全身性エリテマトーデス
2020.01.01

○月○日 全身性エリテマトーデス

 自己破産の手続きが進む中、大学病院へも行かなければならない。
 膠原病などと診断をくだされると緊張する。
 いったいどんな病気なんだ?
 早速紹介状を持って、埼玉医科大学総合医療センターを受診する。
 何せ大学病院である。
 診療科が無数にあると言っても良い。
 どこを受けたらよいのか判らないが、ともかく総合受付で手続きをする。
 で、リウマチ・膠原病内科という診療科を受診することになった。
 自己免疫疾患を専門に扱っている科であることが後に判明する。
 午前中は問診から始まって、血液検査・尿検査・レントゲン・心電図……と検査が続く。
 午後に入って、検査の結果が集計されて医師の元に戻されて、診察結果が報告される。
「血液検査の結果が出てますが……」
 と一息ついてから、
「このような状態で、今日までよく生きてこられましたね。普通なら、余命3年以内とい
う宣告を出しますよ」
 と驚きの報告が出された。
「よ、余命3年以内!?」
 免疫に関わる白血球などの数値が極端な異常値を示し、止血作用のある血小板などは正
常値最低限の十分の一しかない。大怪我などしたら血が止まらず出血多量で死亡の可能性
大。
 肝臓や腎臓に関するデータも、仰天するほどの数値を示していた。
(AST、ALT、γGTP=肝臓。eGFR=腎臓、など)
 数値だけを見れば、急性肝炎・肝硬変。糸球体腎炎・ネフローゼなどが疑われると……。

「全身性エリテマトーデスが疑われます。入院しての精密検査と治療が必要です」
 はじめて聞かされる病名だった。
 入院治療が必要と聞かされても驚かなかった。これまで何度も入退院を繰り返してきた
のだ。また一回増えるだけである。
 病気の簡単な説明が行われる。
 自己免疫疾患の一つで、自分自身に対する抗体ができて、免疫機能が自分自身を攻撃し
てしまうという難病だそうである。
 明確なる根治治療方法はなく、対症療法しかないらしい。
 クローン病に続く、二つ目の特定疾患を発病したことになる。
 他にも、抗リン脂質抗体症候群も合併していることを説明された。

 とにもかくにも入院は決定。
 入院申込書を貰って、一旦入院のための準備のために自宅に戻る。

 翌日、改めて生活保護の申請のため市役所へ。
 病院に書いて貰った診断書を持って、市役所で入院治療となる事を報告する。
 自己破産の手続きの申請書のコピーを提出して、自宅売却の手続き中のことも報告す
る。
 早急の入院が必要とのことで、急迫保護手続きが取られることになった。

 即座に生活保護による医療券が発行されて、それを保険証代わりに提出すれば治療費
(保険適用分)が全額無料となるものだった。
 というわけで、埼玉医科大学総合医療センターに入院することになったのである。

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