冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・14
2020.06.08

冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・14


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人さらいのアジト

ナレ「ダーマの神殿で、セーブと休息を終える一行」
勇者「まあ、とにかく。喫緊の課題である、人さらいが潜伏していると思われる洞くつ
攻略に出かけるぞ」
コンラト「そうです!人助けは重要です。騎士として遠回しにはできません」
勇者「おまえ、騎士じゃなくて戦士だろうが。前世のことは忘れろ」
コンラト「そ、そうでした。つい、昔の気質が残っているようで……」
リリア 「いえ、十分素敵ですよ」
ナレ「ダーマの神殿を南下して、橋を渡った洞窟へとやってきた」
勇者「この洞窟にはボスキャラの人さらいがいる。気を引き締めて行こう」
三人「おー!!(手を挙げて気勢を上げる)」
勇者「リリア、マッピング頼むな」
リリア 「任せてください」
ナレ「あやしいかげ、が現れた」
勇者「いきなりかよ。しかし、あやしいかげとは何者だ?とんでも怪しいぞ」
ナレ「解説しましょう。あやしいかげは、魔物が化けていて本性を隠しています。だいた
い勇者のレベルによって、その力量が変わっていきます」
勇者「なに?つまり俺がレベルを上げれば、それに即応して魔物もより強力な奴が出てく
るのか?」
ナレ「一応ランダムですが、より強い魔物の出現率が高くなるということです」
勇者「うーむ……なんて、相談とかできるのも、ターン制バトルのお陰だな。こちらがコ
マンド入力しない限り攻撃してこない」
リリア 「たまに魔物からの先制はありますけどね」
コンラト「そろそろ戦いをはじめませんか?魔物がじれていますよ」
ナタリー「じれているのは、あんたじゃない?」
勇者「ほんじゃいきますか(戦闘開始する)」
ナレ「魔物は、リリアに向かってザキ(瞬殺呪文)を唱えた。リリアは、呪文をかわし
た」
リリア 「あ、危なかった。Σ( ̄□ ̄|||)」
勇者「いきなりザキとは、あなどれないな」
ナタリー「なにを悠長なこと言ってんのよ」
ナレ「なんとか魔物を倒して一息ついた」
リリア 「何ものだったのでしょうか?」
コンラト「ザキを使う魔物としか分かりませんね。何かドロップしたら推測も可能ですが」
勇者「ふしぎなくつ&ぼうし、を落としたら『はぐれメタル』とかか?」
ナタリー「なんでそれを、あんたが知っているのよ、まだ出会っていないのに?さては、攻略
本を隠し持っているでしょ」
勇者「こ、攻略本って……何のことを言っているのかな?」
リリア 「箪笥とか本棚を、しょっちゅう漁っていたので、攻略本を見つけたのでは?」
コンラト「いい加減にしてください。口論している場合じゃなくて、人さらいに捕われている
人を救出に来ているのですからね」
リリア 「そうでした。冒険を続けましょう」
勇者「そ、そうだな。悪かった……冒険を続けよう」
ナタリー「なんか……釈然としないけど」
ナレ「というわけで、冒険は続く」
リリア 「どうやら、ここの1階は格子状の通路になっているようです」
ナレ「南の方にある扉を開けた所に階段があった」
勇者「降りてみよう」

ナレ「地下二階に降りました」
勇者「む!まほうのカギの扉があるぞ」
リリア 「怪しいですね。その先にひとさらいはいるのでしょうか?」
ナタリー「行けば分かるわよ」
コンラト「と、開けてみたら、ごちゃごちゃと人がいます」
ナレ「二歩進むと、道を塞がれた」
勇者「二歩?普通は一歩進めばじゃないのか?」
ナレ「二歩です!」
勇者「そう、強調するなよ。一歩目で気づかれて、二歩目で道を塞いだということだな」」
賊A「なんだおめえらは?ひょっとして、オレたちの仲間になりてえのか?」
勇者「実はそうなんだよ。仲間に入れてくれ」
賊B「おかしらは、いまるすなんだ。出なおしてきな!」
リリア 「何をおっしゃってるんですか?」
勇者「いやなに、潜入捜査というものがあるだろ。仲間になった振りをしてだな」
コンラト「で、率先的に家探ししたりして、強盗の一役を担うんですね」
勇者「……(バレたか)」
ナタリー「ま、いつものことだけどね……」
勇者「しようがねえ、仲間にはならねえよ!で、いいんだろ?」
賊C「じゃ、通すわけにはいかねえな……やっちまえ!」
ナレ「カンダタ子分が4人現れた」
勇者「やっちまえ!」
ナレ「勇者とコンラッドが攻撃、リリアはルカナンで相手防御力を下げ、ナタリーはス
クルトで仲間の防御力を上げるという戦術で挑み、なんとかカンダタ子分を倒したのだ
った」
勇者「カンダタ子分ということは、人さらいの親分は……」
ナタリー「カンダタということね。前回逃がしてやったのに、恩知らずな奴ね」
勇者「さらに先に通路があるな」
ナレ「そこは牢屋であった。別々の場所に男女が入れられていた」
タニア 「たすけてください!あたしバハラタの町からさらわれたタニアです!」
ナレ「持っているカギでは開けられなかった」
クプタ「つきあたりのカベに、このとびらをあけるレバーがあるはずだ!どうかそのレバー
をっ!」
勇者「いくらくれる?」
リリア 「なにをおっしゃってるんですか?」
勇者「だって、ここまで苦労してやってきたんだ。人助けとはいえ、報酬なしでは」
ナタリー「もう、何言ってんのよ」
ナレ「ナタリーは、カベを調べて大きなレバーを見つけた。うごかしますか?」
ナタリー「ぐいっと!こうするのね」
勇者「あ、こら!」
ナレ「二人の牢の扉が開く」
クプタ「ああ、タニア!」
ナレ「再会を喜びあって、通路をクルクルと回り踊っている」
タニア 「ああ、グプタ!あたしたち、帰れるのね!」
クプタ「ああ、いこう!」
タニア 「ありがとう、勇者さん!」
勇者「ほれ、見ろ!報酬もくれずに、すたこらサッサと行ってしまったぞ」
コンラト「いいではありませんか。さあ、我々も戻りましょう」
ナレ「元来た通路を戻る一行だったが、部屋の入り口で賊達が通せんぼしており、二人も
羽交い絞めにされていた」
タニア 「きゃーっ!」
カンタタ「ふっふっふっ。オレさまが帰ってきたからには、にがしやしねえぜ!」
タニア 「たすけて!勇者さん!」
クプタ「ボクはどうなってもいい!どうかタニアを!」
勇者「やい、おまえらどこかで見た覚えのある顔だな」
ナタリー「何言ってるのよ。シャンパーニの塔で戦ったじゃない」
コンラト「見逃してやったというのに、再度罪を犯すとは許せません」
カンタタ「うん?なんだ、こんなヤツをさらってきたおぼえは……うぬぬ!だれかと思えば、
またうぬらかっ!しつこいヤツらめ。だがこんどはまけはせんぞっ!」
ナレ「カンダタ一味が現れた」

