腸閉塞入院
2019.12.20
○月○日 腸閉塞入院。

 翌日、入院備品一式を持って再び病院へ。

 入院初日。
 腸が詰まって、食物が胃より先に流れないので、絶飲絶食に。
 (水を飲むことも、食べることも禁止!)
 栄養は静脈点滴で補うが、これは腸を休めて回復を促すことになる。

 辛いのは、同室の患者達がおいしそうな病院食を食べているのを、じっと我慢して見て
いなければならないことだ。
 自分の食事は点滴のみで、喉が渇いても水も飲めない。

 入院中の検査は多岐に渡る。
 血液採取と尿採取は検査の第一歩。

 まずは胃内視鏡から始まる。
 最初に精神安定剤のようなものを飲む。
 続いて口腔を痺れさせるための液体を口に含んでしばらく待つ。間違っても、飲んでは
いけない。
 やがて舌が痺れてくる。
 診察台に横になって、看護師から、
「よだれは飲み込まないで、だらりと垂れ流しにするようにして下さい。そうしないと吐
き気がします」
 と、言われても、胃内視鏡を挿入される段になると、
 おえっ、おえっ
 とむせってしまって、喉を通過するまでは、ほんとに苦しい。
 食道を通過して、胃の中に入ってしまえば楽になる。
 顔の前に、内視鏡の映像を映すディスプレイを置いて、患者にも見られるようにしてい
る。
「軽い胃炎の兆候が見られますね」
 医者が言った。
 そりゃあまあ、胃に入ったものが腸へ流れないのだから、胃酸とかも胃に滞留して胃壁
を冒していたんでしょうね。
「それでは、十二指腸に入りますよ」
 胃内視鏡とはいうが、十二指腸までは届く長さがある。
 ただし、十二指腸の壁は薄いので無理には先へと通さない。
 十二指腸の入り口付近を見て、
「これで終わりです。それでは抜きますよ」
 静かに胃内視鏡が抜かれていく。
 で、胃のところで一旦抜くのを止めて、
「ちょっと、胃の組織を採取しますね」
 とのことだったが、何も感じないまま、
 最近の内視鏡は診るだけではなく、組織を採取したり、レーザーを照射して癌などの治
療もできるようになっている。
 胃カメラと呼ばれた時代からすると、雲泥の技術革新がなっている。
 ちなみに、内視鏡のパイオニアメーカーとして、オリンパスが有名である。
「はい、終わりました。抜きます」
 挿入するときと違って、それほど苦しいものでもない。
「はい、抜き終わりました」
 という声で、検査が終了した。
 聞くところによると、催眠剤を使って眠っている間に内視鏡検査をするところもあるら
しい。

 部屋に戻ってもまだ舌が麻痺しているようだが……。
 口の中の唾液がたらりと流れる。

 日を跨いで、次は大腸内視鏡検査となる。
 これを受ける前には、腸を綺麗にするために、腸内洗浄を行う。
 午前中、2リットルの下剤を、200ccずつ数時間かけて飲み続ける。
 これが結構つらい。
 多少の甘みはついてはいるが、行け行け!どんどん飲めるもんじゃない。
 酒飲みなら、ビールを矢継ぎ早に飲めるだろうが。
 結局半分の1リットル飲んだところでギブアップ。
 下剤だから当然……。
 トイレへ行きたくなる。
 最初はいわゆるウンチ色したものが、やがて透明な液体へと変わってゆく。
 無色透明の水溶便になれば完了なのだが……。
 半分しか飲んでいないので、黄色く色づいた透明便のまま。
「まあ、いいでしょう」
 というわけで、午後からとりあえず大腸内視鏡の開始。
 お尻から内視鏡を挿入されるのには、いささか恥ずかしくなるが我慢である。
 そうこうするうちに無事に終了して病室に戻る。
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