銀河戦記/鳴動編 第一部 第一章 索敵 V
2020.11.24

第一章 索敵




 ナグモの艦隊が奇襲を受けているころ、同盟軍第十七艦隊にとりついている連邦
の艦載機群は、一旦後方に退いて第二次攻撃の体制に入っていた。
 そのさらに後方の安全圏に待機する小型高速艇。艦載機群の指揮艦には、航空参
謀のミノル・ゲンダ中佐が坐乗していた。
「中佐、大変です。我が本隊が敵の空襲を受けています」
「なんだと」
 ゲンダはまさかの報告に、我が耳を疑った。
「アカギ、カガ、ソウリュウ、ヒリュウ他多数の艦艇が撃沈されたもよう」
「アカギが撃沈!? 長官は?」
「どうやら難を逃れて、ナガラに移乗なされたもようです」
「そうか……」
 長官が無事と聞かされて一安心とはいえ、事態は急転直下にあった。
 もしかしたら、別働隊に発見され奇襲の受けたのか。別働隊の存在など報告には
ないが、実際主力空母が撃沈されたことは否めない。果たしてこのまま、作戦を続
行すべきか?
 瞬時に判断はためらわれたが、次の報告がゲンダを動かした。
「敵艦隊の打電を傍受しました」
「なんだ」
「『これより反転して反復攻撃を行う』です」
「これ以上、艦艇を損失してはいかん。一刻も早く戻らねば。全編隊に伝達、撤退
して本隊の援護に向かう」
「了解しました」

 トライトンの旗艦リュンクスでは、敵編隊が退却していくのを確認し、全員小躍
りしながら喜んでいた。
「助かったな。全滅は免れたようだ」
「司令。今のうちに前面の艦隊を叩きましょう。数ではこちらが勝っていますし、
敵艦載機もいない」
「よし、反撃に転じるぞ。艦載機発進。全砲門、前面の艦隊に集中砲火を浴びせろ」
 ようやく艦載機の発進命令が下され、待機していた艦載機は勇躍宇宙空間に踊り
出て、敵艦隊へまっしぐらに突進をはじめた。まるでそれまでの鬱憤をはらすかの
ような、猛攻撃を敵艦隊に浴びせはじめた。
 前面の艦隊は自身の艦載機の護衛に守られていたとはいえ、同盟軍の圧倒的多数
の艦載機群の到来には太刀打ちできなかった。やがて身ぐるみはがされて無防備を
さらすことになった敵艦隊はたまらず退却を始めたのであった。
「敵艦隊、撤退をはじめました」
 フランクはスクリーンを指差しながら叫んだ時、一斉に艦橋の士官達は歓声をあ
げた。それがあまりにも騒がしくて、フランク自身がそれを鎮圧するはめになった。
興奮がおさまるのを待つようにトライトンは言った。
「深追いの必要はないぞ。みな、よくやってくれた」
「一体何があったというのでしょうか。完全に敵は勝っていたというのに」
「わからんが……おい。もう一度ランドール少尉の通信内容を」
 戦闘がはじまって小一時間ほどして通信士が傍受したアレックスからの打電され
た通信が気になっていたからだ。
 通信士は艦の戦闘記録から該当の通信内容を再生してみせた。
『これより、敵空母艦隊に奇襲攻撃を敢行する』
『これより、反転して反復攻撃を行う』
 どちらも間違いなくアレックスの編隊からの打電であることを通信士は確認して
いた。しかも後の文はまるで敵に傍受させるのが目的のように、第一宇宙国際通信
波帯を使用していた。それは救難信号や降伏勧告・受諾用の通信波帯として統一使
用されているものである。
「うーむ。敵の撤退とこの通信の内容から考えられることは」
「まさか……たった十数隻で……」

 時間を遡ること一時間前、ヨークタウン上ではフレージャー提督が、ナグモの編
隊が急に退却をはじめるを目の当たりにして、怒りをあらわにしながら全艦に撤退
命令を下しているところだった。もちろんそれを進言したのはスティールであった。
 今回の作戦は、ナグモ達が制空権を確保しながら攻撃を加え、フレージャー達が
艦砲射撃によってとどめを刺す計画であった。そのナグモ達なしには作戦は継続で
きない。戦艦の数では敵の方が勝っているのだから。
「なぜだ。第二波の攻撃を開始すれば、敵を完全に看破できただろうに」
「助っ人に全面的に頼る作戦にはやはり無理があるのでしょう。自分達の都合だけ
で作戦を放棄して退却されたのではたまりませんよ。下手すりゃ、こっちにが全滅
していたかも知れません。すみやかな撤退はやむを得ない決断、さすが提督です」
「負け戦を誉められても少しもおもしろくないぞ」
「しかし被害を最低限に食い止めたのですし、敵本隊にかなりの損害を与えたとい
うことで、ここはよしとしなければ」

