銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第七章 宇宙へ I
2020.03.29

 機動戦艦ミネルバ/第七章 宇宙へ




 その後も、きびしい任務をこなしていたメビウス部隊のレイチェルの元に、ランドール
提督からの反攻作戦開始の連絡が入った。

『L4ラグランジュ点にある、ワープゲートを48時間以内に奪取せよ』

 という指令だった。
「これはまた難問を押し付けてきましたね」
 副官が驚きの声を上げる。
「反攻作戦にワープゲートが必要不可欠です」
「つまりシィニング基地にあるワープゲートを利用して、アル・サフリエニから一気に艦
隊を送り込めるというわけですね」
「その通りです」
「しかし、作戦遂行には宇宙に飛べる戦艦が必要ですが」
 メビウス部隊は、パルチザンとして内地で反乱を起こすのが主目的なので、宇宙戦艦は
なかった。
「あるわよ」
 耳を疑う副官だった。
「どこにあるんですか?」
「ほれ、そこにあるじゃないの」
 とレイチェルが指差したのは、サーフェイスとの戦闘で傷ついた艦を修理に戻って来て
いたミネルバだった。
「ミネルバ……?あれは大気圏専用の空中戦艦ではなかったのですか?」
「誰がそう言ったのですか?」
「ええ、いや……」
 うろたえる副官。
「一つ講義しましょうか」
「講義……ですか?」
「そもそもミネルバは、超伝導磁気浮上航行システムによって惑星磁気圏内を飛翔するこ
とのできる戦艦です」
「そう聞いております」
「さて磁気圏とは、どこからどこまでを言いますか?」
「磁気圏ですか……。ああそうか、判りました。磁気は大気圏内だけでなく、宇宙空間ま
で広がっており、磁束密度を無視すれば永遠の彼方まで続いています。重力と同じです
ね」
「よくできました。L4ラグランジュ点までは、十分な磁力密度があるということです」
「問題があるとしたら、真空に近い宇宙空間ということですが、水中に潜航できるくらい
ですから真空に対する気密性や耐圧性も高そうですね」
 管制室の窓から覗ける、ミネルバの整備状況を見つめながら、ランドール提督からの指
令をフランソワに伝える。

 ミネルバの艦橋にいるフランソワの元に、ランドール提督からの指令がレイチェル経由
して届いていた。
「というわけで、宇宙そらへ上がります」
 とフランソワが下令すると、
「やったあ!」
 オペレーター達が、小躍りして喜んだ。
 宇宙へ上がれば、憧れのランドール提督に会えるという期待感。
 新しい戦場への転進は、惑星上での戦いと違って、艦が撃沈されれば即死が待っている
という厳しい環境ではあるが、彼らの本来の主戦場は宇宙であったはずだ。
 士官学校を卒業して、志願してランドール艦隊へ配属されるのを希望したのだから。
 それが何の行きがかりか、パルチザン組織であるメビウス部隊配属となってしまった。
「修理、完了しました。いつでも出航できます」
 恒久班からの報告を受けて、
「ミネルバは、これよりワープゲート奪取作戦の任務を遂行する。全艦出航準備に入れ」
 フランソワが出撃命令を出す。
「全艦出航準備」
「ウィンザー大佐より連絡」
「繋いでください」
 正面スクリーンにレイチェルの姿が映し出された。
「今回の任務は、反攻作戦の天王山です。心して掛かるように」
「判っております。全精力を注いで任務遂行します。では、行って参ります」
 と返答して、ビシッと踵を合わせて敬礼する。
「気をつけて行ってらっしゃい」
 レイチェルも敬礼を返して見送る。
「出航準備、完了しました」
「よろしい、潜航開始」
「潜航開始!」
「メインタンク注水」
 基地内部の外界に通ずるプールに浮かぶミネルバが、ゆっくりと沈んでゆく。
「ハイドロジェット機関始動、微速前進!」
「ハイドロジェット機関始動!」
「微速前進!ようそろ」
 進入通路を潜航して進むミネルバの前方に壁が立ちはだかる。
「基地外壁ゲートをオープンせよ」
「外壁ゲートオープン」
 開いたゲートから、ミネルバが勇壮と出てくる。
「二十分このまま潜航を続ける」
 基地を出てすぐに海上に出れば、基地の位置を特定される危険を避けるために、しばら
く潜航を続けて基地から離れるようだ。
「二十分経過しました」
「浮上してください」
「浮上!」
「メインタンクブロー」
 やがて海上に姿を現すミネルバ。
「周囲に総督軍の艦艇は見当たりません」
 ベンソン副長が報告する。
「それでは、行きましょうか、宇宙そらへ」
「行きましょう!」
 ベンソン中尉も大乗り気であった。
「浮上システム始動!」
 やがて上空へ、さらに上空へと上昇するミネルバ。
「成層圏を通過します」
「各ブロックの耐圧扉を閉鎖」
 惑星大気圏と宇宙空間との境は明確にはないが、だいたい成層圏をもって境とするのが
一般的である。
「ハイドロイオンエンジン始動!」
 水中ではハイドロジェットとして活躍したエンジンであるが、宇宙空間ではイオンエン
ジンとしての両用可能となっている。
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銀河戦記/鳴動編 第二部 第六章 皇室議会 IV
2020.03.28