ナレ「カンダタ一味を倒した。経験値1250ポイントを獲得」
勇者「なぬ、戦闘の詳細を省略したな」
カンタタ「まいった!やっぱりあんたにゃかなわねえや……。たのむ!これっきり心をいれか
えるから、ゆるしてくれよ!な!な!」
リリア 「許しましょう。心を入れ替えて世のため人のために精進してください」
カンタタ「ありがてえ!じゃ、あんたも元気でな!あばよ!」
クプタ「あ、ありがとうございました!このごおんは一生わすれません!さあ、帰ろうタニ
ア!」
タニア 「ええ、あなた」
クプタ「どうかあとで、バハラタの町へよってくださいね。では……」
ナレ「仲睦まじく立ち去る二人」
コンラト「カンダタを逃がしても良かったのでしょうか?」
リリア 「私は僧侶です。あの方の目を見れば、改心したかどうかは分かります」
ナタリー「まあ、あんたがそういうなら、そうなんでしょうね」
勇者「……(ブスッとしている)牢屋の隅に、ラックのたねとふしぎなきのみ、を見つけ
たぞ」
ナタリー「さあ、バハラタに戻りましょう。ほれ、リレミト唱えなさい」
勇者「なんでだよ……ブツブツ。リレミト!ほんで、ルーラだ!」
ナレ「バハラタに戻ってきた」
道具「いらっしゃい。ここは、こしょうの店です。やや!あなたがたは!?ぼくです。
グプタです!助けていただいてありがとうございました。こしょうをおもとめですか?」
勇者「なんだ。ここは、おまえの店だったんだな。もちろん、くれ!助けたんだからタダ
だよな」
クプタ「では、差し上げましょう!お金などとんでもない!」
ナレ「勇者は、くろこしょうを手に入れた」
リリア 「これでポルトガの王さまの依頼を達成できますね」
クプタ「お気をつけて。ダーマの神殿は、北の山奥だそうです」
勇者「知ってるよ。順路を間違えたようだな。タニアは二階かな……」
タニア 「あっ!勇者さん!たすけていただいて本当にありがとうございました。おかげでお
じいちゃんから、お店をゆずってもらったんです!」
老人「話は聞きましたぞ。なんといってお礼をいっていいのやら…。こうして楽ができる
のもあんたらのおかげじゃ。礼をいいますぞ」
勇者「言葉じゃなくて。なにかブツをくれ!」
コンラト「それじゃあ、ポルトガの王さまにくろこしょうを渡しにいきましょう」
勇者「おい、今交渉中だぞ!」
ナタリー「いいから、いいから。どうもお邪魔しました」

ナレ「ポルトガ城に戻りました」
国王「おお、そなたはたしか東の地にこしょうを求めて旅に出た勇者じゃったな。して、
どうじゃったのじゃ?やはりだめであったろう」
勇者「ははん、これを見よ!(くろこしょうを差し出す)」
国王「な、なんと!持ち帰ったじゃとっ!?おお、これはまさしく、くろこしょう!よく
やったぞ勇者!さぞやキケンな旅であったろう!よくぞなしとげた!その勇気こそまこと
の勇者のものじゃ!やくそくどおり、そなたに船をあたえよう!おもてに出てみるがよい」
ナレ「というわけで、城の外に出てみると、運河に船が係留されていた」
コンラト「やりましたね!これで、世界中の海を航海できます」
ナタリー「はやく!はやく、乗ってみましょう」

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冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・13
2020.05.25

冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・13


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ガルナの塔

ナレ「ダーマの神殿から北へ進むと」
勇者「塔が見えて来たな。ちょうどいい、ここでレベルアップしよう」
ナレ「というわけで、塔の中に突入する」
修女「人生は、さとりとすくいをもとめる、じゅんれいの旅。ガルナの塔へようこそ」
娘 「この塔のどこかに、さとりのしょと、よばれる物がねむっています。さとりのしょ
があれば、けんじゃにもなれましょう」
勇者「賢者か……ダーマの神殿で転職を聞かれた時、転職リストに賢者の項目がなかった
のは、さとりのしょがなかったからか」
ナタリー「呪文の使えないコンラッドさんなら、賢者になれば呪文も使えるようになるし、利
点も多いのでは?」
コンラト「はあ、時々呪文が使えたらと思う時はありますが、私は剣を振ってなんぼという精
神を大切にしたいですけどね」
リリア 「崇高な精神ですね。まさしく騎士、いえ戦士の鑑です」
勇者「ごたくはいい加減にして、攻略をはじめるぞ!」
ナレ「ガルナの塔を突き進む」
勇者「なんだこれは?塔の中に旅の扉があるぞ!」
ナタリー「というか、ワープゾーンといったほうがいいみたいね」
コンラト「これはたぶん、塔の中をいったりきたりできるみたいです」
勇者「そうか……。とりあえず手近なところから行くか」
ナレ「入り口を真っすぐ進んだ所にあるワープゾーンに飛び込んでみる」
勇者「なんか気分悪くなるな……あれ?行き止まりじゃないか」
リリア 「ワープですから、どこに飛ぶか分かりません。ともかくマップを書いて周辺の状況
から、現在地を特定します」
勇者「ああ、頼むぜ。マッピングなしでは攻略できねえな」
ナレ「何度かワープを繰り返し、階段を上り下りしながら、マップを完成させてゆく」
勇者「けっ!結局、分かったのは北西の独立塔に昇るのが正解みたいだぜ」
ナレ「その塔を昇った先は……」
ナタリー「行き止まりよ」
リリア 「いえ、ロープが張られていて北東の塔に繋がっているようです」
勇者「なに!?つまり、ここを綱渡りしていけ!ということか?賭博黙示録カイジのよう
に????」
コンラト「そうみたいですね」
勇者「それで成功したら2000万ペリカ貰えるのか?」
ナタリー「貰えないわよ」

