冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 25
2019.07.16


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 25


03/31 03:39 リリア「そもそも、あたしをこんな身体にしたのは、ナタリーさんです。
その責任は取らないといけないと思います」


03/31 03:40 ナタリー「責任を取る?」


03/31 03:41 リリア「こんな身体になるくらいなら、魂のまま彷徨っていたほうがよか
ったです」


03/31 03:41 ナタリー「よく言うわね」


03/31 03:42 コンラッド「あはは(と笑いながら)いいじゃないですか。一緒に旅をし
ましょう。リリアさんは私が責任を持って守りますよ」


03/31 03:43 リリア「あ、ありがとうございます。そうしていただけると助かります」


04/01 02:48 ナタリー「それはいいんだけど……。体力はともかくその他のステータス
が問題なのよね」


04/01 09:48 コンラッド「何か問題があるのですか?」


04/01 09:48 ナタリー「これが、大ありなのよね」


04/02 23:53 リリア「どういうことですか?」


04/03 23:25 ナタリー「HP以外の攻撃力・守備力・素早さなどが全部(1)でね、レ
ベルアップしてもステータスはほとんど上がらないという男だったのよ」


04/03 23:34 コンラッド「めずらしいですね。ほんとうですか?」


04/03 23:37 ナタリー「もういちど見てみるわ」


04/03 23:43 ナレ1「といつつ、ステータス表示の呪文を唱えるナタリー」


04/05 03:16 ナタリー「あれ? おかしいな……」


04/05 03:16 コンラッド「どうしました?」


04/05 03:17 ナタリー「ステータスが変わってる」


04/05 03:17 リリア「どういう具合にですか?」


04/05 03:18 ナタリー「ごく普通のというか……レベル1に戻っているんだけど、これ
は戦士クラスの初期値になってる」


04/05 03:20 コンラッド「戦士クラスですか。だとしたら、旅も大丈夫ですね」


04/05 03:22 ナタリー「まあ、しばらくは経験値稼ぎが必要だろうけどね」


04/05 03:22 リリア「あたしが戦士ですか? いやだなあ……」


04/05 03:23 ナタリー「なっちまったものはしようがないでしょ。そろそろ出発しまし
ょうか」


04/05 03:24 司祭「おや、出発ですか?」


04/05 03:24 ナレ1「と、司祭が登場する。言い忘れていたが、一同は教会前に集合し
ていたのである。」


04/05 03:26 ナレ2「何せ思いつくままに書いているので、ストーリーの展開が良く見
えないのだ」


04/05 03:28 ナタリー「司祭様。おせわになりました」


04/05 03:29 司祭「ふむ。フェリス王国へ行くのなら、ちょっと頼みごとをしたいので
すが」


04/05 03:30 ナタリー「頼みごと?」


04/05 03:31 司祭「実は、この信書をフェリス王国大神官様に届けてほしいのです」


04/05 03:32 コンラッド「フェリス王国の大神官というとモントゴメリー様ですね」


04/05 03:35 司祭「その通りです。よくご存知ですね」


04/05 03:35 コンラッド「フェリス王国には行った事がありますから」



冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 24
2019.07.15


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 24


03/28 23:21 ナタリー「フェリス王国へ行ってみましょう」


03/28 23:22 リリア「大神官様にお聞きするのですね」


03/28 23:24 ナタリー「そうよ。今請け負っている仕事先のモトス村も途中にあるし、
丁度いいわ」


03/28 23:24 騎士「仕事中だったのですか?」


03/28 23:26 ナタリー「こいつ……じゃなかった。元の勇者の請負だったけど、関わっ
ている以上投げ出すわけにはいかないから」


03/28 23:30 ナレ1「自分が一方的に勇者に押し付けた仕事だったことはすっかり忘れ
ているナタリーであった」


03/28 23:39 リリア「早速、フェリス王国へ向かいましょう」


03/28 23:40 騎士「いや、もうすぐ夜がふける。山道を夜中に通るのは非常に危険です。
明朝にしましょう」


03/28 23:41 ナタリー「そうね。なじみの宿屋を知っているから、そこに泊まりましょ
う」


03/29 23:48 騎士「それは良かった。今夜はゆっくり休んで明日からの旅に備えましょ
う」


03/30 02:58 ナレ1「というわけで、夜が明けて出発の朝となる」


