銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第六章 新造戦艦サーフェイス Ⅷ
2020.03.15

 機動戦艦ミネルバ/第六章 新造戦艦サーフェイス




 海底基地司令部。
 ミネルバが入港しており、基地技術者によって修理が施されていた。
「次なる指令は?」
 レイチェルに尋ねるフランソワ。
「そうね。超伝導回路用のヘリウム4が不足しているのよ。まだ我々の支配下にあるマストド
ーヤにある生産・供給プラントへ補給艦と共に向かってください」
「護衛の任務ですね」
「そうです。重要なる物質です」
「こういうことになれは、このトランターに来るときに使ったヘリウム4がもったいなかった
ですね」
「あの時は、致し方なかったと理解しています。新型モビルスーツを届けることの方が重要な
任務だったのですから」
「しかし輸送艦が襲われて、結局敵の手に奪取されました」
「無事に取り返したから良いでしょう。ともかく、ヘリウム4の供給を成功させてください」
「判りました」

 艦の修理と、燃料・弾薬の補給、そして乗員達の休息を終えたミネルバは、海底基地を出立
して再び海上へと姿を現した。
 後方には補給艦が追従してくる。
「サーフェイスには出くわさないでほしいですね」
「その時はその時です。補給艦の護衛を優先させます。たとえミネルバが撃沈されたとしても
メビウス部隊の活動は続くのですから」
「そうですね」
「力の限りを尽くすまでです」
「それにしても、カサンドラ・リスキー・マストドーヤと、敵の手中に落ちたものを、次々と
奪還し続けていますね」
「占領はしたものの、地上部隊の大半をランドール提督が自分の配下にして、メビウス部隊に
編入してしまいましたから」
「でも政府側で造船所などを押さえている総督軍には、いくらでも艦艇の増産が可能ですから、
いずれメビウスも窮地に陥ります。いずれ供給施設などに兵力を集中させて、にっちもさっち
もいかなくなります」
「我々は、いわゆるパルチザンであり政府や総督軍に対する撹乱が任務です。戦艦などの機動
力を機動力を使っての華々しい戦いよりも、敵中に潜入しての破壊・煽動活動の方が、より大
切な任務なのですから。このミネルバは、総督軍の関心を引き付けて、そういった撹乱部隊を
援護することです」


 リンゼー少佐の方も、造船所に戻ってサーフェイスの修復を受けていた。
「酷い有様だな」
 造船所長官が頭を抱えていた。
 期待を込めて送り出した艦が、無残な状態を晒して戻ってきたからだ。
「申し訳ありません」
「仕方ないさ。同型艦で戦力は互角でも、敵は新型モビルスーツを繰り出してきたんだろ?」
「はい。あれが問題でした。完全独立飛翔型な上に、火力も並大抵ではありません」
「うむ。さすがに天才と謳われたフリード・ケースンが開発しただけのことはあるな」
「今頃、タルシエン要塞かシャイニング基地の研究所で、さらなる強力な兵器を開発している
でしょう」
「困ったことではあるが、宇宙の彼方のことは考えても仕方がないこと、我々はトランターの
ことに気を使っていればいいのだ」
「そうでしたね。それはそうとミネルバ級三番艦はどうなっていますか?」
「建造が大幅に遅れている。もしかしたらランドールの反攻作戦開始に間に合わないかもしれ
ない」
「それは辛いですね。ミネルバを撃つのにも、もう一艦あればこれほど苦労はしないでしょう
けれど」
「ランドール提督の策略で、トランター現有の戦艦をみんな取り上げられていたからな」
「トランターが陥落するとは思ってもみなかったでしょう。軍部の中で、ランドール提督は今
日のこの日があることを見越していました。それで杞憂となる戦艦を集め、核弾頭ミサイルを
も手中にした」
「頭の痛い問題だ」
「ところでメビウスの方にも、それなりの基地があるはずですよね」
「たぶんな。おそらく大海のどこか深海底にあると思われるものを探し出すのは、ほとんど不
可能だろう。ランドールも馬鹿じゃない、すべて計算済みさ」
「きびしいですね」
「まあ、気長にやろうじゃないか」
「はい」
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銀河戦記/鳴動編 第二部 第六章 皇室議会 Ⅱ
2020.03.14

