難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

 絶飲食。

 なおも検査は続いていた。
 明確な診断がまだつかないではいたが、いろいろなことが判明しつつあった。
 肝臓機能の低下、血小板などの減少とか……。
 やがて、疑わしき病名が浮かんできたらしかった。

 敗血症、(SIRS・全身性炎症反応症候群)。
 (症候==悪寒、全身の炎症を反映して著しい発熱、倦怠感、認識力の低下、血圧低下が出現する。進行すれば錯乱などの意識障害をきたす。DICを合併すると血栓が生じるために多臓器が障害(多臓器不全)され、また血小板が消費されて出血傾向となる。起炎菌が大腸菌などのグラム陰性菌であると、菌の産生した内毒素(エンドトキシン)によってエンドトキシンショックが引き起こされる。また代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスの混合性酸塩基平衡異常をきたす。ショック症状を起こすと患者の25%は死亡する。)

 細菌によって多臓器不全を引き起こしているのではないか、腸閉塞もその症状の一つではないかということだった。
 確認のために、太腿の付け根にある総腸骨動脈から血液を採取してみるということだった。
 総腸骨動脈?
 太い動脈血管からの採血は、看護師の資格ではできないので、主治医が直接採血することになる。
 何せ太い血管であるから、傷がついたらなかなか血が止まらない
 太腿に注射針を刺して採血、その後はひたすら太腿を押さえて止血を続けるという時間勝負。
 感覚的に十分くらい経っただろうか。
 やっと血が止まって採血作業が終了した。
 主治医さん、ご苦労様でした。