 その頃、ヒリュウが撃沈するを見届けて撤退の道を選んだ第一航宙艦隊、その首
席参謀タモツ・オオイシ中佐は、退艦時に怪我を負って入院した参謀長リュウノス
ケ・クサカ少将のベッドを訪れることにした。
「我々は責任をとって自決すべきではないでしょうか。これは幕僚一同一致した意
見として、参謀長どのから長官に善処を勧告されたく、ご同意願いたくて参上いた
しました」
 オオイシは参謀長が同意するのではないかと意見具申したのであるが、意外にも
クサカの口から出たのは叱責の言葉であった。
「今は自決など考える時期ではない。第一航宙艦隊の任務は、生き永らえて戦い、
きたるべき戦闘に勝利することである」
 果たせるかなそれは、第二航宙艦隊司令のヤマグチ少将が残した言葉に相違なか
った。
 しかしオオイシが不服げな言葉を漏らすと、
「馬鹿野郎!」
 と怒鳴って一喝した。
 オオイシが退出したあと、クサカはベッドを降りて、従卒に抱えられながらも幕
僚連中の集まっている所へいき、自決を思いとどまるように諭した後に、ナグモ長
官の居室へ向かった。
 ナグモはナガラの艦長室をあてがわれ、一人きりでいた。
 クサカの入室に気がついたナグモは微かに笑ってはいたものの、異様な眼光に輝
いていた。
「長官は死ぬ気だな」
 クサカは直感した。
 そして幕僚達との一件を包み隠さず報告すると、自分は死して責任を取ることよ
りも、敗戦の恥じを堪え忍びつつも、将来のために生きつづけるほうがより勇気あ
る行動ではないかと思う、とナグモに言い聞かせた。
「そうは思いませんか、長官」
「わかった。万事君にまかせる」
 ナグモは喉を詰まらせながらも説得をつづけるクサカに、涙を両目にためながら
静かにうなずいたのであった。

 アレックスが旗艦に帰投すると、トライトン准将自ら出迎えに来ていた。
「ただいま、もどりました」
「ご苦労だった。君の口から直接報告を聞きたいところだが、見たところ相当疲れ
ているようだな。報告書を提出して、とりあえずはゆっくり休みたまえ」
「はっ、では。お言葉に甘えまして」
 アレックスは敬礼をして自室に戻った。ベッドに入るとそのまま死んだように眠
ってしまった。過度の緊張から解放されて……。
 戦闘中は、極度の緊張から眠気を催す暇もないが、その呪縛から解放された時、
それまでの疲れが怒濤のように押し寄せてきたのである。

 トライトン准将の元には、アレックスの戦闘日誌と彼の乗艦していた艦に搭載さ
れているコンピューターの戦闘記録が解読されて報告された。その内容とアレック
ス自らの戦闘日誌とが照合されて、敵艦隊にたいする戦果が判明することとなった。
 アカギ・ヒリュウ・ソウリュウ・カガの主戦級主力空母を撃沈、重巡モガミ・ミ
スミ沈没、その他多くの艦船に被害を与える。
「大戦果じゃないか」
 報告を聞いたトライトン准将は小躍りしそうになった。まさか索敵に出した十数
隻の艦隊だけで、これだけの戦果をあげようなどとは誰が想像できただろうか。
「敵が撤退をしたのもうなづけますね」
「そうだな……」
「敵艦隊はミッドウェイ宙域より完全に撤退したもようです」
「主力旗艦空母四隻を失ったんだ。おそらく多くの司令官も失っていることだろう。
撤退も止むをえんだろうさ。これで連邦の同盟侵攻も半年から一年は延びることに
なるだろう」

第一章 了

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2020.11.24 03:43 | 固定リンク | 第一部 | コメント (0)
銀河戦記/鳴動編 第一部 第一章 索敵 Ⅳ
2020.11.23