第六章 皇室議会


II


 そういった情勢の間にも、エリザベス以下マリアンヌまでの皇女達の間では、アレック
スを立太子する方向にほぼ同意がなされていた。皇室議会においてジョージ親王がすでに、
皇太子擁立の詮議が確定してしまっている以上、摂政エリザベスをしてもそれを覆すこと
はできない。とはいっても再審議の際には、家族協議における一致があれば、それを尊重
しないわけにはいかない。
 家族だけが集う午餐会には、アレックスを交えて皇女達が仲睦まじく食事を囲む風景が、
ここしばらく続いている。皇太子誘拐、継承争いにかかる姉妹の断絶、そして連邦軍の侵
略と、内憂外患に煩わされていた日々を清算するためには、まず姉妹の絆を結束すること
からはじめなければならない、と誰しもが思っていたからである。アレックスが戻ってき
た今こそがいい機会なのだと。
 最上位席(つまり食卓の端の席)にアレックスが腰掛けて、その両側に順次第一皇女か
ら並んで腰を降ろしている。
「どうも困った事態になりつつあります。摂政派と皇太子派が一触即発状態にまで発展し
つつあります」
 アレックスの口から最初に出た言葉だった。
 それに呼応してマーガレットが答える。
「それもこれも、皇室議会が皇太子問題を棚上げにしているせいよ」
「ベスには悪いけど、皇室議会は摂政派が過半数を占めていますからね」
 ジュリエッタも批判的な意見だった。
 摂政派……。
 誰が最初に言い出したかは判らない。
 皇太子候補となったロベール王子と父親のロベスピエール公爵一派というのが、真の意
味での正確な表現であろう。
 そして母親であり公爵夫人であるエリザベスが、銀河帝国の摂政として国政を司ってい
ることから、誰から言うともなく摂政派と呼称されるようになった。
 摂政派という呼称を使われるとき、エリザベスは辛酸を飲まされるような気分に陥る。
 しかも血肉を分けた家族から言われる心境はいかがなものであろうか。
「今は摂政派だ皇太子派だと論じている場合じゃない。総督軍の迫り来る情勢の中、早急
に迎撃体制を整えなければならないというのに。とにかく内政に関しては、これまで通り
にエリザベスに任せますよ」
「問題は傀儡政権となっている頭の固い大臣達よ。帝国軍を動かすには予算繰りから人事
発動まで、実際に権限を持っているのは大臣なんだから。何かにつけていちゃもんを付け
てはなかなか動こうとはしない」
「そうね。今動かせる艦隊は、第二艦隊と第三艦隊だけじゃない。叔父様達の自治領艦隊
は動かすわけにはいかないし……」
「合わせて百四十万隻。総督軍は二百五十万隻というから、数だけを論ずるなら確実に負
けるわね」
「あたしの艦隊もあるわ」
 マリアンヌが口を挟んだ。
 第六艦隊の十万隻を忘れないでという雰囲気だった。
「そうだったわね。合わせて百五十万隻よ」
 十万隻増えたところで体勢に影響はないが……。
 幸いにも将軍達は、アレックスに好意的だったので、軍内部での統制はすこぶる良好で
あった。
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冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・1
2020.03.13

冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・1


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ナレ1「それは勇者が16才になるたんじょう日のことであった」
母親「おきなさい。おきなさい、わたしのかわいい勇者や」
ナレ1「そこは勇者の寝室。心地よい音楽の流れる中、母親に起こされる」
母親「おはよう、勇者。もう朝ですよ。今日はとても大切な日。勇者が王さまに旅立ちのゆる
しをいただく日だったでしょ。娘のおまえを、この日のためゆうかんな男の子のように育てた
つもりです」
ナレ1「というなり、部屋の外に出て、勇者の来るのを待っている」
勇者「あと、五分……」
ナレ1「などという、たわごとは許されず、とりあえずベッドをピョンと降りて、母親のそば
へ」
母親「さあ、母さんについてらっしゃい」
ナレ1「というと強引に王宮の門の前に引っ張ってゆく」
母親「ここから、まっすぐいくと、アリアハンのお城です。王さまに、ちゃんとあいさつする
のですよ。さあ、いってらっしゃい」
勇者「なんでやねん?」
ナレ1「どうやら納得していない勇者だった」
母親「勇者や、どうしたの?王さまに会っていらっしゃい」
勇者「ちょっと遊びに行くわ」
母親「勇者や、どこへいくつもり?あんなに楽しみにしていたのに、王さまに会わなくてもい
いの?」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「はい、だと?俺には関係ないもんね」
母親「そうなの?今日会わないと、もう王さまは勇者に会ってくれないかも。本当に、それで
いいのね?」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「はい、俺はもっと遊びたいんだ」
母親「そう……。そこまでいうなら、母さんはもうなにもいわないわ」
ナレ1「と言って、勇者を置いて立ち去ろうとするが……。ふと振り返って」
母親「じゃあ、おうちに戻るけど、最後にもう1度だけ聞くわ。本当に王さまに会わないの
ね?」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「俺は遊び人になるんだ!」
母親「わかったわ。勇者も、もう自分のことは自分で考えたい年頃ですものね。勇者の好きな
ようにしなさい。でも、無茶だけはしないでね」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「分かってるよ。しつこいなあ……」
母親「……。じゃあ、母さんはいくわ。気をつけてね」
ナレ1「そういうと、自宅へと戻っていくのであった」
勇者「ふむ、こういうのを天邪鬼あまのじゃくというんだっけ?まあ、いいや」
ナレ「城の外へと出歩く勇者」
勇者「さてと、とりあえず適当に歩き回るか」
ナレ「魔物が現れた。スライム1匹、おおがらす4匹」
勇者「スライムは簡単だな」
ナレ「まもののむれをやっつけた!勇者は28ポイントのけいけんちをかくとく!14ゴールドを
てにいれた!」
勇者「ざっと、こんなもんだろう……しかしHPが3になったな。今度魔物にであったら死ぬ
な」
ナレ「おおがらす2匹が現れた」
勇者「ほいさ!」
ナレ「勇者はレベル2にあがった!最大HPが……」
勇者「あはは、HP1だな。今度こそ死ぬぞ」
ナレ「スライムが3匹現れた」
勇者「うむ」
ナレ「勇者はぜんめつした!」
勇者「死んだ!……が、俺一人しかいないのに全滅はおかしいだろ?」
ナレ「どこかの建物の中の修女の前に立っていた」
修女「やっと、気がつかれたようですね。あまり無茶をなさいませぬように」
ナレ「そこはルイーダの酒場とよばれる場所だった」
勇者「なるほど……。王さまに会っていないとルイーダの酒場で復活するのか」
ルイーダ「ここはルイーダの酒場。冒険者たちが集う出会いと別れの酒場よ。もし、王さまに
旅立ちの許しをもらえたなら、あなたもここに来るといいわ。きっとステキな仲間たちを見つ
けられてよ」
勇者「そうか……。王さまに会わなければ、仲間を集められずパーティーも組めないというこ
となのね。つまりゲームクリアも不可能ということか……しようがねえ、王さまに会うとする
かな」
ナレ「ということで、遅まきながら登城する勇者だった」
国王「ふむ……。やっと来たようじゃな。いつまでまっても来ないので、やきもきしていたと
ころじゃ。そうか…そなたが、あの時の子か……。ずいぶんと大きくなったのう」
勇者「うむ、誰でも年を取れば大きくなるものだ」
国王「そなたはお ぼえておらぬだろうが、1度だけそなたに会ったことがあるのだ。あれは、
そなたの父オルテ ガが戦いのすえ、火山に落ちたとの報告をうけた日じゃったな」
勇者「覚えてないな」
国王「オルテガこそ、この国がほこ れる勇者であった……。まことにおしい命をなくしたも
のよのう……。しかし、その父のあと をつぎ旅に出たいというそのたの願い、しかと聞きと
どけたぞ!そなたなら、きっと父の遺志 をつぎ、世界を平和にみちびいてくれるだろう」
勇者「(´・ω・`)知らんがな」
国王「敵は、魔王バラモスじゃ!世界のほとんどの 人びとは、いまだ魔王バラモスの名前すら
知らぬ。だが、このままではやがて、世界はバラモ スの手に……。それだけは、なんとしても
くいとめねばならぬ!勇者よ、魔王バラモスをたお してまいれ!しかし、ひとりではそなたの
父オルテガの不運を、ふたたびたどるやも知れぬ」
勇者「話が長いな……(鼻くそホジホジ)」
国王「町の酒場で仲間をみつけ、これで仲間たちのそうびをととのえるがよかろう」
ナレ「勇者は、50Gと武器防具をうけとり、ふくろにいれた!」
勇者「ふくろ……?何のことだ?」
ナレ「解説します。スマホ版のドラクエⅢでは、預り所において道具の預りを廃止して、パー
ティー共通の『ふくろ』というアイテム保管袋が実装されました」
勇者「そうなのか……解説ご苦労さん」
ナレ「どういたしましたて……。国王の話は続く」
国王「では、また会おう!勇者よ!」
勇者「さてと、ルイーダの酒場で仲間を集めるか……」
ナレ「王様との謁見を終えて城を出て、ルイーダの酒場に向かう」
勇者「まずは二階の登録所だな」
登録「ここは、冒険者たちのとうろく所。あなたが仲間にしたいひとをさがしだし、冒険者の
めいぼにとうろくしてさしあげましょう。めいぼにとうろくしておけば、ルイーダの酒場でそ
の人をよびだすことができますよ。新しいひとをめいぼにとうろくしますか?」
勇者「無論だ!」
登録「どんなひとをご希望ですか?まずは名前を教えてください」
勇者「そうだな……コンラッド……なに?四文字しか入力できないだと?しょうげねえ、短く
して【コンラド】でいいや」
登録「おとこにしますか?おんなにしますか?」
勇者「そうさな、おんなでいいや。女だけのパーティーにしよう。女になったコンラッドも面
白そうじゃないか」
登録「職業は?」
勇者「騎士……はないから、戦士だ。女戦士ね」
登録「ごきぼうの条件だと、このひとが見つかりましたがいいですか?」
勇者「(ステータスを確認することなく)いいんじゃね(適当)」
登録「勇者さんのお仲間には、王さまからとくべつに、げきれいの品がおくられます。ちから
のたね、すばやさのたね、など5種類のたねのうち、いくつかを仲間につかうことができます。
どのたねにするかは、勇者さんが決めてもいいし、私におまかせしてくださってもけっこうで
す。勇者さんが決める場合は、もちろんお好きなたねを使っていただきますが……私におまか
せの場合は、とにかくそのときの私の気分でやらせてもらいます。では、コンラドさんへの、
たねのつかいかたはどうしますか?」
ナレ「じぶんでやる、おまかせにする、選択してください」
勇者「面倒だから、おまかせにするよ」
登録「そうですか。では、まかさせていただきます……(ステータスが上げられる)さて……
おわりました。なかなかロマンチストのようですね。では、コンラドさんをとうろくします。
よろしいですか?」
勇者「よろしく頼むぜ」
登録「たしかにとうろくしました。これでルイーダの酒場にいけば、コンラドさんを仲間にで
きます。ほかのひともめいぼにとうろくしますか?」
勇者「頼むよ」
ナレ「ということで、コンラド/戦士、ナタリー/魔法使い、リリア/僧侶、という仲間を登
録した。もちろん全員女性」
勇者「うむ、皆どこかで聞いたことのある名前だが、気にしないでおこう」
ナレ「1階に降りてルイーダの店に寄る」
ルイダ「ここはルイーダの店。旅人たちが仲間をもとめてあつまる出会いと別れの酒場よ。なに
をおのぞみかしら?」
ナレ「なかまをよびだす、なかまをあずける、めいぼをみる、からお選びください」
勇者「なかまをよびだすぞ」
ルイダ「だれをお呼びしましょうか?」
勇者「コンラド、ナタリー、リリア、を頼む」
ルイダ「お三方を仲間にくわえるのね。わかったわ。お三方!勇者さんがお呼びよー!」
ナレ「三人が仲間にくわわった」
勇者「そいじゃ、王からもらった武具を分配するぜ」
ナレ「武具を分配する勇者」
コンラト「ありがとうございます」
リリア 「仲間になったことだし、一応自己紹介しませんか?わたしは、リリアで僧侶です」
ナタリー「あたしはナタリー、魔法使いよ」
コンラト「私はコンラッド、戦士です」
勇者「そいじゃ、俺は勇者という名の勇者だ」
コンラト「勇者という名の勇者ですか……どこかで聞いたようなセリフですね」
ナタリー「そうそう、あたしも見たことがあるような気がするんだけど。しかも、30000Gの貸しが
あったような……」
リリア 「わたしもです。なんか懐かしいような……」
勇者「な、なにを言ってるんだい。俺は16歳になったばかりの女の子だぜ」
ナタリー「そうそう、その喋り方もね」
リリア 「どうやら前世では、ゆかりのある間柄のような気がします」
コンラト「もしかしたら、前世の昔か別の世界で、仲間同士だった者が、現在に転生してきたので
はないでしょうか?」
勇者「そうか……。異世界転生物語だったのか?スマホも持っているしな」
リリア 「ところで、女の子なのに自分のことを俺って呼ぶんですね」
勇者「そう……母によると、父のオルテガにような立派な勇者となるように、男の子として育
てとか……オープニングで言ってたしな……それに俺の方がしっくりくるんだよ」
ナタリー「前世はおかま?だったとか?」
リリア 「……(何か思い出そうとしているが思い出せない様子)」
勇者「ちょっと違うような気がするが……。まあ、いいや。ともかくゲームを始めよう」
リリア 「あの……。ゲームじゃなくて、冒険では?」
勇者「そうそう、冒険だよ。冒険に繰り出そう!」
ナタリー「やっぱり冒険ってワクワクするわ~!」
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11
冗談ドラゴンクエストⅢ 母に連れられて
2020.03.11