勇者「足を滑らせて落ちたらどうなる?」
ナタリー「大丈夫なんじゃない?ピラミッドから飛び降りても平気だったから」
リリア 「下の階に落ちるだけですよ」
勇者「しかし、落ちればまた昇って来なくちゃならんだろ」
コンラト「そりゃそうですけどね」
勇者「よし、渡ろう……言っとくけど、押すなよ!!」
ナタリー「押さないわよ。あたし達は一蓮托生なんだから」
リリア 「勇者さんが落ちれば、みな落ちますよ」
勇者「絶対押すなよな!!」
ナタリー「しつこいわね!早く渡りなさい!!」
ナレ「と、つい背中を押した」
勇者「あああっ!!!!!」
ナレ「勇者が落ちたら、みな落ちた((o(>▽<)o)) きゃははっ♪」
勇者「なに笑ってやがるんだ!!それもナレーションが顔文字まで使いやがって」
コンラト「北西の尖塔の入り口に落ちましたね」
勇者「ほらみろ、また最初からやり直しじゃないか」
ナレ「ぶつぶつ言いながらも、改めて階段を昇り始めた勇者たち。一本綱渡りも何とかク
リアして、先の方へと突き進む。そして、その先の東の尖塔5階で見たものは……」
勇者「なんだよ、また綱渡りロープが張られてるじゃないか」
ナタリー「足もと注意して、もう一度チャレンジするしかないわね」
コンラト「仕方がありませんね」
ナレ「二本目の綱渡りを敢行して、西の尖塔6階でぎんのかみかざりを見つけた」
勇者「これで終わりか?」
ナタリー「行けるところは全部通ったはずだよ」
勇者「おかしいなあ…。さとりのしょ、があるはずだよな。マップはどうなっている?」
リリア 「見てください。2階以上の中央部に未踏破のところがあります」
コンラト「どこかに隠し通路とか隠し階段があるのでは?」
勇者「そうだな、見落としたのかもな。よし、引き返しながら隠し階段とかを探そう」

ナレ「と、5階に降りた時だった」
勇者「お、おお、おおお!メタルスライムが出やがったぞ!しかも6匹もだ」
コンラト「これは大金星です。1匹倒せば一人頭約1000Pもの経験値が得られますよ」
ナタリー「呪文は効かないわよ。打撃オンリーだからね」
リリア 「分かっています。ナタリーさんは、毒針攻撃お願いします」
ナレ「豊富な経験値を与えてくれるメタルスライムの群れに興奮する一行」
勇者「頼むから逃げないでくれよ」
ナレ「素早さアップの『ほしふるうでわ』と毒針を装備したナタリーが先制攻撃で確実に
1ポイントずつヒットさせる」
リリア 「当たりませんわ」
コンラト「自分も外れました」
勇者「よし、1ポイントだ!」
ナレ「メタルスライムは、倒せば経験値がたくさん入るが、呪文は一切受け付けず、ほぼ
1ポイントずつしか打撃を与えられない。しかもやたら逃げ足の早いことでも有名」
ナタリー「やったあ!1ポイントヒットで、1匹倒したわよ」
勇者「でかしたぞ!メタルのHPは3だ。3回当てれば倒せる」
ナレ「引き続き1匹倒すも、3匹が逃亡した」
リリア 「残り1匹、逃げないで~」
ナレ「ナタリーの番が回り、毒針がメタルスライムの急所を貫いた。プシュッという感じ
で消え去る」
ナタリー「やったあ!!3匹目倒したわよ(^ω^)」
ナレ「メタルスライムを倒した時の経験値は 4140 で、参加人数で割ったものが、個人の
経験値で 1035 となる。それが3匹だから、その3倍。したがって、各自それぞれレベル
アップした。チャリラリラン♪」
勇者「やったな(*^^)v。2レベルアップして、ついにリレミト覚えたぜ」
ナタリー「ようするに、脱出つまりトンズラできるということね」
勇者「おまえ、一言多いぞ!」
ナタリー「ふん!」
コンラト「良かったですね。ダンジョン攻略が楽になりますね。これで人さらいのアジトに向
かえますね」
ナレ「一同、レベルアップに小躍りして注意が散漫となり、足を滑らせた」
勇者「またかよお~!!」
ナレ「落ちた先の4階は何もない空間だったが、床にひび割れができていた」
リリア 「ここは(マップを確認)例の塔の中央未踏破の場所です」

勇者「そうか……。となると、その割れ目に飛び込めば、さらに下の未踏破地に行けると
いうことだよな」
リリア 「たぶん、そうだと思います」
勇者「よし、みな飛び込め!」
ナレ「3階の未踏破地に到着した」
コンラト「ここは下への階段があるだけですね」
勇者「無論、降りるぞ」
ナレ「2階の未踏破地に降りました」
リリア 「宝箱がありましたよ!」
勇者「さとりのしょ、が入ってたぞ。リリア、でかしたぞ。さすが、マッピングの天才だ
な!」
リリア 「どういたしまして」
ナレ「宝箱の他には、地割れがあるだけだった」
勇者「地割れといっても、この下は踏破済みの1階だな。せっかくだから、覚えたてのリ
レミト(ダンジョン脱出呪文)を試してみるか。リレミト!!」
ナレ「一瞬にして、ガルナの塔の入り口に立っていた」
コンラト「それでは、人さらいのアジトですね」
勇者「ま、約束だからな。その前に、ダーマの神殿で冒険の書に記録してもらって、宿屋
で休息だ!」

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冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・12
2020.05.18

