冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 37
2019.08.06


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 37


05/04 01:51 ナタリー「ギルド? 報酬はいくら?」


05/04 01:52 道具屋「マンドレイクを重量100グレンあたり、10000Gです」


05/04 01:53 ナタリー「よっしゃー! その依頼、あたし達が請け負った」


05/04 01:55 道具屋「それはありがたいのですが、この村のギルドの職員もみな猫にな
ってますから、契約ができないですよ」


05/04 01:55 ナタリー「あなたと直接契約はできないの?」


05/04 01:56 道具屋「それはできません。二重契約になりますから」


05/04 01:57 ナタリー「うう……。なんとかならないのかしら」


05/05 03:46 コンラッド「村人が困っているのに、黙って見過ごしていくわけにもいか
ないでしょう」


05/05 23:24 ナタリー「そりゃまあ、コンラッドは騎士で、人を助けるのが心情の職業
ですものね」


05/05 23:25 コンラッド「そのとおりです」


05/05 23:27 リリア「いいじゃありませんか。袖触れ合うも多少の縁というじゃありま
せんか」


05/08 03:42 道具屋「こうしませんか。私が証人になりますから、後承認契約を結びま
しょう」


05/08 03:42 ナタリー「後承認契約?」


05/08 03:43 道具屋「たった今、わたしが考え出したものです」


05/08 03:44 ナタリー「なんだ、それじゃあ効力がないんじゃない?」


05/08 03:46 道具屋「それは何とも言えませんが、ギルドの方々だって猫にされた呪い
を解いてもらうんですから。きっと納得していただけるでしょう」


05/08 03:46 ナタリー「あやしいものだわね」


05/08 03:47 道具屋「あともう一人証人があった方が良いでしょう。そこの騎士さんが
良いでしょう」


05/08 03:47 コンラッド「わたしですか?」


05/08 03:49 道具屋「お見受けしたところ、王国騎士団のナイトの称号を持っていらっ
しゃるようですね」


05/08 03:50 コンラッド「判りますか?」


05/08 03:51 道具屋「身内からあふれる気品が漂っています」


05/08 03:59 ナタリー「ナイトって偉いの?」


05/08 04:01 リリア「王国のために身を奉げ、国民を守るために死をもいとわずに戦う
とか」


05/08 04:03 道具屋「そうです。公式的に認められた身分ですからね」


05/08 04:03 ナタリー「いわば、国家公務員上級職みたいなものね」


05/08 23:56 リリア「なんですか? その公なんとかというのは……」


05/09 00:00 ナタリー「官僚天下りでべらぼうな報酬を貰ったり、予算から裏金として
プールしたりして自分達の遊行費や飲食代として、国民の税金を無駄使いする悪徳役人
のことよ」


05/09 00:01 リリア「ひどい話ですね」


05/09 00:05 ナタリー「そのくせ人手が足りないかったからと言い訳して、幼児虐待や
育児放棄で多くの子供たちが死んでいくのを、手をこまねいて見過ごしている職務怠慢
な奴らとかね」


05/09 00:06 リリア「許せないですね。高給をいただいているのだから、24時間血眼
になって国民のために働きなさいといいたいです」


05/09 00:07 道具屋「あの……。何の話しをしておられるのですか?」


05/09 00:08 ナタリー「ああごめん。話がそれたわね、ニポンとかいうおめでたい国の
ことを言っていたのよ」


05/09 00:11 道具屋「ニポン?」


05/09 00:12 ナタリー「大陸を遥か遠くに渡った、地球の果てにあるという広大な滝の
すぐそばにあると噂されている国でね」


05/09 00:16 コンラッド「話を元に戻しませんか?」


05/09 00:17 ナタリー「ああ、悪かったわね。コンラッドはいい人だから気にしないで
ね」


05/09 00:18 コンラッド「ともかくマンドレイクを採集するために、妖精の森に出かけ
ようと思うんです」


05/09 00:20 ナタリー「いよっ! さすが王国騎士、どんな苦難にも挑戦するいい男」


05/09 00:20 コンラッド「茶化さないでください」



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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 36
2019.08.05


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 36


04/29 03:32 リリア「それじゃあ、早速解呪薬を作りましょう」


04/29 03:33 道具屋「それが、もう一つ材料が足りないのです」


04/29 03:33 コンラッド「それは何ですか?」


04/29 03:36 道具屋「マンドレイクです」


04/29 03:36 ナレ1「解説しよう。マンドレイク(Mandrake)、別名マンドラゴラ(Man
dragora)とは、ナス科、マンドラゴラ属の植物である。古くから薬草として用いられた
が、魔術や錬金術の原料として登場する。根茎が幾枝にも分かれ、個体によっては人型
に似る。幻覚、幻聴を伴い時には死に至る神経毒が根に含まれる」