03/30 03:01 ナタリー「騎士さんが、旅に一緒について来てくれるなんて、大助かりだ
わ」


03/30 03:02 騎士「ご婦人をお守りするのがナイトの務めですから」


03/30 03:02 リリア「ところで、騎士さんのお名前を伺っていいですか?」


03/30 03:05 コンラッド「これは失礼しました。まだ名乗っていなかったですね。コン
ラッドと申します」


03/30 03:06 ナタリー「コンラッドさんか……。いい名前だわ」


03/30 03:08 リリア「よい響きがします」


03/30 03:09 コンラッド「ほめてくださってありがとうございます。自分でも気に入っ
ているんです」


03/30 23:46 ナタリー「勇者という名前の変な奴もいたが(と、リリアをじっと見つめ
る)」  」


03/31 03:23 リリア「な、なんですか?(恥ずかしそうに)」


03/31 03:24 ナタリー「そういえば、あなた花売りと言っていたわね」


03/31 03:25 リリア「はい、そうですが」


03/31 03:25 ナタリー「つまり、冒険の旅に出たことがない?」


03/31 03:25 リリア「はい」


03/31 03:26 ナタリー「魔物と戦ったこともない?」


03/31 03:26 リリア「その通りです」


03/31 03:27 ナタリー「……で、フェリス王国へ行こうと?」


03/31 03:27 リリア「いけませんか?」


03/31 03:30 ナタリー「天然ボケが入っているわね……」


03/31 03:30 リリア「はあ……?」


03/31 03:32 ナタリー「いいこと? 村の外に出れば魔物が襲ってくるのよ。それくら
いは判るわね?」


03/31 03:37 リリア「当然ですね」


03/31 03:37 ナタリー「あなた、戦えるの?」


03/31 03:38 リリア「戦えませんが、ナタリーさんが守ってくださると思ってます」


03/31 03:38 ナタリー「あのねえ……」



銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ IX
2019.07.14


 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ


                 IX

 夕闇に暮れるバルモア基地を格納庫へと突っ走っている特殊工作部隊。
 警備兵の姿が見られないのは、ミネルバ迎撃のために海岸へと応援に借り出されてい
るせいだろう。
 格納庫の扉を開けて潜入するが、
「何者だ!」
 庫内に残っていた警備兵に発見される。
 銃撃戦が開始され、わらわらと待機所から警備兵が飛び出してくる。
 そんな中、遅れてやってきた二つの影があった。
 アイクとジャンの二人であった。監視がいなくなったのを機に、どうにかしてロープ
を解いて、後を追ってきたのであろう。
 と、目の前にシャーリー隊長が、コンテナの影に身を隠しながら、銃撃戦を繰り広げ
ている場面に遭遇した。
「やあ、こんばんは」
 気楽に声を掛けるアイク。
「お、おまえ達!」
 目を丸くしているシャーリー隊長。
「どうやって解いた?」
「いやね、こいつは縄抜けの名人でね」
「そんな事はどうでもいい。宿舎に戻って寝てろ!」
「ここまで来て、それはないでしょう。手伝いますよ」
「そうそう。あの新型モビルスーツを奪取するんですよね」
 ちょこっとコンテナの影から顔を出して、庫内に据えられているモビルスーツを見上
げるジャン。
「危ない!」
 シャーリーが首根っこ掴んで引き戻す。銃弾が顔を出していた辺りに着弾する。間一
髪のところであった。
「ひえええ! 危ないなあ」
 格納庫のシャッターがゆっくりと開き始めた。
「まずい。奴ら、モビルスーツを駆り出してきた」
 膠着状態を打破するために、モビルスーツを使って強制排除するつもりのようだ。
「ハイネ! ギルバート! モビルスーツに乗り移れ、援護する」
 そう叫ぶと、コンテナの影から飛び出して、銃を乱射しながら庫内にあったジープに
向かって一目散に駆けていく。そしてその背後に隠れる。
 その間にも、名前を呼ばれた二人がモビルスーツに乗り移ろうとしていた。
 一人は乗り込みに成功するが、一人はコクピットに乗り込む寸前に銃撃に倒れて、コ
ンクリートの床に落下した。
 恐る恐る倒れた兵士に近寄るアイクとジャン。
 兵士は虫の息だった。
 そして震える手で、持っていたディスクを二人に差し出しながら、
「こ、これを……たのむ」
 そう言い残して事切れた。
 ディスクを手渡された二人は、しばし見つめ合っていたが、
「これ起動ディスクだろ?」
「たぶんな」
 モビルスーツを見上げ、やおら登りはじめた。
 そして無事にコクピットに潜り込むのに成功する。
「へえ、うまい具合に複座だぜ」
「うん。俺の方が操縦担当だな」
「こっちは機関担当ってところだ」
「ええと、ディスクの挿入口は……。あった。ここだ」
 起動ディスクを差し入れると、計器類が一斉に点灯し、ディスクを読み込みはじめた。
次々と計器類を操作して、起動の準備を進めていく二人。


銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 X
2019.07.13



第三章 第三皇女


                  X

 ここで現在の皇家についても語ってみよう。
 崩御した前皇帝の子供達と兄弟についてである。
 第一子は、長女のエリザベス王女。第二子は双子で、長男のアレクサンダー王子と次
女のマーガレット王女。この後アレクサンダー王子が誘拐される際に皇后は逝去された。
二人目の皇后も第三子の三女ジュリエッタ王女を産んだが、第四子と第五子は夭折し、
皇后も逝去された。そして、三人目の皇后が第六子のマリアンヌ王女を産んだ直後に、
皇帝は崩御されたのである。
 一人の王子と四人の王女が誕生したわけだが、皇帝の崩御を持って王子と王女は、そ
れぞれ皇子と皇女と呼び習わすのが慣例となっている。皇位継承が発生するからである。
 エリザベス皇女は、ウェセックス公国ロベスピエール公と結婚。
 マーガレット皇女は、皇母の祖国アルビエール候国の叔父の元に身を寄せて、内乱を
策謀している。
 ジュリエッタ皇女も、皇母の祖国エセックス候国の伯父の元で、アルビエール候国や
共和国同盟に目を光らせている。
 マリアンヌ皇女は、幼くて今まだ本星で遊んで暮らしている。
 皇位継承の順位には、男子に優先権が与えられており、皇帝→直系尊属男子→兄弟→
直系尊属女子という順序となっている。ただし兄弟で自治領主となっている者は、その
子供に順位を譲るのが慣例となっている。ロベール王子が、皇太子に推されたのもその
理由による。
 最後に、アレクサンダー王子の行方不明となった経緯を簡単に説明しよう。
 アレクサンダー王子は、アルビエール候国ハロルド侯爵の長女マチルダ候女を母とし
て生まれ、双子のマーガレット王女と共にハロルド侯爵の元で育てられた。皇后が故郷
での出産と育児をすることは良くある風習である。アレクサンダー王子は典型的なエメ
ラルド・アイを持っていたが、同じ瞳を持つ皇帝とハロルド侯爵の虹彩緑化遺伝子を受
け継いだものである。血縁関係にある家系同士の婚姻がゆえのエメラルド・アイと言え
よう。それだけに皇家の血統を色濃く反映しているのである。
 やがて皇后の出産後の静養も終わって、皇帝の待つ首都星へと戻る日がやってくる。
 皇位継承権第一位を持つ王子の帰還ということもあって、厳重な警戒が敷かれて移動
が行われたが、その警戒網を破って突撃強襲艦を主体とする国籍不明の海賊艦隊が突如
として出現して、王子の乗る船ごと強奪され誘拐されてしまったのである。同時に皇后
が王子の首に掛けていたとされる【皇位継承の証】も戻らなかった。
 その後、バーナード星系連邦が、アレクサンダー王子を保護していることを匂わせて、
食料一千万トンの無償援助と鉱物資源五十万トンの供給などの要求を突きつけてきたが、
いつしか立ち消えとなってしまった。海賊に偽装して船ごと誘拐したものの、何らかの
原因によって王子を手元から失ったものと考えられている。
 王子誘拐に関しては、数多くの謎があった。
 王子移送の日時とコースを、海賊がどうして知っていたのか?
 帝国内に手引きする者がいたのかも知れないが、それは誰か?
 王子が行方不明となり消息が完全に絶たれたのはどうしてか?
 今なお出てこない【皇位継承の証】の行方は?
 など未解決のまま二十余年が経過してしまったのである。


妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の拾
2019.07.12


陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪


其の拾 公園

 ゆっくりと周囲を見渡す蘭子。
 公園の入り口付近には外灯があるが、夜間にはここまでは届かず薄暗いだろうと思わ
れる。
 外灯の届かない公園の片隅に、何の用で立ち寄ったのだろうか?
 トイレは入り口付近にあるし、公園の奥まった場所で帰宅の近道にもならない。
 疑問が沸き上がる。
「殺害現場はここで間違いないのですか?」
「いや、はっきりしていない」
「といいますと?」
「発見場所はここなのだが、それにしては流れ出ている血液の状態がおかしいのだよ」
「別の所で殺害されて、ここへ運び込まれた?」
「その通り。流血状態と血液凝固の状態から、殺人現場がここではないということを示
している。傷口の状態を見ると、ここで殺害されたならもっと広範囲に血液が飛び散る
はずだし、流れ出た血液の地面への浸透具合もおかしい」
「実際の殺害現場を探さなければというところですか」
「その通りだ」
「遺体を動かさなければならなかったのは、その場所が犯人を特定する重要な証拠とな
るからですね。例えば、犯人か被害者の自室だったなど」
「うむ、その線は濃厚かもしれないな」
「課長。この事件には、消えた胞衣壺が深く関わっていると思うんです」
「ふむ、またぞろ怨霊とか?」
「そうとしか考えられません」
「で、何か方策とあるのかね」
「解体された旧家ですが、その家族の消息とか、胞衣壺が埋められて以降に何か事件が
起きていなかったどうかとか」
「埋められて以降かね。そもそもここら辺一帯は、太平洋戦争時の大空襲で焼野原にな
っているから、戦後復興以降だよな」

「空襲時に、掘り返して持ち出したということもあります」
「何故そう思う?」
「胞衣壺の風習は戦前までで、戦後はほとんど行われていません。胞衣壺に関わる人物
背景を知る必要があります」
「なるほど、調べてみるよ」
「お願いします」
 以降のことを確認しあって、分かれる二人だった。


 その夜、神田家の門前に佇む蘭子。
 美咲に会って話してみたいと思ったのだが……。
 その窓は暗いままで、中の様子は静かだった。
 葬式の直後に訪問するのは、流石に躊躇われる。
 哀しみにくれる親子の心情を思えば。
 心苦しくも神田家を立ち去る蘭子。


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