あっと!ヴィーナス!!第四章 part-1
2019.12.16


あっと! ヴィーナス!!


第四章 part-1

「さて、みなさん。恒例というか自己紹介をお願いしますね。出席番号順にしましょう」
 と言いながら出席簿を広げた。
 出席順だったら、弘美は相川だからいつも一番に呼ばれるはずだった。
 しかし……。
「相田康平君」
「はい」
 と呼ばれて立ち上がる相田君。
 はーっ……、とため息をつく弘美。
 どうやら男子から女子の欄に出席を移行してあるみたい。
 ヴィーナスに手抜かりなしか。
 やがて男子が終わって、女子の番となった。
「相川弘美さん」
 やっぱりね……。
 ちょっと悪戯してみたくなった。
「俺の名前は相川弘美だ。つい昨日の朝まで男をやっていた。こんなことになったのはそ
こにいる女神奇麗とか言う教師のせいだ。実は信じられないだろうが、ヴィーナスという
女神で男から女の子にされてしまった……」
 とここまで言いかけて異様な雰囲気を感じて、言葉を飲み込んだ。

 自分の声以外何も聞こえないのだ。

 生徒達のざわめき、運動場からの体育の掛け声、窓際に茂っている木々の風にそよぐ音。
 一切が消えていた。
 しかも教室を見回してみると、生徒達さえも動きを止めていたのだ。
 鼻くそをほじくっている生徒。
 背中がかゆいのかシャツの襟から手を突っ込んでいる生徒。
 髪の毛の手入れに余念がない生徒。
 あくびをして大きく口を開け、手で隠している生徒。
 みんな固まったまま微塵も動かない。
 自分のまわりだけが時間が止まっていた。
 すべてヴィーナスのせいか?


11
光ケーブルが切れた(;´Д`)
2019.12.15
台風19号は各地に被害をもたらしました。

我が川越市のアパートも何とか耐えました。が……。
翌日に突然インターネットが切断されました。
調べてみると、電柱から自宅に引き込むケーブルが切れていた。
台風には持ちこたえたが、続く翌日からの強風に煽られて、切れてしまったようだ。

修理を依頼してみたら、台風被害による修理依頼が至る所で発生して、工事が超立て込んでいて、数ヶ月先になるとのこと。ヤレヤレ… ヽ(゚~゚o)ノ アキマヘンワ

ならば、どうせ引っ越すわけだし、移転先が決まったら改めて回線引こうということにした。

しかし、光ケーブルによるTVは見られないし、インターネット中毒だし、何よりもインターポットで遊べないし、コノキの世話ができないのが辛い。

光回線は使えないけども、料金は容赦なく毎月掛かる、なのでNTTやプロバイダーに、契約解除の電話をかけまくった。ひかりTVもスカパーもね。
ホームページなどのレンタルサーバーはそのまま継続する。

にしても今までインターポットに時間を掛けていたのに、それで遊べなくなると……。

今回の件で、インターネット環境として、有線の光回線だけでは、万が一の時に困る。
というわけで、無線回線も欲しいなと思う今日この頃。
モバイルWiFi機器にするか、デザリング機能のあるスマホにするか……悩む。

2019.12.15 17:12 | 固定リンク | 雑記帳 | コメント (0)
銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第五章 ターラント基地攻略戦 VI
2019.12.15

 機動戦艦ミネルバ/第五章 ターラント基地攻略戦


                 VI

 A班は、リーダーのオーガス曹長を中心にして、地図を広げながら作戦会議を行って
いた。
「ポイントは密林の中央に広がる湿地帯だな。これをいかに利用するかに、作戦成功の
鍵が秘められていると言っても過言ではないだろう」
「敵を湿地帯の中へ誘い込むのですか?」
「そういう手もあるが、俺は逆のことを考えている」
「逆といいますと?」
「例えば、脳細胞の単純なナイジェル中尉などは、猪突猛進で真っ直ぐ俺たちの班に向
かってくると思う」
「まあ、それは言えてるかも知れませんね」
「そこでだ。我々はわざと湿地帯の中を通って、ナイジェル中尉の背後に回り込んで奇
襲を掛けることができるだろう」
「つまり最初のターゲットはナイジェル中尉というわけですね」
「その通りだ。性格も良く判っているし、どう動くかも予想がつき易い」
「ところでサブリナ中尉は、どちらに動きますかね?」
「判らんが、心配しても仕様がないだろうし、こちらが湿地帯を突き進んでいることま
では想像もしていないだろうし、空になったベースキャンプで地団太踏むだけさ」
「ハイネ上級曹長の班は?」
「対角線上側にいる相手は、とりあえず考えなくてもいいんじゃないかな。我々がハイ
ネ上級曹長と一戦交えるのは、ナイジェル中尉を片付けてからだ」
 という具合に作戦会議に余念がない。