04/29 03:53 リリア「マンドレイク? 以前錬金術師から聞いたことがあります。人の
ように歩き回り、引き抜くと悲鳴を上げてまともに聞いた人間は発狂してしんでしまう
という伝説があります」


04/29 03:55 ナタリー「それじゃあ、採取できないじゃない」


04/29 03:58 リリア「ですから、飼い犬などを首輪でマンドレイクに繋いでおいて、遠
くから犬を呼び寄せるのです」


04/29 04:01 コンラッド「犬は飼い主の元へ駆けだし、首輪に繋がったマンドレイクを
引き抜くということか。しかし、犬は……」


04/29 04:02 リリア「はい。マンドレイクの悲鳴を聞いて死んでしまいます」


04/29 04:04 ナタリー「あたしも聞いたことがあるわ。マンドレイクの取引には、死ん
だ犬も一緒にということらしいわね」


04/29 04:05 道具屋「まあ、どれも噂ですから……。ほんとのところは誰にも判りませ
ん」


04/29 23:03 コンラッド「ともかく、そのマンドレイクを手に入れないといけないよう
ですね」


04/29 23:22 リリア「どこにあるか判っているのですか」


04/30 22:33 道具屋「このモトス村から南へ12000マイラほど行ったところに妖精の森
があるらしいのですが、その森のどこかに茂っていると言われています」


04/30 22:35 リリア「妖精の森ですか? 森に入った旅人を惑わす結界が張られている
と聞いたことがあります」


04/30 22:37 道具屋「はい。森に入ったら二度と生きては帰ってこられないとか。だか
ら誰も近づかないそうですよ」


04/30 22:41 ナタリー「うう……。またぞろ人面樹が出てきそうな所ね」


05/02 01:30 コンラッド「村人の状況を知った以上は、そのマンドレイクを手に入れる
ために妖精の森へ行くべきだと思うのですが」


05/02 01:33 ナタリー「生きては帰れないかも知れないのよ。それに、マンドレイクを
どうやって採集するのよ」


05/02 01:39 コンラッド「マンドレイクなら、犬の代わりに猪などの動物でも良いでし
ょう。食料は必要ですし、どうせ屠殺してしまうのですから」


05/04 01:43 リリア「考えていてもしかたがありません。村人を救うためにも妖精の森
へ行きましょう」


05/04 01:44 ナタリー「冒険に出たことがないリリアが言うような言葉じゃないと思う
けど」


05/04 01:45 リリア「でも、なんとかしたいと思いませんか? 人として」


05/04 01:47 ナタリー「気軽に言うものじゃないと思うけど」


05/04 01:49 リリア「でも……」


05/04 01:50 道具屋「あの、無理していただかなくても結構です。妹にもマンドレイク
を手に入れるように頼んでますし、ギルドにも依頼を出してますから」


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銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ XII
2019.08.04


 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ


                XII

 バルモア基地の岸壁に強襲着陸したミネルバ。
 四方八方からの攻撃を受けているが、何とか善戦している。
 そこへモビルスーツ三機が走り込んでくる。発着デッキに飛び乗り、昇降機によって
艦内へと格納された。
 カサンドラの訓練生達もキースの班に誘導されて次々と乗り込んでいる。
「モビルスーツ格納完了しました」
「訓練生の収容も完了しています」
「よろしい。ただちに浮上して下さい。すみやかに撤収します」
 急速浮上して山越えしていくミネルバ。野砲大隊を軽く潰して砂漠へと進入した。
「シャーリー・サブリナをここへ呼んでください」
 早速シャーリーが呼ばれる。
 フランソワの前に出て敬礼するシャーリー。
「報告を」
「はっ。今回の作戦任務において、旧式モビルスーツ二機と新型一機とを奪取に成功し
ました。しかしながらもう一機の新型は、奪取に成功したものの、パイロットが操作ミ
スをしたのか、システムが暴走したのか、はるか彼方へと飛んで行ってしまいました。
この機体のパイロットは、実はカサンドラの訓練生です。本来乗り込む予定だったキャ
ンベル伍長が撃たれ、起動ディスクを受け取った訓練生が代わりに乗り込んでしまった
のです」
「なるほど、良く判りました。詳細報告書は後にして、下がって休みなさい」
「ありがとうございます。失礼します」
 再び敬礼して、踵を返して引き下がるシャーリー。
「新型モビルスーツの飛び去った軌跡を追跡できたか?」
「はい。追跡できております」
「発信機の方も、微かではありますが受信しております」
「よし! 新型は是が非でも回収せねばならない」

