冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・17
2020.02.18

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・17



ナレ「ラダトーム城で旅の打ち合わせをする一行」
王子「どうしますか?」
勇者「陸伝いでは、もう行くところがねえようだ。旅の扉も金の鍵がないとダメだし。舟
で行けるところまで行くしかない」
王女「ちょっと、いいですか?」
勇者「なに?」
王女「迷った時には原点に戻れ、って良く言いますよね?」
勇者「原点?ルーラシア城か?」
王子「そういえば、以前勇者に会いに行った時に、旅の扉を見かけましたけど……入って
みましたか?」
勇者「いや、入ってないぞ。旅の扉というものすら知らなかったからな」
王子「行ってみませんか?」
勇者「そうだな。行こう」
ナレ「というわけで、ルーラでルーラシア城に戻る」
勇者「あった、あった。こんな所にあったとは、灯台下暗しだな」
王子「ともかく入ってみましょう」
ナレ「ルーラシア城からの旅の扉の行き着く先は?」
勇者「なんだ、何もないぞ。ただの孤島じゃないか」
王女「東の方に島が。町も見えますよ」
王子「世界地図で場所を確認しましょう」
ナレ「ステータスから世界地図を確認する」
王女「ルーラシア城からはるか南に行った場所ですね」
勇者「つまり舟で、ルーラシア城から南へ出発しろということか」
王子「そのようです」
勇者「考えても仕方がないな。行動あるのみだ。城に戻るぞ」
ナレ「ルーラシア城に戻り、舟に乗って大航海に乗り出したのだった
勇者「なーみをちゃっぷちゃっぷかきわけて♪」
王女「ごきげんですね。何の歌ですか?」
勇者「ぴょっこりぴょうたん島」
王子「ちょっと歌詞が違うようですが」
勇者「いいんだよ、JASRACがうるさいから。お!島が見えたぞ。町もある」
王子「原点に戻れと進言した王女の功績です」
王女「仲間ですから」
勇者「この島の存在はどこにもヒントがない!ルーラシア城の旅の扉から飛んだ孤島で、
世界地図を使って初めて発見できる。まさしくゲームクリエイターの作為そのものだな。
運命の神は自分の手で掴めということ」
王子「早く町に入りましょう」
勇者「そうだな。台風に合わないうちに上陸するぞ。長旅の末に沈没じゃたまらん」
王女「たいふう、ってなんですか?魔物の一種ですか?」
勇者「まあ、有体に言えばそうかもな。絶対に倒すことが出来ず、猛烈な攻撃を耐え忍ん
で、通り過ぎるのを待つだけの怪物だ」
王子「倒せない魔物がいるなんて……」
勇者「だから、さっさと舟を降りよう」
王女「そうしましょう」
ナレ「押っ取り刀で上陸し、町に入る一行」
女 「漁師町ザハンにようこそ。今、男たちは漁に出ていて、留守でございますわ」
勇者「ここは、ザハンというのか。にしても男がいない?もしかして酒池肉林か?」
老人「ええのう、ここは女ばかりの町じゃ。ええのう、実にええのう」
勇者「おおともよ。あんたも、そう思うか?うししっ」
ナレ「以心伝心。二人は顔を合わせて笑う」
王女「男どもはどうしようもないわね」
ナレ「あきれ返る王女だった」
王子「このザハンの町は、どの町を巡っても一つのヒントも得られなかった島にある町。
絶対に重要な情報やアイテムが隠されていると思います」
王女「あたしもそう思います。慎重に情報集めをしましょう」
ナレ「町人から知らされる情報を、一つ残らず漏らさないようにとメモに取る王子」
商人「実は、この町の男たちの船が魔物に襲われて海のもくずに……私はそのことを知ら
せに来たのですが……おお、神よ!私にはとても言えない!」
王子「その魔物って、たいふうって奴でしょうか?」
勇者「ん?ああ、そうかもな……」
宿女「春になればルークが、私の恋人ルークが漁から帰ってくるんです。ああ、ルーク…
…」
勇者「そんな男は忘れて、この俺としようぜ」
女子「あのね!海のどこかにサンゴに囲まれた洞窟があるんだって。その洞窟に入るには
月のかけらがいるって、おばあちゃんが言ってたわ!」
