1.ライター症候群とは?(定義)
2.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?(疫学・頻度)
3.この病気はどのような人に多いのですか?(男女比・発症年齢)
4.この病気の原因はわかっているのですか?(病因)
5.この病気は遺伝するのですか?(遺伝)
6.この病気ではどのような症状がおきますか?(症状)
7.この病気にはどのような治療法がありますか?(治療)
8.この病気はどういう経過をたどるのですか?(予後)
9.よく聞かれる質問とこたえ(FAQ)
1.ライター症候群とは?(定義)
この症候群を確立したのはHans Reiterであり、彼は一人のプロシャ陸軍中尉が腹痛と下痢に引き続いて尿道炎、結膜炎さらに多発性関節炎が発症したのを記述し、Spirochaetosis arthriticaと呼んだのがその始まりです。以後古典的ライター症候群は関節炎、非淋菌性尿道炎、結膜炎の三大主徴を伴った症候群をいうことになっています。しかし臨床上では必ずしもこの三徴がそろうとは限りません。本症候群は疫学的、遺伝的、免疫学的、臨床的、病理学的、X線学的にも慢性関節リウマチと異なることが明かです。Foxらはライター症候群を次のように定義しています。
ライター症候群の定義 | |||||||
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1. | 血清反応陰性の非対称関節炎(主として下肢関節)2. | 次の項目の1つまたはそれ以上を満たす | a. 尿道炎 b. 赤痢 c. 炎症性眼疾患 3. | 除外項目 | 強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、その他のリウマチ性疾患 | |
ライター症候群の臨床症状発現頻度 | |||
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関節炎 | 100% | ||
単関節炎 | 4% | 踵部痛 | 56% |
多発性関節炎 | 96% | 腱鞘炎 | 52% |
尿道炎 | 90% | 亀頭炎 | 46% |
下痢 | 18% | 口内炎 | 27% |
眼症状 | 63% | 角皮症 | 22% |
背部痛 | 72% |