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2024.07.31 20:20 | pmlink.png 固定リンク | folder.png top_page | com.gif コメント (0)
銀河戦記/波動編 第八章 Ⅱ ガスパロ再び

第八章


Ⅱ ガスパロ再び


 再び海賊ギルドの基地に舞い戻ってきたフォルミダビーレ号とアムレス号。
 フォルミダビーレ号の来訪を事前に察知していたのか、基地の周囲には数多く
のケンタウリ帝国艦隊がひしめき合っていた。
「ガスパロから通信が入っています」
 と、レンツォ・ブランド通信士。
「繋いでくれ」
 通信用パネルにガスパロが移りだされた。
『おまえ処刑されたんじゃないのか?』
「しぶとく生きてますよ。少年達に助けられましてね」
『少年? 子供達も?』
「ええ、生きていますよ。彼らに助けられたのです」
「そうか……。で、例のロストシップは見つかったのか?」
「見つかりましたよ。見てのとおりです」
 並走する船を指し示すアーデッジだった。
 その映像を見つめている風のガスパロ。
 やがて、
『隣に並んでいる船は例のヤツだな?』
 核心を突くガスパロ。
「そういうことだな」
 否定することなく答えるアーデッジ。
 しばし考えてから、
『そのロストシップをこちらに渡せば、これまでの反乱行為を無しにして、再び
仲間に戻して上げてもいいのだぞ』
 交渉を出してくる。
「断る!」
 断固として拒否するアーデッジ。
 当然だろう少年達が命を賭して見つけた船を、軽々しく渡せるはずがないだろ
う。言ってみればロストシップは、少年達の所有とみなすことができるからだ。
『ならば、何故に舞い戻ってきた? こうなることは分かっていただろう』
「預けているものは返してもらわなくてはな」
『預けている? まさか親父のことじゃないだろうな?』
「分かっているじゃないか」
 海賊ギルドの元頭領アントニノ・ジョゼフ・アッカルドは幽閉されていた。
 ギルドと要塞を作り上げた人物であり、海賊達の信奉も厚かったから、処断す
ることができなかったのだ。もし処断していたら、海賊達の不平不満を抑えるこ
とは不可能だっただろう。
 幹部の中には、アッカルド頭領に恩義を抱いている者も多いので、彼らが反乱
を起こさないためにも処断することができなかったのだ。
『それでどうするつもりだ!』
「一対一の決闘を申し込む。俺が勝てば頭領を解放しろ!」
『おまえが負けたら?』
「俺の船と俺の首を差し出す」
『いいのか? お前の首がどうでもいいが、その船は最新鋭だろ』
「かまわない。受けるのか? 受けないのか?」
『馬鹿か! 受けるわけねえだろ! その前に、目の前の艦隊をどうにかするん
だな』
 通信が強制的に切られたかと思うと、帝国艦隊が動き出した。
「帝国艦隊が戦闘態勢に入ったようです。如何いたしますか?」
 リナルディ副長が尋ねる。
「そうだな……同じ海賊船なら同士討ちだが、帝国艦隊なら気兼ねなくやれる。
戦闘配備だ!」
「了解。戦闘配備!」
 リナルディーが復唱した時に通信が入った。
「アムレス号より入電あり」
 と、レンツォ・ブランド通信士。
「繋いでくれ」
 スクリーンにアレックスが出る。
『帝国艦隊は僕に任せてください。流れ弾が当たらないように後方に下がってお
いてください』
「分かった」
 フォルミダビーレ号を後方へと移動させるアーデッジ。
 ロストシップの性能を知りたいのと、戦術級におけるアレックスの才能如何を
この目で見たいとの思いがあった。



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銀河戦記/波動編 第八章 Ⅰ 海賊ギルド基地へ

第八章


Ⅰ 海賊ギルド基地へ


 宇宙空間に出現するアムレス号と並走するフォルミダビーレ号。
『ワープアウト、完了シマシタ。フォルミダビーレ号モ一緒デス。追跡艦ノ反応ハ、アリマセン』
「フォルミダビーレ号に行く。待機していてくれ」
「かしこまりました」
 エダが答える。
 転送用端末を腰に差して、転送室に入るアレックス。

 数時間後、フォルミダビーレ号の会議室に集まった仲間達。
 ロストシップという手土産を持参したアレックスが議長を任されていた。
 まずはロストシップに関する話題から始まった。
 少年達がアンツーク星にたどり着いてから、銃殺事件を経てエダに救出されるまで。
 続いて、ガスパロの裏切りでフォルミダビーレ号と乗員達が、帝国艦隊によって捕縛され、アンツーク星にも破壊命令を受けて艦隊が派遣された。
 帝国艦隊の破壊攻撃を受けて、脱出用に発進したのがロストシップことアムレス号だった。誰もが探し求めていたロストシップが数百年ぶりに発見されたということだ。
 少年達の解説に聞き耳を立てるアーデッジら船員達。
 その後に続いて、フォルミダビーレ号と乗員に起こった出来事を話すアーデッジ。
「フォルミダビーレ号の乗員を代表して、命を救ってくれたことを感謝するよ」


「それでは、今後の方針について意見のある方はいらっしゃいますか?」
 議事進行させるアレックス。
「いいかな」
 アーデッジ船長が手を挙げる。
「どうぞ」
「個人的な恨みかも知れないが、俺はガスパロの野郎が許せない、一泡吹かせてやりたい」
 アーデッジ船長が言うと、
「俺も復讐したいぜ」
「生かしてはおかない!」
「賛成します」
 などと、口々に賛同する仲間達。
「分かりました。ギルド基地へ向かいましょう。到着までに作戦を考えます」
「いいだろう。みんな配置に着いてくれ! アッカルド頭領も救出するぞ」
「了解!」
 船長の指示で一斉に会議室を飛び出して、各自それぞれの持ち場へと駆け出した。
 一人残されたアレックスだったが、
「エダ、転送してくれ」
『かしこまりました』
 アムレス号へと転送されていった。


 フォルミダビーレ号の船橋。
「やはりこの席は落ち着くな」
 と言いながら、船長席の肘掛けを撫でまわしていた。
 それを見てクスクスと微笑むルイーザ。
「こほん」
 と軽く咳払いしてから、
「これよりギルド基地に向かう。総員、出航準備!」
 下令する。
「出航準備!」
 リナルディ副長が復唱する。
「自動航行システムを、ロストシップに同調してくれ」
「了解しました。ロストシップに同調させます」
 マイケル・オヴェットが応える。

 一方アムレス号では、
『フォルミダビーレ号ノ自動航行システム同調完了シマシタ』
「行き先を、国際中立地帯の海賊ギルド基地に設定」
『海賊ギルド基地ニ設定シマシタ』
「よろしい、発進せよ!」
『発進シマス』
 並んで航行していたアムレス号とフォルミダビーレ号。
 速度を上げたかと思うと同時にワープして消えた。



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