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ナレ1「それは勇者が16才になるたんじょう日のことであった」
母親「おきなさい。おきなさい、わたしのかわいい勇者や」
ナレ1「そこは勇者の寝室。心地よい音楽の流れる中、母親に起こされる」
母親「おはよう、勇者。もう朝ですよ。今日はとても大切な日。勇者が王さまに旅立ちのゆる
しをいただく日だったでしょ。娘のおまえを、この日のためゆうかんな男の子のように育てた
つもりです」
ナレ1「というなり、部屋の外に出て、勇者の来るのを待っている」
勇者「あと、五分……」
ナレ1「などという、たわごとは許されず、とりあえずベッドをピョンと降りて、母親のそば
へ」
母親「さあ、母さんについてらっしゃい」
ナレ1「というと強引に王宮の門の前に引っ張ってゆく」
母親「ここから、まっすぐいくと、アリアハンのお城です。王さまに、ちゃんとあいさつする
のですよ。さあ、いってらっしゃい」
勇者「なんでやねん?」
ナレ1「どうやら納得していない勇者だった」
母親「勇者や、どうしたの?王さまに会っていらっしゃい」
勇者「ちょっと遊びに行くわ」
母親「勇者や、どこへいくつもり?あんなに楽しみにしていたのに、王さまに会わなくてもい
いの?」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「はい、だと?俺には関係ないもんね」
母親「そうなの?今日会わないと、もう王さまは勇者に会ってくれないかも。本当に、それで
いいのね?」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「はい、俺はもっと遊びたいんだ」
母親「そう……。そこまでいうなら、母さんはもうなにもいわないわ」
ナレ1「と言って、勇者を置いて立ち去ろうとするが……。ふと振り返って」
母親「じゃあ、おうちに戻るけど、最後にもう1度だけ聞くわ。本当に王さまに会わないの
ね?」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「俺は遊び人になるんだ!」
母親「わかったわ。勇者も、もう自分のことは自分で考えたい年頃ですものね。勇者の好きな
ようにしなさい。でも、無茶だけはしないでね」
ナレ1「はい、いいえ、で答えて下さい」
勇者「分かってるよ。しつこいなあ……」
母親「……。じゃあ、母さんはいくわ。気をつけてね」
ナレ1「そういうと、自宅へと戻っていくのであった」
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11
冗談ドラゴンクエストⅢ オープニング
2020.03.10

