続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・6
2020.10.20

続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・6


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海底洞窟

勇者「なあ、マイレに行く飛行船はないのか?」
コンラト「ありません」
ナタリー「船もないわよ。歩いてゆくしかないわね」
勇者「飛行船でファンタリオン王都に戻って、そこからマイレに行く航路はないのか?」
リリア 「ありませんわ」
勇者「なんだよ。マイレって、よほどの辺鄙な村なんだな」
ナレ「致し方なく、徒歩でマイレへと向かうのだった」
勇者「徒歩ってことは、当然魔物と遭遇するんだよな」
ナレ「魔物が現れた!まどうしが3匹!」
勇者「ほらな!」
ナタリー「のんきなこと言ってないの!」
ナレ「魔物を倒して先に進むとリマルダール地方の海岸線に出た。海を隔てて遥か北の方
角にマイレ地方の陸地が見える」
勇者「向こう岸にはどうやって渡る?」
コンラト「確か……、向こう岸に通ずる海峡洞窟があったはずですが?」
リリア 「あるわ、あそこに!でも、洞窟の周りに毒沼があるわね」
勇者「ナタリー、トラマナを頼む」
ナタリー「何を偉そうに」
勇者「ちなみに、トラマナとはトラップを踏マナいの短縮形らしいぞ。堀井雄二が解説し
ていたよ」
コンラト「なるほど……」
ナレ「早速、洞窟に入る」
勇者「なんだよ。真っ暗じゃないか。電灯線引いてないのかよ。たいまつか懐中電灯が必
要だな」
ナタリー「仕方ないわね。あたしがレミーラの呪文で明るくしてあげるよ」
勇者「おお、頼むぜ!」
ナレ「たいまつが見える身近な範囲を照らすだけなのに対して、呪文のレミーラは本来見
えないはずの壁の向こう側も見渡せるという優れものだ。隠し通路も発見できる」
勇者「おお、解説ご苦労さん」
ナレ「洞窟内は、まだ整備されておらず、天井からもポタポタと雫が滴り落ちる」
コンラト「しょっぱいですね。海底洞窟だからですか……」
ナタリー「そのようね」
ナレ「魔物と戦い続けながら、ずんずんと進んでいくと、鍵の掛かった扉があった」
勇者「なんだこの扉は?」
リリア 「この先立ち入り禁止ということですね」
勇者「気になるな……」
ナレ「というと、ピッキングツールを取り出して、鍵穴に差し込んだ」
勇者「(カチャと音がして)開いたぞ!」
ナタリー「さすが脱獄の天才だね。盗賊の能力も持ってるのか……」
リリア 「そんなツール、いつも携帯しているのですか?」
勇者「あたぼうよ。魔法の鍵だろうが最後の鍵だろうが、鍵穴がある限りどんな扉でも開
けることができるぞ(*^^)v」
ナタリー「自慢するものなの?自分は泥棒ですって言ってるもんでしょ」
コンラト「この先はどうなっているのでしょうね」
勇者「行ってみればわかるぞ」
ナレ「扉の先へと進むと、やがてビロードの豪華な絨毯の敷かれた大広間に出た。天蓋付
きのベッドが置いてあり、まるで貴賓室みたいだった」
リリア 「こんな洞窟内に貴賓室?」
ナタリー「ベッドの上に何かあるわ」
コンラト「手帳ですね。何か書いてあります。読んでみます」
ナレ「貴賓室が完成した。これで100年後に生まれ我が妻となるルーラ姫をここに招く
ことができるぞ……。そうだ冒険者達が近づけないように番犬としてドラゴンを置いてお
こう(サインがあります)竜王……」
勇者「竜王だと!?」
コンラト「どうやら犯行計画のようですね」
勇者「犯行計画?」
ナタリー「ルーラ姫って人間でしょ。竜と人間が結婚なんて考えられないからよ」
コンラト「ファンタリオンの王女も誘拐されていますからね。目撃者によると、魔王が『我が
妻として頂いていくぞ』とか言ってたようです」
勇者「なるほどな」
リリア 「どうしますか?」
勇者「と言ったって、ルーラ姫が生まれるのは100年後だろ?俺たちは皆死んでるじゃ
ないか」
ナタリー「そうね。竜族は何百年数千年生きるっていうものね。彼らにとっては100年は、
あたし達の数日くらいの感覚でしょうね」
勇者「どうしようもないな。ここは放っておいて先に進もうぜ」
ナレ「海底の洞窟を抜けると目指すマイレ地方に出る」

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