冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・15
2020.02.14

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・15


ナレ「ラダトーム城から南へ進路を取ると、やがて小さな島にぶち当たる」
勇者「お、あれが竜王の言っていた島だな」
王子「灯台が見えますね」
王女「たぶん、灯台に目指すものがあるのでしょう」
勇者「よし、行ってみよう」
ナレ「一行が塔に入ると、門番の兵士が立っていた」
兵士「だれに聞いたか知らぬが、そなたたちも紋章を見つけに来たのか?」
ナレ「はい、いいえ、で答えてください」
勇者「いつものとおり、両方聞くがな……。まずは、はい、だ」
兵士「紋章は、ものではなく心のしるし。おのれのつよさの中に、そのしるしがきざまれ
ると聞いている。いったいこれは、どういうことなのだろうか……。」
勇者「ふむ、いいえ、では?」
兵士「ならば立ち去るがよろしかろう。この大灯台の中はまものたちのすみか。とても生
きて出て来れまいぞ!」
勇者「そうか、大灯台という名称なのか。ゲームクリアのためには、昇るしかないだろな」
王子「ゲームクリアとか言わないでくださいよ」
勇者「ま、気にするな」
ナレ「ということで、大灯台の中へと突き進むのであった」
勇者「げっ!やたら入り組んでいるみたいだな。さすが、紋章のある必須ポイントだぜ」
王子「マッピングを開始します」
勇者「よろしく頼むぜ」
ナレ「迷路のような壁に囲まれた塔の中を探索する」
勇者「ミイラおとこ、を倒したがいいが、やたら『ぬののふく』落とす。持ちきれなくて
捨てるしかないぜ( 。・・)/⌒□ポイ」
王子「もったいなけど、仕方ないですね」
勇者「くそっ!行き止まりだぜ」
王子「壁がいつもと違います。どこかに隠し通路があるのでしょう」
王女「そういう時は、片手壁伝いで確認するのが常道ですよ」
勇者「忘れていたぜ。右手を壁に宛てながら歩くと……。あった!隠し通路だ」
王子「あ、階段があります」
王女「昇りましょう」
勇者「いや待て!最初に出てくる階段は、外れというのがセオリーだ。見れば隠し通路が
ある。その先に行ってみよう」
ナレ「言う通りに先に行くと、十字路になっていて、それぞれの辻に階段があった」
王子「階段が四つ。どれを上がりますか」
勇者「こういう時は、一番奥の方と決まっているさ」
王女「リーダーに任せます」
王子「とにかく上に上がりましょう」
ナレ「モンスターを倒しながら着実に上の階へと進んでゆく」
勇者「塔の縁を歩くのは辛いな。うっかり外へ落ちそうになる」
王女「一歩一歩、慎重に歩きましょう」
勇者「こういう時は、スマホ版のコントロールシステムはダメだな」
王子「ゲームパッドが欲しいですね」
王女「もう、王子も毒されましたか?」
王子「あ、いや。済みません(*- -)(*_ _)ペコリ」
勇者「何とか、5階まで来たけど、モンスターが強くなってきたな」
王子「6階に来ましたが、扉がありますね」
勇者「銀の鍵で開くかな?」
王子「開きました」
勇者「よし!いいぞ」
王子「7階に来ました」
王女「さらにモンスターが強力になりましたね。ゴールドオークの攻撃力は強力です」
勇者「むっ!なんか、モンスターがいるぞ!」
王子「話しかけてみますか?」
勇者「戦闘になるか、重要なヒントをくれるか、二者択一だな」
ナレ「近づこうと、一歩進むと、モンスターは壁の中に消えた」
王子「隠し通路に消えましたね」
王女「追ってみましょう」
勇者「そうだな、他に行き場所ないからな」
ナレ「隠し通路に入ると、翁が立っていた」
王子「あれ?さっきのモンスターは?」
翁 「いやいや、何もいわなくても、じじいには分かっておりますとも旅の人!ほっほっ
