冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・18
2020.02.19

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・18



ナレ「金の扉を開けるために、ルーラシア城に戻ってきた一行」
勇者「よっしゃあ!開けまくるぞお!!」
王子「さすが勇者さんのお城ですね。宝箱が沢山並んでいます」
勇者「一応、宝物庫だからな。最強の武器とかあるかな?」
ナレ「金の扉を開けて、次々と宝箱を開ける勇者。何が見つかったかは省略」
勇者「なんだ、武器はないのか、つまらん」
王子「でも、『ロトのしるし』が入っていました。これ、後で役立つのでは?」
勇者「そういえば、ザハンに行く途中の祠に、しるしを持ってこいとか言ってた奴いる
な。後で行ってみよう」
王女「地下牢の方は?」
勇者「ああ、そこは牢屋のカギがないとダメだ。次に行こう」
王子「次は、サマートリア城ですね。金の扉が一つありました」
老人「よくぞ来た!ロトの血を引きし者たちよ!さあ!宝箱を開け、その中の物を取る
がよい!」
王子「ロトの盾が入っていました」
勇者「王子が装備していいよ。ここはおまえの城だからな」
王子「ありがとうございます。せっかくだから、久ぶりに妹に会ってきます」
妹 「あっ、お兄ちゃん。ねー、あたしも連れてってよお!」
王子「だめだよ、おまえは」
妹 「なによ!お兄ちゃんのいじわるうっ」
勇者「次は、サンペタだな」
王子「焚火をしている老人のいる所ですね」
老人「大きな海のどこかに精霊のほこらがあるそうじゃ。5つの紋章を手に入れた者は、そ
こで精霊を呼び出すことができるという。もっともこの言い伝えがどこまで本当なのか、
それは誰も知らんがの……」
王女「五つの紋章を集めて、その精霊のほこらへ行けということね」
勇者「牢屋に入れられているのは魔物か……。何か持っていそうだけど、牢屋のカギを手
に入れたら戻ってこよう」
王子「はい。重要マークを付けてメモしました」
勇者「次はラダトーム城の武器屋の二階だな」
隠居「ほれ、命の紋章をやる!」
勇者「はあ?何言ってんの?」
ナレ「実は、セリフを書き留めるのを忘れてしまいました(*- -)(*_ _)ペコリ」
勇者「命の紋章を貰ったという事実だけかよ」
ナレ「貰ったあとのセリフならありますよ」
隠居「こんな所まで来るとは仕方のない奴だな。わしはただの武器屋の隠居じゃよ。かっ
かっかっ!」
勇者「しようがねえな、しっかりしろよ。ナレーション」
ナレ「気を付けます」
勇者「取り敢えず、行けるところで金の扉があるのは、ここまでか」
王女「もっと町を探して回りましょう」
王子「そうですね」
勇者「とりあえず、例の祠に行ってみるか」
ナレ「再び、精霊の祠に戻り、賢者に会うと」
賢者「おお、わしは待っておった!勇者ロトの子孫が現れるのを!そなたたちにロトの兜
を授けよう!」
ナレ「『ロトのかぶと』を受け取ったのであった」
勇者「これは俺しか装備できないようだな」
王子「ですね」
王女「良くお似合いですよ」
勇者「そうか……照れるな(〃▽〃)ポッ」
ナレ「おだてに弱い勇者だった」
勇者「それにしても、行き詰ったな。町人に聞いても、先の情報が見当たらん」
王子「世界地図を見ながら、町を探していくしかないですね」
王女「そうですね。それぞれの町は地図上で点滅していますものね」
ナレ「地図を開いて確認する勇者」
勇者「ふむ、一番分かりやすいのは、ザハンの北にある島にあるな。船出だあ~」
ナレ「再び、舟に乗り北方の島、デルコンダルへと向かうのだった」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・17
2020.02.18

