難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

骨髄線維症/診断・治療指針

特定疾患情報

■概念・定義
 骨髄線維症は骨髄に広範なびまん性線維化をきたす疾患の総称である。原因不明の原発性と基礎疾患がある二次性に分けられる。ここでいう骨髄線維症とは原発性骨髄線維症を指す。

 原発生慢性骨髄線維症は、(1)全身の骨髄の線維化、(2)肝・脾における髄外造血を伴い、(3)末梢血では幼若な顆粒球と赤芽球が出現する白赤芽球症を認めることを特徴とし、慢性骨髄増殖性疾患に属する。原発性骨髄線維症の本態は、造血幹細胞レベルで生じたJak2の遺伝子変異を含む遺伝子異常による、モノクローナルな造血細胞の増殖である。増殖した造血系細胞(おもに巨核球)から産生される種々のサイトカインが骨髄間質細胞に作用して、骨髄の線維化、骨硬化、血管新生など、反応性のポリクローナルな骨髄間質細胞の増殖が生じる。その結果、無効造血、末梢血での涙滴状赤血球の出現、白赤芽球症、髄外造血による巨脾などの特徴的な臨床症状を呈する。

■疫学
 本邦における推定新規発症例は年間60-70例であり、発症年齢中央値は65歳、男女比は1.64:1である。

■病因
 原発性骨髄線維症の約40%には、サイトカインのシグナル伝達に必須なチロシンキナーゼであるJak2に遺伝子変異が生じ、その結果Jak2がサイトカインの刺激がない状態においても恒常的に活性化されている。Jak2以外に、c-mpl(トロンボポイエチンのレセプター)に遺伝子変異を有する症例も少数存在する。

■治療
 現時点では原発性骨髄線維症の薬物療法による治癒は困難であり、同種造血幹細胞移植が唯一の治癒的治療法である。しかし、移植関連死亡率は25-48%と高く、それに伴い、総生存率は50%前後に留まっている。治療関連毒性がより少ない骨髄非破壊的幹細胞移植(ミニ移植)は、未だ少数例の検討しかなされておらず、長期予後も不明ではあるが、移植後1年の治療関連死亡は10〜16%、予測3年総生存率も84〜85%であり、期待できる成績が得られている。

 薬物療法としては、蛋白同化ホルモン、メルファラン、サリドマイドの有効性が報告されている。蛋白同化ホルモンは、約30%の症例で貧血改善に有効である。少量メルファラン+プレドニンは、約2/3の症例で貧血、血小板減少、白血球増加、脾腫の改善などの臨床効果が認められる。50 mgのサリドマイドと0.5 mg/kgのPSLの併用という少量サリドマイド療法では、半数程度の症例で貧血、血小板減少症の改善がみられる。薬物療法で生命予後が改善するかは、現時点では不明である。

■予後
 本邦での原発性骨髄線維症298例のRetrospectiveな検討では、5年生存率68.6%、10年生存率51.1%、平均生存期間は10年である。しかし、原発性骨髄線維症の臨床経過は均一ではなく、症例間によるばらつきが大きい。


特発性造血障害に関する調査研究班から

骨髄線維症 研究成果(pdf 24KB)
 この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

情報提供者
研究班名 血液系疾患調査研究班(特発性造血障害)
情報見直し日 平成20年5月2日

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