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バハラタ

ナレ「ノルドの洞くつを抜けて、高い山々に囲まれた谷間を南下する」
勇者「イラン・イラクの東ということは……ここはインドだな」
リリア 「結構歩きますね。まだ次の町に着きませんか?」
勇者「地図を見ているんだが、だいぶ南だな」
ナタリー「魔物は強くなってきているし、MPも底をつきそうだわ」
勇者「海岸線さえ見えてくれば、すぐそこなんだろうが……」
コンラト「あ、海岸線が見えてきましたよ」
リリア 「町もありました!」
勇者「やっとかよ。実世界に比べて、随分と南の方に間延びした世界だな。ま、インドの
首都ニューデリーというところだな」
ナタリー「さっさと町に入るわよ」
娘 「バハラタの町にようこそ」
リリア 「バハラタとは、インドの古名バーラタからきています」
勇者「あ、俺が言おうとしていたのに、先に言われた」
コンラト「それはともかく情報集めです」
勇者「そうだな。反時計回に情報集めだな」
売店「くろこしょう?それなら、このすぐの南の店で売ってるよ。それより…ここは、武
器と防具の店だ。どんな用だい?」
勇者「また後でな」
リリア 「あら、この店は主人がいませんね」
剣士「私は、こしょうを買いにきた。だが娘がさらわれたとかで、商売をしてくれない」
勇者「店主がいないのか……。二階へ上がって、たびびとのふくが箪笥に入ってたぞ」
コンラト「店の外に誰かいますよ」
住民「りりょくんつえは、MPのちからを攻撃力に変えて敵を攻撃する武器だ。戦うたび
MPを使うが、魔法を封じられたとき、これでたたくとよいだろう」
リリア 「ナタリーさんが装備すれば良さそうですね」
ナタリー「でもダンジョン内とかじゃ、貴重なMPを消費してまでは使いたくないわね」
ナレ「町の一角に青年と老人がいる」
青年「ああ、タニア…ぼくのいとしき人……」
老人「旅のひと、まあ聞いてくだされ。わしのかわいいまごむすめタニアが、悪党どもに
さらわれてしまったのじゃ。そこにおる若者がタニアの恋人のグプタ。わしは2人を結婚
させ店をまかせようと思ったのに…。あんたらは強そうじゃな。どうかタニアを助け…」
クプタ「ぼくがいきます!」
ナレ「驚く一同」
クプタ「見ず知らずの旅のひとにたのむなんて……まっててください。きっとタニアを助け
出してきます!」
ナレ「と言って走り去ってしまうグプタ」
老人「グプタ!おお!この上グプタまで、つかまったら、わしはわしは……」
勇者「ほいじゃ、次行くか」
コンラト「待ってください。今の話聞いていなかったのですか?」
勇者「なんだよ。カンダタの時のように、また人助けしようというんじゃないだろな」
コンラト「人助けは、騎士……いや、戦士として人として大切です」
勇者「まあ、落ち着けよ。人助けしようにも、その悪党の居場所がわからんだろうが」
ナタリー「確かにそうね。ここは情報集めが大事ね」
コンラト「……わかりました」

ナレ「川のほとりに立つ二人がいる」
娘 「聖なる川の流れで、身を清めています。やがてさずかる赤ちゃんが、どうか元気に
生まれますように」
男 「このためにはるばる旅をしてきたのです。この聖なる川の水は飲み水になるだけで
なく、魔よけのチカラも持っているとか」
ナレ「南の建物に入る」
老人「魔王はすべてをほろぼすもの。凍てついた暗闇と死の世界の支配者じゃ!このまま
ではやがてすべての人びとが、その野望におびえることになるであろう」
ナレ「南東の部屋」
男 「橋のむこうの洞くつには、人さらいたちが住んでいるそうだ。近づかない方が身の
ためだぜ」
コンラト「聞きましたか?橋のむこうの洞くつだそうです」
勇者「焦るなよ。まだ全員に聞いていないぞ」
ナレ「宿屋に入る」
勇者「東の部屋から小さなメダルを見つけたぜ(*^^)v」
剣士「北の山奥には、転職をおこなうダーマの神殿があるそうだ。オレも、いつかは遊び
人…じゃなくて、りっぱな賢者になってみたいものだな」
ナタリー「あんたのこと言っているみたいね」
勇者「うるせいやい!」
リリア 「一通り住民から話を聞けました」
勇者「そいじゃ、レベルアップがてら、ダーマの神殿とやらに行ってみるか」
コンラト「え?人さらいのアジトに向かうのでは?」
勇者「なに言ってんの?今のレベルで人さらいと戦えると思ってるの?バハラタに来る道
中でもMP使い果たしたのに、洞窟内で魔物と戦うだけで精一杯だよ。とてもボスキャラ
とは一戦することもできない」
ナタリー「意外に、正論をいうじゃない」
勇者「シャンパーニの塔もしかり、人さらいのアジトもボスキャラとの戦闘は避けられな
い。これまでのナジミの塔やピラミッドなどは、ボスキャラがいなかったからクリアでき
たんだ」
リリア 「では、どれくらいレベルアップすれば良いのですか?」
勇者「そうだな……俺が、リレミト(ダンジョン脱出呪文)を習得するまでだな」
ナレ「というわけで、バハラタの東の橋を渡り、洞窟を横目に見ながら北に向かって歩き
続けた」
リリア 「お城が見えましたわ」
勇者「あれが噂のダーマの神殿か?」