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・17



ナレ「ラダトーム城で旅の打ち合わせをする一行」
王子「どうしますか?」
勇者「陸伝いでは、もう行くところがねえようだ。旅の扉も金の鍵がないとダメだし。舟
で行けるところまで行くしかない」
王女「ちょっと、いいですか?」
勇者「なに?」
王女「迷った時には原点に戻れ、って良く言いますよね?」
勇者「原点?ルーラシア城か?」
王子「そういえば、以前勇者に会いに行った時に、旅の扉を見かけましたけど……入って
みましたか?」
勇者「いや、入ってないぞ。旅の扉というものすら知らなかったからな」
王子「行ってみませんか?」
勇者「そうだな。行こう」
ナレ「というわけで、ルーラでルーラシア城に戻る」
勇者「あった、あった。こんな所にあったとは、灯台下暗しだな」
王子「ともかく入ってみましょう」
ナレ「ルーラシア城からの旅の扉の行き着く先は?」
勇者「なんだ、何もないぞ。ただの孤島じゃないか」
王女「東の方に島が。町も見えますよ」
王子「世界地図で場所を確認しましょう」
ナレ「ステータスから世界地図を確認する」
王女「ルーラシア城からはるか南に行った場所ですね」
勇者「つまり舟で、ルーラシア城から南へ出発しろということか」
王子「そのようです」
勇者「考えても仕方がないな。行動あるのみだ。城に戻るぞ」
ナレ「ルーラシア城に戻り、舟に乗って大航海に乗り出したのだった
勇者「なーみをちゃっぷちゃっぷかきわけて♪」
王女「ごきげんですね。何の歌ですか?」
勇者「ぴょっこりぴょうたん島」
王子「ちょっと歌詞が違うようですが」
勇者「いいんだよ、JASRACがうるさいから。お!島が見えたぞ。町もある」
王子「原点に戻れと進言した王女の功績です」
王女「仲間ですから」
勇者「この島の存在はどこにもヒントがない!ルーラシア城の旅の扉から飛んだ孤島で、
世界地図を使って初めて発見できる。まさしくゲームクリエイターの作為そのものだな。
運命の神は自分の手で掴めということ」
王子「早く町に入りましょう」
勇者「そうだな。台風に合わないうちに上陸するぞ。長旅の末に沈没じゃたまらん」
王女「たいふう、ってなんですか?魔物の一種ですか?」
勇者「まあ、有体に言えばそうかもな。絶対に倒すことが出来ず、猛烈な攻撃を耐え忍ん
で、通り過ぎるのを待つだけの怪物だ」
王子「倒せない魔物がいるなんて……」
勇者「だから、さっさと舟を降りよう」
王女「そうしましょう」
ナレ「押っ取り刀で上陸し、町に入る一行」
女 「漁師町ザハンにようこそ。今、男たちは漁に出ていて、留守でございますわ」
勇者「ここは、ザハンというのか。にしても男がいない?もしかして酒池肉林か?」
老人「ええのう、ここは女ばかりの町じゃ。ええのう、実にええのう」
勇者「おおともよ。あんたも、そう思うか?うししっ」
ナレ「以心伝心。二人は顔を合わせて笑う」
王女「男どもはどうしようもないわね」
ナレ「あきれ返る王女だった」
王子「このザハンの町は、どの町を巡っても一つのヒントも得られなかった島にある町。
絶対に重要な情報やアイテムが隠されていると思います」
王女「あたしもそう思います。慎重に情報集めをしましょう」
ナレ「町人から知らされる情報を、一つ残らず漏らさないようにとメモに取る王子」
商人「実は、この町の男たちの船が魔物に襲われて海のもくずに……私はそのことを知ら
