難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

メニエール病/特定疾患情報

診断・治療指針

1. メニエール病とは
フランスの医師、プロスパー メニエールが、それまでめまいの原因といえば脳卒中といわれていた時代に、めまいが内耳からおきることを初めて提唱しました。それにちなんで、内耳性めまいのある種のものをメニエール病といっています。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
メニエール病は女性に多く、発症年齢は30歳台後半から40歳台前半にピークを持つ山型です。有病率は主な個別調査では人口10万人当たり15〜18人ですが、受診圏の限定された地域では人口10万人当たり25〜38人と高値を示しています。また、臨床統計システムの確立しているスウェーデンでは人口10万人当り46人との報告があります。

3. この病気はどのような人に多いのですか
今までの調査で、体格では健康な人と比べて肥満者の割合が少ない、性格は几帳面・神経質と答える割合が高い、精神的・肉体的疲労、ストレス、睡眠不足などの状態の人に起こり易い傾向があります。

4. この病気の原因はわかっているのですか
メニエール病の原因は現在のところ不明です。研究班では、その原因追及も一つの大きな目標として研究を行っています。原因は不明ですが、その病気の本体は内耳の水ぶくれ状態(内リンパ水腫)ということがわかっています。

5. この病気は遺伝するのですか
疫学的な調査では、この病気が遺伝するような結果はありません。しかし、遺伝を広くとらえた場合、今後の研究でメニエール病と遺伝子の関係が解明されるかも知れません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか
何のきっかけもなく、突然おこる激しいぐるぐる回る(回転性)めまいが特徴です。回転性のめまいは、30分位から数時間続きます。多くは、めまいに、吐き気、嘔吐、冷や汗、顔面が蒼白くなる、脈が速くなるなどの症状を伴います。また、めまいと一緒に難聴や耳の塞がった感じ、あるいは耳鳴りなどの耳の症状が現れます。これらの耳の症状はめまいと一致しておきたり悪化したりしますが、めまいの軽快とともに元に戻ります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか
薬による治療が主です。病態(内リンパ水腫)に対しては、水ぶくれを軽くする目的で利尿剤系統の薬を多く使います。中でも、イソソルビドが広く使われています。また、内耳の神経細胞や内耳神経の活動を改善する目的で、ビタミン剤や末梢血流改善剤なども使います。しかし、薬による治療でめまい発作を止めることができず社会生活に支障をきたすような場合や、聴力が段々悪化して行くときには手術も行われます。また、薬と手術の中間的な治療法もあります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか
メニエール病は内耳の病気なので、生命に危険をおよぼすようなことはありません。病気が完成しないうちに、早期の診断と治療を始めることによってメニエール病の進行をくい止め、または治癒させることができます。しかし、病気が完成してしまい、めまいと難聴の悪化と軽快を繰り返しているうちに、身体の平衡の乱れや難聴が進行し不可逆性になってしまいます。


情報提供者
研究班名 聴覚・平衡機能系疾患調査研究班(前庭機能異常)
情報更新日 平成19年7月13日

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