痛風かな?疑わしいけど……
2019.12.29

○月○日 痛風かな?疑わしいけど……

 身体全体の痛みが少し和らいだ頃。
 足指に激痛が走った。
「もう、我慢できない」
 と、入院費は……考えないことにして、生きるために病院へ行くことに決心した。
 もちろん歩けないので、ハイヤーを呼んだ。
 病院にたどり着く、病状からはどこの診察科になるか判断がつかないが、問診表に症状
を記入して、総合受付に提出した。
 結局、前回と同じ主治医の診療科に回された。
 消化器外科である。
 一応総合病院とはいえ、所詮個人経営で診療科の内容にも限りがある。
 問診表の病状に該当する適当な診療科もなく、取りあえず病歴を把握している消化器外
科に当たらせてみようというところであろう。
 尿検査、血液検査、レントゲンと一通りの検査が行われる。
 もちろん歩けないので、車椅子で移動である。

 敗血症、クローン病とたて続けに発症した病歴と、今回の病状からいくつかの病名が考
えられただろう。
 それを特定するためには、入院して精密検査が必要だった。
 こちらは入院の準備は万端整っている。
 早速入院手続きがなされて、再三度の入院生活となった。


「尿酸値が高いですね」
 と言われた。
 尿酸値といえば痛風(高尿酸血症)である。
 男性は4~7mg/dl、女性は3~5mg/dlが正常値で、これ以上だと痛風が疑われる。
 ◇ 発作が起きたのが突然のこと!!
 ◇ 足の関節近辺が腫れていること!!
 ◇ 痛風になりやすい場所に該当していること!!
 ◇ 尿酸値が基準以上に高いこと!!
 足の甲の激しい痛みを考えれば、痛風が一番怪しいと言える。
「痛風ですか?」
 と聞いてみた。
 が、医者は煮え切らない返答しかしなかった。
「痛風の症状はあります。しかし、それだけではないようなのです」
 確かに、痛風が原因なら全身の脱力症状までは起きないし、激痛は二三日でおさまり、
一週間もすれば痛みは和らぐものであるが、今回の症状はいつまでも続いていた。
 何らかの他の病気が関与している可能性が高く、痛風もその合併症として発現している
と思われる。

 最初の頃は、ベッドから起き上がるのも大変だったが、数日するうちに何とか起き上が
れるようになった。
 しかし歩けないので、ベッドサイドに携帯便器、いわゆる【おまる】を持ってきてもら
った。
 投薬は、消炎鎮痛剤の「ロキソニン」他。
 炎症による腫れ、痛みをやわらげる作用があります。とくに痛みに対してよく効きます。
消炎剤では、炎症そのものの原因は治せませんが、炎症に伴う症状を軽くして、治癒を助
けます。内服は上気道炎による炎症・痛み、腰、頸肩腕、関節、慢性関節リウマチ、
手術後、歯科などの鎮痛に、貼付剤は筋肉痛などの鎮痛に用いられます。
 ロキソニンは貼付剤もあるので、足の甲に貼り付ける。
 しかし、足の甲の痛みは一向に治まらなかった。
 血行不良を起こしていたのか、足の指が変色していた。
 もし放置していれば、指を切断する事態にもなったかもしれない。
 少しはロキソニンが効いているのだろう。


 足の甲のレントゲンも撮ったが、ヒビもなくまったくの異常なし。
 整形外科の医師も診察にきたが、
「歩いていますか?」
「いいえ、痛くて歩いていません」
「極力歩いてください」
 と冷たい答えが返ってきた。
 苦しんでいる患者の気持ちを逆なでするような言葉。
 しかし、そこまで言うなら、
「歩いてやろうじゃないか」
 反骨精神が頭を持ち上げる。
 痛みをこらえて、ベッド伝いに歩いてみることにする。
 まずは、立ち上がらなければ始まらない。
 ベッドの落下防止用の鉄柵につかまって、そろりと足をおろしてみる。
 じんじんと痛みが伝わってくる。
 何とか両足で立ち上がることができた。
 しかし歩くために、片足だけに重心がかかるととてつもなく痛い。
 それでも我慢して、ベッド伝いに歩みを進める。
 少し歩いては休み、また歩いては休みしながら。
 医者の方からはリハビリの話が出ないので、自己流でリハビリを続ける。
 やがて短い距離なら歩いていけるようになった。
 トイレにも行けるようになったので、携帯便器をさげてもらった。
 足の痛みは相変わらずも、しっかりとした足取りで歩けるようになった。

