難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

原発性胆汁性肝硬変(PBC)/認定基準(公費負担)

特定疾患情報診断・治療指針

31.原発性胆汁性肝硬変

1 主要項目
 (1) 自覚症状

  皮膚掻痒感で初発することが多い。黄疸は出現後,消退することなく漸増することが多く,門脈圧亢進症状が高頻度に出現する。原発性胆汁性肝硬変(primary biliarycirrhosis,以下PBC)は臨床上,症候性(symptomatic)PBC と無症候性(asymptomatic)PBC に分類され,皮膚掻痒感,黄疸,食道胃静脈瘤,腹水,肝性脳症など肝障害に基づく自他覚症状を有する場合は,症候性PBC と呼ぶ。これらの症状を欠く場合は無症候性PBC と呼び,無症候のまま数年以上経過する場合がある。

 (2) 血液・生化学検査所見
  症候性,無症候性を問わず,赤沈の亢進,血清中の胆道系酵素(アルカリホスファターゼ,γGTP など)活性,総コレステロール値,IgM 値の上昇を認め,抗ミトコンドリア抗体(antimitochondrial antibody,以下AMA)が高頻度に陽性である。

 (3) 組織学的所見
  肝組織では中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管に慢性非化膿性破壊性胆管炎(chronicnon-suppurative destructive cholangitis,以下CNSDC)あるいは胆管消失を認める。連続切片による検索で診断率は向上する。

 (4) 合併症
  高脂血症が持続する場合に皮膚黄色腫を伴う。シェーグレン症候群,関節リウマチ,慢性甲状腺炎などの自己免疫性疾患を合併することがある。

 (5) 鑑別診断
  慢性薬物起因性肝内胆汁うっ滞,肝内型原発性硬化性胆管炎,成人性肝内胆管減少症など

 (6) 診断
  次のいずれか1つに該当するものをPBC と診断する。
  @ 組織学的にCNSDC を認め,検査所見がPBC として矛盾しないもの。   A AMA が陽性で,組織学的にはCNSDC の所見を認めないが,PBC に矛盾しない(compatible)組織像を示すもの。   B 組織学的検索の機会はないが,AMA が陽性で,しかも臨床像及び経過からPBC と考えられるもの。

2 特定疾患治療研究事業の対象範囲
  無症候性PBC は特定疾患治療研究事業の対象外とする。


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