続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・18
2020.11.12

続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・18


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にじのしずく


ナレ「竜王の指定した地下1階の宝箱に、ロトの剣を収める勇者」
勇者「うむ……。☆彡・〇▽★々◇……"(-""-)"……よし!」
コンラト「封印の呪文ですね」
勇者「宝箱に収めろとは言われたが、封印するなとは言われてないからな」
リリア 「そうですね。誰でも開けられて取られないようにした方が良いでしょう」
ナタリー「さあ、竜王の所に戻りましょうか」
竜王「おお、ご苦労だった。報酬の約束手形を渡そう。ギルド銀行で換金するがよい。魔
よけの鈴はくれてやる」
勇者「サンキューな(*^^)v」
竜王「では、サラバだ!」
ナレ「気が付くと、一行は魔王城の外に立っていた」
ナタリー「帰りましょう」
ナレ「リマルダールと魔の島に架る虹の橋を渡り終えたときだった」
リリア 「あ!橋が崩れました」
コンラト「危なかったですね」
勇者「おや?何か落ちているぞ」
ナレ「勇者が拾い上げたのは、涙滴状の虹色の塊だった」
リリア 「なんでしょうね?」
ナタリー「ギルドで鑑定してもらいましょう」
ギルト「お疲れさまでした。100年来の依頼がやっと終了できました。約束手形を現金化し
ますか?」
勇者「ああ、頼むよ。ただの紙じゃ何も買えねえからな」
ギルト「大金ですので、一応ギルド銀行に入金しておきます。ギルド証を呈示すれば、いつ
でも引き出しできますから」
勇者「そうか、ギルド証がキャッシュカードにもなるのか。便利になったもんだ」
ナタリー「あんたんとこの家宝を差し出して、依頼を達成できたんだから、あんたが九割貰っ
て残りをうちらが山分けするよ」
コンラト「そうですね。私としても33,000Gあれば十分ですよ」
リリア 「わたしも異議ありませんわ」
勇者「それでいいのか?」
ナタリー「それでいいのよ。貰っときなさい」
勇者「わかった。ところで、鑑定してもらいたいものがあるのだが」
ギルト「どのようなものでしょうか?」
勇者「これだよ(とギルドに差し出す)」
ギルト「こ、これは!【にじのしずく】じゃないですか、これをどこで?」
ナタリー「魔王城に架っていた橋が壊れまして、その袂(たもと)に落ちていました」
ギルト「そうでしたか……橋が壊れたので、元の形に戻ったのでしょう」
勇者「それって、形状記憶合金なのか?」
ギルト「実は、これを探している方がいます」
リリア 「依頼があるのですか?」
ギルト「はい。リマルダール南の島にある、聖なる祠の神官の依頼です」
勇者「なんだよ。またあの爺さんに会いに行くのか?」
リリア 「神官さまに失礼ですよ」
ナタリー「まあいいわ。それ引き受けます」
ナレ「というわけで、以前通った順路に従って聖なる祠へとやってきた」
神官「よくぞこれを手に入れたましたな」
コンラト「じつは、是是然然(これこれしかじか)……」
神官「なるほど、そういうものでしたか。この【にじのしずく】は、この祠の神官に代々
伝わるものでしてね。歴史は繰り返す、その時のために用意してあるのです」
リリア 「歴史は繰り返す……ですか。いずれまた大きな災禍が降りかかり、それを解決せん
と勇者が現れる……ですね」
ナタリー「それは100年後のことですか?」
神官「それは分かりませんが……」
ナレ「聖なる祠への届け物依頼が終了して、再びナダトームに戻って来た」
ギルト「お疲れさまでした。これからどうしますか?」
勇者「そうだなあ……。未来の勇者のための下準備はすべて終わったし……そろそろ、国
王の依頼を何とかしたいと思っているのだが……」
ギルト「姫さま救出ですね。竜王の依頼以上に難しいでしょうね」
勇者「その通りだよ」
ギルト「それでは、無事に依頼を達成できることを祈ります」
ナレ「ギルドを出てくる一行」
リリア 「姫さまの救出といっても、ナクロゴンドに行く方法がありませんよね?」
勇者「大魔王の住むナクロゴンドは、俺のひいばばが討伐に向かった場所だ。だから俺の
潜在意識の中にあるんじゃないかと思うんだ。ひいばばと手を繋いだ時、流れ込んできた
意識の中に、それはあるんじゃないかと思うんだ」
コンラト「なるほど……その潜在意識を読み取って瞬間移動できる能力があれば……」
ナタリー「最高導師クアール様なら、それができるんじゃないかな」
リリア 「大聖堂からフェリス王国まで、私たちを瞬間移動してくださいましたわ」
勇者「また、野となり山となりを這いずり回って大聖堂まで行くのかよ」
コンラト「フェリス王国に戻っているかも知れませんよ」
ナタリー「そうね。一旦フェリス王国に行ってみましょう。大聖堂以外の場所にも寄ってるか
も知れないから、確認の必要ありよ」
勇者「しようがねえ、フェリス王国だ」
ナレ「そんなわけで、久しぶりのフェリス王国へと向かう一行だった」