ほっ……。ついて来なされ。紋章のある場所へ案内してさしあげましょう!」
王女「怪しいですね」
勇者「だからといって前に進むしかない。じじいの後を追うぞ」
王子「下への階段があります。それも二つ」
王女「じいさん、角の側の階段から降りましたよ」
ナレ「翁の後を追いながら、下へ下へと階段を降りてゆく」
勇者「しかし、塔の縁ばかりの道行だな。落ちるのを待っているみたいだ」
王子「気を付けましょう」
勇者「おっ!やっとこ着いたみたいだな。宝箱が見えるぜ」
王子「おじいさんも宝箱の側に立っています」
王女「さあ、宝箱を開けよ。とばかりに誘ってますね」
勇者「罠かも知れないが、行くっきゃないだろ」
翁 「さあ、あの宝箱を開けなされ。」
勇者「ふむ、期待通りだな。とにかく開けるとしよう」
王女「その前に、体力を回復しておきましょう」
王子「そうですね。罠かも知れませんから」
勇者「よし、回復した。開けるぞ!」
ナレ「勇者は、宝箱を開けた。中はからっぽだった。」
翁 「ケケケ……!ひっかかったな!ここが、お前たちの墓場になるのさ!」
ナレ「グレムリンが4体現れた」
王子「やっぱり、罠でしたね」
王女「見え透いた罠です」
勇者「よっしゃあ!ここまでたどり着いた我々に負ける気がしないぜ!」
ナレ「こうして、グレムリンの火の息攻撃や、ラリホーの眠り攻撃に苦戦しながらも、何
とか倒すことに成功したのだった」
王子「何か落としましたよ」
ナレ「なんと、グレムリンたちは、紋章のひとつをかくし持っていた!勇者は『星の紋
章』を手に入れた!」
勇者「ちょっと待て!手に入れたっつうけど、手に持ってないぞ。王子、もってるか?」
王子「持ってません」
王女「あたしもです」
勇者「なんでやねん?」
王子「そういえば、門番の兵士が言ってましたよね」
兵士「紋章は、ものではなく心のしるし。おのれのつよさの中に、そのしるしがきざまれ
ると聞いている。いったいこれは、どういうことなのだろうか……。」
王子「おのれのつよさの中って言ってましたから。ステータスを見ろということじゃない
でしょうか?」
勇者「なるほどな……メニューの中の『つよさ』のところに☆マークが現れてるぞ」
王女「それが紋章を獲得したという証ですね」
王子「竜王は、五つの紋章を集めよ、と言っていましたから、後四つ集めなきゃいけない
ですね」
勇者「ともかく一旦ラダトーム城に戻ろう。王子、頼む!」
王子「リレミトとルーラですね。分かりました」
ナレ「こうしてラダトーム城に戻る一行だった」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・14
2020.02.13

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・14


ナレ「川を渡り、毒沼を越えて竜王城へとやってきた一行」
勇者「さて、まずはロトの剣を手に入れるぞ!」
王子「竜王に会いに行くのではないのですか?」
勇者「それは後回しだ。レベルアップも兼ねて、先に剣を見つける」
王女「ロトの剣があるという確証は?」
勇者「ドラクエIをプレイしたからな」
王子「なんですか、それは……」
勇者「とにかくだ。城に入ったら、マッピング頼むぞ」
王女「Iをプレイして覚えてないの?」
勇者「俺が、記憶力いいと思うか?それに、Iから百年も経っているんだ。マップも変わ
っているかもしれん」
王子「はあ……わかりました」
ナレ「マッピングをしながら、城内を探索する一行。グレムリン4体の出現に手こずり、
何度も全滅を繰り返しながらも、念願のロトの剣を手にするのだった」
勇者「取ったど~!!(剣を高々と掲げる)」
王子「おめでとうございます。じゃあ、リレミトで脱出しますか?」
