冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 3
2019.06.05


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 3

11/27 15:22 勇者「結局……完全に無視されたな」


11/27 15:25 通行人女「さっきから何ぶつぶつ言ってるのよ。あ、ほら。道具屋が見え
てきたわ」


11/29 05:52 ナレ1「軒先に薬草と思われる植物の図柄の入った看板が下がっているの
が見える。扉を開けて中へ入る二人」


11/29 05:52 道具屋「いらっしゃいませ!」


11/29 05:53 通行人女「客ではありません。ギルドの依頼を受けた者です。荷物の配達
だとか聞きましたが」


11/29 05:58 道具屋「あらあ、早速引き受けてくれる方がいたのね。ついさっき依頼を
出したばかりなのに」


11/29 06:00 勇者「ご安心ください、お嬢さん。美人の依頼は断らないことにしていま
す」


11/29 06:02 ナレ1「と言いつつ、ちゃっかりと道具屋の娘の手を取っている勇者であ
った。それもそのはず、この道具屋の娘は絶世の美女と言ってもいいくらいの美人だっ
たのである。しかもとびきり若かった」


11/29 06:05 通行人女「まったく……遊び人の性格、もろ出しじゃないの! これで本
当に勇者なの?」


11/29 06:08 勇者「だから言ってるだろ。俺は根っからの遊び人なんだってよお。勇者
なんてなりたくてなったんじゃねえやい!」


11/29 06:09 道具屋「あ、あのお……。この方は、遊び人なんですか? それとも勇者
さまなのですか?」


11/29 06:30 ナレ1「いきなり手を取られて困惑しながら、通行人女に向かって尋ねる
道具屋の娘であった」


11/29 06:35 通行人女「城から出てくるのを見ていたしね……。どうやら勇者というの
は本当らしいんだが、どうみてもすけべったらしの遊び人そのままね。脈絡もなく襲い
掛かってくるしさあ」


11/29 06:37 道具屋「まあ! 襲われちゃったんですか?」


11/29 06:41 通行人女「いろいろとあってね……。んでもって、こいつには10000Gの貸
しがあって、その返済のためにギルドで働いてもらってるんだよ」


11/29 06:51 勇者「てやんでえ! そんな金、借りた覚えなんかないわい」


11/29 06:52 道具屋「とか言ってますけど?」


11/29 06:56 通行人女「こいつの言うことには耳を傾ける必要はないわよ」


11/29 06:57 勇者「なんだとお!」


11/29 06:58 道具屋「あのお……。どうでもいいんですけど、いい加減手を離していた
だけませんか?」


11/29 07:02 ナレ1「そうなのだ。会話の間中もずっと、馴れ馴れしく手を握り締め、
さすったり、なでなでしながら、その柔肌の感触を楽しんでいたのである」


11/29 12:50 通行人女「いい加減にしないか!(と勇者の頭をポカリと叩く)」


11/29 17:47 勇者「痛えなあ!(と頭をさすっている)」


11/29 17:49 通行人女「ところで……そろそろご用件を承りたいのですが?」


11/29 17:49 道具屋「え? あ、ああ。そうね、その通りね」


11/29 17:50 ナレ1「いきなり見知らぬ男に手を握られてしまったのだ。動転してしま
っても仕方がないだろう」


11/29 18:00 道具屋「依頼というのは、ここから東へ約28000マイラの所にあるモトス
村にいる姉にこれを届けてほしいのです」


11/29 18:11 ナレ1「と取り出したのは表面に綺麗な細工の施された、一見宝石箱のよ
うな小箱であった」


11/29 18:15 勇者「28000マイラだあ!? 最低でも10日はかかるじゃないか。依頼
料は50Gなんだろ?」


11/29 18:18 通行人女「うーん。確かに安すぎるわね」


11/29 18:37 道具屋「いえ、これには訳があるんです。本当の依頼料は7800Gです。こ
れはとても大切なものですから、報酬目当てで何でも引き受けるような請負人には任せ
られないと思って……。それで50Gという誰も引き受けないような報酬でも請け負っ
てくれる方なら誠意で大切に運んでくれるのではないかと考えました」


11/29 18:46 通行人女「なるほどね。確かに報酬が高いと、当然荷物も高額だと推測で
きるし、下手すら荷物を持ち逃げされることもあるわよね」


11/29 18:52 勇者「7800Gか……10000Gにはちょっと足りないが、まあ最初の仕事と
しては妥当な線だろう」


11/29 18:53 通行人女「おやおや。どうやらやる気になっているようね。いい事だわ、
ちゃんと無事に届けられれば借金を大幅に減らせるわよ」


11/29 18:53 勇者「うるせえ!」


11/29 18:54 道具屋「あの、依頼には条件があるんです」


11/29 18:54 通行人女「条件?」


11/29 18:56 道具屋「非常にデリケートなものですので、キメラの翼やルーラなどの跳
躍魔法などは使わないでください。もちろん飛行船などに乗船して運ぶのも厳禁です」