第一章 索敵




 連邦軍第一空母機動艦隊旗艦アカギの艦橋は、突然の敵編隊の出現で騒然となっていた。
「な、なんだ。どうした」
 チュウイチ・ナグモ司令長官は、いまだ事態を飲み込めていなかった。
「攻撃です。敵から攻撃を受けております」
 アカギの艦隊参謀長リュウノスケ・クサカ少将が状況を説明した。
「攻撃を受けているだと!?」
 なおも信じられないという表情でクサカを叱責した。
「護衛艦は何していたんだ」
「そ、それが。突然現れまして」
「応戦しろ!」
「はっ」
「迎撃の艦載機はいないのか」
「そ、それが全機敵艦隊攻撃で発進中です」
 その瞬間、艦橋の目の前に爆撃機が現れた。
「伏せろ!」
 全員が床に伏せると同時に爆風が吹き荒れた。
 轟音と震動が艦内を揺るがし、艦橋は無残にも破壊された。隔壁が損傷し、風穴があいて、すさまじい勢いで空気が流出する。その勢いに流されて数人の兵士が風穴から真空の宇宙へと吸い込まれて消えていった。
「ぼ、防御シャッター、降下!」
 薄れていく艦内空気と暴風に、喉を詰まらせながら機器を操作して、緊急装置を作動させるオペレーター。
 一瞬にして緊急防御シャッターが降りて、空気の流出も止まり、徐々に平静を取り戻しつつある艦内。
「大丈夫ですか。長官」
 息、咳き込みながら、参謀の一人が長官の側によって安否をきずかった。
「あ、ああ……何とか無事なようだ。他の者はどうか」
「数名の者が、投げ出されたもようですが、艦橋は無事に機能しているようです」
「そうか……」
 長官を助け起こすアカギ艦長のタイジロウ・アオキ大佐。

「アカギの損傷状況をすぐさま調べよ」
「かしこまりました」
 アオキ大佐は、自分の部下にたいして命令を下した。
「やられましたね。長官」
「そうだな。まさか、たかだが十数隻だけで、敵中の懐の内に飛び込んで来るなどとは、誰も思いつきもしないだろう」
「しかし、実に効果的です。迎撃しようにも、戦闘機は出払っているし、こんな至近距離での艦砲射撃は、同士討ちとなるのが関の山、敵の思う壺にはまります」

 やがて下士官から、アカギの損害状況が報告されてきた。
「艦載機発進デッキ及び格納庫に爆弾が命中、回りは火の海となりもはや使用不能となりました。誘爆により機関部も延焼中です。もはやアカギは退艦やむなしの状況であります」
「退艦だと」
 クサカ少将は艦長の意見に同意して長官に進言した。
「長官、ご決断を。ヒリュウはまだ健在であります。我々はヒリュウある限り戦いつづけねばなりません」
 クサカ少将が指差すパネルスクリーンには、艦載機に取り巻かれながらも奮戦する空母ヒリュウの姿があった。
 アカギの艦長、タイジロウ・アオキ大佐も同意見であり、口をそえるように進言する。
「長官。どうか将旗を移して指揮をおとりください。アカギはこのアオキが責任を持って善処いたします」
 参謀達の進言にわなわなと拳を震わせながらも、ナグモは承諾するしかなかった。
「わかった……退艦しよう」
「ナガラに命じて、駆逐艦ノワケをご用意いたしました」

 だが、幕僚達が最後の望みとしたヒリュウも、アレックス達の猛火を浴びていた。
 その艦橋から、艦体が爆煙を上げながら炎上している様が、スクリーンを通して手に取るように観察されていた。
 第二航宙艦隊司令官、タモン・ヤマグチ少将はこの時すでに決断を下していた。
「残念ながら、ヒリュウの命運もこれまでと思います。総員退去はやむをえません」
 ヒリュウ艦長トメオ・カク大佐が承諾を求めた時、少しも騒がずに長官の安否を尋ねた。
「長官はどうなされた」
「はい。無事軽巡ナガラに」
「よし」
 そしてマイクをとって、全艦に訣別の訓示を垂れたのである。
「諸君、ありがとう。ヒリュウは見てわかるとおり母港に帰還するだけの力はすでにない。艦長と自分は、ヒリュウとともに沈んで責任をとる。戦争はこれからだ。皆は生き残ってより強い艦隊を作ってもらいたい」
 その言葉を受けて、ヒリュウでは総員退艦の準備がはじまった。負傷兵、搭乗兵、艦内勤務者の順で次々と退艦をはじめていく。
 第二航宙艦隊の首席参謀であったセイロク・イトウ中佐がヤマグチ少将に近寄った。
「司令官」
 その声に振り向くヤマグチ。
「おお、イトウ君か。君もはやく退艦したまえ」
「何か頂けるものはありませんか」
「そうか……では、これでも家族に届けてもらおうか」
 ヤマグチはかぶっていた黒い戦闘帽子をイトウ中佐に手渡した。
「誓って、必ずご家族にお渡しいたします」
「うむ。よろしく、たのむ。ところでそれをくれないか」
 ヤマグチはイトウ中佐が腰に下げていた手拭いを指差した。
 イトウはヤマグチの意図を察知して、手拭いを渡したあと最敬礼をして踵を返して退艦するため元来た通路へ引き返した。
 爆音は続いている。
 ヤマグチは手拭いを使って艦のでっぱりに身体を縛り付けはじめた。
 やがて友軍の手によってヒリュウは処分されるだろうが、爆発によって艦の外に弾き飛ばされることを懸念したのである。ヤマト民族の誇りとして、ヒリュウとともにありたいと思うヤマグチの軍人としての心意気の在り方であった。