王子「これは重要な情報ですね。サンゴに囲まれた洞窟、月のかけら……マーク入りでメ
モしておきますね」
男子「ぼく、大きくなったらお父さんみたいな立派な漁師になるんだい!」
勇者「おう、頑張れよ」
主婦「私はタシスンの妻。夫はとても動物好きで、特に犬が大好きでした。でも、3年前
の冬の漁で夫は帰らぬ人と……今あんなことが再び起きぬように、皆が無事に戻ってくる
よう、お祈りしていたところですわ」
勇者「犬か……。王女も犬にされたんだよな。何かありそうだ。お、あそこに犬がいるぞ。
おい、犬!」
犬 「わん、わん」
ナレ「犬が後退すると……」
王子「あ!犬がいたところに、何か落ちていますよ!」
ナレ「拾い上げる勇者」
勇者「カギだ。それも金の鍵だ!!」
王子「やりましたね。これで金の扉が開けられますね」
勇者「よし、町人の話を聞くだけ聞いたら、各地にある金の扉を開けに行こう」
王子「そうね。強力な武器とかあったら、後々の冒険が楽になりますから」
王女「あたしは、強力な杖か防具が欲しいな」
勇者「情報集めを続けるぞ。お?ここは教会か?」
修女「お引き返しあそばせ。神殿を荒らす者には災いが降りかかりましょう」
勇者「そう言われると余計に踏み荒らしたくなるな。後ろに見える通路に何か良いものを
隠しているんだろう」
ナレ「神殿に踏み込もうとする勇者」
王子「ダメです!床が強力なバリアーになっています。一歩踏むだけで、相当なダメージ
を受けます。数歩で全員死亡します」
勇者「ほんとか?」
王子「トラマナという移動呪文がないと……」
勇者「トラマナ?おまえできるのか?」
王子「たぶん出来ますが、まだレベルが足りません」
勇者「しかしなあ……。こういう常人では通れない罠の先には、一級品のアイテムが眠っ
ているものだぞ」
王女「レベルが上がるまで、ここは保留にしておきましょう」
勇者「いや待て!!一歩進むごとに、HPを回復させながら行けば良い」
王子「ずいぶんな荒行ですね」
勇者「通ればリーチだ!」
王子「あの……それ、間違ってますよ。マナー違反とか言われちゃいます」
勇者「おかしいのか?」
王子「はい。ただ、リーチとだけ宣言すれば良いのです」
勇者「詳しいな。やったことあるのか?」
王子「少しだけ」
王女「話がそれてますよ」
勇者「そうだった。とにかく、荒行でバリアーを突破する!」
ナレ「というわけで、荒行を決行した先で見たものは……」
勇者「……鉄格子があるな」
王子「ありますね……」
王女「牢屋のようですわ」
勇者「なんでやねん!バリアーに守られて、しかも鉄格子まで……一体どんなアイテムが
入っているというんじゃあ!!」
王子「ろうやのカギを手に入れるしかないですね」
勇者「おまえ、ルーラで鉄格子の先に飛べ!今飛べ、すぐ飛べ!」
王子「無理ですよお」
勇者「なぜだあ!町から町へと長距離を一瞬
で飛べるのに、なぜ目と鼻の先には飛べな
いんじゃあ!!テレポートしろ!」

ナレ「声を荒げ、文字フォントも色もサイズも変えて叫ぶ勇者だった」
王女「そういうシステムになってますから」
王子「システムです」
ナレ「はい。お二方のおっしゃる通りです」
勇者「ぐぬぬぬっ……」
王子「仕方がないですよ」
王女「荒行も無駄でしたわね」
王子「戻りましょう。ルーラシア城の金の扉を開けに、ルーラ!」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・16
2020.02.17

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・16


勇者「さてと、ラダトーム城に戻ってきたはいいが、次の行き先はどこだ?ってところだ
な」
王子「今までは、道なりに進んで行けば良かったですけど」
王女「それと竜王の助言もね」
勇者「おい、王子。メモしてるよな。町人達の会話の中にヒントはないか?」
王子「それが、今まで会った人の中に、次の行き場所を示すヒントはありません」
王子「ところで竜王の言っていたメルキドの町って、どこにあるんですかね?」
勇者「それなら、ラダトーム城を舟で南下した所にあるよ。ドラクエIでは、ゴーレムが