 唯一の救いは、今回は消化器の病気ではないので、食事は普通のものが出されているこ
とだった。
 入院中で一番の楽しみなので良かった。

 とにかく痛みを抑える薬を与え、貼付剤を足の甲に貼り付けるだけ。
 治療といった治療はなかった。
 前回のクローン病のことなど、携帯のi-mode検索で特定疾患についていろいろ調べてい
た。
 その中に、重症筋無力症というのがあるのを思い出した。
 自己免疫疾患の一つで、合併症として「全身性エリテマトーデス」「関節リウマチ」な
どがある。
 ということなのだが、入院している病院には該当する診療科はなかった。
 つまり専門家がいないので、明確な診断を下すことができないというわけだ。
 医者の煮え切らない返答も納得できた。

 これ以上、この病院にいても改善の余地はないので、またもや退院を打診した。
 数日して退院の許可が降りた。
 退院はしたものの、結局正式な病名は確定していない。
 退院証明書に記載された病名はまさしく、

 「痛風」

 だった。
 確かに症状は痛風そのものだったし、筋無力症かどうかを明確に診断できる医師がいな
い当病院では、いたし方ないところであろう。
 会計で一悶着が起きた、金がないので払えない、後日払うからと頭を下げた。
 なんとか許してもらって病院を後にする。

 そして、久しぶりに我が家に戻ったのである。
 しかし……。
 想像はしていたものの、長期間閉め切っていた部屋の中は悪臭にまみれていたのである。

 窓を開け換気をして、匂いを追い出す。
 雑菌の繁殖した布団や、着替えた衣類は捨てるしかなかった。
 夏用の布団を取り出して交換する。

 さて、当面の課題としては、ともかく歩くことである。
 リハビリとして、朝昼夕と付近を散歩することにした。
 再三の入院で、筋力も落ちているので、体力の回復が一番である。

 そして……。
 再び病魔が襲い掛かる。


 後日に判ったこととして、全身性エリテマトーデスは、内臓のうちの腎臓を冒すことが
知られている。これによって尿酸の処理が追いつかずに、痛風という症状を引き起こした
のではないだろうか。ただし、全身の痛みと筋無力症までは、判断のできないところであ
る。
銀河戦記/鳴動編 第二部 第四章 皇位継承の証 XⅡ
2019.12.28

第四章 皇位継承の証


XⅡ


 その夜のアレクサンダー皇子を迎えての晩餐会は盛大であった。
 アルビエール候国内の委任統治領の領主達が全員顔を揃えていた。
 彼らの子弟達は統制官大号令によって、将軍の給与をカットされて不満があるはずだろ
うが、今はその事よりも自分の顔を売って、委任統治領の領主たることを安寧にすること
の方が大切だと考えていたのである。
 アレックスのもとには、領主達が入れ替わりで挨拶伺いにきていた。その順番は、爵位
や格式によって決められているようである。
 共和国に生まれ育った者としては、実に面倒くさくて放り出したくなる風習だが、これ
が絶対君主国における貴族達との交流であり、国政をも左右する儀式でもある。これから
彼らを傅かせて帝国を存続させてゆく上で大切なものであった。
「いかがですかな? 楽しんでいらっしゃいますか?」
「はい。堪能させてもらっています」
 貴族達の挨拶には辟易するが、目の前に並べられた料理には感嘆していた。選びに選び
抜かれた極上の品々、舌もとろけそうなほどの美味な一品。どれも見張るばかりの豪勢な
ものばかりだ。
「それは良かった」