 それに対して他の班は、武器や機体のチェックに余念がない。
 A班が作戦に固執しているのに対して、他の班は直接戦闘に関わることを考えている
ようだった。

 ミネルバの艦橋のスクリーンには、そんな各班の動きがモニターされて投影されてい
た。
「A班は余裕ですね」
「まあ、考えは人それぞれですから」
「艦長。時間です」
 オペレーターが戦闘開始時刻を告げた。
「はじめてください」
 フランソワのその一言によって、戦闘開始の狼煙があがる。
「AからD班、戦闘開始せよ」
 通信を入れるオペレーター。
 勇躍として密林へと繰り出していく各班のモビルスーツ隊。
 オーガス曹長のA班と、ナイジェル中尉のB班が、互いに接近するように進撃してい
た。そして、中間点に差し掛かる頃、作戦通りに湿地帯に迂回するA班だった。B班の
背後に回り込む作戦を実行していた。
 その頃、ハイネ上級曹長はまったく動かずに、何やら工作活動らしきことをやってい
た。
 そしてサブリナ中尉はというと……。
「ナイジェル中尉、聞こえるか?」
『何か用か?』
 B班のナイジェル中尉と通信回線を開いて交信中だった。
「提案があるのだが」
『提案?』
「ここは一つ共同戦線といかないか?」
『共同戦線だと?』
「そうだ、四班入り乱れての戦闘は何が起こるか判らない」
『まあ、そうだろうな』
「そこでだ。我々二班が共同でオーガスかハイネのどちらかを叩く。数の上で二倍にな
るから勝利は確実だ」
『ルール違反にならないか?』
「いや、この戦闘訓練の作戦概要の禁止条項には含まれていない」
『いいだろう、共同戦線といこう。で、どちらから仕掛ける?』
「オーガス曹長の班を先に叩く」
『ふん。それもいいかも知れないな。こしゃまな口を塞いでくれるわ』
「奴は、湿地帯の中を通って、B班の後背に回り込む作戦だ」
『湿地帯だと? なるほど奴の考えそうなことだな』
「湿地帯から上陸する出鼻を森に潜んで集中攻撃すればひとたまりもないだろう。私は、
湿地帯の中にいるものや、逃げ込んでくるのを攻撃する」
『なるほど、いい作戦だ』
「そちらの攻撃開始を合図に、こちらも攻撃を開始する」
『わかった。多少こちらに分が悪いが、奴の動きを教えてくれたことでおあいことしよ
う』
「ハイネ上級曹長の動きが見られないのが気になる。慎重を期したほうがいいだろう」
『ハイネか。無口な奴だからな。何を考えているのか判らん』
「まあな……。それじゃあ、武運を祈る」
『そちらこそな』
 通信を切断して、腕組みをして考え込むサブリナ。
 やがて腕組みを解いて再び通信機を操作する。
「カリーニ少尉!」
 副隊長のカリーニを呼び出す。
『はっ! カリーニです』
「進行状況はどうなってるか」
『はい。遠距離攻撃用のミサイルへの換装は終了しております。残るブラスター砲の調
整もまもなくです』
「まもなく戦闘開始だ。急いでくれ」
『わかりました』

 その頃、ナイジェル中尉の班は湿地帯から攻めてくるはずのオーガス曹長の班に対す
る迎撃体制を整えていた。
「中尉。湿地帯の方角にエネルギー反応です」
「来たか。十分引き付けてから攻撃を開始する。上陸するその時を狙うのだ」
「了解!」
 通信を終えて、
「さすが作戦巧者のサブリナ中尉だ。鋭い読みをする」
 と、しきりに頷いていた。
 いずれ戦わなければならないとは知りつつも、今は目前の敵に集中すべきだと、意識
をオーガス曹長との戦いに専念することにした。


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銀河戦記/鳴動編 第二部 第四章 皇位継承の証 X
2019.12.14