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11
続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・17
2020.11.11

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ロトの剣


勇者「分かった!そのロトの剣とやらを持ってくればいいんだな」
竜王「そうだ。すでに100年間待ちぼうけなのでな。時間を気にすることはないぞ。手に
入ったら、いつでも持ってきてくれ」
勇者「ところで、1,000,000Gとやらは間違いないだろうな」
竜王「インディアン嘘つかない!」
勇者「何だよ。おまえも地上デジタル放送の神夜映画『ローンレンジャー』を見てるのか
よ?」
竜王「帰るのは大変だろうから、ナダトーム城まで送ってやるよ」
ナレ「眩い光に包まれたかと思うと、一行はナダトーム城の前に立っていた」
勇者「どうせなら、アリアヘンに送ってくれればよかったのにな」
ナタリー「アリアヘンを知らなかったんじゃない?それに魔城のすぐそばだし」
勇者「仕方がねえな。アリアヘンに向かうぞ」
ナレ「というわけで、アリアヘンに戻って来た」
母親「お帰り!」
勇者「単刀直入に言うぞ!王者の剣を、俺にくれ!!」
ナタリー「じつは……斯斯然然(かくかくしかじか)……なのです」
勇者「なんだよ。東村アキコ(漫画家)かよ」
母親「……なるほど。よく分かりました」
ナレ「祖母の女勇者の部屋に向かい、家宝の王者の剣を持ってくる母親」
ナタリー「これが、王者の剣ですか?」
母親「はい。祖母が大魔王ズーマを倒したという剣です」
勇者「33,000Gで買った剣が、1,000,000Gになるのか……」
リリア 「100年以上経ってますから、貨幣価値も違ってると思いますが」
コンラト「この大事な家宝である王者の剣を、渡してくれるのは何故ですか?」
母親「祖母もそうでしたが、私の所にも天からの声が届いていました。未来の世界に生ま
れる勇者のために、この王者の剣を息子に委ねろと」
コンラト「なるほど……」
勇者「そういうわけだから、王者の剣を貰っていくぞ」
母親「ああ、分かっているよ。しっかりやりな」
ナレ「王者の剣を携えて、再び竜王の前へとやってきた」
勇者「持ってきてやったぞ」
竜王「おお!!よくぞここまで持ってきたな。それがロトの剣か」
勇者「手に入れてどうする?叩き壊すのか?」
竜王「いやいや。ロトの剣はオリハルコンという物質で出来ていてな、かの大魔王ズーマ
ですら破壊するのに3年掛かったというからな。壊せないなら、手元で厳重に保管するし
かないだろ」
勇者「ところで、ちょっと聞いていいか?」
竜王「なんだ?」
勇者「魔王を知っているか?ファンタリオン王国の姫を誘拐した奴なんだが」
竜王「誘拐?それはいかんな」
勇者「おまえだって、100年後にルーラ王女を誘拐しようとしているのを知っているぞ」
竜王「な、なぜ。それを知っている?さては、海底洞窟の貴賓室に忍び込んだな?」
勇者「ああ、そこに置いてあった手帳に書いてあったぞ」
竜王「そ、そうだ!取引しようじゃないか」
勇者「取引だと?」
竜王「そうだ。儂は、魔王の居場所を教える。おまえは、100年後の計画を黙って見逃す
のだ」
ナレ「コンラッドが耳打ちする」
コンラト「取引に応じてはいかがでしょうか」
勇者「なぜ?」
コンラト「100年後など、誰も生きてはいません。誰かに密告しても誰が信じてくれるでしょ
うか。今は、ファンタリオン王の勅命である姫の救出が先決ではないでしょうか」
勇者「それもそうだな。おい竜王!」
竜王「取引に応じるようだな」
勇者「海底洞窟のことは黙っててやるから、魔王のことを教えろ!」
竜王「いいだろう。かつて勇者によって倒されたブラモスに孫がおってな。ナクロゴンド
に新たなる城を造成して住んで居る。ブラモス三世と名乗っているそうじゃ」
勇者「ここにも三世?そういや、ドラクエⅡの竜王のひ孫と同じか……」
竜王「なんじゃそれは?儂のひ孫とな……どういうことじゃ。儂はまだ独身じゃが」
勇者「ああ、気にするなよ。そうだな……予言だよ。将来のこの場所に、ひ孫が君臨して
いるということだ」
竜王「そ、そうか……未来の予言か。となると、儂とルーラ姫の間に子供ができるのじゃ
な(頬を赤らめる)」
コンラト「そんなこと言ってよかったのですか?」
勇者「伴侶が誰かは分からんが、ひ孫ができるのは事実だからな」
リリア 「どうなっても知りませんわよ」
ナタリー「と、とにかく依頼だから。このロトの剣を、地下1階の宝箱にしまいに行きましょ
う」
竜王「すまない、その宝箱は一度地下4階に昇ってから、地上から来た別のルートを通っ
た地下1階にあるからな」
勇者「それは構わんが、魔物をどうにかしてくれないか?」
竜王「おお、そうじゃったな。配下の魔物には手出ししないように言っておくから、安心
しておれ。一応念のために、この魔よけの鈴を渡しておこう」
勇者「熊よけ鈴のようなものか?」
竜王「まあ、そんなところだ」

