主として中年以後に発症し,四肢・躯幹の痛み,しびれ,筋力低下,運動障害を主症
状とする。脊髄麻痺のために重度の歩行障害をきたすほか,いわゆる脊椎性間欠跛行の
ため,歩行困難となることもある。形態学的変化としては,頸・胸・腰椎部の広範囲に
わたる脊柱管の狭小化が主体である。
主として四肢・躯幹の痛み,しびれ,筋力低下,運動障害,脊椎性間欠跛行を呈する。
排尿・排便障害を伴うことがある。これらの症状は増悪,軽快を繰り返し,次第に悪化
して歩行が困難となる。転倒などの軽微な外傷機転によって症状が急激に悪化し,重篤
な脊髄麻痺をきたすことがある。
上記の症状(神経根,脊髄及び馬尾症状)と画像所見による脊柱管狭小化を総合的に
診断する。ただし,以下の各項に該当するものに限る。
(1) | 頸椎部,胸椎部又は腰椎部のうち,いずれか2 つ以上の部位において脊柱管狭小化を認めるもの。ただし,頸胸椎移行部又は胸腰椎移行部のいずれか1 つのみに狭小化を認めるものは除く。 |
(2) | 脊柱管狭小化の程度は画像上(単純X 線写真,断層写真,CT,MRI,ミエログラフィーなど)脊柱管狭小化を認め,脊髄,馬尾又は神経根を明らかに圧迫する所見のあるものとする。 |
(3) | 画像上の脊柱管狭小化と症状との間に因果関係の認められるもの。 |
4 特定疾患治療研究事業の対象範囲
下記の生活機能障害度U,V度のものとする。
生活機能障害度
T度 | 日常生活,通院にほとんど介助を要しない。 |
U度 | 日常生活,通院に部分介助を要する。 |
V度 | 日常生活に全面的な介助を要し,独力では歩行起立不能。 |
5 鑑別診断
変形性脊椎症(神経学的障害を伴わないもの) | 椎間板ヘルニア 脊椎・脊髄腫瘍 |
脊椎すべり症(神経学的障害を伴わないもの) | 腹部大動脈瘤 閉塞性動脈硬化症 |
末梢神経障害 運動ニューロン疾患 | 脊髄小脳変性症 多発性神経炎 |
脳血管障害 筋疾患 | 後縦靭帯骨化症 |
注:1 後縦靭帯骨化が症状の原因であるものは,後縦靭帯骨化症として申請すること。
2 本症の治療研究対象は頸椎部と胸椎部,又は頸椎部と腰椎部又は胸椎部と腰椎部の
いずれかの組合わせで脊柱管狭窄のあるものとする。
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