 第十戦隊の旗艦である軽巡ナガラには、司令官ススム・キムラ少将が乗艦していた。将旗をこのナガラに移したナグモは、彼を捕まえて尋ねた。
「キムラ。このナガラでアカギを引っ張れんか」
「現在のアカギの状況からみて、残念ながら曳航できないと判断せざるをえません」
「そうか……」

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2020.11.23 13:48 | 固定リンク | 第一部 | コメント (0)
銀河戦記/鳴動編 第一部 第一章 索敵 Ⅲ
2020.11.21

第一章 索敵




「私が指揮する限り、配下の将兵に無駄死にを強要させる愚かな戦闘は避けたい」
 パネルの戦力分析図を凝視しながら呟くように言った。
 その時、索敵機から連絡が入った。
「少尉。マザーグース三号機が敵艦隊を発見しました」
「よし、映像をスクリーンに映せ」
「は、ただいま」
 数秒あってパネルスクリーンに映像が映しだされた。
 パネルスクリーンを凝視するアレックス。明滅する光点は、同盟に対して全戦全勝を続けて無敵艦隊の名を欲しいままにしている第一機動空母部隊の雄姿であった。向かうところ敵なし、ナグモの進軍を止められる軍は同盟には存在しないといっても過言ではないであろう、と噂される強敵である。
 主戦級の主力空母が団子状の塊になっている。その塊にたいして護衛艦がぐるりと取り囲んでいるという変形的な球形陣だ。
「普通、空母一隻を中心にして周囲に護衛艦を配する球形陣をとるのが普通なのにな」
「その分全体としての防御力は厚く強固です。戦艦はおろか戦闘機一機すら中心の空母に接近することすら不可能でしょう」
「そうかな……一端中を割られてしまったらまったくの無防備といってよい」
「そりゃそうですが……」
「少尉。いかがいたしましょう」
 アレックスは冷静に分析を続けていた。
 スクリーンの分析図は二次元の映像として現されている。アレックスは頭の中に三次元宇宙を想定して、そこに敵主力空母と護衛艦との位置関係およびその戦力とを正確な三次元座標に描き直していたのである。膨大な計算がなされて三次元分析図が完成されていく。
 やがて、アレックスは急に立ち上がり、
「見ろ!」
 とパネルを指差した。
「空母と空母の間にはわずかながらも間隙がある。小部隊ならここを通過し攻撃を加えることが可能だ」
「攻撃って、まさか……」
「そのまさかだ。敵のど真ん中にワープアウトして総攻撃を敢行するのだ」
「無茶です。たった十数隻で何ができます」
「玉砕するのが関の山ではないですか……」
「誰が玉砕すると言った」
「ですが」
「我々の目の前に敵艦隊が何も知らないでいるんだ。しかも見たところ艦載機さえも全機出撃させて、防御をすべて護衛艦に委ねているようだ。敵空母の懐に飛び込んで戦いをしかければ、こちらに被害を被ることなく、敵空母だけを撃沈させることも可能だ。敵戦闘機に邪魔されることなく、また護衛艦の攻撃も空母を盾にとって行動すれば無力に等しい」

「しかし、それでは索敵の任務から逸脱しはしませんか」
「ふ。確かに、私に課せられた任務は、索敵だが……敵艦隊と接近遭遇した場合、采配はすべて一任するとの指令も頂いているのだよ」
「准将がそんな指令を?」
「つまり、索敵を続行するもよし、中断して引き返すもよし。しかし、一任されている以上、敵艦隊と一戦交えても可、と判断しても構わないのではないか」
「それは、過剰判断ではありませんか」
「ぐだぐだ、いってんじゃねえよ。一任されている以上、何やろうと勝手なんだよ」
 その時索敵の指揮から戻ってきたゴードンがアレックスに同調した。
「みんなはどう思う?」
 アレックスがオペレーター達の意見を確認した。
「やりましょう! 隊長」
「賛成です」
 オペレーター達から黄色い声が返ってくる。全員一致で賛同だ。何せ全員士官学校同期卒業生で、アレックスの人となりをよく知っているからだ。
「このまま引き返しても友軍の敗走は必至です。下手すりゃ全滅して我々の帰る場所がなくなっているかもしれません。この機会を逃せばそれこそ無敵艦隊の呼称を
みすみす許すことになり、今後ナグモの進撃を止めることは出来なくなるでしょう」
「よし、決定する。我が小隊は敵空母艦隊に総攻撃を敢行する」
 作戦が決定されれば、もはや部下に口出しは無用である。
 小隊の全艦に作戦が伝達され行動は開始された。
「いいか、敵艦隊中心部に突入したら、ありったけの攻撃を加えるんだ。ミサイルの一発たりとも残すんじゃない。全弾を撃ちつくし、全速力で駆け抜け、そしてワープで逃げる」
「了解」
「全艦、ワープ準備だ。艦載機は発進準備のまま待機。いつでも発艦できるようにしておけ」

