冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・12
2020.02.11

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・12


勇者「ようやく、港町、ナガプルにたどり着いたぞ」
王女「町人からの情報を集めましょう」
町人「東の海をわたると、アレフガルドの国です。はるか昔、ロトの勇者とローラ姫は、
その国からやって来たそうですよ。」
勇者「ふうん。それくらい知っているわい……」
王子「とにかくメモしておきます」
勇者「おお、ここにも禿げ頭のおっさんがいるぞ!」
王子「またですかあ?」
勇者「当然だよ。リアクションが面白い!そのためのNPCだからな。おい、そこの禿
げ!」
禿頭「男には、用はねえなあ。よお、後ろのねえちゃん!オレと一杯やらねえか?ひっ
く。」
勇者「なんだと!このやろう!!(殴りかかろうとする)」
王子「暴力はやめてください(必死で止めに入る)」
王女「そうですよ。たかがNPCの言葉に過激にならないでくださいね」
勇者「ふん!今度、同じこと言ったら、ただじゃ済まさないぞ!」
王子「とか言いながら、話しかけないで下さいよ」
王女「そうよ。NPC相手に、なに息巻いてるのよ」
王子「さあさあ、情報収集しましょう」
ナレ「勇者の背を押して、その場を離れる」
勇者「お!バニーガールのお姉ちゃんがいるぞ」
バニー「ねえ、あたしってかわいい?だったらぱふぱふしない?」
勇者「おおとも、もちろんだ!」
バニー「本当?うれしいわ。ぱふぱふぱふ。」
勇者「ぱふぱふぱふ。」
バニー「どうもありがとう。気がむいたら、また来てね。」
勇者「ふうっ……。気持ちよかったぞ」
王子「なにやってんですか!?」
勇者「勇者色を好む、って言うじゃないか」
王女「それって、英雄でしょう!」
勇者「そういえば『幸運を呼ぶサロン/色を好まぬ色男』というクエストがあるな」
王女「なにそれ?」
勇者「ドラクエXだよ。知らないのか」
王女「知るわけないでしょ。今はIIなんだから……って、何言わせるのよ!」
勇者「おお、あそこに見えるは舟じゃないか」
王子「通せんぼしているのが管理人かな?」
勇者「おい、じじい!舟を貸せ!」
翁 「ほほう。舟に乗りたいと申されるか?しかし、よそ者には舟をかさぬのが、この町
のならわし。すまんが、あきらめて下され。」
王子「ちょっと、勇者さん!手を振り上げないでください!!」
勇者「俺はまだ何もしてないぞ」
王女「嘘です。今、殴りかかろうとしてました」
勇者「……しようがねえ。他に行くぞ」
ナレ「情報を求めながら、町の北西へ」
王女「見てください。女の子が、ガラの悪い男達に囲まれてますわ」
勇者「ほっておけ。触らぬ神に祟りなし、だよ」
王女「そこの人!なにしてるんですか!?」
ナレ「勇者の態度に、たまらず声を掛ける王女」
勇者「あ、こら!余計なことを」
ナレ「一行に気づいて、駆け寄る娘」
娘 「たっ、たすけてっ!まものたちが私をっ!」
盗賊「ケケケ!その女をわたしなっ!」
ナレ「はい、いいえ。どちらにしますか?」
勇者「ここは、もちろん『はい』だろうな」
王女「何言ってるんですか!助けましょう」
勇者「まあ、待て。族の反応を見よう」
盗賊「ケケケ、バカなやつ……。おまえたちもここで食ってやろう」
ナレ「グレムリンが2体現れた!」
勇者「そう来ると思ったぞ。総員戦闘態勢!」
王子「なに、かっこつけてるんですか!」
ナレ「苦戦するも、なんとかグレムリンを倒すことに成功した」
娘 「あぶないところをどうもありがとうございました。私について来て、どうかうちの
おじいさまにも会って下さいな。さあ、こちらへ」
勇者「おうとも、どこへでもついてゆくぞ。なんなら、ベッドの上でも良いぞ」
王子「何言ってんだか……」
ナレ「娘が二人を連れて行ったのは、運河の管理人のところだった」
娘 「おじいさま、ちょっと……。」
翁 「かわいいまごむすめを助けて下さったそうで、なんとお礼をいってよいやら。おお、
そうじゃ!あなたたちに舟をお貸ししようぞ。このじいいに、できるのはそれくらいじゃ。
どうか自由に乗って下され。……じゃが最近は海がずいぶん荒れてきておる。まずは、東
の海をわたって、アレフガルドの国のラダトーム城を目指しなされ。そこの王さまならき
っと、あなたたちの力になってくれるじゃろう。気をつけて行きなされよ。」
勇者「話が長い!20文字以内にまとめろ!!丁度一行20文字なんだぞ」
王子「あ、済みません。気にしないで下さい」
勇者「と、とにかく……。ありがたく頂いておこう。ついでだが……娘」
娘 「本当に、どうもありがとうございました。これからは、あぶない場所には近づかな
いよう気をつけますわ。」
勇者「ついでだから、一緒に行かないか?」
娘 「本当に、どうもありがとうございました……以下略」
王子「無駄ですよ。NPCだから……」
翁 「気をつけて行きなされよ」
勇者「しょうがねえ……。とにかく頂けるものは頂く」
ナレ「と舟に乗り込む一行だった。ちなみに、族の問いには、どちらに答えても同じ結果
になります」
勇者「何言ってるんだか……お、なんか扉があるな。覗いてみよう」
商人「嵐の夜。財宝をつんだ私の舟がしずみました。私は、たまたま近くを通った舟に助
けられましたが、財宝は海の底に……。もし財宝をひきあげてくれたなら、きっとお礼を
いたしましょう。」
勇者「お礼……ってなんだ?」
商人「嵐の夜。以下略」
勇者「ちぇっ!持ってくればいいんだろ?」
ナレ「商人宅を出る一行」
勇者「さて、これからどこへ向かえばいいんだ?」
王子「町の人が言ってましたよね。東の海を渡ったところにあるアレフガルドの国。そこ
に何かありそうですが」
勇者「ロトの勇者とローラ姫の故郷ってやつか……。しょうがねえ、他に情報はないし、
行くとするか」
王女「確か、攻略本とか持ってましたよね?どうしたんですか?」
勇者「ああ、空飛んだ時に落としちまったよ」
王子「それは残念でしたね」
ナレ「というわけで、東の海を越えたアレフガルドの国へと向かうのだった」
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11
冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・11
2020.02.10