第六章 皇室議会

      
IV


 サラマンダー艦橋。
 指揮官席に、腕を組み目を伏せているアレックスが座っている。
 周囲からは管制オペレーター達の出撃準備の指示命令が聞こえている。
「全艦隊へのリモコンコードを送信する確認せよ」
「帝国旗艦アークロイヤルへ、サラマンダー左舷への進入を許可する」
「インヴィンシブルは右舷で待機せよ」
 前面のパネルスクリーンには、サラマンダーを中心に展開を進める統合宇宙艦隊の姿が
映し出されている。
 サラマンダーの左側にマーガレット皇女の乗る攻撃空母アークロイヤル、右側にジュリ
エッタ皇女の巡洋戦艦インヴィンシブルが並進しており、後方には修理を終えたばかりの
マリアンヌ皇女の戦艦マジェスティックが控えていた。
「同盟軍、全艦隊出撃準備完了しました」
「よろしい!マーガレット皇女を呼んでくれ」
「了解」


 アークロイヤル艦橋。
 艦隊司令官のトーマス・グレイブス少将がてきぱきと艦隊指揮を執っていた。
 正装したマーガレットが皇女席に腰掛けている。
 皇女として常に凛々しい姿を見せるために、戦闘服などいう野暮ったいものは着ていな
い。しかし、実際には皇女席の周りには、対衝撃バリアが張り巡らされていて、いざとい
う時には床下から緊急脱出艇へ、着席したまま移動できるようになっていた。
「殿下がお出になっておられます」
「繋いでください」
「かしこまりました」
 正面パネルスクリーンにアレックスの姿が映し出された。
「そちらの準備はいかがですか?」
「ちょうど出撃準備が完了したところです」
「まもなく出撃します」
「判りました、こちらはいつでも構いません」

 インヴィンシブル艦橋。
 こちらの艦隊司令官はホレーショ・ネルソン中将である。
 同じく正装姿のジュリエッタが、アレックスと交信していた。
「これからの戦いは今までの相手と違って、手加減はしてくれません。正真正銘の殺し合
いになりますが、将兵達の士気はいかがですか?」
「士気は上がっております。殿下の期待に十分応えられると存じます」
「結構ですね。それでは全艦の準備が終わり次第、出撃します」
「かしこまりました」

