冗談ドラゴンクエストV 冒険の書・4

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シャンパーニの塔 勇者「ううむ……。シャンパーニの塔にたどり着いたはいいが、やたら塔の縁ばかりの行軍だ な。うっかり縁から落ちそうだよ。一歩一歩十字ボタンをチョイチョイという感じで慎重にな」 ナレ「慎重に塔を攻略していく一行だったが」 ナタリー「……」 勇者「さっきから、何黙ってるんだ?」 ナタリー「だってえ……。毒針って魔物の急所を突いて一撃で倒せるはずよね」 リリア 「ええ、確かにそのはずですが。確率は低いですけど」 ナタリー「今までたくさんの魔物に毒針攻撃したけど、一度も急所を付けずにダメージ1Pだ けなのよ。しかも、攻撃を外すこともあるし」 勇者「仕様が変わったんじゃねえのか?」 ナタリー「仕様って言わないでよ!」 勇者「おお、こわ……毒針攻撃はあきらめて、魔法に専念しろよ」 ナタリー「……」 ナレ「なんだかんだで、五階に上がりました」 勇者「おいナレーション、攻略情報を端折(はしょる)るなよ」 ナレ「この塔は、カンダタ一味を倒すことがメインですから、塔の構造は単純にできているん です。攻略本なしでも大丈夫ですよ」 勇者「そんなこと言うのか?」 ナタリー「誰かいるわ!」 コンラト「例のカンダタの一味じゃないでしょうか」 賊A「おい!へんなやつらが来たぞっ!」 勇者「この可愛い女の子をつかまえて、へんなやつらとは失礼な!」 ナタリー「あんた、可愛いという自覚があるのね」 賊B「よしっ!おかしらに知らせにいこう!」 ナレ「賊は上の階へと逃げた」 勇者「逃がすか!追え!!」 カンタタ「よく、ここまで来られたな。ほめてやるぜ!だが、オレさまをつかまえることは、 だれにもできん。さらばだ!わっははは!」 ナレ「と、落とし穴が開いて、下に落ちる一行」 勇者「ちくしょう!もう一度上がるぞ!」 ナレ「上の階に昇るも、誰もいなかった」 リリア 「逃げたのかしら?」 コンラト「ここは、彼らのアジトです。どこかに隠れたのでしょう」 勇者「よし。下へ戻るぞ」 ナタリー「いたわ!今度は逃がさないで」 カンタタ「しつこいやつらめ!やっつけてやる!」 ナレ「カンダタ一味との戦いになった」 勇者「どいつから叩く?」 コンラト「ここは、子分の方から叩きましょう」 ナタリー「コンラッドが言うなら間違いないわね」 勇者「よし、子分からだ」 リリア 「わたしは回復役に専念します」 ナタリー「あたしはスクルト(守備力増強)かけるよ」 ナレ「戦闘がはじまる」 ナタリー「きゃああ!」 勇者「ナタリー!」 ナレ「カンダタの痛恨の一撃がナタリーを襲った。無念にも倒れるナタリー」 勇者「リリア!復活の呪文を使えないのか?」 リリア 「ごめんなさい。まだレベル不足で覚えていません」 勇者「ちきしょう!弔い合戦だ!!」 ナレ「きびしい戦いの中、ナタリーが倒れるも、カンダタ一味を倒すことに成功した」 カンタタ「まいった!きんのかんむりをかえすから、ゆるしてくれよ!な!な!」 勇者「どうしようかな……」 リリア 「許さないと言えば、逃げてまた最初から戦いになりそうです。執念深いから」 コンラト「私もそう思います」 勇者「ナタリーはどう思う?(棺桶に向かって話しかける)」 ナタリー「……(棺桶は答えない)」 リリア 「わざと言ってませんか?」 勇者「あは……。よし、許してやることにする!」 カンタタ「ありがてえ!あんたのことは、わすれないよ。じゃあな!」 ナレ「カンダタは、金の冠を置いて去っていった」 勇者「城に帰るぞ!ナタリーを生き返らせ、HP&MPを回復させて、戻って残った宝箱集め とレベルアップだ!」 ナレ「ということで、いってこい(歌舞伎用語)で、塔に戻ってきた」 勇者「あれ、誰か人がいるぜ」 ナタリー「前からいたじゃない」 リリア 「カンダタのことで頭が一杯で、見えなかったんじゃない」 男 「あの、カンダタをたおすとは、あんたよほど有名なとうぞくなんだな」 勇者「勇者のこの俺を盗賊呼ばわりとは……」 ナタリー「こら!手を上げるな!」 リリア 「さあ、さあ、先に進みましょうよ」 ナレ「勇者をなだめながら、塔内に残された宝箱探しをはじめた」 ノアニール 勇者「シャンパーニの塔は探し終わったな。