勇者「おう……ってか、いつリレミト覚えたんだ?」
王子「ついさっきですが」
勇者「でかしたぞ。おまえって、意外と便利な奴だな。戻ったらカツ丼奢ってやるぞ」
王子「そんなもの、この世界にありませんよ。リレミト!」
ナレ「竜王城を脱出して、一旦ラダトーム城へと帰還する」
勇者「よおし、カツ丼も食ったことだし、今度は竜王に会いに行くぞ!」
王子「ソレ、どこで食ったんですか?」
勇者「気にするな。ナレーションの大好物だそうじゃないか」
王子「そうなんですか?」
ナレ「ええ、まあ……」
王女「意外と俗物的なんですね」
ナレ「ほっといてください!」
勇者「腹ごしらえも済んだし、出発だあ!」
ナレ「再び竜王城に戻ってきた一行」
王子「前回の探検で、おおよそのマップが出来上がっています」
勇者「そうか、前回使わなかった階段を昇り降りすればいいんだよな」
王子「はい。3階からですが」
勇者「うん……(考え込んで)このロトの剣、おまえにやる!(剣を王子に手渡す)」
王子「えええ!いいんですか?」
勇者「ああ。鉄の槍じゃ、心もとないだろ?俺は、同じ攻撃力のおおかなづちで十分だ」
ナレ「なんとまあ!珍しくパーティー思いの行動をしましたね」
勇者「うるせえ!リレミト覚えてて、回復役のこいつが必要だからだ」
王子「ありがとうございます。ありがたく頂いておきます」
ナレ「こうして、竜王城の最深部へと突き進み、竜王の前へと歩み出たのであった」
竜王「よく来た、勇者よ。わしが王の中の王、竜王のひまごじゃ。最近パーゴンとかいう
者が、えらそうな顔をして、はばをきかせていると聞く。じつにふゆかいじゃ!もし、わ
しにかわってパーゴンをたおしてくれるなら、いいことを教えるがどうじゃ?」
ナレ「はい、いいえ、で答えてください」
勇者「いいえ、と答えたら?」
竜王「そうかいやか……。おまえはいがいと心のせまいやつだな。では、もう何もいわぬ。
行くがよい。」
王子「何言ってるんですか?ここまで来て、知らんぷりんはないでしょ!」
勇者「うるさいなあ!じゃあ、はい、だ」
王女「なによ、その言い方は?」
勇者「間違った選択をして、ゲームオーバーになったり、スタート地点に戻されることは
ないからな」
王女「勝手になさい!」
竜王「ほほう。やってくれるかっ!では、5つの紋章をあつめよ。さすれば精霊の守りが
えられるという。かつてメルキドと呼ばれた町の南の海に、小さな島があるはず。まず、
そこへ行け!その島は、この城からまっすぐ南へ進めばたどりつけるはずじゃ!紋章をあ
つめ、精霊のチカラをかりなければ、パーゴンはたおせまいぞ!」
勇者「紋章集めか……ドラクエⅢでいう所の、オーブ集めに相当するのだな」
王女「なんのことを、おっしゃっているのでしょうか?」
勇者「いや、こっちの話。気にするな。さあ、南の島へ向かってGO!だ」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・13
2020.02.12

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・13


ナレ「東の海を渡りアレフガルドの国に入った一行の向かった先は、ラダトーム城」
勇者「おや、南に見える城は確か……」
王子「竜王の城ですよ」
勇者「そうか。ドラクエ Iのラスボスのいる所だな。ロトの剣があるはずだが」
王女「そこへ渡るには舟がいりますね」
王子「東の海に置いてきました」
ナレ「ちなみに、ラダトーム城へ歩いてきた場合には舟が側にないので、セーブした後ル
ーラで戻ってくると、城の側に舟は現れます」
勇者「おお、珍しく解説してくれたな。サンキューだ」
ナレ「どういたしまして。城の中に入る一行であった」
勇者「ここがラダトーム城か……。なんとなく懐かしく感じるな。そうそう、このBGM
