安全を確保して、慎重に壁伝いに洞窟へ渡った」
ナレ2「危なげにも無事に洞窟にたどり着いたコンラッドは、身体に縛り付けてい
たロープを外して、洞窟内にまで根を張っていた木に結び付けた」
コンラッド「さてと、洞窟は……だいぶ先まで続いているようだな」
ナレ1「残した者達のことも気になるが、まずは洞窟内を調べることが肝心だ。行
き止まりだったら全員で来ても意味がない」
ナレ2「30分ほどして、コンラッドが洞窟入り口に出てきた」
リリア「コンラッドさん!どうでしたか?」
コンラッド「今から戻りますよ」
ナレ1「レスキュー隊よろしく、するするとロープを伝って一行のいる対岸へ戻る
コンラッド」
勇者「すごいな、まるで猿だな」
リリア「勇者さん、失礼ですよ」
コンラッド「いいんですよ。気にしません」
ナタリー「それで洞窟の中はどうでしたか?」
コンラッド「行けば分かりますが、ビックリしますよ」
勇者「なんだ、意味深だな」
リリア「このロープを渡るんですか?(怖気づいている)」
コンラッド「大丈夫ですよ。ここにもう一つのロープを用意します。張ったロープ
を通すように輪っかを作ってもう一方を勇者さんの身体に巻き付けます。そしてグ
イと押し出すと」
勇者「な、何をするんだ。あ、ああ!」
ナレ1「スーっと勇者は、ロープを伝って前へ進んでいく」
ナタリー「これが本当のロープウェイね」
勇者「馬鹿野郎!なんてことすんだよお(大声で叫んでいる)」
コンラッド「そこから洞窟へ入って下さい。入ったらロープを外して(大声で)」
勇者「分かったよ。こんなところにいつまでもぶら下がってられっかあ!」
ナレ1「言われた通りに洞窟へ飛び移り、身体のロープを外す勇者。それを見届け
て、ロープに括り付けていた補助紐を引くと、移動用ロープは戻ってくる」
コンラッド「リリアさん。今のように渡って下さい」
リリア「ええ!あたしもですか?」
ナタリー「行くしかないでしょ。元の身体に戻りたければね」
リリア「(じっと考え込んでいたが)分かりました。行きます」
ナレ1「おっかなびっくりだが、意を決してロープを巻き付け飛び出した」
ナレ2「見事無事に洞窟へ渡り、続いてナタリー、そしてコンラッドと全員が洞窟
へ渡るのに成功した」


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