ダーマの神殿

案内「ダーマの神殿によくぞきた!勇者が次のレベル……以下略」
勇者「なんだ、案内人かと思ったら、セーブ人だったのか」
リリア 「あら、神殿の外側に誰かいますよ」
勇者「気になるな。会ってみよう」
神官「わしは、命名神マリナン様につかえる神官じゃ。おぬしたちの中で、今の名前をか
えたい者がおったら、わしにいうがよい。だれか名前をかえるか?」
勇者「いいよ。ここで名前を変えたら、これまでの物語がごっちゃになるから」
神官「そうか。名前をかえたくなったら、いつでも来るがよいぞ。名前の守りがあらんこ
とを……」
ナタリー「東の方にあるのはなにかしら?」
ナレ「東の階段を昇ると宿屋だった。教会も併設中!」
民A「すやすや……ベキラマー!」
民B「むにゃむにゃ……。なにを買うかね」
民C「ぐうぐう……。やだ~。だってえ、あいつってチョベリガンブロンだしい……」
勇者「チョベリガンブロン……ってなんだ?」
ナタリー「ああ、それはね。超ベリー顔面不細工ロン毛野郎、という意味の略よ」
ナレ「ちなみに、このゲームが発売された当時、ファミコン雑誌では『チョベリガンブロ
ン』の意味について激論が交わされました('◇')ゞ」
勇者「解説ありがと('ω')それにしても、こいつ爺さんじゃないか」
ナタリー「きっと、ピチピチギャルになりたがっているんでしょ。転職してね」
宿屋「旅人の宿屋へようこそ。こんな夜ふけまでおつかれさまでした。ひと晩8ゴールド
ですが、お泊りになりますか?」
勇者「安い!!!一人頭2ゴールドか、泊まろうぜ!」

宿屋「おはようございます。では、いってらっしゃいませ」
勇者「夜が明けたら、ベットは空になってるな」
リリア 「みなさん、転職のための修行をはじめているのでしょう」
男 「はるか東の海にジパングと呼ばれる黄金の国があるそうです。もし、その話が本当
ならなんとしても、いってみたいですね」
勇者「なんか……どこかで聞いたような話だな。東方……なんとかだったかな」

老人「わしは、ぴちぴちのコギャルになりたいのう」
勇者「チョベリガンブロンだな」
娘 「わたし、魔法使いになるの」
勇者「早くベキラマー習得してね」
男 「私は、武闘家になろうと思っています」
青年「ぼくは、商人になってお金をもうけたいな!」
勇者「みんな頑張ってね!さて、ここのボス神官に会ってみるか」
神官「ここは転職をつかさどるダーマの神殿。職業をかえたい者が来るところじゃ。転職
をごきぼうか?」
勇者「おおうよ」
神官「どなたの職業をかえたいのじゃ?」
勇者「俺を遊び人にしてくれ!」
神官「おろか者め!勇者をやめたいというのか?それだけはならんっ!ほかに転職したい
者はおるかな?」
勇者「コンラッドが騎士になりたいそうだ」
コンラト「騎士という職業はありませんよ」
勇者「知ってるわい。もしかしたらと思っただけだ」
ナタリー「あたしは転職するつもりはないわよ」
リリア 「わたしもです」
コンラト「とりあえず、ここには用がないようですね。宿に泊まる以外は」
勇者「そうだな……。まだレベル不足だし、神殿の北の方へ行ってみよう」

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冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・11
2020.05.17

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ポルトガ

ナレ「女王イベントを終えて、冒険の旅に戻る一行」
勇者「何を抜かすか!おまえのおかげで苦労したぜ」
ナレ「たまには、息抜きもよろしいかと」
勇者「何が息抜きじゃ!ちっとも息抜きできんかったわい」
ナレ「あら、そうでしたか?」
勇者「ところで、お前たちはどこに雲隠れしてたんだ?どこにもいなかったよな」
ナタリー「あら、パーティーを解散させられたから、ルイーダの酒場に戻っていたわよ」
リリア 「勇者さんの女王としての風聞が届いていましたよ」
コンラト「美しく立派な女王だとのもっぱらの噂でしたよ」
勇者「そ、そうか?美しいとな(頬を赤らめる)」
ナタリー「なるほど、やはり16歳の女の子の反応ね」
勇者「う、うるせいやい!」
コンラト「パーティーも復活しましたし、冒険を再開しましょう」
リリア 「そうですね。ロマリア城の西の方角に活路ありでした」
ナレ「城を出て西に進むと、祠が見えてきた」
勇者「なんだよ、こんなところにあったのか」
リリア 「ロマリアに初めて来たときは、カザーフ村の情報を得て、真っすぐ北に向かったか
ら、目に入らなかったのですね」
ナタリー「早速、祠に入ってみましょう」
ナレ「祠の中には、魔法の扉とその前に立つ兵士がいた」
兵士「トビラを開けば、その先はポルトガの国だ。まほうのカギをもっているなら通るが
よい」
勇者「そいじゃ、通らせてもらうぜ」
ナレ「扉の鍵を開けて、地下通路へと降りる」
勇者「鍵が掛かっている扉があるな」
コンラト「まほうのカギでも開きませんね」
ナタリー「別の鍵が必要なようね」
リリア 「ここのことはメモしておきます( ..)φカキカキ」

ナレ「祠を出て南下すると城が見えてきた」
勇者「ポルトガルに到着!っとね」
少年「ここはポルトガだよ」
勇者「そ、そうだったな。よおし、右回りに情報収集だ!」
コンラト「右手に宿屋と武具屋、そして道具屋があります」
娘 「ああ、死ぬまでにはいちど『こしょう』というものをたべてみとうございます」
リリア 「こしょう……ですか。こしょう1グラムが、金塊1グラムに相当するほどの貴重品
だそうですね」
ナタリー「大航海時代の話ね」
勇者「懐かしいなあ……。レオン・フェレロなる没落貴族が、交易で名誉や爵位を上げて
ポルトガル王の一人娘と結婚して王位を継ぐまでの話だな」
ナタリー「どこの世界の話をしているの?あんた何歳なのよ?ほんとに16歳?」
コンラト「まあ、いつものことですよ」
勇者「(聞いちゃいない)盗賊の鍵の扉があるな…。なんかありそうだ。調べてみよう」
ナタリー「馬小屋のようね」
馬 「ヒヒーン!」
勇者「お!茂みの中に小さなメダル見っけ(*^^)v」
コンラト「そろそろ武具を買い替えませんか?この先魔物はより強くなりますから」
勇者「そうだな。おい、武具屋!」
武具「こしょうひとつぶは、おうごんひとつぶ。あんなねだんの高いものは、ここには置
いておけませんよ。ところで……ここは武器と防具の店だ。どんな用だい?」
勇者「見せてくれや」
ナレ「鉄シリーズの他、はがねのつるぎとはがねのむち、くろしょうぞくが並んでいた」
勇者「……いまいちだな。コンラッドには悪いが、もっと先の町で買うことにしよう」
コンラト「仕方がありませんね」
老人「なに?船がほしい?王さまに会いなされ」
住民「ここの王さまは、こしょうがだい好きだ。はるか東の国ではやすく手にはいるそう
だが…こしょうのためだけに、東へキケンな旅をするものもあるまい」
勇者「北側にも盗賊扉だ」
ナタリー「また家探しするのね」
娘 「わたしはサブリナ。こうして恋人のことを思っています。でも、夜になれば……。
夜がこわい。ああ、わたしのカルロス…」
勇者「壁に掛けられた袋のなかに、ちからのたねがあった!」