だよ」
王女「来たことがあるのですか?」
勇者「いや、ない。が、血が騒ぐってやつかな」
王子「なるほど。ロトの血を継いでいるから?」
勇者「どうでもいいや。とにかくだ、確かMP回復じいさんが……おお、いたいた」
MP翁「おお、古き言い伝えの勇者の子孫たちに光あれっ!(ピカピカ)」
ナレ「全員のMPが回復した」
王子「なんでご存じだったのですか?攻略本に書いてあったのですか?」
勇者「なあに、ドラクエIは何度もやって覚えていたよ」
王女「ドラクエI?」
勇者「気にするな。さ、情報収集だろ?」
ナレ「城下町内で、手当たり次第に聞きまくる一行だった」
町人「あなたがたは、もしやロトの勇者の子孫の方々ではっ!?」
ナレ「はい、いいえ、で答えてください」
勇者「俺の名は勇者だ。それが答えだ」
町人「おお!やはりそうでしたか!ラダトームの地にお帰りなさいませっ!」
勇者「ちなみに、いいえと答えると」
町人「なーんだ。また人ちがいか……。」
勇者「おい、そこの娘。セックスしようぜ」
娘 「むかしむかし。この城にいたローラ姫さまは……世界を救った一人の若者に連れら
れ旅に出たと伝えられています。いったい、あれからどれだけの年月が過ぎたでしょう
か……。おかえりなさいませ!わがアレフガルドに!」
勇者「やっぱり、決まり文句しか言わないか」
王女「あそこの鍵のかかった建物はなんでしょうか?」
勇者「行ってみよう」
店子「ここは、おさいほうの店です。あまつゆのいとはいりませんか?」
王女「あまつゆのいと?それ、ください!(と、身を乗り出す)」
勇者「なんだそれ?」
王女「知らないのですか?水の羽衣を作る材料ですよ」
勇者「はごろも?缶詰メーカーか?」
王女「バカ(小声で呟く)」
店子「あら?どうしましょう。ちょうどきらしておりましたわ。あまつゆのいとは空の
めぐみ。風に運ばれドラゴンのつのと呼ばれる塔の北側の3階にいつも落ちているのです
が……。」
勇者「だそうだ。残念だったな」
王女「ドラゴンのつのに行きましょう!」
勇者「おいおい。まさか、その、あまつゆのいと、とやらを取りに行くのか?」
王女「もちろんです!」
王子「行きましょう。南の塔6階を昇ってこれたんですから、北の塔の3階は楽勝でしょ
うから」
勇者「しょうがねえなあ。財宝のことも気になるが、レベルアップを兼ねて行ってやるよ」
ナレ「というわけで、ドラゴンの角北の塔を難なくクリアして『あまつゆのいと』を手に
ラダトーム城に戻ってきた」
勇者「お、端折りおったな」
王子「商人の財宝となれば、やはり商人に聞くのがセオリーでしょう。あそこに商人らし
き人がいます」
商人「しずんだ財宝の話を知っていますか?」
ナレ「選択肢が出ています。はい、いいえ、で答えてください」
勇者「おお、ナガプルの商人から聞いているぞ。はい、だ!」
商人「海のどこかがキラリと光ったなら、そこに財宝がしずんでいるという話ですよ。」
勇者「ちなみに、いいえと答えたら……いや、それは読者(プレイヤー)にお任せしよう」
王子「なんだかなあ……」
勇者「というわけで、財宝探しに出かけるぞ!」
王子「と言われてもどこへ向かえばいいのですか?」
勇者「まあ、北か南しか行けないからな……。よし、北だ」
王女「北ですか。その根拠は?ただでさえ海の魔物は強力ですから」
勇者「おう、なんとなくだ」
王子「いつもながら、いい加減」
勇者「この物語もいい加減だからな」
ナレ「一旦ルーラでナガプルへ飛んで、そこから北へ北へと舟を進ませる」
勇者「見ろよ!光っている所があるぞ。ラーの鏡を見つけた毒沼と一緒だ。ただしスマホ
版だがよ」
王子「また、ゲームクリエイターの作為ですか?そして、わたしに潜れと?」
勇者「いや、今度は俺が潜る!」
ナレ「勇者は舟からとびおりもぐっっていった。なんと!ふねのざいほうを手に入れた!」