門番やっててよ、ようせいのふえで消えた……ちょっと寄り道して行くか」
王子「さすが、ドラクエIをプレイしただけありますね。頼りにしてます」
勇者「おだてても何もでねえよ。とにかく舟に乗れ!」
ナレ「しばらく舟で南下したところ」
勇者「おお、このあたりだよ」
ナレ「舟を降りて、メルキドへ向かうことにする」
王子「町なんて見当たりませんねえ」
勇者「おかしいなあ……。半月湖と半月山脈に囲まれたところにあるはずなんだが」
王女「確かに、それらしき湖と山脈はありますが……」
王子「もしかしたら、ハーゴン軍団に破壊されたのでは?」
勇者「ううむ……かもしれないな。しょうがないな、戻ろう」
ナレ「舟に戻り、再び海に漕ぎ出した。海のモンスターと闘いながら進み続けると」
勇者「お!あそこに祠が見えるぞ。行ってみよう」
ナレ「舟を降りて、ほこらに向かう」
王子「どうやら、聖なる祠のようです」
勇者「入ってみよう」
ナレ「祠に入ると、神官が立っており、その先の壇上階段を昇った所に、兜が置かれてい
た」
勇者「おい、おっさん。そこにある兜はなんだ?」
賢者「そなたらがまことのロトの血を引きし者なら、そのしるしがあるはず。愚か者よ、
立ち去れい!」
勇者「なんだと、このやろう!!」
王子「やめてください!(勇者を制止する)」
勇者「なぜ、止める!?こいつを一発殴ってやらないと、気が済まねえ」
王女「あなたの好きなドラクエIでも、ここに居たんじゃないですか?この人」
勇者「え?そ、そう言えば……」
王子「どうやら、その『しるし』とやらを持ってこないといけないようですね」
王女「ここは、とりあえずパスして、先に見える旅の扉に入りましょう」
勇者「なんだ、この渦巻は?」
王女「旅の扉ですよ。知らないのですか?」
勇者「見たことも聞いたこともないぞ。ドラクエIにはなかったからな」
王子「また、それですか?この渦巻に飛び込むと、別の場所に飛ぶんですよ。ワープです
ね」
勇者「大丈夫なのか?」
王女「大丈夫です」
勇者「よ、ようし……」
ナレ「気を取り直して、旅の扉に飛び込むと、燭台の灯る部屋のような所に、さらに三つ
の旅の扉があった」
勇者「また扉だ。しかも三つも……」
王女「ちょっと、あそこを見て。何か光ってるわよ」
勇者「そうか、また、ゲームクリエイターの作為だな」
王子「ちょっと拾ってきます」
ナレ「王子が光る場所を探ると……『太陽の紋章』を手に入れた」
勇者「なるほど。竜王のひ孫が、言っていたのはこれのことだな。しかし、スマホ版は親
切設計だな。重要アイテムが光るんだから」
王女「FC版と違ってセーブや中断もできると言いたいんでしょ」
勇者「その通りだ。ん?外に出られるようだな」
ナレ「外へ出てみると、絶海の孤島のようだった」
王子「何もないですね。おや、北東の方に陸地が見えますが……行く術がないです」
勇者「戻ろうぜ。で、どの扉に入れば元の場所に戻れるんだ?」
ナレ「取り敢えず左の旅の扉に飛び込むと……」
勇者「なんだ。鍵が掛かっているぜ」
王子「どうやら、別のカギが必要ですね」
勇者「戻ろう」
ナレ「真ん中の旅の扉へ」
勇者「お、老人がいるぞ」
老人「パーゴンの神殿は、来るものにやすらぎをあたえると聞く。しかし、それはまぼろ
しじゃ。だまされてはなりませぬぞ。精霊のたすけをえられよ!」
勇者「ここにも禿男がいるな」
禿男「ちっ。まいったまったよ!ここから旅の扉でいろんな場所に行けるけどよ。きんの
カギがないと、どうしようもねえみたいだぜ。いったいどこにあるんだろ……。」
勇者「そうか、金の鍵が必要なのか。ふむ、やはり禿頭は重要な情報を教えてくれるよう
だな」
王女「禿げ、禿げ、って失礼ですよ」
勇者「実際禿げているんだから、しようがないじゃないか」
王子「外へ出られるようですね」
勇者「よし、出てみよう」
ナレ「祠を出ると、森の中」
勇者「ここがどこか、世界地図で確認してみようぜ」
ナレ「スマホ版では、最初から地図を持っていて現在地を確認することができます」
勇者「南の方に、町があるようだな。行ってみよう」
ナレ「祠を出て数歩でモンスターと遭遇した。苦戦するもなんとか倒した」