 再びサラマンダー艦橋。
「帝国艦隊、全艦隊出撃準備完了です」
「よし、足並み揃った。行くとするか……」
 傍に控えるパトリシアに目配せしてから、全軍に指令を下すアレックス。
「統合軍、全艦隊出撃開始せよ!」
 アレックス指揮以下の宇宙艦隊が進軍を開始した。
 するとどこからともなく民間の宇宙船が集まってくる。
 TV局の報道用宇宙船であった。
 報道宇宙船が追従を続ける。
『我等が皇太子殿下のお乗りになられる旗艦サラマンダーであります。最大戦闘速度は、
戦艦では銀河系随一の俊足を誇り、火力の射程距離も最大級。艦体に彩られた図柄は、伝
説の火の精霊。連邦軍はその艦影を見ただけで、恐れをなして逃げ出すといわれておりま
す。その両翼にはマーガレット皇女さまのアークロイヤル、ジュリエッタ皇女さまのイン
ヴィンシブルが並進し、まるでご兄妹仲の良さを現しているかのようであります』
 また別のTV局も負けじと報道合戦を繰り広げる。
『帝国二百億の皆様。ごらんください。皇太子殿下率いる、共和国同盟解放軍および銀河
帝国軍の混成連合艦隊の雄姿であります。総勢百五十万隻の艦隊が一路、共和国同盟の解
放を目指して進軍を開始しました。かつてのトリスタニア商業組合連合が帝国からの分離
独立を果たした第二次銀河大戦以来、二百年ぶりの国境を越えての本格的な軍事介入とな
ります。その目的が独立阻止から民衆解放と変わったとはいえ、歴史の一ページを飾る大
きな出来事といえます』
『伝説の火の精霊に彩られた旗艦サラマンダーは、これまで皇太子殿下が幾多の戦いを乗
り越えられ勝利されてきた名誉ある戦闘艦です。そして今また、銀河帝国の存亡の危機を
救わんと殿下自らが艦隊を率いて共和国同盟総督軍との戦いに臨まれます』
 さらにサラマンダー艦内にもTV局の報道陣が入っていた。軍艦であるから厳重なる軍
事機密があるはずなのにである。
『ここは旗艦サラマンダーの居住区であります。皇太子殿下より特別許可を許されまして、
はじめて報道のカメラが入りました。但し、乗員への取材は厳禁となっております。今カ
メラの視野に入っておりますのは病院です。乗員たちの健康を維持し、体力を増進させま
す。医療機器も最新の設備を誇り、臓器移植さえ可能なスタッフを揃えています』
『さて、とっておきの映像をお届けしましょう。なんと! 旗艦サラマンダーの第一艦橋
内部の映像です。皇太子殿下が御座なさり、全艦隊への勅命を下される司令塔であります。
とは申しましても、残念ながら一箇所にカメラを固定されてのワンカット映像のみで音声
もありません。艦橋内は最高軍事機密ですので、乗員達の素顔や最新鋭の計器類を撮影す
ることは許されておりません。しかしながら、背中越しとはいえ、艦橋内の緊迫感は伝わ
ってくるかと思います』

 パネルスクリーンに投影されている報道局の宇宙船を眺めながらパトリシアが尋ねる。
「しかし、提督はどうしてTV局の追随を許可なされたのですか? しかも艦内撮影まで
許可なされるとは」
「民衆にたいする宣伝だよ」
「宣伝?」
「そうだ。いかに帝国皇太子といえども、民衆の支持なくしては、政治を円満に推し進め
ることはできないし、第一、皇室議会からは未だ正式な皇太子継承の承認を受けていない
からな。頭の固い大臣達だって、民衆の声を無視するわけにはいかないだろう」
「民衆を味方につけるわけですか」
「保身に走りたがる貴族よりは、民衆のほうがよっぽど銀河帝国の将来を心配しているの
が実情だ。虐げられているとはいえ、民衆の気持ちは大切にしたいからね」
「それで……。そこまでのことをする限りは、この戦いに勝つ算段が十二分におありなん
でしょうね」
「まあ、それなりのことはするつもりだよ。もし敗れれば、逆効果となって、帝国内部で
再び騒乱が起きる可能性もででくるかもしれないがな」
「摂政派の連中が、それ見たことかと冗長するでしょうね」
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冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・2
2020.03.26

冗談ドラゴンクエストⅢ 冒険の書・2


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ナレ「というわけで、勇躍原野へと踏み出したのであった」
勇者「よっしゃあ!冒険のはじまりだあ!」
コンラト「気を引き締めていきましょう」
ナタリー「まあ、まかせるわ」
リリア 「お手柔らかにお願いします」
コンラト「西に塔が見えますね」
ナタリー「と言われても、島になってるから行けないわ」
勇者「いずれ行くことになると思うが、とりあえず行けるところへ行く。ってことで橋を渡る
しかないが……」
コンラト「ともかく町や村を探しましょう」
ナレ「スライムやおおがらすなどの魔物との遭遇戦に苦労しながらも、城から北の方に村を発
見した」
リリア 「行ってみましょう!」