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・11


ナレ「サンペタを出立して、一旦南へサンブルグ城を横目に、さらに西へ『サンブルグ西
のほこら』を経て、西へ西へと果てしなく続く草原を渡る」
勇者「かぶとムカデが出た!しかし、なんて固いやつだ。スクルトかルカナン使えないの
か?」
王子「レベル20にならないとスクルトは覚えられません」
王女「ルカナン、ついさっき覚えましたけど……。1匹や2匹くらいじゃ、MPがもった
いないかもです」
勇者「そうか……。君が言うならそうなのだろうな」
王女「はい」
ナレ「かぶとムカデを倒し、さらに砂漠を越えて海が見えたら、北に進路を変えると塔が
見えてくる」
王女「あれが、ドラゴンの角です」
勇者「よし、二人とも残りのMPは?」
王子「大丈夫です」
王女「わたしも」
勇者「ならば、行くぞ!」
ナレ「ドラゴンのつの、へと入る一行」
勇者「お、誰かいるぞ」
王子「何か情報教えてくれるかも」
勇者「おい、おまえ」
男 「旅の人!知っていますか?」
勇者「知らん!」
男 「ここがドラゴンのつの、と呼ばれる有名なふたごの塔ですよ。なんでも昔は向こう
岸の塔と、つり橋でむすばれていたとか…。しかし今は、このありさま。どうやったらむ
こう岸まで行けるんでしょうね……。」
勇者「風のマントがあれば行けるらしいぞ。ちなみに、はいと答えると」
男 「……。まだ何も話していないのに。ま、いいか」
勇者「と、気のない返事をするぞ」
王女「遊んでないで、急ぎましょうよ」
王子「MPも残り少なってきました」
勇者「おっしゃ!駆け抜けるぞ」
王子「あれ、攻略本見ないのですか?」
勇者「大丈夫だ。ここは単純だから」
王女「でも、吹き抜けに落ちないように気を付けましょうね」
ナレ「というわけで、最上階にたどり着く」
勇者「お、誰かいるぞ」
王子「さっきも、そう言いましたよね」
衛兵「おぬし、かぜのマントを持っておるか?」
勇者「ここは当然、『いいえ』だな」
衛兵「ここからはるか東の風の塔という所に、そのマントはあると聞く。それをつければ、
このような高い所から少しだけ空を飛ぶことができるらしいぞ。」
勇者「おお、解説ご苦労さん。で……」
王子「はい、と答えると……ですね」
勇者「おおよ。おまえも分かってきたな」
王子「どういたしまして」
男 「ならば、それをつけてここから落ちているといい。この高さならむこう岸まで飛ぶ
ことができるかもしれんぞ。」
勇者「そういうわけだ。行くぞ!」
王子「あ、待ってください!」
勇者「それえ~!!」
ナレ「勢いよく空中に飛び出す勇者。一行の落ちた地点は、元の塔の入り口だった」
勇者「あれ?」
王子「何やってるんですか!そらのマントは、ちゃんと装備しなくちゃだめですよ。持っ
ているだけではだめなんです!!」
勇者「あはは、うっかりしてたよ」
王女「うっかりじゃ、済みませんわよ」
勇者「……ともかく、コマンドを開いて、『そらのマント』を装備してと……よし、これ
でよし!さあ、再挑戦だ」
王子「まったく……」
ナレ「ふたたび塔を昇りはじめる」
勇者「おおお、メタルスライムが現れたぞ。やっつけろ!」
ナレ「初のメタルスライムの登場に興奮する勇者」
王女「やった!ダメージ1与えたわ」
勇者「いいぞ、次は王子の番だな」
