冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・30
2020.03.06

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・30



ナレ「おどろおどろしい音楽の流れる城内に突入した」
勇者「ふむ……。ここがパーゴンの根城か。バリアに囲まれている両側の通路は、いかに
も重要アイテムがありそうに見えるが、まやかしである……と、攻略本に書いてあるな」
王女「至る所に、人魂が浮遊していますね」
王子「魔物に倒された人々の怨念が籠ってそうです」
人魂「ここは、道具屋です。どんなご用でしょう……」
勇者「こいつは、道具屋だったんだろうな」
人魂「たびびとの宿にようこそ……」
王子「なんか……哀れですね」
人魂「ここはルーラシア城です……」
王女「勇者さんの城の住人だったのでしょうか?」
人魂「メラメラ……」
勇者「としか言わない奴もいるな。きっと原爆の爆心地にいた人みたいに、気が付いたら
死んでいたのだろう」
王女「玉座がありますね。人魂がいます、どこかの国の王様か侍従かしら」
勇者「聞いてみれば分かるかも」
ナレ「玉座前の人魂に話しかける勇者」
魔物「ケケケケ!騙されていればよいものを!見破ってしまうとは、可哀想な奴め!」
ナレ「デビルロードが二体現れた」
勇者「可哀そうなのはおまえだ!黙って人魂してれば成仏できたものを、地獄へ送ってや
るぜ」
ナレ「難なくデビルロードを倒して先に進む一行」
勇者「玉座の後ろのバリアーの先に進むぞ。王子、頼む」
王子「トラマナ!」
王女「隠し通路がありますね」
ナレ「バリアーと隠し扉を通った先には、十字架模様のある部屋だった」
王子「十字架のまん中にある文様の上で何か、邪心の像とかを使うのでは?」
王女「あたしがやってみます」
ナレ「王女はじゃしんのぞうを高くささげた」
勇者「おお!城の内部にワープしたのか?」
王子「そのようですね」
ナレ「少し歩いたところで、あくましんかんが現れた」
王女「これより先は、魔物というよりもパーゴンの直属の手下が相手のようです」
勇者「あくましんかんか……いかずちの杖を落としてくれたらラッキーなんだが。確率は
32分の1らしい。魔物がアイテムを落とす確率は2の累乗となっているのを知ってるか?」
王子「攻略本に載ってましたか?」
勇者「まあな」
ナレ「言ってるそばから、あくましんかん2体とはぐれメタルが現れた」
勇者「はぐれメタルだ!俺はメタルを攻撃する。王子は神官を魔法封じ、王女はイオナズ
ン攻撃だ。メタルは早逃げするかもだし、神官の攻撃で全滅するかもだが、倒せれば経験
値がっぽりだぞ。どうせ、死ぬ気の決死行でやってるんだからな」
ナレ「まもののむれをやっつけた。それぞれ12086ポイントの経験値をかくとく!それぞれ
1レベルアップした」
勇者「うまくいった!」

ナレ「四階に昇りました」
勇者「ここから先には階段を守る中ボスがいるらしいぞ」
王子「中ボスですか……」
王女「目の前に五階への階段があります」
勇者「よし、戦闘態勢で突撃する!」
ナレ「中ボスのアトラスが現れた」
勇者「げげげっ!攻撃力が半端ないし、しかも二回攻撃してきやがる」
王子「攻略本はなんと?」
勇者「そ、そうか見るの忘れてた」
王女「せっかく有り金はたいたのに、有効活用しないとダメですわ」
勇者「お、おお!俺が攻撃するから、おまえらは回復呪文の他は徹底防御……だそうだ」


ナレ「五階に昇りました」
勇者「ここの中ボスのババズも前回とおなじにな」
王女「分かりました。回復魔法以外は徹底防御ですね」
ナレ「ババズはザラキを唱えた。勇者が死んだ」
王女「ちょっとお、いきなり死なないでよ。ザオリク!!」
勇者「ふうっ。いきなりザラキとはな」
王子「僕たちは防御体制だったので、ザラキが利かなかったようです」
勇者「王女がザオリク覚えていたので助かったよ」
王女「どういたしまして。王子もとっくに覚えていましたけどね」