レーベの村へ

住人「レーベの村にようこそ」
コンラト「レーベの村というのですね」
勇者「そうだな。とりあえず、時計回りに聞いてみよう」
ナレ「中央の北側の家を訪ねる」
住人「とうぞくのかぎは、手に入れましたか?」
勇者「とうぞくのかぎ?持ってないな」
住人「この村の南の森にも、ナジミの塔に通じる洞くつがあるとか……。うわさでは、その塔
に住む老人がそのカギをもっているらしいですよ」
ナタリー「とうぞくのカギですって、重要アイテムのようね」
勇者「そりゃ、カギといえば、ドラクエ共通のクリア必須アイテムだもんな」
ナレ「池のほとりに立つ町人」
町人「まほうのたま……か。うちのじいさんにも、こまったもんだのお」
リリア 「また、重要アイテムのようですね( ..)φカキカキ」
勇者「北東の家は……だめだ、カギが掛かっているな」
コンラト「先ほどの、とうぞくのカギがあれば開くのでしょうか?」
勇者「かも知れない……」
ナタリー「とうぞくのカギを手に入れたら、戻ってきましょうよ」
ナレ「南東の片隅に人がいる。大きな岩を動かそうとしているようだ」
村人「よいしょよいしょ。だめだ……。重くて押してもビクともしないや」
勇者「どれ、俺にやらせてみろ!」
ナレ「岩を押しまくる」
村人「やや、すごい!そのチカラがいつかきっと役に立ちましょう!」
リリア 「たいしたこともなく動かせたようですが……。これって、ステータスの【チカラ】の数
値によっては、押せないこともあるのでしょうか?」
コンラト「関係なさそうですが……」
勇者「今はたんなるイベントのようだが……本人も言っているように、いずれ役にたつ……と
思うぞ。俺の感がそう言っている」
リリア 「感……ですか?」
町人「町の外を出て歩くとき、あやしげな場所にはなにかあるかも知れぬ。遠くから見るだけ
でなく、その場所まで行くことだな」
コンラト「意味深ですね」
勇者「覚えておこう。さて、最後は宿屋だな。1階の部屋は……ちぇ、鍵が掛かってるぜ」
ナタリー「二階に上がってみましょう」
子供「うわ~勇者さまって女の人だったんだ!」
ナレ「はい、いいえ、で答えてください」
勇者「いいえ、と言ったら?」
子供「え?ちがうの?でも、ボクには女の人に見えるけどなあ。いっぱいいっぱい魔物をやっ
つけてね!あいつらが、ボクのパパとママを……。ぐすん」
勇者「一応、はいと答えてみるか?」
子供「やっぱり!女の人なのに、魔物をやっつけながら、旅をしてるなんて、えらいなあ!
いっぱいいっぱい魔物をやっつけてね!あいつらがボクのパパとママを……。ぐすん」
勇者「うむ、まかせておきな」
コンラト「一応一通り、聞き終わりましたね」
ナタリー「鍵部屋を除いてね」
勇者「次の場所へ移動しようぜ」
リリア 「ナジミの塔ですね」
ナレ「レーベの村を出る一行だが、少し進んでナタリーが気づく」
ナタリー「ね、見て!森の中ほどに空き地のような所があるわよ」
コンラト「確かにそうですね。町人の言っていた、怪しげな場所ってことですね」
勇者「しかしよう……ドラクエのような2Dマップ、トップビューだから見えるけど、普通は
木々が邪魔して森の中なんか外からは見えねえよな」
コンラト「それ、言っちゃだめですよ」
リリア 「そうそう」
勇者「ま、いいや。とにかく、行ってみよう」
ナレ「その森に入ってみると建物があった」
リリア 「残念。鍵が掛かってます」
勇者「他に何かないか?」
コンラト「あ、階段がありますよ」
勇者「よし!降りてみよう」