ナレ「王子の攻撃。会心の一撃!メタルスライムを倒した」
勇者「でかした!王子もやるな!!」
ナレ「1015ポイントの経験値をかくとく。全員それぞれレベルアップした」
勇者「みろ、こうなることを予測して塔から落ちたんだよ」
ナレ「ここぞとばかりに、言い訳を正当化する勇者」
勇者「よし、再び頂上に来たぞ!かぜのマントは……よし!ちゃんと装備してるぞ」
王子「だったら飛ぶのみです」
王女「ちょっと怖いです」
勇者「よし!行けえ~!!」
ナレ「ちなみに飛び降りる時は、塔の北側に向かって跳ぶようにしましょう。西側に飛ぶ
と、塔の入り口に戻ってしまいます」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・10
2020.02.07

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・10


勇者「ふう、やっとこたどり着いたぜ」
王子「これからが正念場ですよ」
勇者「おまえが、リレミト覚えてくれていれば楽だったのだが……ま、死ぬ気で行くっき
ゃないな」
王女「死ぬ気なんていやですよ」
勇者「塔を登っていくうちに、リレミト覚えるだろうさ」
王子「急かさないでくださいよ」
勇者「とにかく入るぞ!」
王女「はい!」
ナレ「こうして序盤の最難関というべき、風の塔攻略に上り始めたのであった」
勇者「お、早速NPCの登場だぞ」
衛兵「塔のがいへきの通路を歩く時は、足元に気をつけろよ。」
勇者「いいえ、と答えたら?」
衛兵「なんと、足を踏みはずして落ちてもいいのか!?そんなにむてっぽうではこの先の
旅が思いやられるぞ。」
王子「はい、と答えると?」
衛兵「なかなか素直なヤツだな。さてはもう足をふみはずして落ちたことがあるのだろ
う。」
王女「何を遊んでいるのですか!」
勇者「王女はまじめだなあ」
王女「これが普通です!」
王子「ところで勇者さん」
勇者「ん?」
王子「片手に何を持ってらっしゃるのですか?冊子のようですが」
勇者「あ、これね。攻略本だよ、塔内のマップを見てるんだ」
王子「そんなズルしていいんですか?私たち、冒険しているんですよね……?」
勇者「何を言うか!こんな入り組んだマップじゃ直ぐに迷子になるぞ。攻略本なしではお
目当てにたどり着けるか!!」
王女「いい加減なんですね」
勇者「いい加減、結構じゃないか」
ナレ「こうして、勇気と知性ならぬ、攻略本のおかげで無事に『風のマント』を入手した
のであった」
勇者「ようし、この調子で最上階にある『いのりのゆびわ』も手に入れるぞ!」
ナレ「レベルアップも兼ねて、塔の宝箱アイテム集めを続ける」
勇者「いのりのゆびわGET!まあこんなもんだろう。塔を出るとしよう」
ナレ「作戦会議?のために、一旦サンペタに戻ってきた」
勇者「さて、これからどこへ向かうべきか?情報はどうなっているか」
王子「済みません……。サンペタの後については、メモがないです」
勇者「そうか……。行き当たりばったりで行くしかないか」
王女「攻略本を見ないのですか?」
勇者「そうそう、攻略本ばかり見ていてはつまらんだろ」
王子「そうですよね。王女ならどうしますか?自国領土内ですよね」
王女「サンペタから西の方角へ道なりに進んでいくよりないでしょう」
勇者「そうだな。そちら方面はまだ行っていなかったな」
王子「装備を整えてから出発しましょう」

