あっと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-9
2020.02.03

あっと! ヴィーナス!!第二部


第二章 part-9

「ふわっはっは!これは参ったな」
 と大笑いするアポロ。
 キョトンとする弘美。
「そいつが、愛をさらった誘拐犯のアポロよ」
「それは本当か?」
「インディアン、嘘つかない……」
「ローン・レンジャーかよ」
「いやね、神夜映画劇場で地上放送の再放送やっているのよ」
 ヴィーナスが解説する。
「なんだよ、その神夜映画劇場ってのは」
「知らないのかよ。天上界で人気の映画シリーズだぞ。天上界でも地上界の放送番組と契
約して再放送しているんだよ。今大人気なのが【神劇の巨人】というアニメだな」
 今度は、ディアナが説明する。
「知るわけねえだろ!天上界のことなんか」
「だよな」
「そんなことどうでもいいだろ?こいつが、アポロなんだな?」
「それは間違いない!!」
 ヴィーナスとディアナがほぼ同時に答えた。
「やい!アポロとやら、愛を返せ!!」
 単刀直入に詰問する弘美。
「ほう……。なかなかシャイな娘だね」
 反対の異義語で答えるアポロ。
「君って面白いね。たまには風変わりなのもいいかもな」
「返すか返さないのか、どっちなんだ!?」
「そうだね……。君が僕の妻になってくれるというなら、考えてもよい」
「つ、妻だとお!?」
 顔を真っ赤にして激怒する弘美。
 アポロの思惑はこうだろう。
 ゼウスのお気に入りである、ファイル-Zの娘を自分の妻にすることで、ゼウスに一泡
吹かせてやろうということだ。
 人間には寿命があるので、いくらでも代わりの相手はいる。
「ふざけるなあ!」
 というとアポロの胸倉をむんずと掴み、勢いよく背負い投げをぶちかました。
 それは見事に決まり、
「一本!それまで!!」
 ヴィーナスが宣言する。
 床にもんどりうって転がるアポロは、一体何があったのかという表情をしている。
「ふん!」
 どうだ、参ったか!
 というように勝ち誇る弘美。

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