1. 致死性家族性不眠症(FFI)とは
致死性家族性不眠症(FFI)は、クロイツフェルト・ヤコブ病やゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群と同様に、脳に異常な蛋白質(プリオン蛋白)が蓄積し脳神経細胞の機能が障害され脳に海綿状の変化が出現するプリオン病と呼ばれる疾患群に属する疾患です。この病気は遺伝性疾患で、患者さんのプリオン蛋白遺伝子の178番のコドンに変異が見られます。病気の主症状や主な病変部位がクロイツフェルト・ヤコブ病やゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群とは異なっています。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
この病気は、日本では数家系で報告されています。
3. この病気はどのような人に多いのですか
この病気は、40〜50歳代で発症します。
4. この病気の原因はわかっているのですか
ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群と同様に、この病気の原因はプリオン蛋白遺伝子の変異ですが、患者さんの脳には変異した遺伝子から生じた変異プリオン蛋白だけでなく、プリオンと呼ばれる感染因子である異常なプリオン蛋白も存在します。そのため、患者さんの脳には感染性があります。
5. この病気ではどのような症状がおきますか
この病気は、視床と呼ばれる脳の部位が主に侵されます。進行性の不眠、夜間興奮状態、幻覚、記憶力低下や高体温、発汗、頻脈などで発症し、やがて認知症、ミオクローヌスと呼ばれるけいれんを呈するようになり、1年前後で意識がなく寝たきりの状態となります。
6. この病気にはどのような治療法がありますか
この病気の治療法はまだありません。
7. この病気はどういう経過をたどるのですか
この病気は、発病後2年以内に全身衰弱、肺炎などで死亡します。
関連ホームページのご紹介
プリオン病及び遅発性ウィルス感染症に関する調査研究班
厚生労働省
ヤコブ病サポート・ネットワーク
東京医科大学神経生理学講座プリオン病ガイドライン等
東北大学プリオン蛋白研究部門
長崎大学第1内科神経グループ
診療マニュアル
クロイツフェルト・ヤコブ病 診療マニュアル
(厚生労働省遅発性ウイルス感染調査研究班)
診療マニュアル(改訂版)(ファイルサイズ 約:1.6MB)
このマニュアルは、クロイツフェルト・ヤコブ病をはじめとしたプリオン病の治療、検査、感染因子の滅菌法、感染防御等について、現在把握し得る最大限の情報を基に構成されています。(医療従事者向け)
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