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11
続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・16
2020.11.10

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竜王


ナレ「月日が流れて……」
勇者「おいこら!いきなり話を進めるな」
ナレ「ついに、竜王のいる魔王城へと進めるレベルに達したのである」
勇者「なに!ほんとか?」
リリア 「ほんとですよ。ここまで来るのに随分苦労した事か……」
ナタリー「あんたは、三歩歩けば忘れる、ひと眠りすれば忘れる、だものね」
コンラト「とにかく魔王城に行くためは、装備も最強に揃えなければいけませんね」
ナレ「リマルダールの武具屋で装備を買い込む一行だった」
勇者「よっしゃあ!魔王城に乗り込むぞ!」
リリア 「まるで竜王を倒しに行くような言いようですね」
ナタリー「そうよ。これは討伐じゃなくて、依頼主に会いに行くだけなんだから」
コンラト「もっとも城内に巣食う魔物が邪魔をするみたいですけど」
勇者「自分の元に駆け付けるだけの実力を持っているかどうかを見極めるってことか?」
コンラト「ありえますね」
ナレ「それから、魔王城へと連なるリマルダール北西突端にやってきた」
勇者「おお!まだ橋が架かっているな」
リリア 「この橋は、勇者さんの曾祖母が苦労して架けたんですよね」
ナタリー「ということは、橋を架けてすでに100年以上経っているわけね」
コンラト「見て下さい。土台が腐りかけていますよ。いずれ崩落しそうです」
勇者「よし、慎重に渡ろうぜ」

