冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・12
2020.05.18

冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・12


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バハラタ

ナレ「ノルドの洞くつを抜けて、高い山々に囲まれた谷間を南下する」
勇者「イラン・イラクの東ということは……ここはインドだな」
リリア 「結構歩きますね。まだ次の町に着きませんか?」
勇者「地図を見ているんだが、だいぶ南だな」
ナタリー「魔物は強くなってきているし、MPも底をつきそうだわ」
勇者「海岸線さえ見えてくれば、すぐそこなんだろうが……」
コンラト「あ、海岸線が見えてきましたよ」
リリア 「町もありました!」
勇者「やっとかよ。実世界に比べて、随分と南の方に間延びした世界だな。ま、インドの
首都ニューデリーというところだな」
ナタリー「さっさと町に入るわよ」
娘 「バハラタの町にようこそ」
リリア 「バハラタとは、インドの古名バーラタからきています」
勇者「あ、俺が言おうとしていたのに、先に言われた」
コンラト「それはともかく情報集めです」
勇者「そうだな。反時計回に情報集めだな」
売店「くろこしょう?それなら、このすぐの南の店で売ってるよ。それより…ここは、武
器と防具の店だ。どんな用だい?」
勇者「また後でな」
リリア 「あら、この店は主人がいませんね」
剣士「私は、こしょうを買いにきた。だが娘がさらわれたとかで、商売をしてくれない」
勇者「店主がいないのか……。二階へ上がって、たびびとのふくが箪笥に入ってたぞ」
コンラト「店の外に誰かいますよ」
住民「りりょくんつえは、MPのちからを攻撃力に変えて敵を攻撃する武器だ。戦うたび
MPを使うが、魔法を封じられたとき、これでたたくとよいだろう」
リリア 「ナタリーさんが装備すれば良さそうですね」
ナタリー「でもダンジョン内とかじゃ、貴重なMPを消費してまでは使いたくないわね」
ナレ「町の一角に青年と老人がいる」
青年「ああ、タニア…ぼくのいとしき人……」
老人「旅のひと、まあ聞いてくだされ。わしのかわいいまごむすめタニアが、悪党どもに
さらわれてしまったのじゃ。そこにおる若者がタニアの恋人のグプタ。わしは2人を結婚
させ店をまかせようと思ったのに…。あんたらは強そうじゃな。どうかタニアを助け…」
クプタ「ぼくがいきます!」
ナレ「驚く一同」
クプタ「見ず知らずの旅のひとにたのむなんて……まっててください。きっとタニアを助け
出してきます!」
ナレ「と言って走り去ってしまうグプタ」
老人「グプタ!おお!この上グプタまで、つかまったら、わしはわしは……」
勇者「ほいじゃ、次行くか」
コンラト「待ってください。今の話聞いていなかったのですか?」
勇者「なんだよ。カンダタの時のように、また人助けしようというんじゃないだろな」
コンラト「人助けは、騎士……いや、戦士として人として大切です」
勇者「まあ、落ち着けよ。人助けしようにも、その悪党の居場所がわからんだろうが」
ナタリー「確かにそうね。ここは情報集めが大事ね」
コンラト「……わかりました」

ナレ「川のほとりに立つ二人がいる」
娘 「聖なる川の流れで、身を清めています。やがてさずかる赤ちゃんが、どうか元気に
生まれますように」
男 「このためにはるばる旅をしてきたのです。この聖なる川の水は飲み水になるだけで
なく、魔よけのチカラも持っているとか」
ナレ「南の建物に入る」
老人「魔王はすべてをほろぼすもの。凍てついた暗闇と死の世界の支配者じゃ!このまま
ではやがてすべての人びとが、その野望におびえることになるであろう」
ナレ「南東の部屋」
男 「橋のむこうの洞くつには、人さらいたちが住んでいるそうだ。近づかない方が身の
ためだぜ」
コンラト「聞きましたか?橋のむこうの洞くつだそうです」
勇者「焦るなよ。まだ全員に聞いていないぞ」
ナレ「宿屋に入る」
勇者「東の部屋から小さなメダルを見つけたぜ(*^^)v」
剣士「北の山奥には、転職をおこなうダーマの神殿があるそうだ。オレも、いつかは遊び
人…じゃなくて、りっぱな賢者になってみたいものだな」
ナタリー「あんたのこと言っているみたいね」
勇者「うるせいやい!」
リリア 「一通り住民から話を聞けました」
勇者「そいじゃ、レベルアップがてら、ダーマの神殿とやらに行ってみるか」
コンラト「え?人さらいのアジトに向かうのでは?」
勇者「なに言ってんの?今のレベルで人さらいと戦えると思ってるの?バハラタに来る道
中でもMP使い果たしたのに、洞窟内で魔物と戦うだけで精一杯だよ。とてもボスキャラ
とは一戦することもできない」
ナタリー「意外に、正論をいうじゃない」
勇者「シャンパーニの塔もしかり、人さらいのアジトもボスキャラとの戦闘は避けられな
い。これまでのナジミの塔やピラミッドなどは、ボスキャラがいなかったからクリアでき
たんだ」
リリア 「では、どれくらいレベルアップすれば良いのですか?」
勇者「そうだな……俺が、リレミト(ダンジョン脱出呪文)を習得するまでだな」
ナレ「というわけで、バハラタの東の橋を渡り、洞窟を横目に見ながら北に向かって歩き
続けた」
リリア 「お城が見えましたわ」
勇者「あれが噂のダーマの神殿か?」