勇者「だめだ!ここいらのモンスターは強すぎる。まだ俺たちのレベルが低いんだ。ルー
ラでラダトーム城に戻ろう」
王子「分かりました。ルーラ!」
ナレ「一旦ラダトーム城に戻る一行だった」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・15
2020.02.14

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・15


ナレ「ラダトーム城から南へ進路を取ると、やがて小さな島にぶち当たる」
勇者「お、あれが竜王の言っていた島だな」
王子「灯台が見えますね」
王女「たぶん、灯台に目指すものがあるのでしょう」
勇者「よし、行ってみよう」
ナレ「一行が塔に入ると、門番の兵士が立っていた」
兵士「だれに聞いたか知らぬが、そなたたちも紋章を見つけに来たのか?」
ナレ「はい、いいえ、で答えてください」
勇者「いつものとおり、両方聞くがな……。まずは、はい、だ」
兵士「紋章は、ものではなく心のしるし。おのれのつよさの中に、そのしるしがきざまれ
ると聞いている。いったいこれは、どういうことなのだろうか……。」
勇者「ふむ、いいえ、では?」
兵士「ならば立ち去るがよろしかろう。この大灯台の中はまものたちのすみか。とても生
きて出て来れまいぞ!」
勇者「そうか、大灯台という名称なのか。ゲームクリアのためには、昇るしかないだろな」
王子「ゲームクリアとか言わないでくださいよ」
勇者「ま、気にするな」
ナレ「ということで、大灯台の中へと突き進むのであった」
勇者「げっ!やたら入り組んでいるみたいだな。さすが、紋章のある必須ポイントだぜ」
王子「マッピングを開始します」
勇者「よろしく頼むぜ」
ナレ「迷路のような壁に囲まれた塔の中を探索する」
勇者「ミイラおとこ、を倒したがいいが、やたら『ぬののふく』落とす。持ちきれなくて
捨てるしかないぜ( 。・・)/⌒□ポイ」
王子「もったいなけど、仕方ないですね」
勇者「くそっ!行き止まりだぜ」
王子「壁がいつもと違います。どこかに隠し通路があるのでしょう」
王女「そういう時は、片手壁伝いで確認するのが常道ですよ」
勇者「忘れていたぜ。右手を壁に宛てながら歩くと……。あった!隠し通路だ」
王子「あ、階段があります」
王女「昇りましょう」
勇者「いや待て!最初に出てくる階段は、外れというのがセオリーだ。見れば隠し通路が
ある。その先に行ってみよう」
ナレ「言う通りに先に行くと、十字路になっていて、それぞれの辻に階段があった」
王子「階段が四つ。どれを上がりますか」
勇者「こういう時は、一番奥の方と決まっているさ」
王女「リーダーに任せます」
王子「とにかく上に上がりましょう」
ナレ「モンスターを倒しながら着実に上の階へと進んでゆく」
勇者「塔の縁を歩くのは辛いな。うっかり外へ落ちそうになる」
王女「一歩一歩、慎重に歩きましょう」
勇者「こういう時は、スマホ版のコントロールシステムはダメだな」
王子「ゲームパッドが欲しいですね」
王女「もう、王子も毒されましたか?」
王子「あ、いや。済みません(*- -)(*_ _)ペコリ」
勇者「何とか、5階まで来たけど、モンスターが強くなってきたな」
王子「6階に来ましたが、扉がありますね」
勇者「銀の鍵で開くかな?」
王子「開きました」
勇者「よし!いいぞ」
王子「7階に来ました」
王女「さらにモンスターが強力になりましたね。ゴールドオークの攻撃力は強力です」
勇者「むっ!なんか、モンスターがいるぞ!」
王子「話しかけてみますか?」
勇者「戦闘になるか、重要なヒントをくれるか、二者択一だな」
ナレ「近づこうと、一歩進むと、モンスターは壁の中に消えた」
王子「隠し通路に消えましたね」
王女「追ってみましょう」
勇者「そうだな、他に行き場所ないからな」
ナレ「隠し通路に入ると、翁が立っていた」
王子「あれ?さっきのモンスターは?」
翁 「いやいや、何もいわなくても、じじいには分かっておりますとも旅の人!ほっほっ
ほっ……。ついて来なされ。紋章のある場所へ案内してさしあげましょう!」