「そうそう、この星に来る時に海賊に襲われましてね」
「なんと! それはまことですか?」
「私が幼少の頃にも襲われたようですけどね」
「あの時は、皇后がこちらで出産、育児と静養をしておりましてね。そして帝国へお戻り
になられる時でしたな。船ごと誘拐されまして、皇后はお亡くなりになり、皇子も行方不
明となられました。その実は、共和国同盟でご存命であらせられ、軍人として立派な偉業
を成し遂げていらっしゃった。さすがにソートガイヤー大公様の血を継がれたお方だと感
心している次第であります」
 褒めちぎられて、こそばゆく感じるアレックスだった。
「ともかく、帝国領と自治領との境界や、国境中立地帯付近を通る時は注意した方がよろ
しいでしょう」
「そうですな。気をつけることに致しましょう」
 これらの会話において、ハロルド侯爵の表情の変化を読み取ろうとしていたアレックス
だった。内通者としての疑惑的な態度が現れないかと探っていたのであるが、侯爵の表情
は真剣に心配している様子だった。そもそも、侯爵が皇子を誘拐する理由はどこにもない
し、皇帝と血縁関係にあるものを自ら断ち切るはずもなかった。叔父と甥という関係は、
確実に存在しているようであった。
 一応は念のための確認であった。

 翌日。
 自治領艦隊の一部を護衛に付けると言う侯爵の申し出を丁重に断って、サラマンダー艦
隊にて首都星に戻ったアレックス。
 統合軍作戦本部長を執務室に呼び寄せると、海賊に襲われた経緯を伝えて、国境警備を
厳重にして、海賊が侵入できないようにするように命じた。海賊追撃のために自治領への
越境の許可も与えた。
 次々と戦争に向けての準備を続けているアレックス。
 そんな中、トランターのレイチェルのもとから暗号文がもたらされた。
 総督軍が、二百万隻の艦隊を率いて、銀河帝国への進軍を開始したというものだ。タル
シエン要塞からも、進軍する二百五十万隻の艦隊を確認したという報告が入った。後者の
数字が多いのは、輸送艦隊を含んでのことであろう。
 ついに戦争がはじまる。
 アレックスは身震いした。

11
筋痛症?筋無力症?
2019.12.28

○月○日 筋痛症?筋無力症?

 ある朝のこと。
 目覚めた私は、起きようとしたが身体が動かなかった。
 全身に痛みが走る。

 まさか金縛りか?

 寝起きなどに良く起こると言われる。
 医学的には睡眠麻痺と呼ばれる睡眠時の全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態。
不規則な生活、寝不足、過労、時差ぼけやストレスなどから起こるとされる。 脳がしっ
かり覚醒していないため、人が上に乗っているように感じる、自分の部屋に人が入ってい
るのを見た、耳元で囁かれた、体を触られているといったよう幻覚を伴う場合がある。こ
れは夢の一種であると考えられ幽霊や心霊現象と関連づけられる原因になっている。 た
だし金縛りの起きる状態がほとんど就寝中であることから学者の説明は睡眠との関係につ
いてである。覚醒状態においての「金縛り」というものについては科学的にはほぼ未解明
であり、精神的なものに起因するとされることも多い。(Wikipedia 金縛り)

 一応目は開いていて、覚醒はしているみたいなのだが……。
 しばらくじっとして待ってみることするが、一向に回復の兆候は現れなかった。
 なかなか動かせない状態が続いていたが、いつまでもそうしているわけにはいかなかっ
た。
 普通、寝起きには膀胱に尿が溜まっていて、それで目覚めることもあるわけだ。

 トイレ……。

 これはもう緊急事態である。
 私は、必死になって身体を動かそうとした。
 しかしなかなか動かない。
 やがて我慢の限界を迎える。

 失禁してしまったのである。
 むなしく布団に世界地図が描かれた。
 笑い事ではない、これは異常事態である。

 とにかく身体を捻じるようにして、ベッドから墜ちるように出て、這いずりながらトイ
レへ行く。
 這いずりながら台所へ。
 喉が渇くが、水を飲むと口の中がヒリヒリと痛む。
 口内炎か?