せに来たのですが……おお、神よ!私にはとても言えない!」
王子「その魔物って、たいふうって奴でしょうか?」
勇者「ん?ああ、そうかもな……」
宿女「春になればルークが、私の恋人ルークが漁から帰ってくるんです。ああ、ルーク…
…」
勇者「そんな男は忘れて、この俺としようぜ」
女子「あのね!海のどこかにサンゴに囲まれた洞窟があるんだって。その洞窟に入るには
月のかけらがいるって、おばあちゃんが言ってたわ!」
王子「これは重要な情報ですね。サンゴに囲まれた洞窟、月のかけら……マーク入りでメ
モしておきますね」
男子「ぼく、大きくなったらお父さんみたいな立派な漁師になるんだい!」
勇者「おう、頑張れよ」
主婦「私はタシスンの妻。夫はとても動物好きで、特に犬が大好きでした。でも、3年前
の冬の漁で夫は帰らぬ人と……今あんなことが再び起きぬように、皆が無事に戻ってくる
よう、お祈りしていたところですわ」
勇者「犬か……。王女も犬にされたんだよな。何かありそうだ。お、あそこに犬がいるぞ。
おい、犬!」
犬 「わん、わん」
ナレ「犬が後退すると……」
王子「あ!犬がいたところに、何か落ちていますよ!」
ナレ「拾い上げる勇者」
勇者「カギだ。それも金の鍵だ!!」
王子「やりましたね。これで金の扉が開けられますね」
勇者「よし、町人の話を聞くだけ聞いたら、各地にある金の扉を開けに行こう」
王子「そうね。強力な武器とかあったら、後々の冒険が楽になりますから」
王女「あたしは、強力な杖か防具が欲しいな」
勇者「情報集めを続けるぞ。お?ここは教会か?」
修女「お引き返しあそばせ。神殿を荒らす者には災いが降りかかりましょう」
勇者「そう言われると余計に踏み荒らしたくなるな。後ろに見える通路に何か良いものを
隠しているんだろう」
ナレ「神殿に踏み込もうとする勇者」
王子「ダメです!床が強力なバリアーになっています。一歩踏むだけで、相当なダメージ
を受けます。数歩で全員死亡します」
勇者「ほんとか?」
王子「トラマナという移動呪文がないと……」
勇者「トラマナ?おまえできるのか?」
王子「たぶん出来ますが、まだレベルが足りません」
勇者「しかしなあ……。こういう常人では通れない罠の先には、一級品のアイテムが眠っ
ているものだぞ」
王女「レベルが上がるまで、ここは保留にしておきましょう」
勇者「いや待て!!一歩進むごとに、HPを回復させながら行けば良い」
王子「ずいぶんな荒行ですね」
勇者「通ればリーチだ!」
王子「あの……それ、間違ってますよ。マナー違反とか言われちゃいます」
勇者「おかしいのか?」
王子「はい。ただ、リーチとだけ宣言すれば良いのです」
勇者「詳しいな。やったことあるのか?」
王子「少しだけ」
王女「話がそれてますよ」
勇者「そうだった。とにかく、荒行でバリアーを突破する!」
ナレ「というわけで、荒行を決行した先で見たものは……」
勇者「……鉄格子があるな」
王子「ありますね……」
王女「牢屋のようですわ」
勇者「なんでやねん!バリアーに守られて、しかも鉄格子まで……一体どんなアイテムが
入っているというんじゃあ!!」
王子「ろうやのカギを手に入れるしかないですね」
勇者「おまえ、ルーラで鉄格子の先に飛べ!今飛べ、すぐ飛べ!」
王子「無理ですよお」
勇者「なぜだあ!町から町へと長距離を一瞬
で飛べるのに、なぜ目と鼻の先には飛べな
いんじゃあ!!テレポートしろ!」