ダーマの神殿

案内「ダーマの神殿によくぞきた!勇者が次のレベル……以下略」
勇者「なんだ、案内人かと思ったら、セーブ人だったのか」
リリア 「あら、神殿の外側に誰かいますよ」
勇者「気になるな。会ってみよう」
神官「わしは、命名神マリナン様につかえる神官じゃ。おぬしたちの中で、今の名前をか
えたい者がおったら、わしにいうがよい。だれか名前をかえるか?」
勇者「いいよ。ここで名前を変えたら、これまでの物語がごっちゃになるから」
神官「そうか。名前をかえたくなったら、いつでも来るがよいぞ。名前の守りがあらんこ
とを……」
ナタリー「東の方にあるのはなにかしら?」
ナレ「東の階段を昇ると宿屋だった。教会も併設中!」
民A「すやすや……ベキラマー!」
民B「むにゃむにゃ……。なにを買うかね」
民C「ぐうぐう……。やだ~。だってえ、あいつってチョベリガンブロンだしい……」
勇者「チョベリガンブロン……ってなんだ?」
ナタリー「ああ、それはね。超ベリー顔面不細工ロン毛野郎、という意味の略よ」
ナレ「ちなみに、このゲームが発売された当時、ファミコン雑誌では『チョベリガンブロ
ン』の意味について激論が交わされました('◇')ゞ」
勇者「解説ありがと('ω')それにしても、こいつ爺さんじゃないか」
ナタリー「きっと、ピチピチギャルになりたがっているんでしょ。転職してね」
宿屋「旅人の宿屋へようこそ。こんな夜ふけまでおつかれさまでした。ひと晩8ゴールド
ですが、お泊りになりますか?」
勇者「安い!!!一人頭2ゴールドか、泊まろうぜ!」

宿屋「おはようございます。では、いってらっしゃいませ」
勇者「夜が明けたら、ベットは空になってるな」
リリア 「みなさん、転職のための修行をはじめているのでしょう」
男 「はるか東の海にジパングと呼ばれる黄金の国があるそうです。もし、その話が本当
ならなんとしても、いってみたいですね」
勇者「なんか……どこかで聞いたような話だな。東方……なんとかだったかな」

老人「わしは、ぴちぴちのコギャルになりたいのう」
勇者「チョベリガンブロンだな」
娘 「わたし、魔法使いになるの」
勇者「早くベキラマー習得してね」
男 「私は、武闘家になろうと思っています」
青年「ぼくは、商人になってお金をもうけたいな!」
勇者「みんな頑張ってね!さて、ここのボス神官に会ってみるか」
神官「ここは転職をつかさどるダーマの神殿。職業をかえたい者が来るところじゃ。転職
をごきぼうか?」
勇者「おおうよ」
神官「どなたの職業をかえたいのじゃ?」
勇者「俺を遊び人にしてくれ!」
神官「おろか者め!勇者をやめたいというのか?それだけはならんっ!ほかに転職したい
者はおるかな?」
勇者「コンラッドが騎士になりたいそうだ」
コンラト「騎士という職業はありませんよ」
勇者「知ってるわい。もしかしたらと思っただけだ」
ナタリー「あたしは転職するつもりはないわよ」
リリア 「わたしもです」
コンラト「とりあえず、ここには用がないようですね。宿に泊まる以外は」
勇者「そうだな……。まだレベル不足だし、神殿の北の方へ行ってみよう」

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