中心静脈点滴
2019.12.26
○月○日 中心静脈点滴
やがて劇的な報告がなされる。
「クローン病ではないか?」
という仮診断が下されたのである。
連日のような消化管造影検査(注腸造影)や内視鏡などによる腸内検査も、これを確
定させるためのものだったのである。
クローン病(クローンびょう、英:Crohn's disease; CD)は、主として口腔から肛門
までの消化管全域に、非連続性の炎症および潰瘍を起こす原因不明の疾患である。
本疾患における病変は消化管の粘膜から漿膜までの全層を侵し、進行すると腸管が狭く
なる狭窄によって腸閉塞をきたすことや、腸管に穴のあく穿孔や瘻孔(ろうこう)、それ
らに膿が溜まった膿瘍ができることがある。潰瘍性大腸炎とともに炎症性腸疾患(英:w:
Inflammatory bowel disease; IBD) に分類される。
膠原病の一つで、特定疾患治療研究事業【医療費助成制度】(対象:56疾患)の一つに
入っている難病であった。
発症の原因不明、根治治療方法もない。
治療は対症療法しかなく、生涯薬を飲まなければならないという難病である。
その日から、点滴の方法が変わった。
中心静脈点滴というものである。
今までは、腕から点滴の針を刺していたのだが、鎖骨のところの静脈(鎖骨下静脈)か
らカテーテルを通して、心臓の近くを通る上大静脈に直接輸液を注入するという方式であ
る。脚の付け根の下大静脈から点滴を行うこともある。
寝たきりの人なら脚からの点滴を選択できるだろうが、動き回れる健康人なら鎖骨下か
らの点滴ということになる。
これは、高濃度・高カロリーの輸液を滴下できるようにするためのもので、腕からの末
端静脈点滴では 血管炎や血栓を起こすからである。
血管炎を起こしやすい抗がん剤の滴下や、カテーテルを通して中心静脈の静脈圧が測れ
たり、体液量の増減やうっ血性心不全の程度を把握するのに役立つ。
もちろん看護師にはカテーテルを通すなどの施術を行う資格がないので、当然主治医の
出番となる。
静脈に通したカテーテルは抜けないようにしなければならないので、鈎針のようなもの
が三本ついていて皮膚に引っ掛けるようにして固定する。さらに上から固定テープを張っ
て動かないようにしておく。
クローン病の治療薬として、メサラジン(ペンタサ錠250 等)が追加された。
ああ……。
それにしても、鼻からの導入管から解放されて、食事が出されるかと期待したのだが、
当分の間はお預けという状況になったのである。
寂しい……。
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