ナレ「橋を渡り、竜王の居城のある魔の島へとやってきた」
勇者「そういうわけで、今竜王の前に立っているぞ。ここまで来る過程は、冗談ドラゴン
クエストⅢ~ゾーマの城~
を参照してくれ!」
ナタリー「こらこら……」
竜王「よくぞここまで来たな。大した奴だ。どうだ儂の部下にならないか?さすれば世界
の半分をお前にくれてやるぞ!」
勇者「あ!それは罠だろう。知っているぞ。はいと答えるとだな」
竜王「では世界の半分、闇の世界を与えよう!
   そして……そなたに復活の呪文を教えよう!
   これを書き留めておくのだぞ。
   お前の旅は終わった。さあ、ゆっくり休むがよい!
   わあっはっはっはっ」
勇者「そして画面フリーズして、リセットして教えてくれた復活の呪文を入力すると、レ
ベル1で全ての装備品&アイテム無し。つまり最初からやり直せってなるんだ。しかも、
本来国王から貰えるはずのゴールドもなしの無一文。武具も買えずにスライムすらにも勝
てないという最貧弱状態だよ」
ナレ「ちなみにリメイク版では、夢落ちということになり、宿屋で目を覚まします」
竜王「そうか……騙されなかったか」
勇者「いいから、依頼を教えろ!」
竜王「気の短い奴だな。いいだろう、依頼はだな」
勇者「依頼は?」
竜王「ロトの剣を持ってきてくれ」
ナタリー「ロトの剣?」
竜王「そうだ。儂の堅い鱗までも突き通す最強の武器だ。そんなもんがあると、落ち着い
て寝てもいられないのでな」
勇者「その最強の剣を使って、おまえに切りつけるかも知れんぞ。いいのか?」
竜王「わっはっはっは。それはできんぞ。儂は依頼主だ。ギルドの規則には依頼主の物を
横取りしたり歯向かったりしたら、大罪人として一生を暮らすことになる」
勇者「ほんとか?(ナタリーを見る)」
ナタリー「その通りね。ギルドの規則にちゃんとあるわ」
コンラト「その規則がないと誰もギルドに依頼しなくなります」
勇者「ところで、そのロトの剣ってどんな剣だ?」
竜王「オリハルコンという世界一硬い金属でできていてな……」
勇者「オリハルコン!!」
ナタリー「ちょっとみんな、耳を貸して!」
ナレ「ここからは、パーティー内のひそひそ話になります」
ナタリー「オリハルコンって、もしかして王者の剣じゃないの?」
コンラト「そうです。勇者さんの曾祖母が所持していたという最強の剣です」
リリア 「ロトの剣と王者の剣、呼び名が違うだけじゃなくて?」
勇者「王者の剣なら、俺んとこの家宝として大切に保管してるが……」
ナタリー「それよ。竜王が欲しがっているのは」
勇者「しかしよお、王者の剣ってオリハルコンを22,500Gで売って、鍛錬され王者の剣と
なった物を35,000Gで買い戻したんだよな。性能はともかく、それが1,000,000Gになるっ
てのが理解できんぞ」
リリア 「竜王を倒せる唯一の武器だからじゃないでしょうか」
コンラト「君子危うきに近寄らずじゃないですが、破滅の元となるものを身近に置いて、危険
回避しておこうというのでは?」

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11
続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・15
2020.11.09