勇者「よし!ルーラでナガプルへ戻るぞ」
ナレ「港にいる商人に財宝を渡すと」
商人「おお!これはしずんだ舟の財宝!これで私は破産せずにすみますよ!ありがとうご
ざいました!お礼にわが家の宝、やまびこのふえを、さしあげましょう。」
勇者「ありがたく頂いておこう。他に何かくれよ」
商人「そのせつは、どうもどうも。おかげで助かりました。私も、これからはお金をため
ることばかりではなく。この町の人たちのために使う道を考えてみますよ。」
王女「もう、少しは遠慮してください」
ナレ「と、勇者の袖を引っ張って部屋を出る」
勇者「やまびこのふえ、とやらを貰ったのはよいが、どうやって使うのだ?おい、ナレー
ション、答えろ!」
ナレ「ある場所で、それを吹くと、ある物が見つかりますよ」
勇者「ある場所、ある物、って何だよ?」
ナレ「そうですねえ……竜王なら知っているかもですよ。聞いてみたら?」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・12
2020.02.11

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・12


勇者「ようやく、港町、ナガプルにたどり着いたぞ」
王女「町人からの情報を集めましょう」
町人「東の海をわたると、アレフガルドの国です。はるか昔、ロトの勇者とローラ姫は、
その国からやって来たそうですよ。」
勇者「ふうん。それくらい知っているわい……」
王子「とにかくメモしておきます」
勇者「おお、ここにも禿げ頭のおっさんがいるぞ!」
王子「またですかあ?」
勇者「当然だよ。リアクションが面白い!そのためのNPCだからな。おい、そこの禿
げ!」
禿頭「男には、用はねえなあ。よお、後ろのねえちゃん!オレと一杯やらねえか?ひっ
く。」
勇者「なんだと!このやろう!!(殴りかかろうとする)」
王子「暴力はやめてください(必死で止めに入る)」
王女「そうですよ。たかがNPCの言葉に過激にならないでくださいね」
勇者「ふん!今度、同じこと言ったら、ただじゃ済まさないぞ!」
王子「とか言いながら、話しかけないで下さいよ」
王女「そうよ。NPC相手に、なに息巻いてるのよ」
王子「さあさあ、情報収集しましょう」
ナレ「勇者の背を押して、その場を離れる」
勇者「お!バニーガールのお姉ちゃんがいるぞ」
バニー「ねえ、あたしってかわいい?だったらぱふぱふしない?」
勇者「おおとも、もちろんだ!」
バニー「本当?うれしいわ。ぱふぱふぱふ。」
勇者「ぱふぱふぱふ。」
バニー「どうもありがとう。気がむいたら、また来てね。」
勇者「ふうっ……。気持ちよかったぞ」
王子「なにやってんですか!?」
勇者「勇者色を好む、って言うじゃないか」
王女「それって、英雄でしょう!」
勇者「そういえば『幸運を呼ぶサロン/色を好まぬ色男』というクエストがあるな」
王女「なにそれ?」
勇者「ドラクエXだよ。知らないのか」
王女「知るわけないでしょ。今はIIなんだから……って、何言わせるのよ!」
勇者「おお、あそこに見えるは舟じゃないか」
王子「通せんぼしているのが管理人かな?」
勇者「おい、じじい!舟を貸せ!」
翁 「ほほう。舟に乗りたいと申されるか?しかし、よそ者には舟をかさぬのが、この町
のならわし。すまんが、あきらめて下され。」
王子「ちょっと、勇者さん!手を振り上げないでください!!」
勇者「俺はまだ何もしてないぞ」
王女「嘘です。今、殴りかかろうとしてました」
勇者「……しようがねえ。他に行くぞ」
ナレ「情報を求めながら、町の北西へ」
王女「見てください。女の子が、ガラの悪い男達に囲まれてますわ」
勇者「ほっておけ。触らぬ神に祟りなし、だよ」
王女「そこの人!なにしてるんですか!?」