 フライトデッキでは、戦闘班長ジミー・カーグ准尉から、パイロット達への命令伝達・注意がなされていた。
「いいな、目標は空母だけだぞ。護衛艦は相手にするな。戦闘空域に留まる時間は、ジャスト五分間だ。艦載機は発進後、五分以内に必ず戻ってこい。一秒でも遅れたら、その場に置いてきぼりにするからな」
「まもなく、ワープアウトします」
「往来撃戦用意。艦載機、エンジン始動準備。着艦口が開くと同時に発進せよ」
 アレックスの戦闘指示を受けたオペレーターの声が艦内にこだまする。
「艦載機発進デッキの空気を抜きます。整備員は総員退去してください」
 ノーマルスーツに身を包んだ係留係員や管制誘導員を除いて、平服の整備員達は艦載機から離れて待避所に移りはじめた。フライトデッキから空気が抜かれていく音が次第に小さくなっていく。真空中では音が伝わらないからである。
「ワープアウトです」
 艦内にオペレーターの声が響いた。
 もはや引き返すことのできない状況に突入したのである。
「艦載機、エンジン始動!」
 戦闘機の乗員及びフライトデッキ管制員に対しては、ヘルメット内にある送受機によって無線で指示が伝えられていく。
「よし、着艦口開け!」
「艦載機、全機発進!」
「エドワード編隊は右舷側。アックス編隊は左舷側を攻撃せよ」
「エドワード、了解」
「アックス、了解しました」

 敵空母艦隊のど真ん中にアレックス達の部隊が出現した。
「全艦、砲撃開始」
 アレックスはワープアウトと同時に戦闘開始を命令する。
 全艦から一斉に攻撃が開始される。
 着艦口から次々と艦載機が発進して、回りの空母に取り付き攻撃を加えはじめる。まず戦闘機が敵空母舷側の砲塔を破壊、続いて雷撃機による魚雷攻撃が加えられる。これらはすべて球形陣の内側それも空母を盾とするような最内側で行われていた。護衛艦の射程に入ってしまう外側よりには決して移らなかった。
 艦船も負けずに粒子ビーム砲を敵艦にお見舞いした。真空中を切り裂くような閃光が走り、標的に当たった瞬間そのエネルギーが解放されて敵艦を粉々に破壊した。さらには空母と空母の僅かな間隙を縫うようにミサイルが放たれ、周囲の護衛艦を餌食にした。
 こうなっては護衛艦はまるで役に立たなかった。撃てば司令官の搭乗する旗艦空母を、自らの攻撃で撃沈させることになる。そして唯一攻撃可能な戦闘機は一機も存在しない。 アレックス達は、畳み掛けるように攻撃を繰り返し、周囲の主力空母を次々と破壊していった。

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2020.11.21 13:25 | 固定リンク | 第一部 | コメント (0)
銀河戦記/鳴動編 第一部 第一章 索敵 Ⅱ
2020.11.20

