難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

多発限局性運動性末梢神経炎(多巣性運動ニューロパチー、ルイス・サムナー症候群)/診断・治療指針

特定疾患情報

■概念・定義
多巣性運動ニューロパチー(multifocal motor neuropathy;MMNと略)は、ルイス・サムナー・(パリー)(Lewis-Sumner‐Parry)症候群とも呼ばれる。

本症は少数の末梢神経、又は根の支配する筋に限局した筋の脱力や萎縮をきたす疾患で、運動神経において神経伝導検査にて持続性の伝導ブロックを認める。さらに、活動依存性伝導ブロックとよぶ現象があり、筋活動により伝導ブロックが一過性に増悪することにより脱力が生じることがある。また、本症は一見すると筋萎縮性側索硬化症(ALS)と鑑別が困難な場合があるものの、大量ガンマグロブリン静注法などで治療可能な病態である。

本疾患では運動神経が優位に障害されるが軽度の感覚障害を来たすこともあり、純運動性疾患の場合MMNとよび、運動障害に加え感覚障害も来たした場合にルイス・サムナー症候群と呼ぶ場合もある。

■疫学
診断の困難なことと罹病者数の少ないことより本症の疫学的調査は、ごく小規模なものに留まり男性が優位であることが分かっている。

■病因
不明である。病理学的に局所性の神経の腫大と脱髄病変が見られるが、再髄鞘化の所見に乏しい。また、慢性炎症性脱髄性多発神経根炎(CIDP)とは異なり、通常寛解と増悪を示さず、一相性の臨床経過を示す。知覚神経は局所の病変においても侵されないか、又は運動神経よりも病変は著しく軽度である。約半数の例で、抗GM1ガングリオシド抗体が血清で高値を示すことがあるが、患者全体の半数程度にしか認められない。病変局所では、血液神経関門の破壊が見られることが多く、抗GM1抗体が病変部位において何らかの役割を果たしていることが考えられる。この抗体がNaチャンネルをブロックしているとの仮説があるが、その病因としての役割は末だに証明されていない。この抗体が軸索表面のGM1に結合し、再髄鞘化が阻害されているとする説もある。

なお、神経伝導検査により伝導ブロックを認めることがMMNの診断には必須と考えられてきたが、最近伝導ブロックが検出できないも、それ以外はMMNと酷似した症例の蓄積があり同一の病態と考えられているがなお議論が必要である。明らかな伝導ブロックを認めないMMNではMRIや神経超音波により神経根や神経叢部での脱髄を示唆する所見が報告されている。

■治療
当初cyclophosphamide(エンドキサン)やステロイドが試みられたが、副作用が多く効果も十分とはいえない。持に、ステロイドはむしろ症状を増悪させることがあり注意を要する。未だ血漿交換療法に関する系統的な臨床試験は行われていないが、無効のことが多い。最も効果が期待できるのは、大量ガンマグロブリン静注法である。

本法は、薬剤が高価であるという欠点はあるが、副作用が少なく治療の第1選択となりつつある。我が国では、保険適応となっている。標準の治療法は1日に人免疫グロブリンGとして400mg/kg体重を5日間連日点滴静注する。


免疫性神経疾患に関する調査研究班から
研究成果(pdf 21KB)
この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

この疾患に関する関連リンク
免疫性神経疾患に関する調査研究班ホームページ

情報提供者
研究班名 神経・筋疾患調査研究班(免疫性神経疾患)
情報更新日 平成19年7月2日

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