岬の洞くつ~ナジミの塔

ナレ「そこはナジミの塔への近道。目の前にある階段を昇るとナジミの塔である」
勇者「通常、ダンジョンというものは基本、一番遠くの階段を昇るのがセオリーだが、元々隠
し通路的にここへ入ったのだから、今回は目の前の階段を昇るぞ」
ナタリー「そんなもの?」
ナレ「そんなこんなで、塔の魔物を成敗しながら、頂上にたどり着いた」
リリア 「誰かいますけど……。壁に囲まれてます」
ナタリー「扉にも鍵が掛かっているわ」
コンラト「おーい!そこの人聞こえますか?(扉を叩きながら)」
勇者「無駄だよ。ドラクエは、隣に接触した状態でないと会話できないんだから」
ナタリー「ほんと、面倒なのよね。特に動き回る人と会話するのは疲れるわ」
コンラト「でも、その人のそばに階段が見えます」
勇者「どうやら、昇る階段を間違えたようだな。一旦降りて、別の階段を探そう」
ナレ「元来た道を引き返して、さらに探索する」
リリア 「階段がありました。上の階の位置関係からすると、ここがあの部屋に入れる階段です」
勇者「わかった。昇ろう」
ナレ「その階段を昇り、例の人物のところにやってきた」
翁 「おお、やっと来たようじゃな。そうか、勇者というのか。わしは、いく度となくおまえ
にカギをわたす夢を見ていた。だからおまえに、このとうぞくのかぎをわたそう。受けとって
くれるな?」
勇者「無論だ。ここまで来て、いらないとは言えないだろ」
ナレ「勇者は、とうぞくのかぎを受け取った」
翁 「ところで勇者よ。この世界には、そなたの性格を変えてしまうほど、えいきょう力のあ
る本が存在する。もし、そのような本を見つけたら、気をつけて読むことじゃな。では、ゆく
がよい勇者よ。わしは夢の続きを見るとしよう」
リリア 「ごゆっくりどうぞ」
勇者「本棚があるな……(調べる)お、『おてんばじてん』があったぞ」
ナタリー「なにそれ?おてんばになれる事典かしら」
リリア 「勇者さんは、十分おてんばだから、必要ないですね」
勇者「うるせいやい!」
ナタリー「コンラッドさん、使ってみたら?」
コンラト「け、結構です。今のままで十分です(;'∀')」
勇者「とうぞくのかぎを手に入れたことだし、一旦城に戻って回復とセーブして、改めて取り
損ねた宝箱を収集しよう。レベルアップも兼ねてな」
リリア 「そうですね」
ナレ「洞窟に入って宝箱集めする一行。鍵のかかった扉には、すばやさのたね、きのぼうし、
があった。そうこうするうちに勇者のレベルが上がり『ホイミ』の呪文を覚えた」
勇者「おお!この俺が呪文を覚えたぞ。前々作冗談ドラゴンクエストと前作Ⅱではありえな
かったのにな」
ナタリー「でも、元祖ドラクエIでは呪文使えたでしょ?」
勇者「……。忘れた……。どうやら宝箱回収は終わったな。城に戻ろう」
ナレ「レベルアップを兼ねて、洞窟を適当に進んでいくと……」
勇者「おや、牢獄のようなところに出たな」
コンラト「アリアハンの地下牢獄ですよ」
勇者「ちょっと囚人に聞いてみるか。意外と重要なことを話すこともあるからな」
囚人「くそ~あのナジミの塔の老人め!このバコタさまを牢なんかに閉じこめて、おまけにカ
ギを持っていってしまいやがった!……ん?あっ、それは、とうぞくのかぎ!」
勇者「お、知っているのか?」
バコタ「とうぞくのかぎがあれば赤いトビラを開けられたのに…ちくしょう!このバコタさまが
つくったんだから大切に使えよなっ」
勇者「なるほど、こいつがバコタで盗賊の鍵を作ったのか……。牢の鍵がないと開けられない
ようだな」
ナレ「牢獄をあとにして、上へと向かう」
勇者「ふむ、城内に戻ったようだな。兵士がいるぞ」
兵士「私は、勇者オルテガにあこがれて城の兵士に志願しました。それなのに……。勇者オル
テガは戦いのすえ帰らぬ人に……。しかし、あのオルテガさまがカンタンに死んでしまうとは
どうしても思えません。きっとどこかで、生きているような…そんな気がしてならないのです」
勇者「そういう話があると、たいがいそうなるのだよな」
ナレ「王様に会って、冒険の書に記録してもらい、自宅にて休憩。そして再び旅立つのであっ
た」
勇者「レーベの村に鍵の掛かった家があったよな」
ナレ「ということで、レーベの村にやってきた。鍵の掛かった家の扉を、盗賊の鍵で開けて入
る」
老人「ん?なんじゃ、お前さんは?わしの家にはカギをかけておいたはずじゃが、もしやカギ
をもっておるのか?」
勇者「おうともよ。こいつが目に入らぬか( `ー´)ノ」
老人「なんと!それはとうぞくのかぎ!するとお前さんが、あの勇者オルテガの……。そう
じゃったか……。であれば、これをお前さんにわたさねばなるまい」
ナレ「勇者は、まほうのたまをうけとった!」
老人「その玉をつかえば、旅の扉への封印がとけるはずじゃ。気をつけてゆくのじゃぞ」
勇者「はいよ……。次は宿屋だな」
ナレ「鍵の掛かった宿屋の部屋を開けて入る」
兵士「ここより東に旅をし、山をこえると小さな泉があるという。かつては、その地より多く