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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・9
2020.02.06

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・9


勇者「仲間が増えたのは良いが、これからどこへ行けばいいんだ?」
王子「ヒントなら情報集めの時、禿頭の町人が言ってたじゃないですか」
禿頭「どこかの塔の中に、空を飛べるマントがあるらしいぜっ。そのマントをつけている
と高い所から落ちた時、少しだけ空を飛べるんだとよ。この話はぜったいおぼえておいた
ほうがいいぜ!」
王子「ってね。塔を探しましょう」
勇者「おまえ、記憶力いいな。迷探偵コナンか?」
王子「いやだなあ……。町人から聞いたことを、全部メモしていただけです。冒険の基本
じゃないですか」
勇者「そうか……。俺は、行き当たりばったりでやってきたからなあ」
王女「塔……っていえば、この町から北西へ行き、橋を渡った南の方にありますよ」
勇者「行ったことあるのか?」
王女「ええ、幼い頃によく遊びに行きました。でも、今はハーゴンに襲われて、モンス
ターの巣窟に」
勇者「そこへ行くとするか」
王子「行きましょう!」
勇者「すぐは無理だな」
王子「どうして?」
勇者「どうせ、王女はレベル1だし装備もある程度整えてからでないとな」
王子「王女の装備って……せいなるナイフくらいしかありませんよね」
勇者「とにかく、しばらくレベルアップに励むとするか。せめてこいつ(王子)がリレミ
トを覚えるまでな」
王女「お世話かけます。道のりは遠いですから、出発の際にはキメラの翼を買っておいた
ほうがいいです」
勇者「王子がルーラを覚えたが、まあ念のために買っておくか。戦闘に夢中になってMP
使い果たしたってこともあるしな」
王子「そうですね。何事も慎重勇者さんのように」
ナレ「こうして、サンペタ周辺でレベルアップし、頃合いをみて塔へと向かうのだった」
王女「森を抜けて二つ目の橋を渡ったら、海岸線に出ますよ」
勇者「海岸線ったって……何だよこの道は。ジグザグしていて歩きづらいぞ」
王子「しかも、やたらマンドリルが出ますね」
王女「塔にたどり着く前に、MPが底を付きそうです」
王子「毒攻撃してくるモンスターがほとんど出ないのが救いですね」
勇者「キアリー担当だからな」
ナレ「塔への道のりは遠く、モンスターも強力だ。途中何度もサンペタに戻って宿に泊ま
り回復してまた出発することを繰り返した」
勇者「森を抜け、海岸線に苦労して、山岳地帯も抜けて、また橋かよ。どんだけ橋を渡れ
ば到達するんだ?」
王女「全部で六つだったと思います」
ナレ「そしてついに風の塔にたどり着いたのである」

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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・8(金曜劇場)
2020.01.31