 病院へ行くべきなのだろうが、相次ぐ入院で手持ち金も預貯金も底をついていて行くに
いけない状態。
 一回の入院で、2割負担でも月20万円から30万円もかかるのだ。
 高額医療費保障制度を使っても、月4万円余前後の負担となるが、治療費の領収書を提
出してから、3か月後の支払いとなる。入院する前に手続きして前払いしてもらう方法も
あるが、そんな体力はない。そもそもまともに歩けないのだから。

 もうしばらく我慢して様子を見よう。

 身体の自由が利かないので、ベッドサイドにワゴンを置き、飲料水や鎮痛薬などを揃え
ておいた。

 不安ながらの睡眠には、悪夢を呼び起こす。
 見る夢、見る夢、摩訶不思議な夢が続く。


 後日に判ったことは、全身性エリテマトーデスは急性期に、筋肉痛・関節痛を引き起こ
すという症状だったのではないか。

冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・3
2019.12.27

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・3


勇者「おい、王子」
王子「なんでしょう?」
勇者「いや、呼んでみただけだ」
王子「はあ……」
勇者「うむ、やはり話し相手がいるというのはいいもんだ」
ナレ「あの……わたしもいますけど」
勇者「おまえは、話し相手じゃないだろ。テレパシーでの会話だし、他人の目には俺がブ
ツブツと独りで呟いている危ない奴と思われてるんだぞ」
ナレ「それはどうもです。冒険のストーリーを端折ってサマートリア王子を仲間にするの
を急いだのはそのためだったのですね」
王子「あの……。誰と話しているんですか?(ナレとの会話は聞こえていない)」
勇者「ほらな」
ナレ「納得しました」
勇者「もう話しかけないで、解説だけしてろ」
ナレ「判りました」
勇者「ところで王子よ」
王子「なんでしょう?」
勇者「おまえ、なんでレベル1なんだよ」
王子「はあ?」
勇者「だってよ。モンスター徘徊する平原や洞窟を難なくクリアして、あっちの町、こっ
ちの城と廻り廻ってきたんだろ?レベルアップしてて当然だろ」
王子「実はですね、一人じゃ怖くて逃げ回ってたんですよ」
勇者「逃げ回ってた?洞窟なんか狭い通路じゃ逃げられないだろ?」
王子「穴掘って隠れたり、水の中に潜ったりして、モンスターが通り過ぎるのを、息をひ
そめてました」
勇者「とんでもねえ奴だな。忍者のスキルがあるんじゃないか?」
王子「いやだなあ、ドラクエに忍者なんて職業ないですよ」
勇者「とにかく足手まといにはなるなよ」
王子「わかりました」
勇者「さて、次の行動予定は……『ぎんのカギ』を手に入れることか」
王子「それは、ルリザの北西の湖の洞窟にあると聞きました」
勇者「よし、早速行こう」
王子「その前に、装備を整えましょう」
勇者「おい、武具屋」
武具「へい、らっしゃい!」
勇者「見せてみろや。お勧めは?」
武具「へい。くさりがま330G、くさりかたびら390Gです」
勇者「よし、その二つをくれ」
武具「ありがとうございます。装備されますか」
勇者「おうとも。装備してくれ」
武具「装備しなくてはね。お似合いですよ」
王子「あの……。自分のは?」
勇者「まだ一匹もモンスター倒してないのにか?」
王子「パーティーの面倒を見るのも勇者の勤めではないですか」
勇者「そうはいっても、もう金がねえよ」
王子「外した装備を売ればいんですよ。せいなるナイフくらい買えるじゃないですか」
勇者「しようがねえ、ほれ、せいなるナイフだ」
王子「ありがとうございます」
勇者「じゃあな武具屋」
武具「またのおこしを」
勇者「おい、そこの禿げてるおっさん、なにしてんだ?」
禿男「わっ!いきなり話しかけないでくれ!おしっこが足にかかったじゃないかっ」
勇者「なんだ、たちションか」
ナレ「こうして装備を整えた二人は、北西の湖の洞窟へ向かって冒険を開始したのであっ
た」

11
クローン病?
2019.12.27

○月○日 クローン病?