の勇者たちが旅立ったそうだ」
コンラト「東の方の泉に次なる冒険の糸口がありそうですね」
ナタリー「行ってみるしかないわね」
ナレ「レーベの村を離れて、一路東に向かって歩き出した瞬間、バブルスライムに遭遇した」
勇者「バブルスライムだと?」
コンラト「こいつは毒攻撃を仕掛けてきます」
リリア 「痛い!毒にやられました」
勇者「誰か、毒消しか毒治療の呪文持ってないか?」
リリア 「持ってません。呪文はわたしの担当ですけど、レベルが足りなくて」
ナレ「毒攻撃を受けながらもバブルスライムスライムを倒した。魔物は毒消しを落とした」
ナタリー「ラッキー!毒の治療ができるわ」
勇者「なるほど、毒攻撃を仕掛ける奴は、毒消しを持っているってことか」
コンラト「リリアさんが、毒消しの呪文を覚えるまでは、あまり遠出はしないほうが無難なのです
が……」
勇者「そうもいくまい。早いとこ攻略しないと、この物語も先に進めないだろが」
ナレ「それを言っちゃうのですか?」
勇者「通ればリーチだぜ。HP回復させながら、進むっきゃないだろ?」
コンラト「バブルスライムが必ず毒消しを落とせば良いですが、いったん村に戻って毒消しなどを
調達しましょう」
リリア 「わたしも、そうした方がいいと思います」
ナタリー「賛成!」
コンラト「三対一です。戻って毒消しを調達しましょう」
勇者「しようがねえ。一旦町に戻る」
ナレ「毒消しを調達し、再びカザーブから東へと向かうのだった」
リリア 「あそこに何か祠のようなのがありますよ」
勇者「行ってみよう」
ナレ「祠に入り、鍵の掛かった部屋を盗賊の鍵を使って中に入る」
老人「お若いの。まほうのたまを、お持ちかな?」
勇者「持ってるぞ」
老人「ならば、いざないの洞くつにおゆきなされ。泉のそばのはずじゃ」
リリア 「その泉って、レーベの村の兵士が言ってましたよね」
コンラト「間違いないでしょう」
勇者「お、壺があるじゃないか♪ちいさなメダルとキメラの翼、見っけ(*^^)v」
コンラト「私は本棚を閲覧させていただきます」
ナレ「ムチやブーメランについて書かれた本を見つけた」
コンラト「読んでみましょうか?」
勇者「まあ、読むだけならタダだよな。読め!」
ナレ「ムチ、ブーメランは、1度に多くの敵を攻げきできる武器だ。ムチは、そのグループ。
ブーメランは、敵すべてにダメージをあたえるだろう。たとえ今より、こうげき力がおちよう
とも、そのほうが得という場合もある。考えて使うべし」
コンラト「なるほど。スライムなどの弱いモンスターが多数現れた時には重宝するが、強敵が出て
きた時は使えないということですね」
勇者「ふむ……他にはないようだな。出よう」
ナレ「祠を出ると、山脈に囲まれた中にある泉に向かった」
ナタリー「ほんとに小さな泉ね」
リリア 「対岸に階段がありますよ」
コンラト「あれが、新たなる地へといざなう洞窟のようですね」
ナレ「降りた洞窟の中には老人が立っていた」
老人「ここは、いざないの洞くつじゃ。じゃが、階段は石カベで封じられておる」
リリア 「ここで、あの『まほうのたま』を使うのではないでしょうか?」
勇者「まあ、やってみることだな、みんな下がっていろ!」
ナレ「勇者は、まほうのたまをカベにしかけた」
勇者「ちゅどーん!おお、カベが崩れたぞ!」
ナタリー「これで通れるようになったわね」
リリア 「宝箱があります」
勇者「どれどれ」
ナレ「アリアハンより旅立つ者へ。この地図をあたえん!地図を見たくば【地図】ボタン。さ
らに【開いた地図をタップ】で、より見やすくなるであろう。なんじの旅立ちに栄光あれ!」
勇者「ふしぎなちず……を手に入れたぞ。うん?ここでは使えないようだな」
コンラト「外に出たら、早速使ってみてみましょう。どんな風に役に立つかを確認しないと」
勇者「ドラクエⅡでは最初から持っていたのにな……(独り言)」
ナタリー「階段を降りてみたけど、ただ広くて、至る所に崩れた個所があるわね。落ちないように
気をつけなくちゃ」
勇者「まあ、こういうところは一番遠回りするのがセオリーだよな」
ナレ「ってことで、陥没場所を避けながら、ぐるりと遠回りで進む」
リリア 「下への階段がありましたわ」
勇者「降りてみよう」
ナタリー「あちゃー!三つの道に別れているわよ」
勇者「手当たり次第に行くか」
コンラト「西側の通路が正解でしたね」
ナレ「盗賊の鍵で開けた先に、旅の扉が現れた」
リリア 「これが旅立の扉ということですね」
勇者「いざ、ゆかん!あらたなる旅立ちの地へ!」
ナタリー「かっこつけるんじゃないわよ」
ナレ「と、旅の扉に飛び込む一行だった。この先、彼らの身になにが起こるか……。次回を
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銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第六章 新造戦艦サーフェイス IX
2020.03.22

