冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 64(最終回)
2019.09.23


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 64


ナタリー「成功したのでしょうか?」
コンラッド「すぐに分かりますよ」
最高導師「終わりましたよ。そこの二人は診てやってくれたまえ」
リリア「分かりました(心配そうに傍に寄る)」
コンラッド「生きていますが、魂は無事でしょうか?」
ナレ1「やがて勇者だった女性の方が先に眼を覚ます」
リリア「わたしは……(身体を確認する)」
ナタリー「どう?あなたは誰?」
リリア「リリアです」
ナタリー「リリアなのね?」
リリア「はい、リリアです。わたしは女の子ですか?」
ナタリー「そうよ、成功したのよ。おめでとう!(抱きつく)」
コンラッド「となるとあっちの方は?(男性の方を見つめる)」
ナレ1「むっくりと起き上がる元リリアだった男性」
勇者「ここはどこ?わたしはだーれ?」
ナタリー「ぼけかますな、こら!」
勇者「おお、愛しのナタリーじゃないか」
ナタリー「どうやら元に戻ったようね」
コンラッド「最高導師様、よろしいですか?」
最高導師「何かね?」
コンラッド「最高導師様は、どうして我々の望みを叶えて下さったのですか?」
最高導師「まあ、気まぐれじゃよ」
コンラッド「気まぐれですか?」
最高導師「私が出した試練を乗り越えてやってきたのだ、それ相応の報酬というと
ころだな」
リリア「ありがとうございます、最高導師様(深々と膝を折って感謝する)」
最高導師「皆の者ご苦労であった。フェリス王国へ戻して上げよう」
ナレ1「両手を高々と上げ、祈りの言葉を唱えると、一行の身体が輝きだした」
ナレ2「と、次の瞬間。一行はフェリス王城へと舞い戻っていたのであった」
コンラッド「ここは、フェリス王城です」
リリア「ほんとうに、戻ってきたのですね」
ナタリー「さすがは最高導師様です」
勇者「あんだけ苦労して、ここからムース滝までの道のりは一体なんだったのだ」
ナタリー「終わり良ければ総て良し、じゃない?」
コンラッド「リリアさんの願いも叶ったことだし、皆さんこれからどうされます
か?」
ナタリー「そうねえ……あたしは元の町に戻るわ」
勇者「売春婦に戻るのか?」
ナタリー「うるさいわね。かねてから誘いがあった魔導学校の指導教官になるわ」
リリア「あたしは、花売りに戻ります。魔獣には気を付けます」
勇者「俺は遊び人だ。とりあえずこの城下町で女を漁ることする」
コンラッド「そうですか……名残惜しいですけど。パーティーを解散しましょう」
リリア「コンラッドさんは、どうされるのですか?」
コンラッド「王国騎士団に戻ります」
ナタリー「そういえば、騎士団長でしたね」
リリア「みなさん、あたしのためにありがとうございました」
ナタリー「人生山あり谷ありよ。気にしないでいいわ」
コンラッド「それではみなさん、帰りの道中も気を付けて」
ナレ1「というわけで、解散してそれぞれの帰路に着いたのであった」



冗談ドラゴンクエストIIへ続く……かも知れない


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