王女「怪しいですね」
勇者「だからといって前に進むしかない。じじいの後を追うぞ」
王子「下への階段があります。それも二つ」
王女「じいさん、角の側の階段から降りましたよ」
ナレ「翁の後を追いながら、下へ下へと階段を降りてゆく」
勇者「しかし、塔の縁ばかりの道行だな。落ちるのを待っているみたいだ」
王子「気を付けましょう」
勇者「おっ!やっとこ着いたみたいだな。宝箱が見えるぜ」
王子「おじいさんも宝箱の側に立っています」
王女「さあ、宝箱を開けよ。とばかりに誘ってますね」
勇者「罠かも知れないが、行くっきゃないだろ」
翁 「さあ、あの宝箱を開けなされ。」
勇者「ふむ、期待通りだな。とにかく開けるとしよう」
王女「その前に、体力を回復しておきましょう」
王子「そうですね。罠かも知れませんから」
勇者「よし、回復した。開けるぞ!」
ナレ「勇者は、宝箱を開けた。中はからっぽだった。」
翁 「ケケケ……!ひっかかったな!ここが、お前たちの墓場になるのさ!」
ナレ「グレムリンが4体現れた」
王子「やっぱり、罠でしたね」
王女「見え透いた罠です」
勇者「よっしゃあ!ここまでたどり着いた我々に負ける気がしないぜ!」
ナレ「こうして、グレムリンの火の息攻撃や、ラリホーの眠り攻撃に苦戦しながらも、何
とか倒すことに成功したのだった」
王子「何か落としましたよ」
ナレ「なんと、グレムリンたちは、紋章のひとつをかくし持っていた!勇者は『星の紋
章』を手に入れた!」
勇者「ちょっと待て!手に入れたっつうけど、手に持ってないぞ。王子、もってるか?」
王子「持ってません」
王女「あたしもです」
勇者「なんでやねん?」
王子「そういえば、門番の兵士が言ってましたよね」
兵士「紋章は、ものではなく心のしるし。おのれのつよさの中に、そのしるしがきざまれ
ると聞いている。いったいこれは、どういうことなのだろうか……。」
王子「おのれのつよさの中って言ってましたから。ステータスを見ろということじゃない
でしょうか?」
勇者「なるほどな……メニューの中の『つよさ』のところに☆マークが現れてるぞ」
王女「それが紋章を獲得したという証ですね」
王子「竜王は、五つの紋章を集めよ、と言っていましたから、後四つ集めなきゃいけない
ですね」
勇者「ともかく一旦ラダトーム城に戻ろう。王子、頼む!」
王子「リレミトとルーラですね。分かりました」
ナレ「こうしてラダトーム城に戻る一行だった」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・14
2020.02.13

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・14


ナレ「川を渡り、毒沼を越えて竜王城へとやってきた一行」
勇者「さて、まずはロトの剣を手に入れるぞ!」
王子「竜王に会いに行くのではないのですか?」
勇者「それは後回しだ。レベルアップも兼ねて、先に剣を見つける」
王女「ロトの剣があるという確証は?」
勇者「ドラクエIをプレイしたからな」
王子「なんですか、それは……」
勇者「とにかくだ。城に入ったら、マッピング頼むぞ」
王女「Iをプレイして覚えてないの?」
勇者「俺が、記憶力いいと思うか?それに、Iから百年も経っているんだ。マップも変わ
っているかもしれん」
王子「はあ……わかりました」
ナレ「マッピングをしながら、城内を探索する一行。グレムリン4体の出現に手こずり、
何度も全滅を繰り返しながらも、念願のロトの剣を手にするのだった」
勇者「取ったど~!!(剣を高々と掲げる)」
王子「おめでとうございます。じゃあ、リレミトで脱出しますか?」
勇者「おう……ってか、いつリレミト覚えたんだ?」
王子「ついさっきですが」
勇者「でかしたぞ。おまえって、意外と便利な奴だな。戻ったらカツ丼奢ってやるぞ」
王子「そんなもの、この世界にありませんよ。リレミト!」
ナレ「竜王城を脱出して、一旦ラダトーム城へと帰還する」
勇者「よおし、カツ丼も食ったことだし、今度は竜王に会いに行くぞ!」
王子「ソレ、どこで食ったんですか?」