第一章 索敵

II

 一方、同盟の前面に対峙する敵艦隊。バーナード星系連邦軍の第七艦隊所属で、
旗艦ヨークタウンの艦橋では、F・J・フレージャー少将が指揮をとっていた。
「敵右翼への攻撃が薄いな。通信士、ナグモあて電令『右翼への攻撃を増強された
し』だ」
「はっ。直ちに」
「ナグモ達はよくやっているな」
「はい、このままいけば制空権を確保している我が軍が勝てるでしょう」
 艦隊首席参謀のスティール・メイスン中佐が報告した。
 深緑の瞳と褐色の髪が畏敬をさそう。
 深緑の瞳を持つものは連邦でも数少ない人種であり、かつて全銀河を統一したア
ルデラーン一族の末裔を意味していた。
 今から四百年もの昔において、全銀河に繁栄した人類の中でも、アルデラーン一
族は数ある小数民族の一つに過ぎなかった。彼らも元々は蒼い瞳を持つ部族であっ
たが、ある日深緑の瞳を持つ子供が誕生した。それは突然変異であったのだが、成
長したその子供はまたたくまに一族を統率し、さらには周辺の国々への侵略を開始
して、ついには銀河の三分の一を治めるに至り、専制君主国家アルデラーン公国を
建立したのである。始祖ソートガイヤー大公の誕生であった。
 その孫のソートガイヤー四世によって全銀河統一されて以来三百余年の間に、深
緑の瞳を持つ人間もその親族である皇族を中心として増えていった。すなわち深緑
の瞳を持つものは、分裂し勢力が縮小したとはいえ現在も延々と続く銀河帝国の皇
族達とどこかで血がつながっていることを意味していた。
「このままいけば、勝てるか……」
 そもそも今回の作戦を立案したのは、深緑の瞳をしたこの参謀であった。ミニッ
ツがそれに賛同し、自らヤマモトを説き伏せてナグモの艦隊を借り受けたのである。
「熟達したナグモの戦闘機乗り達にかかっては、トライトンも流石に手も足もでな
いというところです」
「君の作戦にも見るところがあるが、それを実現してしまうミニッツ提督の采配に
も、毎度うならされるな。ナグモなしでは机上の空論で終わってしまうところだっ
たのだ。
しかし、我が第七艦隊と第一空母機動部隊のナグモとを連携させるとはな」
 フレージャー提督が感心するのも、道理があった。同じ連邦軍とはいえ、多種多
様な民族の寄せ集めであるミニッツらの艦隊と、単一血縁のヤマト民族を誇るヤマ
モトの艦隊とでは、相容れない溝の存在があったのである。ゆえに時として反目し
あい、互いに戦功を競い合いながら、微妙なバランスの上に連邦軍は成り立ってい
た。
「しかし、あのヤマモト提督がよくナグモを差し向けてくれましたね。ミニッツ提
督とヤマモト提督は犬猿の仲だというのに」
「同盟への全面侵攻作戦も間近だからな。ここで、貸しを作っておいて、侵攻作戦
の総指揮官の椅子が自分に回ってくることを狙っているのだろう」
「彼が構想を抱いているといわれる『聯合艦隊』の司令長官の椅子ですか」
「そうだ」

 そのころ、フランク中佐の配下にあった士官学校出たてのアレックス・ランドー
ル少尉は、索敵のために出撃中で、丁度敵艦載機群の飛来した方向の宙域でその配
下の一個小隊を展開させていた。
 アレックスの乗る指揮艦「ヘルハウンド」の艦橋では、各種オペレーターが忙し
く機器を操作し、それぞれの任務をてきぱきとこなしていた。それらの中には男性
の姿は一人も見受けられない。
 アレックスは、士官学校同期卒業生の中から、ヘルハウンド艦長のスザンナ・ベ
ンソン准尉を筆頭に、特に優秀な女性士官のみを選出して自分の乗艦する艦橋オペ
レーターとして配属させたのである。
 艦内には、エンジンや艤装兵器などから伝わって来る重低音が、常時うなるよう
に響いており、その中では女性士官の甲高い黄色い声は、明瞭にはっきりと聞き取
れるという利点も考慮されているのである。
 艦内スピーカーから、索敵機よりの報告が随時流されている。
「こちら、ガーゴイル七号機。サラマンダー応答せよ」
 それに対して、女性管制オペレーターが応対する。
「こちら、サラマンダー。ガーゴイル七号機、どうぞ」
「索敵飛行コースの終端に到着。レーダーに敵艦隊の反応なし。これより帰投す
る」
「サラマンダー、了解」
 一人の女性士官がすくっと立ち上がって、アレックスの前に立った。索敵編隊の
指揮官であるアレックスの乗艦「ヘルハウンド」の艦長、スザンナ・ベンソン准尉
である。
「索敵機第一班、予定目標ポイントの索敵完了。全機帰投コースに入りました」
「うむ。ご苦労」
 なおサラマンダーとは、指揮艦「ヘルハウンド」の暗号名である。