ナレ「六階に昇りました」
勇者「ここはベリアルだ。こいつも同様の戦法でいく」
王子「はい!」
ナレ「なんとか倒して、七階へと上がる」

王子「ここが最上階のようですね。フロア全面がバリアーで囲まれています。トラマナ掛
けますね」
勇者「頼む。お!フロアの中心の玉座にいるのがパーゴンだな」
王女「そのようですね」
ナレ「そしてついに、パーゴンの前に到着したのだった」
勇者「おい!おまえがパーゴンか?」
ハゴン「誰じゃ?私の祈りを邪魔する者は?愚か者め!私を大神官パーゴンと知っての行い
か!?」
ナレ「はい、いいえ、答えてください」
勇者「いつもの通り、反対の返答、いいえだな」
ハゴン「では、覚えておくがよい。私が偉大なる神の使い、パーゴン様じゃ!」
勇者「で、はいだと?」
ハゴン「ならば許せぬ!おのれの愚かさを思い知るがよい!」
ナレ「ということで、どちらの返答でも戦闘に突入するのであった」
勇者「おいこら。だったら、はい・いいえを質問するな!」
ナレ「苦戦するも、何とかパーゴンを倒した」
ハゴン「お、おのれ、くちおしや……
このパーゴン様がお前らごときにやられるとは。しかし、私を倒してももはや世界を救え
まい!わが破壊の神シドーよ!今ここに生け贄を捧ぐ!ぐふっ!」
王子「危なかったですね。ギリギリでした」
王女「わたしはMP使い果たしまたわ」
勇者「帰るか。王子、リレミトできるか?」
王子「はい。リレミト!」
ナレ「しかし何も起こらなかった」
王女「どうなさったの?」
王女「呪文が利かないんです」
勇者「なんだと!パーゴンを倒したのにか」
王子「はい」
勇者「しようがねえ。歩いて帰るか」
ナレ「と、一歩踏み出した途端」
勇者「げっ!いきなり目の前を炎に塞がれたぞ!!」
ナレ「炎を避けて通ろうとすると」
王子「またです。行く先に炎が?」
王女「だめです。完全に塞がれました」
ナレ「眩い閃光とともに、床に穴が開いて完全に封鎖された。そして……」
勇者「な、なんだよ!翼の生えた六本足の魔物が現れやがった」
ナレ「本当の最終ボス、『シドー』が現れた。しかし、パーゴン戦でMPを使い果たした
一行には、新たなるボスに成す術がなかった」
勇者「死んだ!」
ナレ「気が付けば、いつものロンダルギアの祠に戻されていた。全員を全回復して」
勇者「もう一度チャレンジだ!ゲームを始めた以上、最期まで貫徹するのみだ!」
王子「ゲームなんて言わないでください。冒険ですよ、冒険!」
王女「そうですわよ。でも再チャレンジには同意です」
ナレ「ということで、再びパーゴンの神殿を昇り始める」
王女「前回よりは1レベル分アップしたので、ほんの少しですが余裕が出ています」
ナレ「四階まで昇ってきました」
王子「階段を守る中ボスはアトラスでしたね」
勇者「まだいるかな?」
ナレ「恐る恐る階段に来ると……」
王女「あら、出ませんわね」
王子「どうやら一度倒すと復活しないようですね」
勇者「ふむ、ということは残るババズもベリアルも出ないということか」
王女「パーゴンはどうでしょうか?」
王子「一度は倒したはずですよね」
勇者「行ってみればわかるさ」
ナレ「慎重に進み続け、再びパーゴンの前へと歩み出たのであった」
王子「残念です。ちゃんと鎮座していました」
王女「たぶんシドーが復活させたのではないでしょうか」
勇者「城の主だけに、簡単には死なないようだな。もう一戦いくぞ!」
王子「はい。今度はMPもかなり残っています」
ナレ「まあまあ苦戦しながらもパーゴンを倒した」
勇者「さあ、シドー戦だ。回復全快よろしく」
王女「はい!」
ナレ「シドーとの戦いは、強烈な二回攻撃と全体攻撃呪文『イオナズン』に加え、激しい
炎攻撃でHP100~120の体力を奪う」
王女「私は、水の羽衣で炎は二分の一に軽減できますから、イオナズンの方が脅威です」
勇者「頑張るぞ~!!」
王子「おお!」
王女「はい!」
ナレ「パーティーは全滅しました……」
勇者「なんでやねん!!」
ナレ「再び、ロンダルギアの祠に戻されました」
王子「はげしい炎攻撃三連発で沈みましたね」
王女「ステータスの素早さで負けています。こちらよりも早く攻撃してくるので防戦一方
になるのが辛いです」
勇者「おお、攻略本によるとシドーの素早さは、【110】らしいぞ。俺は 95 だが、おまえ
らはどうだ?」
王子「自分は 108 です」
王女「私は 125 です」
勇者「それほど遅いというほどでもないよな。でもなんで先制ばかりされるのか?」
王子「ゲームクリーエイターの作為でしょう」
勇者「おまゆう!?」
王女「とにかくレベルが足りないと思います。もっと経験値を重ねましょう」
王子「そうですね。素早さも大事ですが、体力も重要です。一撃で半分以上HPを削られ
たら防戦一方は必至ですから」
勇者「レベルアップの早道は?」
王子「パーゴンの神殿の三階には、はぐれメタルが出没しますから、二回攻撃できるはや
ぶさの剣を装備すれば」
勇者「うむ。その剣を装備できるのは、俺と王子だけか」
王女「メタルは必ず他の強力な魔物と一緒に出現するのが難点ですわ」
王子「私と勇者さんでメタルを叩き、王女にはイオナズン攻撃か回復呪文役に回るという
ことになりますね」
ナレ「それからレベルアップを重ね、頃合いよしとみて、何度目かの挑戦と敗北、さらな
る挑戦と諦めずに戦い。ついに最終局面に入ったのである」
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