第四章 皇位継承の証


                 X

 宮殿謁見の間。
「アレックス、だいぶ活躍しているようですね」
 エリザベスは、統制官大号令によって貴族達の反感が高まってきているのを知っていた。
貴族達からの陳情もあったが、あえて是正はしなかった。
 ひたひたと押し寄せてくる外敵からの脅威に備えなければならないのは、ジュリエッタ
が襲われたことからしても、身に沁みて感じていたからである。
「はい。総督軍なり連邦軍との戦争が間近に控えているというのに、平和的ムードに浸っ
ている人々があまりにも多いので、致し方なくはっぱを掛けております」
 すると大臣の一人が意見を求めた。
「統制官殿は戦争が間近だとおっしゃられたが、連邦・共和国双方とは友好通商条約を締
結しており、戦争の危惧はないはずですぞ」
 大臣達は、貴族達の代弁者でもある。何かにつけて統制官たるアレックスのやることに
異論を訴えていた。
「条約はいずれ破られるものです。過去の歴史をみれば判るでしょう。ジュリエッタ皇女
が襲われたことは知らぬとおっしゃられるか?」
「いや、あれは海賊の仕業だということだが……」
「連邦軍ですよ。連邦艦を偽装して海賊に見せかけてはいるが、内装やシステムは紛れも
なく連邦のものです。搾取した艦艇を調べて判明しました。総督軍は着々と侵略に向けて
の準備を進めています」
 さらに大臣達に脅しをかけるように強い口調で言った。
「もし仮に帝国軍が敗れるようなことになれば、貴族達のすべてが爵位を剥奪され、領地
や土地を没収されてしまいます。よろしいのですか?」
 さすがに反論はできないようであった。
「私は、共和国同盟において連邦軍と戦い、同盟が滅んだ今もなお解放戦線を組織して戦
い続けています。解放戦線の情報部からは、リアルタイムで連邦軍や総督軍の動きが、逐
一報告されてきているのです。総督軍の帝国侵略近しとね」
 実際に戦い続けてきた解放戦線最高司令官としての発言は、重厚な響きを持っていた。
 静まり返る謁見の間。

 統制官執務室に戻ったアレックス。
 窓辺に佇みながら、眼下の宮殿参りの貴族達の行列を眺めている。
「戦争が間近に迫っているというのに、呆れた連中だな。己の保身のことばかり考えてい
る。貢物を献上するくらいなら、民衆にほどこしをするなり、税金を下げるなりしないの
か。賄賂が横行し腐敗政治となっている委任統治領も少なくないという。いっそのこと統
治領を輪番制にして、三年なり四年の任期で、どんどん頭を挿げ替えればいいのかも知れ
ないな」
「それは軍部統制官の職務からはずれます」
 そばに控えていた次官が忠告した。
「判っている。言ってみただけだ」
 軍部統制官の仕事だけで、問題が山積みとなっているのである。
「国政のことを考えている暇はありません」
 とでも言いたげな次官の表情である。
「国政に関しましては、皇太子におなりになられた時に、改めてお考えになってくださ
い」
「ああ、そうだな……」
 それがいつになるかは判らないが……。
「さてと……。明日、明後日は故郷へ里帰りだ。留守の間のことは、予定通りに進めてお
いてくれ」
「かしこまりました」
 故郷とは、アレックスが生まれ育った土地である。アルビエール候国ハロルド侯爵の領
地、惑星ソレントである。
 アレックスがこの大切な時期に、ソレントへの渡郷を決断したのには理由がある。
 あることを確認しようと考えたからである。


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冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・1(金曜劇場)
2019.12.13

冗談ドラゴンクエスト II
冒険の書・1




 電源スイッチを入れる。
 ENIXSO PRESENTS から、スタートとコンティニュー及び MESSAGE SPEED 選択画面。
 スタートを押せば、名前入力画面だ。
 もちろん、勇者だぜい!
 ひらがな入力しかできないけど……。
 入力が終われば物語のはじまりだ!