ナレ「勇者の態度に、たまらず声を掛ける王女」
勇者「あ、こら!余計なことを」
ナレ「一行に気づいて、駆け寄る娘」
娘 「たっ、たすけてっ!まものたちが私をっ!」
盗賊「ケケケ!その女をわたしなっ!」
ナレ「はい、いいえ。どちらにしますか?」
勇者「ここは、もちろん『はい』だろうな」
王女「何言ってるんですか!助けましょう」
勇者「まあ、待て。族の反応を見よう」
盗賊「ケケケ、バカなやつ……。おまえたちもここで食ってやろう」
ナレ「グレムリンが2体現れた!」
勇者「そう来ると思ったぞ。総員戦闘態勢!」
王子「なに、かっこつけてるんですか!」
ナレ「苦戦するも、なんとかグレムリンを倒すことに成功した」
娘 「あぶないところをどうもありがとうございました。私について来て、どうかうちの
おじいさまにも会って下さいな。さあ、こちらへ」
勇者「おうとも、どこへでもついてゆくぞ。なんなら、ベッドの上でも良いぞ」
王子「何言ってんだか……」
ナレ「娘が二人を連れて行ったのは、運河の管理人のところだった」
娘 「おじいさま、ちょっと……。」
翁 「かわいいまごむすめを助けて下さったそうで、なんとお礼をいってよいやら。おお、
そうじゃ!あなたたちに舟をお貸ししようぞ。このじいいに、できるのはそれくらいじゃ。
どうか自由に乗って下され。……じゃが最近は海がずいぶん荒れてきておる。まずは、東
の海をわたって、アレフガルドの国のラダトーム城を目指しなされ。そこの王さまならき
っと、あなたたちの力になってくれるじゃろう。気をつけて行きなされよ。」
勇者「話が長い!20文字以内にまとめろ!!丁度一行20文字なんだぞ」
王子「あ、済みません。気にしないで下さい」
勇者「と、とにかく……。ありがたく頂いておこう。ついでだが……娘」
娘 「本当に、どうもありがとうございました。これからは、あぶない場所には近づかな
いよう気をつけますわ。」
勇者「ついでだから、一緒に行かないか?」
娘 「本当に、どうもありがとうございました……以下略」
王子「無駄ですよ。NPCだから……」
翁 「気をつけて行きなされよ」
勇者「しょうがねえ……。とにかく頂けるものは頂く」
ナレ「と舟に乗り込む一行だった。ちなみに、族の問いには、どちらに答えても同じ結果
になります」
勇者「何言ってるんだか……お、なんか扉があるな。覗いてみよう」
商人「嵐の夜。財宝をつんだ私の舟がしずみました。私は、たまたま近くを通った舟に助
けられましたが、財宝は海の底に……。もし財宝をひきあげてくれたなら、きっとお礼を
いたしましょう。」
勇者「お礼……ってなんだ?」
商人「嵐の夜。以下略」
勇者「ちぇっ!持ってくればいいんだろ?」
ナレ「商人宅を出る一行」
勇者「さて、これからどこへ向かえばいいんだ?」
王子「町の人が言ってましたよね。東の海を渡ったところにあるアレフガルドの国。そこ
に何かありそうですが」
勇者「ロトの勇者とローラ姫の故郷ってやつか……。しょうがねえ、他に情報はないし、
行くとするか」
王女「確か、攻略本とか持ってましたよね?どうしたんですか?」
勇者「ああ、空飛んだ時に落としちまったよ」
王子「それは残念でしたね」
ナレ「というわけで、東の海を越えたアレフガルドの国へと向かうのだった」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・11
2020.02.10

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・11


ナレ「サンペタを出立して、一旦南へサンブルグ城を横目に、さらに西へ『サンブルグ西
のほこら』を経て、西へ西へと果てしなく続く草原を渡る」
勇者「かぶとムカデが出た!しかし、なんて固いやつだ。スクルトかルカナン使えないの