11/29 18:57 勇者「つまり、28000マイラという距離を地べたを這いずって行けという
ことか?」


11/29 18:57 道具屋「そういうことになります」


11/29 19:02 通行人女「それは難儀ね」




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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 2
2019.06.05


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 2

11/26 20:06 ギルド「やあ、お客さん、久しぶりじゃないですか。ええと……、そちら
のお客さんは、初顔だね」


11/26 20:07 通行人女「こいつが、仕事をしたいそうだ」


11/26 20:08 勇者「俺は、まだやるとは言っていないぞ。それにこいつとはなんだ。俺
にはちゃんとした名前が……」


11/26 20:08 通行人女「そういや、まだ名前を聞いていなかったわね」


11/26 20:09 勇者「勇者だ!」


11/26 20:09 通行人女「ぷっ! 何それ、ふさけてるの?」


11/26 20:10 勇者「ふざける? 勇者という名前の勇者なのだ」


11/26 20:12 ギルド「そんなこと言ってると後が大変なんだがなあ……。わしはギルド
という名前になるのか。他大勢というキャストもいるぞ」


11/26 20:13 通行人女「あたしは、通行人女? いやよ、そんな名前は」


11/26 20:13 勇者「いい名前じゃないか」


11/26 20:14 ギルド「……まあ、いい。で、仕事を請ける気はあるのかないのか、はっ
きりしてくれ」


11/26 20:14 勇者「楽な内容で、高給な仕事はないか? 突っ立てるだけで1000000G
とかな」


11/26 20:15 ギルド「そうだな……隣村まで荷物を運ぶ仕事はどうだ?」


11/26 20:21 勇者「1000000Gか?」


11/26 20:22 ギルド「50Gだ」


11/26 20:23 勇者「ふざけるなよ! 誰がそんなチンケな仕事を引き受けるか!!」


11/26 20:28 通行人女「ふざけてるのは、あなたじゃない。身も知らぬ初対面に重要な
仕事を最初からまかせられると思う? まずは手始めに簡単な仕事からというのが常識
よ。仕事をこなしていくうちに信用がついてきて、大きな仕事を任せられるようになる
というものよ」


11/26 20:29 勇者「面倒だな」


11/26 20:29 通行人女「馬鹿言ってんじゃないの!」


11/26 20:30 勇者「しかし、50Gなんてはした金受け取っても何も買えんじゃないか。
ここの武器屋においてあるのは6桁や7桁という馬鹿高い代物ばかりなんだぜ」


11/26 20:31 通行人女「それはここが城下町だからよ。魔王を退治するために必要な最
強の武具が置いてあるのよ」


11/26 20:31 ギルド「荷物を運ぶ隣村に行けば50Gで買える安い武具を売っているよ。
何せ冒険の最初の村だからね」


11/26 20:32 勇者「冒険の最初?」


11/26 20:32 通行人女「そういうことよ。冒険はそこからはじまるのよ」


11/26 20:33 勇者「じゃあ、この城下町はなんなんだ?」


11/26 20:34 通行人女「決まっているじゃない。国王に謁見し、冒険の使命を受けるた
めに存在するのよ。あなた、国王から姫の救出を依頼されたでしょう?」


11/26 20:35 勇者「そう言われればそんなこと言われたような気も……そうだ。ところ
で姫は美人なのか?」


11/26 20:40 通行人女「姫を救出するために、魔王の居城の場所とかの情報を集め、立
ちはだかるモンスターをなぎ倒して、経験を積んで一人前の冒険者になる必要があるわ。
その時のために必要な強力な武具がここにあるというわけよ」


11/26 20:40 勇者「おい!」


11/26 20:40 通行人女「その仕事請け負います」


11/26 20:41 勇者「こら! 無視するなよ」


11/26 20:42 ギルド「よし決まりだな。依頼主は城下町の南門のそばの道具屋だ。荷物
を受け取って届け先を聞いて、隣村へ向かってくれ」


11/26 20:45 勇者「だから、人の言うことを聞けよ!」


11/26 20:47 通行人女「ほれほれ、依頼を受けに道具屋に行くわよ」


11/26 20:49 ナレ1「と、勇者の背中を押してギルドを出る」



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