ナレ「ある日、ルーラシア王国に一人の傷ついた兵士がたどり着きました」
兵士「ルーラシアの王様!大神官パーゴンの軍団が我がサンブルグのお城を!大神官パー
ゴンは、まがまがしい神を呼び出し世界を破滅させる気です!王様、何とぞご対策を……
ぐふっ(行き倒れる)」
国王「王子、勇者よ。話は聞いたな?そなたもまた勇者ロトの血を引きしもの。その力を
試される時がきたのだ!旅立つ覚悟が出来たならついてまいれ」
ナレ「と言って、階段のところへ行き、勇者を待っている」
勇者「なんだ、ドラクエII(FC版)の冒頭じゃないか」
ナレ「と言いながら、耳をかっぽじっている」
勇者「どうでもいいぞ」
ナレ「とにかく近くの者に話しかけるのが、RPGの原則です」
勇者「おい、そこのじじい」
じい「勇者王子!じいは、王子と離れるのがつろうございますぞ!」
勇者「おい、そこの衛兵」
衛兵「旅のご無事を祈っております。勇者王子さま」
ナレ「で、何度も話しかけても、壊れたレコードのように決まり文句を繰り返すだけ」
勇者「どっか、遊びに行くか」
ナレ「しかし、たった一つの出入り口である階段は王様が塞いでいます」
勇者「非常口とかねえのかよ。消防法違反だぞ。しようがねえなあ、おい王様とやら」
ナレ「話しかけようと近づくと、スッと階段下へと消えてしまいます」
勇者「逃げるなよ!」
ナレ「追いかけて階段下に降りると」
王様「さあ、その宝箱を開け、旅の支度を整えるがよい。サマートリアとサンブルグには、
同じロトの血を分けた仲間がいるはず。その者たちと力を合わせ邪悪なるものを滅ぼして
まいれ!」」
ナレ「階段脇には、これぞとばかりの宝箱が置いてあった」
勇者「おい!ナレーション、聞いているか?」
ナレ「な、なんでございましょうか」
勇者「冒頭シーンを一度で書きとめられたか?」
ナレ「え、いや。台詞がどんどん流れてしまうもので、何度もリセットして最初からやり
直して書き留めました」
勇者「だろうな。だがよ、取扱説明書にストーリーとしてちゃんと書いてあるんだぜ。無
駄な苦労したな」
ナレ「はあ……後で気が付きました(ゞ(´Д`q汗)+・.」
勇者「ところで聞くが、ファミコン持ってるのか?」
ナレ「はい。スーパーファミコンも持ってます」
勇者「物持ちだな。ソフトは?」
ナレ「はあ、ドラクエとFFのシリーズばかりですが……他のが数本」
勇者「わかった。で、俺はこれからどうすればよい?」
ナレ「と、申されましても……まずはそこの宝箱を開けて」
勇者「宝箱を開けなくとも知っているぞ。どうのつるぎ1本と50ゴールドしか入ってな
いじゃんか」
ナレ「町の人々から情報を得るのがRPGの常道ですが」
勇者「どうせ娘に、『セックスしようぜ』とか話しかけても、『ああ、勇者王子さま、行
ってしまわれるのですね……わたしはせつのうございます』としか言わないからな」
ナレ「と申されましても……」
勇者「まあいいや。この宝箱は一応貰っとくか」
ナレ「と、宝箱を抱える勇者?ちょっと宝箱ごと持っていくのですか?」
勇者「だってよ。宝箱開けても、宝箱は消えるじゃないか。つまり宝箱ごと持ち去ったと
いうことだろ?中身だけ取ったら宝箱は残るはずじゃないか」
ナレ「そ、それはそうですが」
勇者「まあ、何にせよ。この城内にある宝箱は全部鍵の掛かった部屋の中だからな、もう
城には用がないということだ」
ナレ「と、城下町に繰り出すのだった」
勇者「おいこら、城下町っつたって、道具屋と宿屋、そして犬がいるだけじゃないか」
ナレ「まあ、そんなこと言わずに」
勇者「まったく……。おい、そこの道具屋」
道具屋「ここは、どうぐやです。どんなごようでしょうか?」
勇者「やくそうをくれ!」
道具屋「すいません。それをかうにはおかねがたりませんが……」
勇者「おっと、まだ宝箱の中から金を取り出してなかったな。いや、待て!俺は、王子だ
ぞ。王子から金を取るのか?」
道具屋「15Gになります」
勇者「ただでくれ!」
道具屋「すいません。それをかうにはおかねがたりませんが……」
勇者「しようがねえ」
道具屋「では、またのおこしをおまちしています」
勇者「そこの宿屋!」
宿屋「たびびとのやどにようこそ。ひとばん4ゴールドですが、おとまりになりますか?」
勇者「もういい!そこの犬!」
犬 「わん わん わん!」
勇者「まったく。世界を救えといいながら、ろくな武器も金もくれねえ上に、王子から金
を巻き上げようとするとは。仲間が死んだら死んだで、また金とるんだよな」
ナレ「まあまあ、そう言わずに。これがドラクエの世界観なんですから」
勇者「うるせえ!俺は勝手にやらせて貰うぜ」
ナレ「と、大手を振って城の外へと歩みだしたのであった」

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