か?」
王子「レベル20にならないとスクルトは覚えられません」
王女「ルカナン、ついさっき覚えましたけど……。1匹や2匹くらいじゃ、MPがもった
いないかもです」
勇者「そうか……。君が言うならそうなのだろうな」
王女「はい」
ナレ「かぶとムカデを倒し、さらに砂漠を越えて海が見えたら、北に進路を変えると塔が
見えてくる」
王女「あれが、ドラゴンの角です」
勇者「よし、二人とも残りのMPは?」
王子「大丈夫です」
王女「わたしも」
勇者「ならば、行くぞ!」
ナレ「ドラゴンのつの、へと入る一行」
勇者「お、誰かいるぞ」
王子「何か情報教えてくれるかも」
勇者「おい、おまえ」
男 「旅の人!知っていますか?」
勇者「知らん!」
男 「ここがドラゴンのつの、と呼ばれる有名なふたごの塔ですよ。なんでも昔は向こう
岸の塔と、つり橋でむすばれていたとか…。しかし今は、このありさま。どうやったらむ
こう岸まで行けるんでしょうね……。」
勇者「風のマントがあれば行けるらしいぞ。ちなみに、はいと答えると」
男 「……。まだ何も話していないのに。ま、いいか」
勇者「と、気のない返事をするぞ」
王女「遊んでないで、急ぎましょうよ」
王子「MPも残り少なってきました」
勇者「おっしゃ!駆け抜けるぞ」
王子「あれ、攻略本見ないのですか?」
勇者「大丈夫だ。ここは単純だから」
王女「でも、吹き抜けに落ちないように気を付けましょうね」
ナレ「というわけで、最上階にたどり着く」
勇者「お、誰かいるぞ」
王子「さっきも、そう言いましたよね」
衛兵「おぬし、かぜのマントを持っておるか?」
勇者「ここは当然、『いいえ』だな」
衛兵「ここからはるか東の風の塔という所に、そのマントはあると聞く。それをつければ、
このような高い所から少しだけ空を飛ぶことができるらしいぞ。」
勇者「おお、解説ご苦労さん。で……」
王子「はい、と答えると……ですね」
勇者「おおよ。おまえも分かってきたな」
王子「どういたしまして」
男 「ならば、それをつけてここから落ちているといい。この高さならむこう岸まで飛ぶ
ことができるかもしれんぞ。」
勇者「そういうわけだ。行くぞ!」
王子「あ、待ってください!」
勇者「それえ~!!」
ナレ「勢いよく空中に飛び出す勇者。一行の落ちた地点は、元の塔の入り口だった」
勇者「あれ?」
王子「何やってるんですか!そらのマントは、ちゃんと装備しなくちゃだめですよ。持っ
ているだけではだめなんです!!」
勇者「あはは、うっかりしてたよ」
王女「うっかりじゃ、済みませんわよ」
勇者「……ともかく、コマンドを開いて、『そらのマント』を装備してと……よし、これ
でよし!さあ、再挑戦だ」
王子「まったく……」
ナレ「ふたたび塔を昇りはじめる」
勇者「おおお、メタルスライムが現れたぞ。やっつけろ!」
ナレ「初のメタルスライムの登場に興奮する勇者」
王女「やった!ダメージ1与えたわ」
勇者「いいぞ、次は王子の番だな」
ナレ「王子の攻撃。会心の一撃!メタルスライムを倒した」
勇者「でかした!王子もやるな!!」
ナレ「1015ポイントの経験値をかくとく。全員それぞれレベルアップした」
勇者「みろ、こうなることを予測して塔から落ちたんだよ」
ナレ「ここぞとばかりに、言い訳を正当化する勇者」
勇者「よし、再び頂上に来たぞ!かぜのマントは……よし!ちゃんと装備してるぞ」
王子「だったら飛ぶのみです」
王女「ちょっと怖いです」
勇者「よし!行けえ~!!」
ナレ「ちなみに飛び降りる時は、塔の北側に向かって跳ぶようにしましょう。西側に飛ぶ
と、塔の入り口に戻ってしまいます」
ポチッとよろしく!

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