 その頃、アイク達の乗る新型モビルスーツは砂漠の真ん中に不時着し、岩にもたれか
かるようにしていた。
 コクピットの中で膨れっ面のサリー。計器類を調査しているジャン。そしてアイクは
というと、シートに深々と腰を沈め腕枕をして、ぼんやりと映像の消えたスクリーンを
眺めている。
 電力消費を倹約するために、必要最低限の機器だけを作動させていた。
「なんで墜落したのよ」
「しようがないだろう。ガス欠なんだから」
「動けないなら、歩いて近くの町へ避難しましょうよ」
「ここは砂漠のど真ん中だぜ。一番近くの町でも何百キロとあるんだ。途中で干からび
ちゃうよ。それに至る所が流砂になっていて、踏み込んだら最期、あっという間に砂の
中に沈んで窒息死だよ」
「寒いわ……」
「そうだな。外の気温は五度。夜明けには氷点下にまで下がるが、昼間になると今度は
灼熱地獄変わるさ」
「ヒーター入れてよ」
「だめだよ。エンジンが動いていないんだ。すぐにバッテリーがなくなるよ。遭難信号
を出す発信機のために電力を残しておかなくちゃ」
「……。ところでジャン。さっきから何をやってるの」
「こういう場合に備えて、大概サバイバルツールが装備されているはずなんだ。それが
どこにあるか調べているんだ」
「弾丸だって一発も積んでいないんだぜ。サバイバルツールだって積んでないんじゃな
いか?」
「いや、サバイバルツールは常備品として、出荷時点で積むからあるはずだ」
「でも撃墜されて、脱出シュートで緊急脱出したら使えないんじゃない?」
「脱出?」
 見合わせるアイクとジャン。
「そうか! 座席だ。座席の下だ」
 座席を動かして下を探す二人。


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銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 XIII
2019.08.03


第三章 第三皇女


                XIII

「敵艦隊旗艦、アークロイヤル発見!」
 ついに待ちに待った情報が届いた。
「ようし、遊びは終わりだ。全艦ワープ準備! 敵旗艦空母の周辺に座標設定」
「了解! ワープ準備に入ります。座標設定、敵空母周辺」
 操舵手が復唱する。まさに楽しそうな表情で、ピクニックにでも行くようだ。それも
そのはずで、あのミッドウェイにおいても操舵手を務めていたのである。空母攻略のた
めの小ワープは、その時と状況がほとんど似通っており経験済みの余裕であった。
「白兵戦の要員は、ただちに発着場に集合せよ」
 ミッドウェイでは総攻撃を敢行したが、今回はアークロイヤルに接舷し、白兵戦で艦
内に侵入する。そしてマーガレット皇女を保護する作戦である。
「艦長、後は任せる。作戦通りに動いてくれ」
 立ち上がって指揮官席を譲るアレックス。
「おまかせ下さい」
 作戦を参謀達に伝えた時、提督自らが敵艦に乗り込むことに、反対の声も少なくなか
った。しかし、作戦が困難であればあるほど、部下にだけに苦労させたくないというア
レックスの心情と性格は、誰しもが知っていることである。カラカス基地攻略戦、タル
シエン要塞攻略戦など、生還帰しがたい作戦だからこそ自ら率先してきたのでる。
「内乱を引き起こしたとはいえ、相手は皇女様だ。私が行かなければ失礼にあたるだろ
う」
 そう言われてしまうと誰も反論することができなかった。

 その頃。旗艦空母アークロイヤル艦橋では、マーガレット皇女が、戦闘機編隊の不甲
斐なさに憤慨していた。
「たかが駆逐艦に戦闘機が手をこまねいているとは……」
「いいえ、よくご覧下さい。そのたかが駆逐艦の動きです。さながら戦闘機のようでは
ありませんか。まるで曲芸飛行をのようです」
 そう答えるのは、艦隊司令のトーマス・グレイブス少将である。
「こちらは三万機もの戦闘機で迎え撃っているのですよ。相手はたった二百隻ではあり
ませんか」
 戦闘機がたかが駆逐艦に負けるわけがない。
 そうでなければ、自軍の艦隊編成を見直さなければならない。戦闘機の攻撃力と機動
性を信じたからこそ、アークロイヤルはじめ数多くの航空母艦を主体とした空母艦隊を
組織したのである。戦闘機がこうもあっさりと惨敗し、しかも敵艦はほとんど無傷とな
れば、まさしく空母無用論を唱えたくなる。
「とにかく、このままでは……。一旦退却して体勢を整えさせましょう」
 その時だった。
 敵艦隊が突如として消えてしまっただ。
「消えた?」
「どういうことですか?」
「わかりません」
 次の瞬間、目前に敵艦隊が再出現したのである。
 突然の出来事に目を丸くして驚愕する一同。
 空母は、戦闘機の発着を円滑に行うために、艦同士の距離をとってスペースを開けて
おかなければならない。そのスペースを埋め尽くすように敵艦隊が、アークロイヤルの
周囲を取り囲んでしまったのである。これでは味方艦隊は攻撃をできない。まかり間違
えば、アークロイヤルに被害を及ぼしてしまうからである。
「完全に包囲されています」
「何とかしなさい」
「無駄です。我々は人質にされてしまいました。味方は攻撃することができません」


