銀河戦記/波動編 第五章 Ⅰ 国際空港にて

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図=Wikipedia 銀河系より

第五章


Ⅰ 国際空港にて

 国際中立地帯から最寄りの惑星リモージュの国際宇宙ステーションは、ハブ空港としてトリスタニア共和国、ケンタウルス帝国、そして惑星サンジェルマンへの中継施設として、中立的な立場から運営されていた。三か国からの資本投資がなされており、どの国を問わず利用が可能であった。
 その第十四桟橋に停船している飛行艇から少年達が降りてくる。
「ひええ! でっけえ空港だなあ」
 最初に感嘆の声を上げたのは、ゲーム好きのエヴァン・ケインだった。
 空港など見たこともなかったのだろう、辺りをキョロキョロと忙しく見まわしている。
 その姿は明らかにおのぼりさんという風情だった。
「あれは、最新型の長距離高速船だよ」
 たった今入港した船を見て感心しているのは、乗り物好きのマイケル・オヴェット。
 恒星間レース優勝経験者の父親の影響を受けて、船に関しては熟知していた。
「たぶん、あれがケンタウルス行きだと思うよ」
「さあ、手続きをしましょう」
 すでにオンラインで搭乗チケット予約済みなので、受付の自動チェックイン機で搭乗券を発行してもらうだけだ。
 その後、手荷物カウンターで荷物を預け、保安検査場を経て出国審査、そして搭乗口へと向かう。丁度その時、
「お客様にお伝えいたします。まもなく、レマゲン橋経由ケンタウルス行き808便の搭乗手続きを、8番ゲートにて開始いたします」
 場内アナウンスが繰り返し伝えていた。
「僕たちの船だね。急がなくちゃ」

 こうして、全員無事に宇宙船に乗り込むことができ、座席に着席できたのだった。
「それにしても、この船は帝国回りだけど共和国から行く方が近いんじゃなかったっけ?」
 機械好きのフレッド・ハミルトンが尋ねた。
「そうね。確かにいて・りゅうこつ腕に渡って、トリスタニア共和国内を通った方が近いには近いけど……」
 ルイーザが答えようとすると、
「帝国と共和国の間にあるタルシエンの橋が封鎖されているからだよ」
 アレックスが実状を解説する。
「両国は、長年紛争状態にあってさ。帝国の圧政に苦しんだ人々が、タルシエンの橋を渡って建国したのがトリスタニア共和国。その橋の出口を封鎖して強固な防衛陣を敷いているから、一般人は通行禁止になっているんだよ」
「詳しいのね」
「士官学校入学試験では必ず出る問題ですから」
「なるほどね」
 皆が納得したところで、
「僕、お腹すいたな。食事はいつ出るの?」
 料理が得意だが、いつも腹ペコなジミー・フェネリーが質問する。
「機内食は、通常離陸後一時間から三時間で出るはずよ」
「そうかあ……今すぐ食べたいのに……」
 言うが早いか、彼のお腹がグウと鳴った。
 その音が結構大きくて、周囲の一般乗客がクスクスと笑っていた。
「我慢我慢、大人しく待っていなさい」
 窘(たしな)められるジミーだった。



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