妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の拾弐
2019.07.26


陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪


其の拾弐 大阪大空襲


 1945年(昭和20)3月13日23時57分から14日3時25分の大阪大空襲。
 米軍の焼夷弾投下標的は、北区扇町・西区阿波座・港区岡本町・浪速区塩草に設定さ
れていた。
 グアムを飛び立った第314航空隊の43機が夜間に飛来し、大型の焼夷弾(ナパーム)
を高度2000メートルの低空から、港区市岡に対して爆撃を開始した。
 木と紙でできた日本家屋を徹底的に燃やし尽くすために開発された、民間大虐殺用の
ナパーム弾による大空襲の始まりである。
 続いて、テニアンから、第313航空団のB29 107機が浪速区塩草を爆撃。
 さらに、サイパンから第73航空団の124機が、北区扇町・西区阿波座を爆撃。

 こうして一晩で大阪中心部はほぼ壊滅状態の焼け野原となった。
 阿倍野区は、照準点から少し離れてはいたが、大火災による延焼は避けられなかった。
 至る所で火の手が上がり、木造家屋を燃やし尽くしていった。
 それでも、奇跡的に延焼被害を免れた家屋も所々に散見された。
 そんな家屋の一つ、江戸時代から続く旧家があった。
 母屋を囲うようにして高い土塀があったために延焼を免れたようである。
 その玄関先に一人の男が立ち寄った。
 シベリア抑留から解放され帰国した元日本軍兵士で、久しぶりの我が家の玄関前に立
ったのだ。

 シベリア抑留者は、厳寒の中での重労働を強制される他、ソ連共産党による徹底的な
「赤化教育」が施された。
「天皇制打破」「生産を上げよ」「スターリンに感謝せよ」などのスローガンを叩きこ
まれてゆく。いち早く順応し優秀と見なされた者は待遇もよくなり、従わない日本兵へ
の「つるし上げ」が横行した。日本人が日本人を叫弾するという悪習がはびこっていた
のである。する方もされる方も次第に精神を病んでいった。
 長期抑留から解放されて日本への帰国がかなっても、祖国は焼野原となり多くの者が
家を失っていた。
 安堵して故郷の土を踏んだ矢先、入港した途端に警察に連行され「アカ(共産主義)」
というレッテルを張られて独房に入れられて執拗な尋問を受ける者も多かった。やっと
解放されても、どこへ行っても警察の監視が付いて回った。
 その男もそのような待遇に合わされた一人であった。


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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 31
2019.07.25