勇者「気にするな。ナレーションの大好物だそうじゃないか」
王子「そうなんですか?」
ナレ「ええ、まあ……」
王女「意外と俗物的なんですね」
ナレ「ほっといてください!」
勇者「腹ごしらえも済んだし、出発だあ!」
ナレ「再び竜王城に戻ってきた一行」
王子「前回の探検で、おおよそのマップが出来上がっています」
勇者「そうか、前回使わなかった階段を昇り降りすればいいんだよな」
王子「はい。3階からですが」
勇者「うん……(考え込んで)このロトの剣、おまえにやる!(剣を王子に手渡す)」
王子「えええ!いいんですか?」
勇者「ああ。鉄の槍じゃ、心もとないだろ?俺は、同じ攻撃力のおおかなづちで十分だ」
ナレ「なんとまあ!珍しくパーティー思いの行動をしましたね」
勇者「うるせえ!リレミト覚えてて、回復役のこいつが必要だからだ」
王子「ありがとうございます。ありがたく頂いておきます」
ナレ「こうして、竜王城の最深部へと突き進み、竜王の前へと歩み出たのであった」
竜王「よく来た、勇者よ。わしが王の中の王、竜王のひまごじゃ。最近パーゴンとかいう
者が、えらそうな顔をして、はばをきかせていると聞く。じつにふゆかいじゃ!もし、わ
しにかわってパーゴンをたおしてくれるなら、いいことを教えるがどうじゃ?」
ナレ「はい、いいえ、で答えてください」
勇者「いいえ、と答えたら?」
竜王「そうかいやか……。おまえはいがいと心のせまいやつだな。では、もう何もいわぬ。
行くがよい。」
王子「何言ってるんですか?ここまで来て、知らんぷりんはないでしょ!」
勇者「うるさいなあ!じゃあ、はい、だ」
王女「なによ、その言い方は?」
勇者「間違った選択をして、ゲームオーバーになったり、スタート地点に戻されることは
ないからな」
王女「勝手になさい!」
竜王「ほほう。やってくれるかっ!では、5つの紋章をあつめよ。さすれば精霊の守りが
えられるという。かつてメルキドと呼ばれた町の南の海に、小さな島があるはず。まず、
そこへ行け!その島は、この城からまっすぐ南へ進めばたどりつけるはずじゃ!紋章をあ
つめ、精霊のチカラをかりなければ、パーゴンはたおせまいぞ!」
勇者「紋章集めか……ドラクエⅢでいう所の、オーブ集めに相当するのだな」
王女「なんのことを、おっしゃっているのでしょうか?」
勇者「いや、こっちの話。気にするな。さあ、南の島へ向かってGO!だ」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・13
2020.02.12

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・13


ナレ「東の海を渡りアレフガルドの国に入った一行の向かった先は、ラダトーム城」
勇者「おや、南に見える城は確か……」
王子「竜王の城ですよ」
勇者「そうか。ドラクエ Iのラスボスのいる所だな。ロトの剣があるはずだが」
王女「そこへ渡るには舟がいりますね」
王子「東の海に置いてきました」
ナレ「ちなみに、ラダトーム城へ歩いてきた場合には舟が側にないので、セーブした後ル
ーラで戻ってくると、城の側に舟は現れます」
勇者「おお、珍しく解説してくれたな。サンキューだ」
ナレ「どういたしまして。城の中に入る一行であった」
勇者「ここがラダトーム城か……。なんとなく懐かしく感じるな。そうそう、このBGM
だよ」
王女「来たことがあるのですか?」
勇者「いや、ない。が、血が騒ぐってやつかな」
王子「なるほど。ロトの血を継いでいるから?」
勇者「どうでもいいや。とにかくだ、確かMP回復じいさんが……おお、いたいた」
MP翁「おお、古き言い伝えの勇者の子孫たちに光あれっ!(ピカピカ)」
ナレ「全員のMPが回復した」
王子「なんでご存じだったのですか?攻略本に書いてあったのですか?」
勇者「なあに、ドラクエIは何度もやって覚えていたよ」
王女「ドラクエI?」
勇者「気にするな。さ、情報収集だろ?」
ナレ「城下町内で、手当たり次第に聞きまくる一行だった」
町人「あなたがたは、もしやロトの勇者の子孫の方々ではっ!?」
ナレ「はい、いいえ、で答えてください」