住民「ここは恋人たちのかたらいの場所。かつて愛しあうふたりが、よくここに来ていた
のですが、あのふたりはいまどこに…?」
勇者「そろそろ城に入るか」
衛兵A「ポルトガ城にようこそ」
衛兵B「このようなちいさな国とはいえ、王さまはりっぱなおかたです。どうかそそうのな
いように」
男 「なんと、東にはしょくぎょうをかえられる神殿があるそうです。私もいってみたい
ものですなあ」
ナレ「北東のまほうのカギの扉に入る」
娘 「みなは東の国にいってみたいというけれど、私はこわいですわ。だって東にはやば
ん人しか住んでいないのでしょう」
勇者「東の方の野蛮人?ロマリア地方のことだよな……」
ナタリー「そうみたいね」
ナレ「中央に宝箱の並んでいる部屋がある」
勇者「な、なんだこれは!?」
コンラト「バリアーですよ。踏み込んだだけで強烈なダメージを食らいますよ」
勇者「ふむ、一歩ずつHP回復させながら行けばいいんだろ?」
ナタリー「一歩で死んじゃうかもよ」
勇者「なあに、はじめるまえにセーブしておいて、死んだら再起動してやり直せばいい」
リリア 「あの……。セーブなんて言っていいんですか?」
勇者「いいんだよ。冗談からはじまる真実さ」
ナタリー「勝手にすれば……(呆れている)」
ナレ「まふうじのつえ、スタミナのたね、いかりのタトゥー、を見つけた」
勇者「ほらみろ、まふうじのつえなら、呪文使い相手には役に立つぞ。さて次行こうか」
老人「わしは真実をかたるもの、真実を聞きたいか?」
勇者「聞かせてもらおうか?」
老人「いそがばまわれ!これが真実じゃ。ふあっふあっふあっ」
コンラト「先ほどの行動のことを言ってますね」
勇者「うるせいやい!聞きたくないと答えたらどうだ?」
老人「それは、ざんねんじゃのう」
リリア 「当然の返答ですね」

衛兵「おおくのものたちが東をめざし、そして死んだ。気をつけることだな」
ナタリー「ここでも、東がやばいと言ってるわね」
コンラト「ロマリアからアッサラーム、そこからさらに東を指しているのではないかと?」
大臣「よくぞまいられた!わが王は、いまいそがしいので、私がかわってそなたらの話を
聞こう。勇者がつぎのレベルになるには……以下略」
勇者「なんだ、この城は王さまのかわりに侍従が冒険の書に記録するのか。じゃあ、王
さまは何しているのかな?」
国王「はるか東の国では、くろこしょうがおおくとれるという。東に旅立ち、東方で見聞
したことを、わしにほうこくせよ。こしょうをもちかえったとき、そなたらを勇者とみと
め、わしの船をあたえよう!この手紙を東への洞くつに住むノルドに見せれば、みちびい
てくれるはずじゃ」
ナレ「勇者は、『おうのてがみ』をうけとった!」
国王「ではゆけ、勇者よ!」
勇者「ところでノルドって誰だよ?」
リリア 「アッサラームの東の洞くつにノルドっていう方がいましたよ」
勇者「ああ、あの洞くつか。よし、さっそく行ってみよう」
ナレ「ルーラでアッサラームに飛び、東にあるノルドの洞くつに入る」
ノルド「わしは、ホピットのノルド。おじょうさんがたは、なんだね?さっ、出てゆきなさ
れ!」
勇者「前と同じこと言ってるぞ。普通持っているだけで、シナリオが進むんじゃなかった
のか?ロマリア城のきんのかんむり女王事件のように」
リリア 「ポルトガの王から頂いた『おうのてがみ』を【つかう】のではないですか?」
勇者「そうなのか?」
ナレ「勇者はおうのてがみを読み上げた」
国王「しんあいなるノルドよ。この手紙をもつ旅人をバーンのぬけ道へあんないしてやっ
てくれ。ポルトガの王より」
ノルド「ふむ!すると、おじょうさんがたは、東へいきたいのかね?」
勇者「むろんだ!」
ノルド「ふむ!ほかならぬポルトガの王さまのたのみとあらば…さ!ついて来なされ」
ナレ「と言って、先に行ってしまったノルドの後を追う」
ノルド「ふむ!そこで待っていなされ」
ナレ「洞くつの突き当りで、ノルドが岩盤にアタックすると……新しい道が開けた」
ノルド「さあ、お通りなされ!これがバーンのぬけ道への入り口じゃ」
勇者「すっごい!荒業だな。身体は大丈夫なのか?」
ナレ「抜け道へと進む一行。新たなる土地へ、どのような冒険が待ち受けているのだろう
か?」

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冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・10
2020.05.04

冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・10


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勇者、女王になる

ナレ「ロマリア城に戻ってきた」
国王「おお!勇者よ!よくぞ、きんのかんむりを取りもどしてきてくれた!そなたこそ、
まことの勇者!一国の国王としてもふさわしい人物じゃ!というわけでどうじゃ?わしに
かわって、この国をおさめてみる気はないか?そなたが、はいと答えるだけで、すぐにで
も王位をゆずろうぞ!どうじゃ?」
勇者「いやだよ!」
国王「そうか、いやと申すか……。しかし、なにごとも経験じゃぞ。あとになって思いな
おしても、わしは知らぬぞ。王になれるチャンスは今だけじゃぞ。というわけで、どうじ
ゃ?わしにかわって、この国をおさめてみるきはないか?」
勇者「断固断る!!」
国王「そうか……。そなたもがんこじゃのう。しかし、がんこさではわしも負けんぞ!と
いうわけで、以下略」
勇者「しつこいな、いやだ!」
国王「なんと!まだ、はいとは答えぬのかっ!じゃが、そのようにどこまでも、自分の信
念をつらぬくとは、ますます王にふさわしい人物じゃ!というわけで、以下略」
勇者「こうなりゃ、根比べだ!い・や・だ!」
国王「なんと!まだ、だめか……。そのように、ことわり続けると、わしもだんだん言う
ことがなくなってくるではないか。というわけで、以下略」
勇者「だめ!」
国王「ふーむ……あい、わかった!そこまでイヤと申すのなら、わしもあきらめよう」
勇者「ふう……。やっと諦めたか」
国王「わしは、勇者にこの国をゆずりたかったのに……。まあ、しかたがあるまい」
ナレ「参考までに、この国王のところで冒険の書に記録してもらうたびに」
国王「ところで、どうじゃ?今いちど聞くが、この国の王になってみぬか?」
ナレ「と、誘われます。もし、はいと答えてしまったら……」
勇者「ちょっと待て!勝手なことをするなあ!」
国王「おお!やってくれるか!よろしい!では、これより勇者が、この城の…と、思った
が、そなたよく見れば女ではないか。これはおどろきじゃ!ここ、ロマリアの歴史に女性
が王になった前例はないのだが…」
勇者「だから、これはナレーションが勝手に言ったことで……」
国王「いや、しかし女のかよわきウデでカンダタをたおしたその実力は王としてふさわし
いものじゃ。よろしい!今こそ、この国はじめての女王の誕生じゃ!!」
勇者「聞いちゃいないな……」
ナレ「その後、豪華なアクセサリーの沢山ついた雅かなドレスをお召しになられ、玉座に
鎮座ましまされ、勇者さまはロマリアの女王におなりになられたのでございます」
勇者「おい、言葉使いが変わっているぞ」
ナレ「女王さまには敬語でお答えするのが当然でございます」
大臣「この国はじめての女王さまの誕生じゃ!勇者女王ばんざい!」
王妃「ごりっぱですわ、勇者さま!わたくしの夫、つまりまえの王も、よくやってはいた
のですけれど…やはり、男性では気がつかない、こまやかな仕事もございますの。期待し
ていますわ。勇者さま」
勇者「なんで、隣に前国王妃が、そのまま座ってるんだ?」
ナレ「どうせ空いている席でございますから」
勇者「それでいいのか?」
詩人「ロマリアは、美しい国。勇者さまのような方こそ、この国の女王に、ふさわしいの
です。ラララ…ロマリアの地に立つー美しき姿よーわれらをすくわんとー神が与えし女王
よーラララ」
近衛「勇者女王さまに、けいれい!」
衛兵「話は聞いております。勇者さまはすでに、この国の女王。あまり気ままにお城を出
ぬようにおねがいいたします」
兵士「勇者女王さまにけいれい!女王さまは私の…いえ、みんなの太陽でございます」
ナレ「地下室に降りられる女王さま」
勇者「おお、宝箱がある。扉を開けてと」
ナレ「女王さまは宝箱を調べた!女王さまにひつようなものは、入っていないようだ」
勇者「ちょっと待て!女王さまに必要がないってなんだよ!?」
ナレ「それは、女王になられたからには、もはや冒険に出ることはありえないからです。
当然宝物など必要がないからでございます」
勇者「なにを!!あ、道具類も全部なくなっているじゃないか!没収されたのか?しかし
魔法の扉は開いたよな。鍵は?持ってないよな」
ナレ「ですから、女王さまには必要がございませんので……鍵はたぶん、すでにフラグが
立っているのでしょう」
勇者「フラグって何だよ?ちくしょう、こうなるんじゃないかと、王さまになるのを断っ
ていたのに」
ナレ「まあまあ、せっかくですから、城内をご散策になられてはいかがでしょうか」
勇者「ふん!ああ、ここは兵士詰め所だったな」
兵A「あ~あ、家ではカミさんのシリにしかれて、仕事でまで女王さまにつかえるとはな
あ……は!これは、勇者女王さま!いえ、なんでもありません!」
兵B「勇者さまが、カンダタをこらしめた武勇伝。しかと聞いています。あなたこそ、こ
の国の女王にふさわしいおかたでございます」
商人「やや、これは勇者さま!りっぱになられましたなあ。その姿はまるで、この国の女
王さまみたいですよ」
勇者「みたいじゃなくて、女王にされたんだよ!……この階段の上は東の尖塔だったな」
老人「なんと!女王さまにされたのか……。やれやれ、あいつはまだ、悪いクセがなおら
んらしいのう」
ナレ「城郭通路に降りる女王さま」
勇者「まほうのカギのこの扉の中は?」
剣士「うん?まるで女王のような姿をして、お前はなに者だっ!?この私は、だまされな
いぞ!へ?王位をゆずられた?こ、この国の女王に?これは、ご無礼いたしました。とこ
ろで女王さま。はるか西の国ポルトガには、船というものがあるそうです。いちどでいい
から、船に乗って大海を冒険したいですなあ」
勇者「ふむ、やはりこの国の西に行けということか……西の尖塔に昇るか」
囚人「へー、あんたがウワサの女王か。まさか、女が国を治めるとはな。けどよ、カンダ
タを逃がしてやったんだって?これだから女はあまくてダメだよ」
勇者「なにお!おまえ、死ぬまでここに幽閉な!」

