続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・13

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ドラドーラ ナレ「亡くなった女勇者の葬式のため、数日間勇者の家に泊まった一行」 母親「みなさん、祖母の葬式に参列してもらって感謝します。祖母も安らかに天に召され たでしょう」 ナタリー「いえいえ。気になさる必要はありません。袖振り合うも他生の縁といいますし、仲 間の親御さんの葬儀に参列するのも当然です」 母親「感謝致します。せめてもの……」 ナレ「と言って、数日分の携帯食料と幾らかの路銀を渡してくれたのだった」 ナタリー「さあ、出発するわよ。目指すはドラドーラ!」 コンラト「一旦ナダトームに戻って、そこから南下した砂漠の中にドラドーラはあります」 勇者「ドラドーラへの飛行船とかはないのか?」 リリア 「ないようですね。ナダトームから歩いていくしかありません」 ナタリー「ナダトームまでは、あたしの呪文のルーラで飛ぶわよ」 ナレ「ということで、ナダトームに到着し、徒歩でドラドーラへと出発した」 勇者「ふいー。ドラドーラはまだか?」 ナレ「砂漠地帯に入って、早速音を上げている勇者」 勇者「喉が渇いてカラカラだぞ"(-""-)"」 コンラト「もうすぐですよ」 勇者「もうすぐ、もうすぐって……何度目だよ」 ナタリー「だから、もうすぐだよ」 リリア 「あれは!(指さす)」 ナレ「そこには、大勢の魔物に取り囲まれているドラドーラが目の前にあった」 ナタリー「なんで魔物が取り付いているのよ。何かあるのかしら?」 勇者「ドラドーラには、オリハルコンがあったんだよな。俺のひいばばが探し当てて『王 者の剣』を作ったんだ。まさか、知らずにそれを探しているとかかな?」 ナタリー「それとも、あんたが来ることがバレていて、亡き者にしようと待ち伏せしていると かもよ」 勇者「よせやい。そんなこと言うなら、帰るぞ!」 コンラト「このままでは、ドラドーラに入れませんね。夜を待ちましょう」 ナタリー「暗闇に紛れて潜入するのね」 勇者「しかし町の中に入れば、さすがに気が付かれるだろう」 リリア 「きえさり草を持ってます。これで一定時間姿を消すことができます」 勇者「おお!!さすが花売り娘だな。いいもん持ってるじゃないか」 リリア 「薬師ですよ」 ナレ「夜陰に紛れて、こっそりとドラドーラの入り口にたどり着いた」 コンラト「何とか気づかれずに来れましたね」 ナタリー「リリア、アレを出して」 リリア 「はい。消えさり草ですね」 ナレ「リリアが薬草袋から取り出した消えさり草を、みんなの頭から振りかけると、見る 間に一同の姿が消えていった」 コンラト「音を立てないように、静かに行きましょう」 勇者「いわゆる、抜き足差し足というやつだな」 リリア 「探し人は武具屋の【ゆきのん】さんですよね」 ナレ「魔物がうろつく町内を、武具屋を探して歩く」 ナタリー「武具屋の看板があったわ」 リリア 「だめです。完全に破壊されています」 勇者「その隣にも武具屋があるぜ」 コンラト「店内には誰もいません」 勇者「逃げたか、もしくは隠れているんじゃないか?」 リリア 「裏口から二階に上がれそうです」 コンラト「いました!ゆきのんさんですか?」 店主「あなた方は?」 ナタリー「ギルドから依頼を受けてきました。光の鎧のお届けに」 店主「お待ちしておりました。私がゆきのんです」 リリア 「しかし、魔物が襲う中逃げないのですか?」 ユキノン「天のお告げに従い、光の鎧が届けられるのを待っていたので、逃げられなかったの です」 コンラト「では、鎧を持って逃げましょう!」 ユキノン「いいえ。その鎧は裏庭に埋めなければならないのです」 勇者「裏庭に埋める?」 ユキノン「それがお告げですから、従わなければなりません」 ナタリー「ですが……」 ナレ「言いかけた時、戸口の方でドアを蹴破る大きな音が聞こえた」 リリア 「魔物の襲撃です!」 ユキノン「私が囮になって時間を稼ぎます。裏口から逃げて、その光の鎧を樫の木の根元に埋 めてください。それが終わったら早く町を脱出して!」 リリア 「それでは、あなたが……」 ユキノン「これが私の役目、運命なんです。天のお告げがあった時から分かっていました。ギ ルドの書類を」 ナタリー「あ、はい(書類を渡す)」 ユキノン「(書類に署名をして返す)さあ早く逃げてください」 コンラト「彼の言うとおりにしましょう」 ナレ「コンラッドに背中を押されて、武具屋を出る一行」 勇者「とにかく、早いとこ光の鎧を埋めちまおうぜ」 ナタリー「この樫の木がそうみたいね」 ナレ「一行は、急いで穴を掘り光の鎧を宝箱に入れて地中に埋めた」 勇者「うむ……。☆彡・〇▽★々◇……"(-""-)"……よし!」 ナタリー「な、何をしているの?」 勇者「ひいばばから教えられた封印の呪文を掛けたんだ」 リリア 「封印の呪文?」 勇者「魔物には絶対に触れず100年間は絶対に開かなくなる。そしてこれを開けられるの は勇者の血を継いだものだけという呪文さ」 ナタリー「そんな呪文いつ覚えたのよ」 勇者「ひいばばと手を握った時があるだろ?あの時、精神感応っていうのかな、意識の中 に直接呪文が送り込まれてきたんだ」 コンラト「なるほど……すべては精霊ルビスさまの意思のまま、我々は動かされているようで すね」 勇者「任務は終了した。さっさと退散しようぜ」 リリア 「ゆきのんさんは?」 勇者「気にかけている暇はないぜ。逃げていることを祈ろうぜ」 コンラト「見てください!魔物が宝箱に気付いたみたいですよ」 ナタリー「あれは【あくまのきし】だわ」 勇者「放っておこうぜ。どうせ奴らには何もできん」 ナレ「こうしてドラドーラの樫の木の根元に埋められた【ひかりのよろい】は、百年後の 未来に新たなる勇者によって発見されるまで、悪魔の騎士によって守られることとなった のである」
     
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