次の目的地はどこだ?」 リリア 「ノアニールの村ですね。カザフの村の北です」 勇者「よし、早速行くぞ!」 ナレ「カザーブから北へ進むと村が見えてきた」 勇者「みんな寝ているな。しかも立ったまま寝るとは、ずいぶんと器用だな」 ナタリー「カザーブの村で聞いた、エルフを怒らせたために眠らされた?」 勇者「皆寝てるから、箪笥とか探しまくっても、気づかれないな」 ナタリー「そうですわね(あきれ顔)」 リリア 「とにかく、起きている人がいないか、探してみましょう」 ナレ「村中を探し回る一行」 コンラト「いました!南西の家の前に」 老人「おお!どなたかは知りませぬが、どうかエルフたちに『ゆめみるルビー』をかえしてや ってくだされ!」 勇者「ゆめみるルビー?夢シリーズなら、ここの作者の『妖奇退魔夜行』のタイトルの一つな んだが……」 リリア 「宣伝するのですか?」 勇者「べつにかまわんだろう」 ナタリー「おじいさんの話は続いてるわよ」 老人「ゆめみるルビーをさがして、エルフにかえさなければ、この村にかけられた呪いがとけ ませぬのじゃ。エルフのかくれ里は西の洞くつのそば。森の中にあるそうじゃ」 リリア 「エルフの里に、行ってみましょう」 ナレ「ということで、ノアニールを出立して西へと進む」 コンラト「洞窟が見えてきました」 ナタリー「そばにエルフの里があるということだけど……」 勇者「2Dマップ、トップピューで見れば一目瞭然だな。あそこの森の中の空き地がそうだろ う!」 ナタリー「それは言わない!」 エルフの里 ナレ「エルフの里に入る」 エルフA「ここはエルフのかくれ里よ。あっ、人間と話しちゃいけなかったんだわ。ママにしから れちゃう」 馬A「ヒヒーン」 老人「ノアニールの村の者が、ねむらされたのは、わしの息子のせいじゃ。あいつが、エルフ のお姫さまとかけおちなんかしたから……。だから息子にかわって、こうしてあやまりに来て おるのに、話さえ聞いてもらえぬ。ああ、わしはどうすればええんじゃ!」 道具「あなたがた人間には、ものは売れませんわ。おひきとりあそばせ」 勇者「なんだと!この野郎、殴られたいのか!!」 リリア 「やめて下さい!(必死で止める)」 エルフB「ひーっ、人間だわ!さらわれてしまうわ!」 勇者「ほんとにさらってしまうぞ!」 女王「あなたがた人間が、このエルフの里にいったいなんの用です?なんですって?ノアニー ルの村の……。そう、そんなこともありましたね。その昔、わたしの娘アンは、ひとりの人間 の男を愛してしまったのです。そして、エルフの宝『ゆめみるルビー』を持って、男のところ へいったまま帰りません」 勇者「いわゆる、駆け落ちというヤツか?」 ナタリー「あら、そんな言葉、よく知っていたわね」 勇者「バカにしているだろう?」 ナタリー「分かる?」 リリア 「あの……。女王の話が続いているんですけど……σ( ̄∇ ̄」 女王「しょせん、エルフと人間。アンはだまされたのに決まっています。たぶん、ゆめみるル ビーもその男にうばわれ、この里へも帰れずにつらい思いをしたのでしょう。ああ、人間など 見たくもありません。立ち去りなさい」 勇者「……(我慢している様子)」 リリア 「我慢してください」 コンラト「その奪われたという、ゆめみるルビーを返してあげないと、ノアニールの村人たちを元 に戻すのは無理ということでしょう」 勇者「ちょっと待て!もしかして、ゆめみるルビーを取り戻そうと思っているのじゃないだろ な?ノアニールの村人を助けるために?」 コンラト「困っている人を助けるのが、騎士、いや戦士の務めですから」 リリア 「とにかく、ここにいてもしようがありませんわ」 ナタリー「そうね。そのゆめみるルビーとやらを探しましょう」 コンラト「西の洞くつですね」 リリア 「はい。行きましょう」 勇者「おいこら!俺を差し置いて話を進めるな!」 馬B「ヒヒーン!ブルルルル……」 ナタリー「誰に向かって話しているのよ」 勇者「俺を無視しているからだ。馬しか話し相手がいねえじゃん」 ナタリー「で、行くの行かないの?」 勇者「どこへ?」 ナタリー「……。こいつは放っておいて、あたし達だけで行きましょう」
     
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