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魔法の鍵


ナレ「ナダトームに戻り、ギルドに報告する一行」
ギルト「お疲れさまでした。報酬の15000Gです」
勇者「次の依頼をくれ!」
ギルト「では【魔法の鍵】をリマルダール北西の鍵屋に届ける依頼はどうでしょう?500
Gになりますが」
勇者「また配達かよ。パス!!だいたい、鍵なんて俺には必要ないもんな」
ナタリー「それ、引き受けます!」
ギルト「それでは、魔法の鍵をお渡しします。とりあえず期限はないそうですので、のんび
り旅気分で行けばいいんじゃないでしょうか」
ナタリー「そうね。そうしましょう」
勇者「俺は行かないからな」
ナタリー「いいから来なさい!!」
ナレ「と、いつものように勇者の耳を引っ張って従わせる」
リリア 「リマルダールへは飛行船に乗りますか?」
ナタリー「そうねえ……レベルアップも必要だし、歩いて行きますか」
勇者「なんでやねん!飛行船があるのに、地べた這いずって行くのかよ」
コンラト「飛行船だと魔物に遭遇しないからレベルアップ出来ませんよ。例の竜王の依頼を受
けるためにも必要だと思いますが」
勇者「竜王か……レベル45だっけ?」
ナタリー「そうよ。竜王の依頼を達成できれば、1,000,000G よ!」
勇者「そうだった!(*''▽'')」
ナレ「大金をチラつかせて、誘惑するナタリー」
勇者「出発するぞお!!ルン♪ o(≧▽≦)o ルン♪」
ナタリー「乗りやすい男ね」
ナレ「ナダトームから北側の山脈を西側に避けて北の森林地帯へ入る。ここからは二つの
コースがあり、遠回りだけど平原が広がる北東の橋を渡るか、南東の近道だけど毒沼を通
る道がある」
コンラト「どちらを通りますか?遠回りでも安全な方を通るか」
リリア 「近道の毒沼のコースかのどちらかですね」
勇者「遠回りすれば、それだけ魔物と遭遇するし、毒沼は通るだけでHP削られるしな」
ナタリー「勇者のあんたが決めなさい」
勇者「そうだな……どっちでもいいから、コイントスで決めようぜ。表が出たら北東の橋
裏が出たら南東の毒沼コースだ」
コンラト「では、私がコイン投げます」
ナレ「コンラッドが金貨を空中に投げると……」
リリア 「表が出ましたわ」
ナタリー「では、北東の橋を行くわよ。遠回りな分、魔物との戦いでレベルアップできるわよ」
ナレ「北東の橋を渡り、平原をのんびりと進む一行。やがて二つ目の橋に到達した」
コンラト「この橋が架かる前は、ナダトーム地方ととマイレ地方は海で隔たれていました」
ナレ「そこから更に海沿いに南下すると、あの海峡トンネルとなる」
ナタリー「リマルダールも海峡トンネルが出来る前は隔絶してたのよね」
勇者「トンネルが出来たってよお…魔物が出るんじゃ繋がっているとは言いきれないじゃ
ないか。竜王の隠し別荘みたいな場所もあるしよ」
ナタリー「まあ気にしないで行きましょう」
ナレ「正式には、沼地の洞窟と呼ばれる、その洞窟に入る一行。魔物との戦いを繰り広げ
ながら、対岸のリマルダール地方に抜け出た」
勇者「おっしゃあ!リマルダールにたどり着いたぞ」
リリア 「北西の鍵屋と言ってましたよね」
ナタリー「あらら、入り口がないわよ」
勇者「おーい!お届け物ですよ!」
声 「ああ、悪いが入り口の所から、運河を外回りに巡ってきてくれないか」
ナレ「と、中から返事があった」
ナタリー「分かりましたあ!」
ナレ「村の入り口に戻って、橋のたもとから運河を外回りにぐるりと回ってゆくと、北西
の隅に橋が架けられていて目当ての鍵屋に到達した」
鍵屋「済まなかったのお」
ナタリー「はい、これがお届け物の【まほうのかぎ】です」
鍵屋「おお!これがまほうのかぎか……これと同じものを作ろうと思っていおるのじゃ」
勇者「俺には無用の長物だがよ。まあ、♪(*^ー゜)v(*^▽^*)*☆ガンバ☆♪」
ナタリー「では、この書類にご署名をお願いします」
鍵屋「ああ、いいとも」

ポチッとよろしく!