 とにもかくにも……。
 クローン病である。

 病名が確定すれば治療がはじまるのだが、クローン病には明確なる根治治療法はまだ確
立されていない。
 いわゆる対症療法しかない。
 腸が炎症を起こして腸閉塞となっているわけだから、まずは腸に休養してもらわねばな
らない。
 そのための絶飲食であり、中心静脈点滴によって、高カロリー輸液を滴下して栄養補給
を行う。
 約800キロカロリーの輸液を1日2パック使用する。都合1600キロカロリーで、
1日に必要なカロリーはこれで補える。もちろんナトリウムなどの電解質やビタミンも必
要量含まれている。
 抗生物質や抗がん剤なども投与される。

 実に退屈な日々が続いていた。
 腸閉塞だからといって、手術でお腹を切り開いて閉塞部分を治すわけでもないし、これ
といって有効な治療方法もない難病である。
 ただひたすらに点滴で栄養補給を続け、薬で腸の炎症を抑えて閉塞が治るのを待つだけ。
 時折、レントゲンやCTで状態変化の具合を調べるくらい。
 ただただ、ベッドの上に横になって時間の過ぎ行くのを待ちぼうけの日々。
 何もすることがないので、携帯電話で小説をダウンロードして読んでみる。
 西村京太郎「十津川警部の旅行ミステリー殺人」
 内田康夫「旅情ミステリー殺人シリーズ」
 一冊あたり5~8百円くらいであるが、時間潰しには丁度良い。
 病室では携帯電話の使用禁止が原則である。
 しかし、声を出して電話したり、相手の声が漏れるわけじゃなし、小説を静かに読むく
らいはいいんじゃない?
 見逃してくれるやさしい看護師もいれば、今度見つけたら没収しますなどというお堅い
看護師もいる。
 昼間だと頻繁に看護師がやってくるので、こっそりと読むには夜中ということになる。
 昼間に寝て、夜に起きているという、昼夜の逆転が起こり始める。仕事に就いているわ
けではなく、一日が丸ごと自由時間なので可能なのであるが。
 毎朝4~5時頃に、血糖値の検査がある。たいがいその時間帯は起きている。
 高カロリーの輸液を点滴しているので、血糖値を常に把握しておかなければならないら
しい。
 指先を針で刺して血を採集する。毎回痛い思いをするが一瞬のことである。
 さらに1週間に一度、血液採集もある。

 やがてお待ちかねの、経口食事療法がはじまる。
 腸の炎症が治まり、腸閉塞が改善されたかどうか、ちゃんと食事が摂れなければ、退院
はできないので重要である。
 消化器系病症の定番メニューコースである重湯(十倍粥の上澄み)からはじまる。
 急転直下のごとく、回復してゆく。
 重湯が三部粥になり、五分粥、八分粥。そして全粥になる。
 ここまでくれば、後は退院の機会を諮るだけである。

 最後に一通りの検査を行って異常が見つからなければ退院ということになる。

 そして無事に退院となったのである。
 おめでとう!!

 とは言っても、難病のクローン病である。
 完全治癒したというわけではなくて、症状が安定している時期(緩解)に入ったという
だけである。
 今後も再燃・再発を繰り返し慢性の経過をとることもある。
 これ以上病院での治療のしようがないので、自宅療養に変えて投薬と栄養管理に委ねる
ということである。
 規則正しい食事と睡眠を取りましょうというわけである。


 それからしばらく平穏無事な毎日が続いた。
 入院生活も通算で6ヶ月を越えて、ずっと病院のベッド生活だったので、体力も落ちて
足の筋肉が痩せ細っていた。
 早朝と夕刻の散歩を日課として、健康増進に努める。

 しかし……。
 そんな私を、次なる病魔が襲ったのである。

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