「索敵ポイントを変えますか」
 スザンナが次の指示を確認する。
「そうだな。艦長、第十四区域へ移動する」
「了解。第十四区域に移動します。面舵三十度、機関出力三十パーセント、微速前
進」
「索敵機第二班に出撃準備させておけ」
「はっ。かしこまりました」
 その時、オペレーターの一人が金切り声をあげた。
「隊長! 本隊が敵の奇襲を受けております!」
「なに……敵の勢力分析図は出るか」
 その声は、自分の所属する本隊が奇襲をうけているというのにもかかわらず、非
常に落ち着いていた。
 身長百八十センチ足らず、体重八十キロという平均的容姿はともかく、その深緑
に澄んだ瞳と褐色を帯びた髪は、同盟軍の中では異彩を放っていた。それは彼が孤
児であり、銀河帝国からの流浪者の子供であろうとのもっぱらの噂であった。
「ただいま受信中です。まもなくスクリーンに出ます」
 数秒して前方パネルスクリーンに本隊と敵勢力の分布図が映しだされた。刻々と
移り変わる光点が示す本隊のデータは、宇宙空間を隔てて瞬時に伝わってくる。そ
こには敵の圧倒的優勢状態を現すデータが表示されていた。
 スクリーンを凝視するアレックス。
「戦艦、巡洋艦と艦載機の大編隊か……これだけの編隊が数隻やそこらの空母から
飛来したとは思えない。おそらく連邦の第一機動艦隊が近くに潜んでいるのだろ
う」
「第一機動艦隊というとナグモ中将率いるあの無敵艦隊ですか」
 小隊の副隊長を務めている同僚のゴードン・オニール少尉が発言した。
 くしくも准将と中佐と同じ会話となったことは偶然でもないだろう。それだけナ
グモ艦隊の存在とその動勢は、第十七艦隊の日常としての関心事であるからだ。
 ゴードンはアレックスとは士官学校からの親友であった。蒼瞳で金髪という平均
的な同盟軍カラーを所持していた。身長百九十センチ、体重九十二キロという体躯
からは想像できないほどのずば抜けた反射神経を持っていた。アレックスと同様に
戦術用兵士官とはいえ、戦艦を操艦できる腕前を持っていた。
「そうだ……ゴードン、君ならどこから攻撃をしかける?」
「そうですね。敵の出現点と航続距離から推測すれば、このあたりですかね」
 と操作盤を操作してパネル上に予想地点を表示してみせた。
「丁度我々の捜査範囲内ですね」
「ふむ……早速索敵機を飛ばしてみてくれ。指揮はまかせる」
「了解。索敵の指揮をとります」
 ゴードンは、艦橋を出てフライトデッキの方へ走っていった。
「少尉殿、よろしいでしょうか」
 艦長のスザンナ・ベンソン准尉が質問した。
「うむ」
「このまま索敵を続けていてよろしいのでしょうか?」
「どういうことかな」
「本隊は攻撃を受けているのですよ。一刻もはやく帰還して援護にまわるべきでは
ないでしょうか」
「帰還命令は出ておるか?」
「いえ、出ておりません」
「ならばこのまま索敵を続行するまでだ」
「ですがたとえ敵を発見したところで、本隊が全滅していたら」
「だからといって、今更戻ったところでどうなるというのだ。たかが十数隻の小隊
が戻ったところで、体勢に影響はあるまい」
「それはそうですが……」
「いいかい。我々がなさねばならないことは、敵の情報をより正確に収集し把握し
て、味方に伝えることなのだ。仮に本隊が全滅しても、索敵で得た情報と本隊の戦
闘記録を持って無事帰還することなのだよ。それによって、後に続くものの糧とな
りうる。わかるかい、スザンナ」
「わかりました」
 スザンナ・ベンソン准尉。この女性艦長は、士官学校スベリニアン校舎時代の同
窓生である。アレックスとゴードンが特待進級卒業の栄冠を得たために、通常卒業
の彼女とは一階級の差が出来ていた。

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2020.11.20 12:40 | 固定リンク | 第一部 | コメント (0)
銀河戦記/鳴動編 第一部 第二章 士官学校 V
2020.11.20

 第二章 士官学校




 その夜。
 パトリシアが宿舎の自分の部屋でネグリジェに着替えてくつろいでいた時だった。
外から窓をこつこつと叩く音がするので、何事かと窓を開けて見ると、ひょいと顔
を出したのはアレックスだった。
「アレックス!」
「しっ! 大きな声を出さないで」
 ここは三階である。アレックスはロープを伝って屋上から降りてきたようであっ
た。
「危ないわ、早く中に入って」
 パトリシアはアレックスを招きいれた。アレックスは中へ入り侵入に使ったロー
プをしまい込んだ。
「どうして……」
 言葉を言い終わらないうちに、強く抱きしめられ唇を奪われた。
 厚い胸板、広い肩幅、そして自分を抱きしめる強い力。女性であるか細い自分と
は違う頑丈な身体つきをしたアレックス。
「君にどうしても逢いたかった。君の同室のフランソワが当直で今夜は一人と聞い
てね」
「でもこんなことまでして来なくても。落ちたらどうするのよ」
 パトリシアは真剣な顔で心配していた。アレックスはかけがえのない存在になっ
ていたのである。
「一刻も早く逢いたかったんだ」
「アレックス……」