11
続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・14
2020.11.08

続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・14


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クンダタ再び

ナレ「命からがらドラドーラから逃げだして、ナダトームに戻って来た」
ナタリー「ともかくギルドに報告しましょう」
ギルト「お疲れさまでした。報酬をどうぞ」
リリア 「勇者さんは、実家に報告に行かないのですか?」
勇者「別にいいよ。どうせギルドから報告が入ってるだろうから」
ナタリー「ドライなのね」
勇者「それより腹が減らないか?俺はペコペコだよ」
コンラト「そういえば、私もお腹がすいています」
勇者「よっしゃあ。では、カツ丼食おうぜ!俺が奢っちゃる」
リリア 「カ、カツ丼ですかあ?」
勇者「旨いぞ。ナレーションの大好物だよ。な?一緒にどうだ?」
ナレ「はい。ご一緒します(*^^)v」
ナタリー「どうでもいいけどね……」
勇者「さてと……腹ごしらえも終わったし、次の依頼行こうか!」
ギルト「今回はギルドから直接の依頼です。ドラドーラを越えた先にマルキドという城塞都
市がありますが、その途中にちょっと寄り道をした所に、『精霊の祠』があります」
勇者「なんだよ。ドラドーラなら行ってきたばかりだよ。そのついでに依頼をくれたら良
かったじゃないか」
ナタリー「依頼の重複(ちょうふく)はできないからよ。竜王の分を除いてね」
勇者「重複(じゅうふく)じゃないのか?」
ナタリー「それは慣用読みね。捏像(でつぞう)をねつぞう、消耗(しょうこう)をしょう
もう、と読むのと同じよ」
勇者「なるほど……日本語辞書は、慣用読みでもちゃんと漢字変換するんだな。大したも
んだ」
ギルト「実は、別のパーティーが【妖精の守り】を運んでいる最中に、クンダタ一味に奪わ
れてしまったのです」
ナタリー「クンダタ三世とかいう奴ね」
ギルト「一味から、妖精の守りを取り返して、そのまま聖なる祠に運んで頂きたいのです」
勇者「討伐と配達の二段構えか。報酬二倍だな」
ギルト「はい。通常の配達料金に上乗せの15000Gとなっております」
勇者「まあ、そんなところかな」
ナタリー「分かりました。その依頼引き受けます」
勇者「討伐の方はともかく、配達はいい加減にしろといいたくなるな」
コンラト「いきなり強力な魔物退治するよりも、配達しながら小者の魔物退治でレベルアップ
を目指せばいいのですよ」
リリア 「そうですよ。着実なレベルアップに励まなくちゃいけませんわ」
ギルト「クンダタ三世は、ナダトームの北の洞くつに潜んでいるそうです」
ナレ「というわけで、北の洞くつへと侵入し、クンダタ三世を倒すのに成功して、妖精の
守りを取り返した」
クンタタ「参った! やっぱりあんたにゃかなわねえや……。頼む! これっきり心を入れ替
えるから許してくれよ! な! な!」
リリア 「どうしますか?」
勇者「かまわん!逃がしてやろう」
コンラト「よろしいのですか?」
勇者「どうせ、いずれ捕まるさ。連行してゆくのも面倒くさいし……」
ナタリー「呆れたわね」
ナレ「とにもかくにも、聖なる守りを手にマルキドの南の精霊の祠へと向かうのだった」
コンラト「ドラドーラ砂漠に入りました。町は……襲撃が終わって廃墟になっています」
ナタリー「悪魔の騎士は、今も宝箱を見守っているのかしらね」
勇者「たぶんな……」
ナレ「砂漠を抜けてマルキドへと向かう狭い道に入った」
コンラト「ここらに出没するメイジキメラはメダパニ(混乱)を使ってくるので厄介ですが、
『不思議な帽子』というMP消費を2/3にする便利アイテムを落とすことがあります」
ナレ「狭道を進むこと最初に見える橋が、精霊の祠へと続く。ちなみに、ゲームのDQ3
ではルーラやキメラの翼でメルキドへ飛ぶと、精霊の祠に通ずるこの橋のたもとに船は錨
を下ろしています。メルキドには海がないからですが」
ナタリー「この先は一帯が毒沼になっているわね」
リリア 「みて下さい!毒沼の中に祠があります。精霊の祠でしょうか?」
コンラト「そのようですね。しかし……荒れていますね。ここも魔物の攻撃を受けたのでしょ
うか?」
勇者「とにかく行ってみようぜ。ナタリー、トラマナ!」
ナタリー「分かっているわよ!」
ナレ「一行が祠に到着して中に入ると、壁は崩れ天井も一部空が見えるほどの荒れ模様だ
った」
ナタリー「酷いありさまね。受取人はいるのかしら」
勇者「おーい!!誰かいませんかあ~(*'ノ∀')ノおーい」
ナレ「すると、頭上に光が射したかと思うと、朧げに小さな輝きが現れ、やがて美しい姿
の精霊が現れた」
精霊「お待ちしておりました」
コンラト「この惨状はどうなされたのですか?」
精霊「魔物に襲われました。姿を隠して見ていたのですが、何かを探し回っている様子で
した」
ナタリー「これじゃないでしょうか?(と聖なる守りを渡した)」
精霊「聖なる守りですね」
リリア 「クンダタ三世によって先任の依頼受け者から奪われずに、そのまま配達されていた
ら……?」
精霊「魔物に聖なる守りは奪われていたでしょうね」
勇者「そうか……意外な所で役に立ったのか……逃がしてやって正解というところだな」
コンラト「そうじゃない気がしますが……」
精霊「この祠ももうすぐ完全に崩壊するでしょう。私はこの地に残って、この聖なる守
りを見守り続けることとしましょう。新たなる勇者が現れるまで」
ナレ「そう言うと、精霊は静かに消え去った」
ナタリー「あの……署名……」
ナレ「と、言おうとしたが、ギルドの書類には精霊の証が、いつの間にか記されていた」
リリア 「終わったようですね」
コンラト「精霊さん、この地で人知れず勇者を待ち続けるのでしょうね」
勇者「おそらく100年後のその時までな」
ナタリー「帰りましょう」

ポチッとよろしく!


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