 機動戦艦ミネルバ/第六章 新造戦艦サーフェイス


IX


 リンゼー少佐のサーフェイスも、艦の修理を終えて造船所を出立したところであった。
「今度はどこに現れますかね」
「奴らが今一番欲しがっているものは何だと思う?」
「そうですね……やはり超伝導回路用のヘリウム4ですかね。宇宙空間と違って、この大気中
は消耗が激しいですから」
「それだな。となると一番近い供給プラントは?」
「マストドーヤです」
「よし!そこへ急行しろ」
「了解!」


 一足早くマストドーヤに到着したミネルバと補給艦は、ヘリウム4の補給を早速始めた。
 ほぼ半分ほどの補給を終えた頃、
「左舷七時の方向に大型戦艦接近中!」
「おいでなすったわね。何はなくとも補給艦の護衛です。砲弾一発、ミサイル一基たりとも当
てさせないで」
「了解しました」
「ここで決着をつけましょう。どちらかが撃沈されるまで戦い抜くのです」
 サーフェイスにいつまでも追い回されていたら身が休まらなかった。
 不幸にも先に撃沈されたら、後に残された部隊に命運をかける。
 再び激しい戦闘が開始された。


 厳しい表情のフランソワ。
 これ以上の損害を被るのは避けたかった。
「Z格納庫を開けて、アレを出してください」
 それを聞いて驚く副長。
「Z格納庫!最後の切り札を使うのですか?」
「最後の踏ん張りどころでしょう。今が使いどころだと思います」
「分かりました」
 副長がミサイル発射管室に伝える。
「発射管室、Z格納庫を開いて、次元誘導ミサイルを取り出せ!」
 次元誘導ミサイル。
 それは、フリード・ケースンが開発した極超単距離ワープミサイルだった。
 どうしようもないほどの苦境に陥った時のためにと、搭載された最後の切り札だった。
 もちろんミネルバ級の中でも1番艦であるミネルバにしか搭載されていない。
「次元誘導ミサイルを1番発射管に装填しろ!」
「重力探知機による目標着弾点を入力。機関部にセットオン!」
「セットしました!」
「発射体制完了」
「次元誘導ミサイル、発射!」
「発射します!」
 ミネルバ発射管から射出される次元誘導ミサイル。


 サーフェイス側では驚きの声が上がった。
 目の前に迫っていた大型のミサイルが、迎撃態勢に入ろうとする寸前に突然消えたのだから。
「ミサイルが消えました!」
「加速度計は!?」
「重力加速度計からも消えました!!」
 すべての計測器からミサイルの痕跡が消滅した。
「どこへ消えたのだ?」
 次の瞬間だった。
 激しい震動が艦橋を襲う。
「な、なんだ?報告しろ!」
「た、ただいま……」
 機関部から報告がなされる。
「超伝導磁気浮上システムに被弾!損害甚大です。浮上航行不能です!」
「なんだと!」
 地磁気に対しての浮力を失って、徐々に高度を下げてゆくサーフェイス。
「海に着水します!」
「総員何かに掴まれ!」
 激しい水飛沫を上げて、海上に着水する。