 窓の外から小鳥のさえずりが聞こえている。
 カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
 ベッドの上でまどろむ二人。パトリシアは、アレックスが自分の肩を抱き寄せる
ようにしたそのたくましい腕を枕にして、その厚い胸板に手を預けるように寄り添
って寝入っていた。
 先に目を覚ましたパトリシアが、
「もし結婚したら、毎朝こうやって目覚めるのね……」
 横に眠るアレックスの寝顔を見つめながら感慨ひとしおであった。男性に抱かれ
て朝を迎えるのは、これがはじめてのはずなのに、なぜかずっと以前からそうして
きたような、錯覚を覚えていた。男と女との関係、これがごく自然な姿なのかも知
れない。
 アレックスを起こさないようにそっと抜け出すと、鏡台に座って髪をとかしはじ
めた。昨夜の夢模様のせいかだいぶ髪が乱れている。
 アレックスが起きだしてきた。
「おはよう」
 といってパトリシアの額に軽くキスをした。
「おはようございます」
 明るいところでネグリジェ姿の自分を見られるのもまた恥ずかしいものがあった。
裸すら見られているのだから、今更という感もありはしたが、夢うつつ状態にあっ
た時と、冷静な今とでは状況もまた違うということであった。
 アレックスはすでに衣服を着込み始めていた。男性は女性と違って身支度に時間
はかからない。髪を丁寧にとかす必要もなければ、化粧をすることもない。ものの
数分で支度を完了していた。
 外が騒がしくなっていた。
 アレックスが何事かと思って、窓のカーテンを少し引いて隙間から外を覗くと、
庭の片隅に一人の男性が立たされて、寮長の尋問を受けているところだった。
 回りには騒ぎをかぎつけて出てきた女性士官候補生がたむろしていた。パトリシ
アもアレックスのそばにきて外の様子をうかがった。
「まいったな……」
「これでは窓からは出られないわね」
「ああ……」

 パトリシアは、箪笥から下着を取り出して着替えをはじめた。
「後ろを向いていてね」
 たとえ身体を許した相手とはいえ、明るいところで着替えを見られるのはさすが
に恥ずかしい。二人とも背中合わせになっている。
「しかし、どうしようかなあ……」
 背中ごしに彼の困ったような呟きが聞こえてくる。
「今更、どうしようもないわね」
 スリップを頭から被るように着るパトリシア。
「元はと言えば夜這いをかけた僕がいけないんだけど。ばれたら君にも迷惑がかか
るな」
「う、うん……」
 その時、同室で後輩のフランソワ・クレールが入ってきた。
「あ、あなたは!」
 入ってくるなりアレックスの姿を見つけて驚くフランソワ。
「静かに、フランソワ」
 人差し指を唇にあてて制止するパトリシア。
「でも……」
「いいから、早くドアを閉めて」
「は、はい」
 ドアを閉め、あらためてアレックスとパトリシアを交互に眺めるフランドル。
 アレックスはすでに着替えをすんでいたものの、パトリシアはまだスリップ姿の
ままであった。その光景を見れば状況は一目瞭然である。
「ふーん……先輩達、そういう仲だったのですか」
「そういうわけなの」
「わかりました。あたしだって野暮じゃありませんから、お二人のこと内緒にして
おきます」
「ありがとう」
 といいながら軍服を身に付けはじめるパトリシア。
「でも、どうするんですか。外の状況はご存じでしょう」
「ああ、今あそこに立たされているのは俺の同僚なんだよな」
「見つかる彼もどじですけど、先輩も帰る手段がないみたいですね」
「ん……それで困っているんだよな」
「あ。ところで、どうやってここに侵入したのですか」
「非常階段を使って五階の踊り場へ。非常口には中から鍵が掛かっているから樋を
伝って屋上へ昇り。そしてロープを使ってここへ降りてきて、パトリシアに窓を開
けてもらって中に入ったのさ」
「本当に無理するんだから」
「へえ。やるじゃない」
 といいながら窓から首を出して屋上を見上げていた。
 フランソワは感心していた。恋する人のところへ来るために命がけというところ
にである。
「あたしも、そうやって会いに来てくれるような恋人作ろうかな」
「とんでもないわよ。命懸けもいいけど、心臓に悪いわよ」
「そうかあ……」
「それにしても出るに出られぬ籠の鳥とはな」
「夜までここに隠れていらっしゃったら?」
「それがだめなんだ。どうしても出なけりゃならん講義があるんだよ。卒業がかか
っている重要なやつでね」
「ふーん」
 どうしたもんかと、アレックスとフランソワが悩んでいた。フランソワにしてみ
れば、恋泥棒であるアレックスがどうなろうと知ったことではないのだが、お姉さ
まにも問題が降り掛かるとなればそうもいってはおられない。
「一つだけ方法があるわ」
 軍服を着終えたパトリシアがぽつりとつぶやいた。
「それは、どんな方法だい」
 アレックスの問いかけには答えずにフランソワに言いつけるパトリシア。
「ジュリーの部屋から彼女の軍服を持ってきて頂戴」
「ジュリーの……?」
 しばし首を傾げていたフランソワだったがすぐに閃いたのか、
「わかりました。いますぐ持ってきます」
「他の人に、怪しまれないようにしてね」
 フランソワは言葉に出さずに指でVサインを示しながら出ていった。
「一体なにをしようというのかい」
「あなたにジュリーになってもらうのよ」
「ジュリーになるって、まさか……」
「そのまさかよ」

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