ナレ「声を荒げ、文字フォントも色もサイズも変えて叫ぶ勇者だった」
王女「そういうシステムになってますから」
王子「システムです」
ナレ「はい。お二方のおっしゃる通りです」
勇者「ぐぬぬぬっ……」
王子「仕方がないですよ」
王女「荒行も無駄でしたわね」
王子「戻りましょう。ルーラシア城の金の扉を開けに、ルーラ!」
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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・16
2020.02.17

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・16


勇者「さてと、ラダトーム城に戻ってきたはいいが、次の行き先はどこだ?ってところだ
な」
王子「今までは、道なりに進んで行けば良かったですけど」
王女「それと竜王の助言もね」
勇者「おい、王子。メモしてるよな。町人達の会話の中にヒントはないか?」
王子「それが、今まで会った人の中に、次の行き場所を示すヒントはありません」
王子「ところで竜王の言っていたメルキドの町って、どこにあるんですかね?」
勇者「それなら、ラダトーム城を舟で南下した所にあるよ。ドラクエIでは、ゴーレムが
門番やっててよ、ようせいのふえで消えた……ちょっと寄り道して行くか」
王子「さすが、ドラクエIをプレイしただけありますね。頼りにしてます」
勇者「おだてても何もでねえよ。とにかく舟に乗れ!」
ナレ「しばらく舟で南下したところ」
勇者「おお、このあたりだよ」
ナレ「舟を降りて、メルキドへ向かうことにする」
王子「町なんて見当たりませんねえ」
勇者「おかしいなあ……。半月湖と半月山脈に囲まれたところにあるはずなんだが」
王女「確かに、それらしき湖と山脈はありますが……」
王子「もしかしたら、ハーゴン軍団に破壊されたのでは?」
勇者「ううむ……かもしれないな。しょうがないな、戻ろう」
ナレ「舟に戻り、再び海に漕ぎ出した。海のモンスターと闘いながら進み続けると」
勇者「お!あそこに祠が見えるぞ。行ってみよう」
ナレ「舟を降りて、ほこらに向かう」
王子「どうやら、聖なる祠のようです」
勇者「入ってみよう」
ナレ「祠に入ると、神官が立っており、その先の壇上階段を昇った所に、兜が置かれてい
た」
勇者「おい、おっさん。そこにある兜はなんだ?」
賢者「そなたらがまことのロトの血を引きし者なら、そのしるしがあるはず。愚か者よ、
立ち去れい!」
勇者「なんだと、このやろう!!」
王子「やめてください!(勇者を制止する)」
勇者「なぜ、止める!?こいつを一発殴ってやらないと、気が済まねえ」
王女「あなたの好きなドラクエIでも、ここに居たんじゃないですか?この人」
勇者「え?そ、そう言えば……」
王子「どうやら、その『しるし』とやらを持ってこないといけないようですね」
王女「ここは、とりあえずパスして、先に見える旅の扉に入りましょう」
勇者「なんだ、この渦巻は?」
王女「旅の扉ですよ。知らないのですか?」
勇者「見たことも聞いたこともないぞ。ドラクエIにはなかったからな」
王子「また、それですか?この渦巻に飛び込むと、別の場所に飛ぶんですよ。ワープです
ね」
勇者「大丈夫なのか?」
王女「大丈夫です」
勇者「よ、ようし……」
ナレ「気を取り直して、旅の扉に飛び込むと、燭台の灯る部屋のような所に、さらに三つ
の旅の扉があった」
勇者「また扉だ。しかも三つも……」
王女「ちょっと、あそこを見て。何か光ってるわよ」
勇者「そうか、また、ゲームクリエイターの作為だな」
王子「ちょっと拾ってきます」
ナレ「王子が光る場所を探ると……『太陽の紋章』を手に入れた」
勇者「なるほど。竜王のひ孫が、言っていたのはこれのことだな。しかし、スマホ版は親
切設計だな。重要アイテムが光るんだから」
王女「FC版と違ってセーブや中断もできると言いたいんでしょ」
勇者「その通りだ。ん?外に出られるようだな」
ナレ「外へ出てみると、絶海の孤島のようだった」
王子「何もないですね。おや、北東の方に陸地が見えますが……行く術がないです」
勇者「戻ろうぜ。で、どの扉に入れば元の場所に戻れるんだ?」
ナレ「取り敢えず左の旅の扉に飛び込むと……」
勇者「なんだ。鍵が掛かっているぜ」
王子「どうやら、別のカギが必要ですね」
勇者「戻ろう」
ナレ「真ん中の旅の扉へ」
勇者「お、老人がいるぞ」
老人「パーゴンの神殿は、来るものにやすらぎをあたえると聞く。しかし、それはまぼろ
しじゃ。だまされてはなりませぬぞ。精霊のたすけをえられよ!」
勇者「ここにも禿男がいるな」
禿男「ちっ。まいったまったよ!ここから旅の扉でいろんな場所に行けるけどよ。きんの
カギがないと、どうしようもねえみたいだぜ。いったいどこにあるんだろ……。」
勇者「そうか、金の鍵が必要なのか。ふむ、やはり禿頭は重要な情報を教えてくれるよう
だな」
王女「禿げ、禿げ、って失礼ですよ」
勇者「実際禿げているんだから、しようがないじゃないか」
王子「外へ出られるようですね」
勇者「よし、出てみよう」
ナレ「祠を出ると、森の中」
勇者「ここがどこか、世界地図で確認してみようぜ」
ナレ「スマホ版では、最初から地図を持っていて現在地を確認することができます」
勇者「南の方に、町があるようだな。行ってみよう」
ナレ「祠を出て数歩でモンスターと遭遇した。苦戦するもなんとか倒した」
勇者「だめだ!ここいらのモンスターは強すぎる。まだ俺たちのレベルが低いんだ。ルー
ラでラダトーム城に戻ろう」
王子「分かりました。ルーラ!」
ナレ「一旦ラダトーム城に戻る一行だった」
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銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第六章 新造戦艦サーフェイス Ⅳ
2020.02.16

