続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・14

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クンダタ再び ナレ「命からがらドラドーラから逃げだして、ナダトームに戻って来た」 ナタリー「ともかくギルドに報告しましょう」 ギルト「お疲れさまでした。報酬をどうぞ」 リリア 「勇者さんは、実家に報告に行かないのですか?」 勇者「別にいいよ。どうせギルドから報告が入ってるだろうから」 ナタリー「ドライなのね」 勇者「それより腹が減らないか?俺はペコペコだよ」 コンラト「そういえば、私もお腹がすいています」 勇者「よっしゃあ。では、カツ丼食おうぜ!俺が奢っちゃる」 リリア 「カ、カツ丼ですかあ?」 勇者「旨いぞ。ナレーションの大好物だよ。な?一緒にどうだ?」 ナレ「はい。ご一緒します(*^^)v」 ナタリー「どうでもいいけどね……」 勇者「さてと……腹ごしらえも終わったし、次の依頼行こうか!」 ギルト「今回はギルドから直接の依頼です。ドラドーラを越えた先にマルキドという城塞都 市がありますが、その途中にちょっと寄り道をした所に、『精霊の祠』があります」 勇者「なんだよ。ドラドーラなら行ってきたばかりだよ。そのついでに依頼をくれたら良 かったじゃないか」 ナタリー「依頼の重複(ちょうふく)はできないからよ。竜王の分を除いてね」 勇者「重複(じゅうふく)じゃないのか?」 ナタリー「それは慣用読みね。捏像(でつぞう)をねつぞう、消耗(しょうこう)をしょう もう、と読むのと同じよ」 勇者「なるほど……日本語辞書は、慣用読みでもちゃんと漢字変換するんだな。大したも んだ」 ギルト「実は、別のパーティーが【妖精の守り】を運んでいる最中に、クンダタ一味に奪わ れてしまったのです」 ナタリー「クンダタ三世とかいう奴ね」 ギルト「一味から、妖精の守りを取り返して、そのまま聖なる祠に運んで頂きたいのです」 勇者「討伐と配達の二段構えか。報酬二倍だな」 ギルト「はい。通常の配達料金に上乗せの15000Gとなっております」 勇者「まあ、そんなところかな」 ナタリー「分かりました。その依頼引き受けます」 勇者「討伐の方はともかく、配達はいい加減にしろといいたくなるな」 コンラト「いきなり強力な魔物退治するよりも、配達しながら小者の魔物退治でレベルアップ を目指せばいいのですよ」 リリア 「そうですよ。着実なレベルアップに励まなくちゃいけませんわ」 ギルト「クンダタ三世は、ナダトームの北の洞くつに潜んでいるそうです」 ナレ「というわけで、北の洞くつへと侵入し、クンダタ三世を倒すのに成功して、妖精の 守りを取り返した」 クンタタ「参った! やっぱりあんたにゃかなわねえや……。頼む! これっきり心を入れ替 えるから許してくれよ! な! な!」 リリア 「どうしますか?」 勇者「かまわん!逃がしてやろう」 コンラト「よろしいのですか?」 勇者「どうせ、いずれ捕まるさ。連行してゆくのも面倒くさいし……」 ナタリー「呆れたわね」 ナレ「とにもかくにも、聖なる守りを手にマルキドの南の精霊の祠へと向かうのだった」 コンラト「ドラドーラ砂漠に入りました。町は……襲撃が終わって廃墟になっています」 ナタリー「悪魔の騎士は、今も宝箱を見守っているのかしらね」 勇者「たぶんな……」 ナレ「砂漠を抜けてマルキドへと向かう狭い道に入った」 コンラト「ここらに出没するメイジキメラはメダパニ(混乱)を使ってくるので厄介ですが、 『不思議な帽子』というMP消費を2/3にする便利アイテムを落とすことがあります」 ナレ「狭道を進むこと最初に見える橋が、精霊の祠へと続く。ちなみに、ゲームのDQ3 ではルーラやキメラの翼でメルキドへ飛ぶと、精霊の祠に通ずるこの橋のたもとに船は錨 を下ろしています。メルキドには海がないからですが」 ナタリー「この先は一帯が毒沼になっているわね」 リリア 「みて下さい!毒沼の中に祠があります。精霊の祠でしょうか?」 コンラト「そのようですね。しかし……荒れていますね。ここも魔物の攻撃を受けたのでしょ うか?」 勇者「とにかく行ってみようぜ。ナタリー、トラマナ!」 ナタリー「分かっているわよ!」 ナレ「一行が祠に到着して中に入ると、壁は崩れ天井も一部空が見えるほどの荒れ模様だ った」 ナタリー「酷いありさまね。受取人はいるのかしら」 勇者「おーい!!誰かいませんかあ〜(*'ノ∀')ノおーい」 ナレ「すると、頭上に光が射したかと思うと、朧げに小さな輝きが現れ、やがて美しい姿 の精霊が現れた」 精霊「お待ちしておりました」 コンラト「この惨状はどうなされたのですか?」 精霊「魔物に襲われました。姿を隠して見ていたのですが、何かを探し回っている様子で した」 ナタリー「これじゃないでしょうか?(と聖なる守りを渡した)」 精霊「聖なる守りですね」 リリア 「クンダタ三世によって先任の依頼受け者から奪われずに、そのまま配達されていた ら……?」 精霊「魔物に聖なる守りは奪われていたでしょうね」 勇者「そうか……意外な所で役に立ったのか……逃がしてやって正解というところだな」 コンラト「そうじゃない気がしますが……」 精霊「この祠ももうすぐ完全に崩壊するでしょう。私はこの地に残って、この聖なる守 りを見守り続けることとしましょう。新たなる勇者が現れるまで」 ナレ「そう言うと、精霊は静かに消え去った」 ナタリー「あの……署名……」 ナレ「と、言おうとしたが、ギルドの書類には精霊の証が、いつの間にか記されていた」 リリア 「終わったようですね」 コンラト「精霊さん、この地で人知れず勇者を待ち続けるのでしょうね」 勇者「おそらく100年後のその時までな」 ナタリー「帰りましょう」
     
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