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・8


ナレ「サンペタに戻り、宿屋で体力を回復し、忘れずに町外れの翁にセーブしてもらった
二人は、人懐こい犬の頭をなでなでしてから、ラーの鏡探しに出かけるのだった」
勇者「ラーの鏡か……どこにある?」
王子「魂の一人が、『サンブルグの東の地、4つの橋が見えるところに 小さな沼地があ
るという。そこにラーのかがみが……』と言ってました」
勇者「そうだな、行ってみるか。マンドリル3匹に出会わないように祈りながらな。今の
俺たちのレベルと装備じゃ、一撃で15Pとか一気にHP削られるからたまらんよ」
王子「祈ります」
ナレ「王子の祈りが功を奏したのか、たいした強敵に遭遇することなく、魂が指摘した沼
地にたどり着いた」
王子「見てください、沼の一角が光ってますよ」
勇者「うまい具合に、上向きになって太陽光を反射しているようだ。ゲームクリエイター
の作為が感じられる。スマホ版だからか……」
王子「何言ってるんですか」
勇者「気にするな。いいから、おまえ取ってこい」
王子「わたしがですか?ここ、毒沼ですよ」
勇者「大丈夫だ。おまえが死んでも荷物持ちとして使えるから」
王子「荷物持ち?どこかで聞いたような話ですね」
勇者「うむ……慎重勇者なんたらかんたらか?」
王子「勇者さんが取ってきてくださいよ。たとえ死んでもセーブポイントまで自動的に運
ばれる上に、無料でHP全快で復活してもらえるんだから」
勇者「何を言っておるか、持ち金の半分をふんだくられるんだぞ。もち全滅だから結局お
まえの復活費用も払わなきゃならん」
王子「でも、経験値はそのままじゃないですか」
勇者「いいから、取ってこい!」
ナレ「王子をひょいと背負ったかと思うと、光っているところまで投げ飛ばした」
王子「ちょっと、ひどいじゃないですか!」
勇者「いいから、すぐ手元にあるから拾え」
王子「え?ああ、これですね」
ナレ「王子は、ラーのかがみを手に入れた」
勇者「よし、サンペタに戻るぞ。HPもMPもきびしいからキメラの翼使おう」
王子「いいですね」
勇者「昔は、キメラの翼使っても、最後に立ち寄ったセーブの所しか戻れなかったのに、
今ではどこへでも行ける。随分進歩したものだ」
王子「まあ、ガラケーからスマホに進化したのと同じですよ」
ナレ「空を飛んでサンペタに戻ってきた二人」
勇者「さて、犬は……と、いた!」
王子「はやく呪いを解いてあげましょう」
勇者「おい、犬。今解いてやるからな」
犬 「くん、くん」
ナレ「犬がパーティーに加わった」
勇者「あ、おい!」
王子「だめですよ。呪いを解くまで話しかけちゃ」
勇者「あはは。失敗、失敗」
王子「一旦、町の外へ出ましょう。外へは付いてこれないですから」
勇者「よし、一旦外へ出て……で、また入ると、犬は……おお、いるいる」
王子「話しかけちゃだめですよ」
勇者「こら!じっとしてろよ」
犬 「くん、くん」
ナレ「犬がパーティーに加わった」
王子「何やってるんですか!」
勇者「だってよ。向き合った状態でないと、ラーの鏡使えねえんだよ。動き回るから、つ
い話し掛けたくなるじゃないか」
ナレ「再び町から出て、また町に入りなおす」
王子「今度は、自分がやってみます。勇者さんは押えておいてください」
勇者「わかった……」
ナレ「王子は、ラーのかがみをのぞきこんだ。なんと鏡は美しい王女の姿をうつしだした
っ!鏡がくだけちり 姫にかけられた呪いがとける!」
王女「ああ もとの姿にもどれるなんて……。もうずっと あのままかと思いましたわ。
私はサンブルグ王の娘です。もうごぞんじかと思いますが、サンブルグ城はハーゴンの軍
団におそわれ……私は呪いで 犬の姿に変えられて ここに飛ばされたのです。今頃サン
ブルグ城は……。ああ 今は考えないことにしましょう。私もあなたがたの仲間にしてく
ださいませ。ともに戦いましょう!」
王子「よろしくお願いします」
勇者「よろしくな」
ナレ「こうしてサンブルグの王女を交えた、あらたなパーティーの冒険がはじまったので
あった」
勇者「そうだ!町外れの脱走兵にも報告しておくか」
兵士「ま、まさか、王女様!?ご無事でしたかっ!わ、私は…王様や城の者たちを置き
去りにして……私はなんという情けない兵士なのでしょう!もう姫様に顔向けできませ
ぬ…」
王女「いいのよ、顔を上げて。誰もあなたを責めることはできないわ」
兵士「ひ、姫様……うっうっうっ…」
勇者「おお、おお。感動の再会か」
ポチッとよろしく!

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