勇者「俺の名は勇者だ。それが答えだ」
町人「おお!やはりそうでしたか!ラダトームの地にお帰りなさいませっ!」
勇者「ちなみに、いいえと答えると」
町人「なーんだ。また人ちがいか……。」
勇者「おい、そこの娘。セックスしようぜ」
娘 「むかしむかし。この城にいたローラ姫さまは……世界を救った一人の若者に連れら
れ旅に出たと伝えられています。いったい、あれからどれだけの年月が過ぎたでしょう
か……。おかえりなさいませ!わがアレフガルドに!」
勇者「やっぱり、決まり文句しか言わないか」
王女「あそこの鍵のかかった建物はなんでしょうか?」
勇者「行ってみよう」
店子「ここは、おさいほうの店です。あまつゆのいとはいりませんか?」
王女「あまつゆのいと?それ、ください!(と、身を乗り出す)」
勇者「なんだそれ?」
王女「知らないのですか?水の羽衣を作る材料ですよ」
勇者「はごろも?缶詰メーカーか?」
王女「バカ(小声で呟く)」
店子「あら?どうしましょう。ちょうどきらしておりましたわ。あまつゆのいとは空の
めぐみ。風に運ばれドラゴンのつのと呼ばれる塔の北側の3階にいつも落ちているのです
が……。」
勇者「だそうだ。残念だったな」
王女「ドラゴンのつのに行きましょう!」
勇者「おいおい。まさか、その、あまつゆのいと、とやらを取りに行くのか?」
王女「もちろんです!」
王子「行きましょう。南の塔6階を昇ってこれたんですから、北の塔の3階は楽勝でしょ
うから」
勇者「しょうがねえなあ。財宝のことも気になるが、レベルアップを兼ねて行ってやるよ」
ナレ「というわけで、ドラゴンの角北の塔を難なくクリアして『あまつゆのいと』を手に
ラダトーム城に戻ってきた」
勇者「お、端折りおったな」
王子「商人の財宝となれば、やはり商人に聞くのがセオリーでしょう。あそこに商人らし
き人がいます」
商人「しずんだ財宝の話を知っていますか?」
ナレ「選択肢が出ています。はい、いいえ、で答えてください」
勇者「おお、ナガプルの商人から聞いているぞ。はい、だ!」
商人「海のどこかがキラリと光ったなら、そこに財宝がしずんでいるという話ですよ。」
勇者「ちなみに、いいえと答えたら……いや、それは読者(プレイヤー)にお任せしよう」
王子「なんだかなあ……」
勇者「というわけで、財宝探しに出かけるぞ!」
王子「と言われてもどこへ向かえばいいのですか?」
勇者「まあ、北か南しか行けないからな……。よし、北だ」
王女「北ですか。その根拠は?ただでさえ海の魔物は強力ですから」
勇者「おう、なんとなくだ」
王子「いつもながら、いい加減」
勇者「この物語もいい加減だからな」
ナレ「一旦ルーラでナガプルへ飛んで、そこから北へ北へと舟を進ませる」
勇者「見ろよ!光っている所があるぞ。ラーの鏡を見つけた毒沼と一緒だ。ただしスマホ
版だがよ」
王子「また、ゲームクリエイターの作為ですか?そして、わたしに潜れと?」
勇者「いや、今度は俺が潜る!」
ナレ「勇者は舟からとびおりもぐっっていった。なんと!ふねのざいほうを手に入れた!」
勇者「よし!ルーラでナガプルへ戻るぞ」
ナレ「港にいる商人に財宝を渡すと」
商人「おお!これはしずんだ舟の財宝!これで私は破産せずにすみますよ!ありがとうご
ざいました!お礼にわが家の宝、やまびこのふえを、さしあげましょう。」
勇者「ありがたく頂いておこう。他に何かくれよ」
商人「そのせつは、どうもどうも。おかげで助かりました。私も、これからはお金をため
ることばかりではなく。この町の人たちのために使う道を考えてみますよ。」
王女「もう、少しは遠慮してください」
ナレ「と、勇者の袖を引っ張って部屋を出る」
勇者「やまびこのふえ、とやらを貰ったのはよいが、どうやって使うのだ?おい、ナレー
ション、答えろ!」
ナレ「ある場所で、それを吹くと、ある物が見つかりますよ」
勇者「ある場所、ある物、って何だよ?」
ナレ「そうですねえ……竜王なら知っているかもですよ。聞いてみたら?」
ポチッとよろしく!

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