 機動戦艦ミネルバ/第六章 新造戦艦サーフェイス


IV


 ミサイルサイトの進入口の左右に取り付く新型機。
「準備はいいか?」
 サブリナがナイジェルに合図する。
「いいぞ、OKだ」
 避難のため、扉のサイドに張り付くナイジェル機。
 ブラスター砲を扉に向けて構えるサブリナ機。
「撃て!」
 一条の光跡が走り、扉を破壊する。
 濛々たる煙幕が立ち上がる。
 扉が破壊されると同時に、内部から反撃の一斉射撃がはじまる。
 敵防衛隊の戦闘機を撃破して、安全を確保したミネルバが地上に降下し、モビルスーツ
隊が降ろされてゆく。
 ハイネとオーガスが、それらを引き連れて、サブリナの元に合流する。
 全機が揃ったところで、突撃の合図を待つ。
「ジャン、一発お見舞いしてやれ」
 ナイジェルが指示を出す。
「はいよ」
 ナイジェル・ジャン機の携帯している武器は、スーパー・バズーカ砲(無反動砲)であ
る。
 片膝ついてバズーカを肩に担いで射撃姿勢を取る。
「発射!」
 バズーカが火を噴いて、破壊された扉の奥のトンネル内へと突き進む。
 轟音と共に、行き場を失った爆風・爆炎がトンネルの外へも噴出する。
 隧道という閉鎖空間では、ビーム砲よりも炸裂する弾丸を飛ばすバズーカ砲の方が有利
である。
 内部からの反撃は止んでいた。
「突入せよ!」
 サブリナの号令と共に、全機がトンネル内へと突入した。
「周囲に気をつけろよ」
 どこに敵が潜んでいる判らない、細心の注意を払うのは当然だろう。
 狭い坑道を突き進んでゆくと、広い空間に出る。
 砂丘の地下の固い岩盤の中に構築されていた。
 徹甲弾さえも貫き通すことができないために、モビルスーツによる内部からの破壊作戦
が敢行されたのである。
 敵も黙って侵入を許すわけがない。
 再び銃弾の雨あられとなった。
 敵モビルスーツも出現する。
「おいでなすったぞ。散開!」
「くらえ!」
 アイクがブラスター砲を撃ち放ったのを合図に、一斉に敵に撃ちまくる。
 敵味方入り乱れて、ビーム砲が軌跡を描く。
 弾がなくなれば、脚に装着していたビームサーベルを抜いて切りかかる。

 広い空間とは言ったが、モビルスーツが動き回れば、さすがに狭く感じる。
 閉鎖空間で、銃撃戦を繰り広げれば、当然爆煙が構内に充満して、視界が遮られる。
「赤外線センサーを使用しろ!」
 センサーに映る敵影に向かって撃ちまくり、ビームサーベルを振り下ろす。
「右だ!」
 サブリナのナビに従って、右に向き直って、切りかかってくる敵のビームサーベルを受
け止め、脚で蹴飛ばして倒し、サーベルを敵機体に突き刺す。

 かくの如く暴れまわり、ついにはミサイルサイトを攻略したのであった。
 侵入口から捕虜となった兵士達が、頭に手を置いて出てくる。
 中ではサブリナが、呼び寄せた工兵隊に指示を出していた。
「ミサイルは一つ残らず爆破するんだ」
 次々と爆弾が設置されてゆく。
「隊長!爆弾の設置完了しました!」
「よし!総員撤収しろ」