「サーフェース、海上に着水。機関部炎上のもよう」
 報告を受けて安堵する艦橋要員。
「見事、心臓部をぶち抜いたようです」
「間合いを取って、こちらも海上に降りましょう」
 静かに海に着水するミネルバ。
 双眼鏡を覗いて敵艦の動静を観察している。
「完全に沈黙したもようです」
「サーフェイスに、十分後に撃沈するからと、敵艦に総員退艦を進言してください」
 強大な戦力を相手に持たせておくわけにはいかなかった。今撃沈しておかなければ、回収・
修理して再戦してくる可能性を排除するためには、海の藻屑とする以外にはない。
 敵艦甲板上では、救命ボートが引っ張り出されて、サーフェイスの乗員が乗り込んでいる。
中には直接海に飛び込む者もいた。
「十分経過しました」
「艦首魚雷室に魚雷戦発令!」
「魚雷戦用意!」
「一発で十分でしょう」
 救命ボートが、サーフェイスから十分離れたところを見計らって、
「魚雷発射!」
 下令する。
「魚雷、発射します」
 ミネルバからサーフェイスへと続く海面上に、一条の軌跡が走る。
 魚雷が命中して、火柱が上がる。
 やがて大音響を上げて沈んでゆく。


 沈むサーフェースを遠巻きに見つめながら、
「やられましたね」
 救命ボート上の副官のミラーゼ・カンゼンスキー中尉が嘆いていた。
「ああ、ミネルバには幸運の女神がついているようだ」
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銀河戦記/鳴動編 第二部 第六章 皇室議会 Ⅲ
2020.03.21

第六章 皇室議会




 謁見の間は、相変わらず紛糾していた。
 アレックスの意見具申に対しことごとく反対意見を述べる大臣達。
 いつまでも結論が出ず、結局最後は摂政裁定で議決されるという有様だった。
 ここにはいないロベスピエール公爵の意向がすべてを左右していた。
 傀儡かいらい政権の大臣達には公爵に逆らえるわけがなかったのである。
「統合軍第四艦隊及び第五艦隊に対し出撃を命令し、先行する第二艦隊と第三艦隊の後方
支援の任務を与えます」
 アレックスが意見具申を申し出てから、今日の裁定に至るまで七日という日が無駄に費
やされていた。
 皇女が直接指揮権を有する皇女艦隊と違って、一般の統合軍艦隊は国防大臣(艦隊運
用)及び国務大臣(予算配分)の配下にあった。どちらも摂政派に属しているために、い
ろんな理屈を並べて首を縦には振らなかったのである。
 議論は平行線をたどった挙句、直接戦闘には参加しない後方支援ということで、やっと
のこと日の目をみたという次第だった。
「皇女様に対し敵艦隊との矢面に立たせて、第四・第五艦隊は安全な後方支援とはいかな
る所存か?」
 第四艦隊・第五艦隊司令官からも、なぜ自分達は後方支援なのだという意見具申が出さ
れていた。
 しかし大臣達は、戦闘経験のない艦隊を最前線に出すわけにはいかないという一点張り
で対抗した。

 謁見の間から、統制官執務室に戻ったアレックスだが、思わず次官に対して愚痴をこぼ
してしまう。
「まったく……頭の固い連中を相手にするのは疲れるよ」
「お察し致します。総督軍が迫っていると言うのに、相も変わらず保身に終始しています
からね。総督軍との戦いに敗れれば、皇族も貴族もないのに」
「で、艦隊編成の進み具合は?」
「大臣達のお陰で何かと遅れ気味でしたが、燃料と弾薬の補給をほぼ完了して、やっとこ
さ一週間遅れで出撃できる次第となりました」
「一週間遅れか……。何とか間に合ったと言うところだな」
「後方支援ですからね。ぎりぎりセーフでしょう」
「ともかく後方かく乱されることなく、先行することができるようになったわけだ。一日
でも早く先行する艦隊との差を縮めるようにしたまえ」
「かしこまりました」
 背を向けて窓の外の景色を眺めるようにして、腕組をし考え込むアレックス。
 しばしの沈黙があった。
 やがて振り返って命令する。
「第二艦隊及び第三艦隊に出撃命令を出せ。四十八時間以内に共和国同盟に向けて出撃す
る」
「了解。第二艦隊及び第三艦隊に出撃命令。四十八時間以内に共和国同盟へ進撃させま
す」
「よろしい」
 ついに迎撃開始の命令を出したアレックス。
 次官はデスクの上の端末を操作して、統合軍総司令部に命令を伝達した。
 艦隊数にして百五十万隻対二百五十万隻という敗勢必至の状況ではあるが、手をこまね
いているわけにはいかなかった。
 数で負けるならば、それを跳ね除けるような作戦が必要なのであるが……。
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