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妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の拾参
2019.08.02


陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪(金曜劇場)


其の拾参 殺戮(さつりく)の果て


 目の前に懐かしい生家が、焼野原の中に奇跡的に無事に立っていた。
「ただいま!」
 玄関の扉を開けて中に入り、帰宅の声を上げる。
 返事はなかった。
 もう一度大声で、妻の名を呼ぶ。
 やがて奥の方で物音がしたかと思うと一人の女性が姿を現した。
「どなた?」
 出てきた女性は、男の顔を見るなり驚愕し、へなへなと床にへたれこんだ。
 男は、その女性の夫だった。
「ど、どうして?」
 その身体の腹部は膨満しており、明らかに妊娠しているとわかる。
「おまえ……誰の子供だ!?」
「こ、これは……」
 おなかを手で隠すようにして、言い訳を探そうとする女性だった。
 その時、玄関から何者かが入ってきた。
「무엇을하고있는」*1
 意味不明な言葉を発する侵入者は、腰に下げたホルスターから拳銃を抜いて構えた。
 そして間髪入れず引き金を引いた。
 弾は男の胸を貫いて、血飛沫が飛び散り土間を血に染めた。
 倒れた男の上を跨いで女性に詰め寄る侵入者。
「바람을 피우고 있었는지」*2
 女性の胸ぐらをグイと引っ掴み、ビンタを食らわす男。
 さらに手を上げようとした時、
「うっ!」
 苦痛に歪む顔。
 ゆっくりと振り返ると、背中に突き立てられた包丁。
 土間に倒れていた男が立ち上がり、流しに置かれていた包丁を手に反撃したのである。
 その包丁を引き抜くと、ドバっと血飛沫が土間一面に広がる。
 声を出そうとする侵入者だったが、肺に穴が開いたのか、声の代わりに背中から血が
噴出するだけだった。
 土間に突っ伏す侵入者。
 男はそれに目もくれずに、女性に向かって怒鳴る。
「そのお腹の子供はどうした? 誰の子供だ!」
 シベリア抑留で長期抑留されていたので、妻が妊娠することはあり得ない。
「誰の子供だ!」
 もう一度質問する男。
 すっかり怯え切って声も出ない女性だったが、ゆっくりと手を動かして、土間に倒れ
ている侵入者を指さした。
 その指先に差された侵入者を見やりながら、すべてを納得した男。
 お国のために命を投げ出して戦い、辛い抑留生活を送っている間に、自分の妻が間男
と逢瀬を重ねて、あまつさえ身籠ったのだ。
 許されるはずがなかった。
 包丁を振り上げると、女性のお腹めがけて振り下ろした。
 悲鳴を上げ絶命する女性。
 怒りは収まらず、突き刺した包丁で腹の中をえぐり始める。
 飛び出した腸を掻き出し、さらに奥の胎児の入った子宮をも引きずり出した。
 それらの内臓を土間に投げつけて、さらに包丁を突き立てて残虐な行為は続いた。
 はあはあ……。
 肩で息をしながら、自分のした行為に気が付く男。

 何のために今日まで生きてきたのだろう……。
 何のためにお国のために命をかけてきたのだろう……。

 何のために……。

 男は血のりの付いた包丁をしばらく見つめていたが、その刃先を首筋に宛てたかとお
もうと、一気に掻き切った。
 土間に倒れ込んだ男の周りが、飛び散った鮮血が一面を真っ赤に染め上げる。
 血の海は土間の土の中へと滲みこんでいく。
 と突然、土の一か所が異様に輝き始め、辺り一面の血液を吸い込み始めた。
 やがて静寂が訪れる……。

*1 何をしている
*2 浮気をしていたのか


11

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