冗談ドラゴンクエストⅢ オープニング


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エニクス公式アプリから冗談ドラゴンクエストⅢ(1220円)をダウンロードする。
ちなみにIは370円、Ⅱは600円だ。支払いは google pay にて。
インストールが完了して、アプリを開くと名前入力画面だ。
もちろん、【勇者】だ!実際はひらがな・カタカナ入力だけどな。
続いて性別を聞かれる。もちろん【おんな】だ。装備面で有利なことは知っている。
表示速度とか旅の音色とかの設定したら、オープニングが始まる。

ナレ1「夢か幻か……。勇者が気が付いたその場所は、深い森の中だった。」
ナレ2「遠くに光が見えた勇者は、その方向に歩み始める。」
ナレ1「そこには雄大な滝の流れる絶壁だった。と、どこからともなく声が聞こえる。」
ナレ2「(声)勇者……勇者……私の声がきこえますね。私はすべてをつかさどる者。あなた
はやがて真の勇者として私の前にあらわれることでしょう……。」
ナレ1「(声)しかしその前に、この私におしえてほしいのです。あなたがどういう人なのか
を……」
ナレ2「さあ、私の質問に正直に答えるのです。用意はいいですか?」
勇者「いいぞ」
ナレ1「まず、あなたのまことの名をおしえてください」
勇者「勇者(ゆうしゃ)、だ!最初の登録時に入力しただろう?」