ナレ「城内の散策を終えて、城下町へとおいでになられる女王」
老人「おお!女王さまじゃ!しかも、そのように強く美しい女性だぞい!ふむ!これでこ
の国も、もっとはなやかになるはずじゃ!めでたいのう」
少年「わーい、女王さまだ!きれいだなあ」
ナレ「教会に入る」
信者「女王さま、お願いでございます!はるか北の村ノアニールをお救いくださいまし!
え?もう村の呪いはとけているですって?さすが女王さまですわ!」
牧師「おお!あなたさまが、この国の新しい女王でございますか。わが国ロマリアと、勇
者女王に神のごかごがありますように」
ナレ「北西の家」
老婆「まあまあ、女王さまがこんなばあさまの所に……ありがたやありがたや。ありがた
いついでに女王さま。このばあさまのねがいを聞いてはくださりませぬか?」
ナレ「はい、いいえ、でお答えくださいませ」
勇者「しようがねなあ。なんだよ?」
老婆「じつは、お城の中庭の花畑を手入れする男が、最近仕事をさぼってばかりおります
のじゃ。あの花畑は、先代の王妃の思い出の場所…。なのに、このままでは雑草におおわ
れてしまいまする。どうか、中庭の花畑にいる男に、草むしりをするよう女王さまからい
いつけてくださいまし」
勇者「そいつって……犬を探していた老人だよな。俺を美しいだのめでたいだの、ってほ
めるばかりだった……。ありゃ、だめだな」
宿屋「やや、女王さま、おさんぽですか?わかります、わかります。こんないい天気だ。
お城の外に出て、草花や木をながめるほうが楽しいですよね」
宿人「まあ!わたしのような旅の者にまでお声を。かんげきですわ、女王さま!」
男 「(宿裏)げっ!女王さま!どうしてこんな所へ……。そうだ!せっかくですから、いいこと
を教えましょう。なんでもノアニールの村では、みかわしのふく、を売っていたそうでご
ざいますよ。もっとも女王さまには、今のお姿のほうがずっとお似合いですがね。わっ
はっはっ」
少年「ところで女王さま、アリアハンの勇者は、まだ来ませんか?おかしいなあ……」
勇者「もうすでに……と言っても、この姿じゃ信じないだろうな。ん?城門か……出てみ
るか」
ナレ「勇者女王が門の外に出ようとすると、すかさず門兵が立ちふさがった」
門兵「(A)女王さま、お城から出ては危険でございます。(B)女王さま、なにとぞ城
内にもどられますように」
ナレ「なんの装備もしていないうえに、女王はこの国の大切な宝。門兵が道を開けるはず
もない」
勇者「くそったれ!」
ナレ「そのような下品なお言葉は、仰られませんように」
勇者「いいよもう。ルーラで逃げちゃうもんね(*^^)v」
ナレ「女王さまは、呪文をつかえない。残念でした」
勇者「なんだよ、そこまでやるのか?」
ナレ「すべては女王さまのためでございます。女王さまは、この国を治めになられるので
すからね」
勇者「ふん!勝手に言ってろ。しようがねえ、散策を続けるか……」
武具「へい、いらっしゃい!あ~びっくりした。だれかと思ったら女王さまじゃありませ
んか!へい、おかげさんでこうして毎日商売させてもらってます。ありがてえこってす」
道具「新しい王さま…女王さまですよね?だったらおねがいします!税金をもっと安くし
てください」
剣士「やや、これは女王さま、ごきげんうるわしゅうございます。ところで、ついさきほ
ど前の王がうれしそうに地下におりていったようですが……」
勇者「そうか!?地下はモンスター闘技場だったな。ともかく会ってみよう」
案内「やや、女王さま!どうしてこんなところへ?」
店主「ここは、女王さまが来るような所ではございません。どうかおひきとりを……」
剣士「わっ、勇者女王さま!と、とにかくけいれいっ!」
女性「まあ、女王さま。どうしてこのようないかがわしい所へ……。まあっ、後学のため
に?私もですのよ。おほほほほ」
商人「わかりますよ。女王さまだって、人の子だし!いけないっていわれたら、よけいに
やりたくなることってありますもんね。ようガス!オレはかよわき女性のヒミツを他人に
話すようなヤボな男じゃございません。ここで女王さまを見たってことは、ナイショにし
ておきましょう!わっはっはっ」
老人「ふがふが……」
男 「女王さまだ!どひゃー!」
バニー「あ~ら、リッチなそうなお客さま。どんどんお金を使っていってね」
店主「かけごと?めっそうもねえ!オレたちは、ただ試合を見せて、楽しんでもらってる
だけでさあ」
前王「わっはっはっ、わしじゃよ。前の王さまじゃ。しかし、しょみんはええのう。かけ
ごとが、こんなに面白いとは思わんかったわい!そなた、がんばってこの国をおさめてく
れよ」
ナレ「はい、いいえ、でお答えくださいませ」
勇者「ここで会ったが百年目!いいえに決まっているだろがあ!!」
前王「なんと、女王さまになっているのは、もういやじゃと申すのか?」
ナレ「はい、いいえ、でお答えくださいませ」
勇者「もちろんだ!」
前王「そうか……。いやなものを続けさすわけにもゆくまい。わしも、しばらくであるが
息ぬきができたしな。あいわかった!勇者よ!そなたはやはり旅を続けるがよかろう!」
ナレ「謁見の間に戻ります」
国王「ふむ……。わしは、あまり見ておらなかったが、勇者の女王ぶりはみごとだったよ
うじゃの。まあ、なにごとも経験じゃ。このさきも、さまざまな出来事がそなたらをまっ
ておるであろう。そなたらのさらなるかつやくを期待してるぞよ。では、ゆくがよい」
王妃「あなたのような女性がおさめる国を見てみたかったですわ。でも、しかたがありま
せんわね。あなたには、やらなくてはいけないことがあるのですものね」
大臣「ここだけの話だが、じつは私も5回ほど王さまにされたことがあるのだ。そなたも
また王さまをやりたくなったら、いつでもこの城に立ちよってくれよ」
勇者「だれがくるか!二度と来ねえよ!!」
詩人「また、風のささやきが聞こえたんです。あなたも聞きますか?」
勇者「聞かせろ」
詩人「シャンパーニの塔がしずかになったよ、ありがとうありがとう……」
近衛「これからの旅のご武運をおいのりしています」
ナレ「こうして仲間と再会し、再び冒険へと旅立つのであった」
勇者「ふう……肩が凝ったぜ」
ナタリー「よっ!久しぶりね」
リリア 「お待たせ!」
コンラト「ルイーダの酒場で噂は聞いていましたよ」
勇者「ああ……忘れずに地下室の宝箱、アサシンダガーとふうじんのたてを取っておいた
ぜ」

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