冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・4

メニューへ ナレ「徘徊するモンスターを倒して王子のレベルアップさせながら、ルリザ北西の湖の洞 窟にたどり着いたのであった」 勇者「そいじゃ行くぞ」 王子「は、はい」 勇者「震えているのか?」 王子「実は、閉所恐怖症でして」 勇者「冗談だろ?」 王子「本当です」 勇者「しようがねえなあ。後ろに隠れてろ。ホイミの呪文使えたよな?」 王子「はい。生まれつきのものですが」 勇者「羨ましいぜ。俺は呪文はからっきしだからな。ピンチになったらよろしくな」 王子「はい」 ナレ「こうして【ぎんのかぎ】を求めて、洞窟内へと突入したのであった」 勇者「足元に注意してろよ。鍵が落ちてるからな」 王子「目を見開いてます」 勇者「しかし、いい時代になったもんだ」 王子「何がですか?」 勇者「ドラクエIの時は、洞窟に入るたびに『たいまつ』が必要だったからな。持ち物数 制限で苦労したわ」 王子「何の話しているのですか?」 勇者「いや、こっちの話さ」 ナレ「キングコブラ3匹が現れた!」 勇者「おいでなすったぞ!!」 王子「頑張ります!」 勇者「それ!」 ナレ「勇者、キングコブラに22のダメージ、キングコブラを倒した。王子、キングコブ ラに17のダメージ、キングコブラを倒した」 勇者「反撃がくるぞ」 ナレ「キングコブラ、王子に5Pのダメージ。毒を受けた」 勇者「こなくそ!」 ナレ「キングコブラに20Pのダメージ、キングコブラを倒した」 王子「毒を受けちゃいました」 勇者「なに!?毒消しは持ってるか?」 王子「持ってません」 勇者「なら、キアリーの呪文をかけろ」 王子「まだ覚えてませんよ。レベル5にならないと」 勇者「しょうがねえ。引き返すぞ。洞窟から一番近いのはサマートリア城だな」 王子「は、はい」 ナレ「毒を受けた王子は、一歩ごとにHPが減ってゆく。やくそうとホイミの呪文でHP を回復させながら、近くのサマートリア城へと急ぐ」 王子「すみません……。やくそうがなくなりました。MPも0です」 勇者「モンスターに出会わないように祈るしかないな」 ナレ「言ってるそばから、バブルスライムが現れた」 勇者「ちっ、三匹もかよ。1匹2匹なら先着して無傷で倒せるのに」 ナレ「そうこうするうちに、サマートリア城が目の前に」 勇者「あと少しだ」 ナレ「ドラキーが三匹現れた。モンスターの先制攻撃!」 勇者「なに!」 ナレ「ドラキーの攻撃、王子に集中攻撃!合計18Pのダメージ。王子は死んだ!」 勇者「なんてこった……」 ナレ「勇者、王子の棺を引きずりながら、サマートリア城に何とかたどり着いた」 勇者「ところでナレよ」 ナレ「……」 勇者「ああ、そうか。喋っていいぞ、許す」 ナレ「……なんでしょうか」 勇者「王子の棺って、どっから持ってきたんだ?俺は持ってなかったぞ。遺体を肩に担ぐ とか、引きずるというのが本筋だろう」 ナレ「そういう設定になってますもので。遺体を担ぐのは嫌でしょうし、遺体そのものを 引きずるのも酷ですからね」 勇者「設定ねえ……」 ナレ「はい。教会で復活させて貰って下さい」 勇者「しようがねえなあ」 ナレ「というわけで、城内にある教会へ」 神父「ただしき神は、ただしき者の味方なり。わが教会にどんなご用でしょう?」 勇者「王子を【いきかえらせて】くれ」 神父「ではわが教会に40ゴールドのご寄付を。よろしいですかな?」 勇者「ちょっとまて金を取るのかよ。こいつは、サマートリア城の王子だぞ」 神父「寄付は神への感謝の気持ち。しかし無理にとはいいません……ほかにご用はおあり ですか?」 勇者「せちがらい世の中になったもんだなあ。そうだ!王様なら何とかしてくれるかも」 ナレ「と、王様の前に出る勇者と、王子の棺」 王様「「ん?おおっ、王子が死んでいるではないか!不憫な息子よ…そなたにはハーゴン 征伐の旅は、荷が重すぎたのかもしれんな…」 勇者「おい、生き返らせてくれないのかよ。俺が死んで全滅したら、所持金半分持ってい かれるが、一応蘇生してくれるのによお」 王様「ゆうしゃよ。よくぞ、ぶじで、もどってきた。ゆうしゃがレベルアップするには…… 勇者「はあ、息子が死んだというのに、なんとも形式通りの受け答えとは」 ナレ「この世界では、パーティーは教会でしか、生き返らせることができません」 勇者「王子の妹に会ってみるか」 妹 「あっ、お兄ちゃんが死んでる!えーん、えーん……」 ナレ「なんて、罪深いことするんですか!」 勇者「普段は、生意気なことばかり言うからな」 ナレ「だからといって泣かすことないでしょ」 勇者「しようがねえ、教会に行くぞ」 神父「ただしき神は、ただしき者の味方なり。わが教会にどんなご用でしょう?」 勇者「ほれ、40ゴールドだ、受け取れ。そして、生き返らせろ!」 神父「おお神よ!わが主よ!大地の精霊たちよ!さまよえる王子のみたまをここへよびも どしたまえっ!王子はよみがえった!ほかにご用はおありですか?」 勇者「あるかよ!!」 神父「おお神よ!この者たちにあなたのかごがあらんことを!」 勇者「勝手に抜かしてろ」 ナレ「生き返った王子と共に、教会を後にする勇者だった」
     

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