 ミネルバの艦橋。
「全員退去完了しました」
「よろしい。爆破準備<カウント!」
 起爆装置はミネルバから行う。
「十秒前、9、8……、2、1、爆破!」
 基地全体から凄まじい爆炎が上がる。
 ミサイル発射口の蓋が吹き飛び、侵入口からも爆煙が湧き出す。
 さらに連鎖反応は続いて、砂の山となって大きく隆起した。
「誘爆が続いています」
 やがて鎮火した後には、すり鉢状の陥没ができた。
「もったいない気もします」
 副長が残念がる。
「持ち運べませんし、海底秘密基地ならともかく、場所を敵に知られている以上、利用価
値はありません」
「なるほど……」

 ミサイル基地の完全破壊を確認して、
「本部に連絡。作戦完了、次の指示を乞う」
 通信を終えて、現場を立ち去るミネルバだった。
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銀河戦記/鳴動編 第二部 第五章 アル・サフリエニ Ⅳ
2020.02.15

第五章 アル・サフリエニ


IV


 ゴードンの心は荒んでいた。
 その背景には悲しい物語があったのである。

 ゴードンには妹がいた。
 その妹を残して、トリスタニア共和国同盟首都星トランターを旅立って、アル・サフリ
エニ方面に赴任したゴードン。
 やがてバーナード星系連邦が攻め寄せてきて、トランターは陥落した。
 すぐさまバーナード星系連邦憲章に基づく占領政策が行われた。
 共和国同盟軍は解体されて、新たに共和国総督軍が設立され、徴兵制度によって兵役年
齢にある男子はすべて徴兵された。
 各地に授産施設が開設され、妊娠可能年齢にある女性のすべてが強制収容された。
 授産施設。
 それはバーナード星系連邦にあって、人口殖産制度による『産めよ増やせよ』という考
えにもとずく政策の一つであった。
 女性は、子供を産んで育てるもの。相応の年齢に達したら、授産施設に入所して妊娠の
ためのプログラムに参加する。
 スカートは女性のみが着るものだ。
 と、社会通念として教育されれば、誰しもがそう思い、男性はスカートを着てはいけな
いと判断する。それが自然なのだ。
 連邦に生まれた女性達は、幼少の頃からそう教えられ育てられたために、何の疑惑も持
たずに殖産制度に従って、妊娠し子供を産みつづけている。
 もちろん妊娠し母となった女性達には、政府からの手厚い保護が受けられて働く必要も
なく、養育に専念できるようになっている。
 占領総督府は、この授産施設による人口殖産制度を、共和国同盟の女性達にも適用した
のである。
 そもそも共和国同盟憲章による教育を受けた同盟の女性達には、授産施設の何たるかを
知るよしもないし、自分の意志によらない妊娠など問題外であった。
 子供は愛し合った男性と結婚して授かるものであって、授産施設で不特定の男性をあて
がって妊娠させようなどとは、絶対に受け入れられない制度であった。
 地球古代史に記録のある、大韓民国軍が自国内やベトナムで行った強制慰安婦問題と同
じではないか。(韓国軍慰安婦=第五種補給品と呼ばれた)
 しかし自分達の国家の制度は正しいと信伏する総督府によって、人口殖産制度は推し進
められたのである。
 女性達は無理やり強制的に授産施設に連れてこられて、言うことを聞かないと逃げ出さ
ないように裸にされて一室に閉じ込められ、毎日のように連邦軍兵士の相手をさせられた。
 抵抗する女性は手足を縛られて無理やりに犯された。かつて同様のことを行ったハンニ
バル艦隊の将兵達のように。
 当然として女性達は妊娠することになる。
 おなかの中にいるのは、身も知らぬ連邦軍兵士の子供。
 人工中絶は認められておらず出産するしかない。
 ここで女性達は二つの選択肢を与えられることになる。
 妊娠し子供を産み育てることを容認すれば、授産施設から解放されて自由になれる。少
なくとも子供が十四歳になるまでは、次の妊娠を強要されることはない。
 もう一つは、密かに避妊ピルを服用しつつも、兵士達の相手をしながら耐え忍ぶことで
ある。連邦軍には避妊ピルを知る者がいなかったからである。差し入れと称して授産施設
の女性達に配られていた。
 ゴードンの妹も、そんな女性達の中にあった。
 そして妹は、第三の選択肢を選んだのである。
 妊娠したことを知った妹は、授産施設を抜け出し、自殺の道を選んだ。
ポチッとよろしく!

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