ナレ1「うまれた月をおしえてください」
勇者「12月にしておいてくれ」

ナレ1「うまれた日をおしえてください」
勇者「24日だな」

ナレ1「ゆうしゃ、12月24日生まれ、やぎ座、これでいいですか?」
勇者「ああ、それでいいぞ。俺は勇者なのだから。ああ、おんな設定だけど、俺にする」

ナレ1「あの……それは聖者では……。コホン……では、勇者。私はこれからいくつかの質問
をします」
ナレ2「むずかしく考えず、素直な気持ちで答えてください。そうすれば、私はあなたを、さ
らに知ることになるでしょう」

ナレ1「さあ、はじめましょう。あなたにとって、人生とはたいくつなものですか?」
勇者「いいえ、だな。ゲーム機だけあれば退屈しないぞ」

ナレ1「こまっている人を見ると、つい助けてあげたくなりますか?」
勇者「いいえだ。なんで助けなきゃならんのだ?」

ナレ1「海と山では、山の方が好きですか?」
勇者「はい!だ。海なら、ビキニ姿を晒すことになるじゃないか。くだらん男に声を掛けられ
るのは面倒だ」

ナレ1「なにもしないでいると、たいくつでたいくつで、たまらなくなりますか?」
勇者「俺がなにもしない?それはあり得ないが……。ともかく、いいえにしとくか」

ナレ1「よく夢を見るほうですか?」
勇者「見る見る!ぜんぶ食べ物だが。超大盛りを時間内に食べれば無料とか」

ナレ1「だれかに追いかけられる夢を、見ることがありますか?」
勇者「はい……かな。まあ、借金取りだけど(ナタリーとか)」

ナレ1「あまり知らない人といるのは、つかれますか?」
勇者「そうだな……。疲れたことはないな。気に入らなければぶん殴るだけだから」

ナレ「なにか失敗をしても、あまり気にしないほうですか?」
勇者「気にしないぞ。三歩も歩けば忘れるからな」

ナレ「ともだちは多いほうですか?」
勇者「いるぞ、みんなイケメンだけどな」

ナレ「人のうわさ話が気になりますか?」
勇者「そうだな……のことなら気になる」

ナレ「世の中には楽しいことよりも、かなしいことのほうが多いと思いますか?」
勇者「とりあえずは、いいえだな。何があっても楽しく生きることにしている」

ナレ「はやくおとなになりたい、あるいはなりたかったですか?」
勇者「はいだな。子供じゃ、誰も相手にしてくれないだろが。それに児童性癖のある奴の視線
はいやだった」

ナレ「夢を見続けていれば、いつかその夢がかなうと思いますか?」
勇者「はいだろ?ゲームを絶対クリアしてやるという夢なしでは没頭できないじゃないか」

ナレ1「そうですか……。これで、あなたのことがすこしは、わかりました」
勇者「そうか……。俺にはどうでもいいことだ」
ナレ1「では、これが最後の質問です」

ナレ2「気が付いたら、どこかの洞窟の中であった」
勇者「ふむ、質問とは、この洞窟をクリアできるか?ということか?」
その他「(立札)西にすすべし」
勇者「西か……。要するに、他人の言うことを聞く正直者かどうか?」
ナレ1「勇者は、立札を無視して、東へ進んだ。もしかしたら、東西が分からなくて、とりあ
えず右へ行ったのかもしれないが」
勇者「あ!」
ナレ2「勇者は落とし穴に落ちた。気が付いたら、元の絶壁の場所だった」
ナレ1「私は、すべてをつかさどる者。今、あなたがどういう人なのか、わかったような気が
します」
ナレ2「勇者、あなたはすこしわがままさんのようですね。まわりがどう言おうと、自分が思
ったことをやってみないと、気がすまない性格です」
ナレ1「いろんなことに興味をもつのは、あなたのいいところなのですが、さめやすいのが欠
点でしょう」
ナレ2「そのせいか、まわりの人になにかと迷惑をかけてしまいますが、なぜかきらわれるこ
とはありません」
ナレ1「わがままだけど、憎めないタイプ。それがあなたなのです」
ナレ2「……と、これがあなたの性格です」
ナレ1「さあそろそろ、夜が明ける頃。あなたもこの眠りからめざめることでしょう」
ナレ2「私は、すべてをつかさどる者、いつの日かあなたに会えることを、楽しみにまってい
ます……」
ポチッとよろしく!

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