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 31


04/15 22:53 リリア「あら、可愛い(猫を抱きかかえる)」


04/15 22:54 コンラッド「それにしても……(いぶかしげな表情)」


04/15 22:54 リリア「(猫の頭を撫でながら)どうしました?」


04/15 22:55 コンラッド「まだ日が高いと言うのに、村人が一人も出歩いていないとい
うのは変ではありませんか?」


04/15 22:56 ナタリー「言われてみればその通りね。皆、教会にでも集まっていると
か?」


04/15 22:58 リリア「午前中ならともかく……。一人もいないというのは、やっぱりお
かしいですわね」


04/15 22:59 ナレ1「一同が村内を見渡すと、そここに猫がたくさんいるが、村人は人
っ子一人見当たらない」


04/15 23:01 ナタリー「村人全員が猫になっちゃったとか?」


04/15 23:02 リリア「まさか(改めて抱いている猫を見つめる)」


04/15 23:03 コンラッド「宿屋は後回しにして、村人がどこへ消えたか原因を突き止め
ましょう」


04/15 23:05 ナタリー「そうね。とりあえず道具屋を訪ねてみましょう。そこに誰もい
なければ……」


04/17 03:37 ナレ1「人っ子一人いない村の中を道具屋を探す一行。道具屋がどこにあ
るか尋ねる村人がいないので難儀する」


04/17 03:38 ナレ2「やがて薬草らしき絵柄の看板が掲げてある店を見つけるリリア」


04/17 03:39 リリア「あれがそうじゃない。きっと道具屋だと思うわ」


04/17 03:39 ナタリー「そうみたいね。行ってみましょう」


04/17 03:40 コンラッド「主人が猫に変えられていなければいいんですけどね」


04/17 03:41 リリア「大丈夫みたいですよ。煙突から煙が上がっています。人がいる証
拠です」


04/17 03:41 コンラッド「なるほど。言われてみればその通りです」


04/17 03:44 ナレ1「煙突から煙の上がっている家の中へ入る一行」


04/17 03:44 ナタリー「こんにちは!」


04/17 03:45 ナレ1「ナタリーが声を掛けると、家の奥から主人らしき人物が現れた」


04/17 03:46 リリア「猫じゃないですね。この村ではじめて出会った人間です」


04/17 03:47 道具屋「いらっしゃいませ。どうやらこの村の異変に気が付いたみたいで
すね」


04/17 03:48 リリア「ええ。人がいなくて猫ばかりがいます」


04/17 03:48 ナタリー「あなたは?」


04/17 03:48 ナレ1「道具屋の女主人の顔を見て驚くナタリー」


04/17 03:58 ナタリー「あなたの妹さん、とある王国の城下町南門で道具屋をやってら
っしゃいますよね」


04/17 03:59 道具屋「ええ、妹が道具屋をやってますけど……。とある王国って?」


04/17 04:00 ナタリー「あはは……。ナレーションの説明不足でまだ王国の名前を発表
していないのよ」


04/17 04:01 道具屋「あら、まあ!」


04/17 04:03 ナレ1「これは済まぬことをした。作者は思いつつままに書いているので、
つい忘れてしまったようだ」


04/17 04:04 ナレ2「とりあえずファンタリオン王国ということにしておこう。うん
♪」


04/19 03:29 ナタリー「妹さんにそっくりなのですぐに判りました」


04/19 03:37 道具屋「妹に会ってここへいらしたということは、何か頼みごとを依頼さ
れませんでしたか?」


04/19 03:38 ナタリー「そうそう、これこれ」


04/19 03:41 ナレ1「そう言いながら、懐中袋から小箱を取り出した」


04/19 03:41 ナタリー「妹さんから、これを姉のあなたに届けるようにと依頼されまし
た」


04/19 03:42 道具屋「ありがとうございます。これを待ち望んでいたのです」


04/19 03:44 コンラッド「それはいったい何なんですか?かなり大切なものらしいです
けど」


04/19 03:46 ナタリー「飛行船を使っちゃだめだの、移動魔法もだめ。と釘をさされま
したからね。28000マイラもの道のりを地べた這いずり回ってきたんですから」


04/19 03:55 道具屋「並々ならぬご苦労をお掛けして申し訳ありませんでした」



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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 30
2019.07.24


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 30


04/14 00:34 ナタリー「道具屋から貰った地図によると、間違いなくモトス村よ」


04/14 00:35 コンラッド「モトス村ですか」


04/14 00:36 ナタリー「クエストを請け負ってから、地べたを這いずり回ること28000
マイラ。ようやくたどり着いたのよ(再び感涙)」


04/14 03:25 リリア「おめでとうございます」


04/14 03:27 ナタリー「荷物を届け終わるまでは安心できないわよ」


04/14 03:37 コンラッド「その通りです。最後まで油断なく行動することが、クエスト
達成の大原則です」


04/15 02:50 ナレ1「と言っているそばから、はぐれメタルが現れた」


04/15 02:50 ナタリー「リリア、聖水を出して」


04/15 02:51 リリア「それが……。さっきので最後でした」


04/15 02:51 ナタリー「そんなあ……」


04/15 02:52 リリア「でも、まだこれがありますから」


04/15 02:53 ナレ1「と言いながら、ポシェットから細長い針のようなものを取り出し
て、はぐれメタルに突き刺した」


04/15 02:54 ナレ2「毒針だ。はぐれメタルの急所を貫いた」


04/15 02:55 ナレ1「はぐれメタルを倒した。10000Pの経験値!」


04/15 02:56 ナタリー「いいもの持ってるじゃない。もう1本ないの?」


04/15 03:00 リリア「この1本だけです。売り物用の花を摘む場所には、毒蜂・毒虫・
毒蛇などの毒をもったものがいますから、それらを捕まえて毒を集めていたんです。血
清といって毒には毒の治療方法があるんです。それで毒針も作っていました」


04/15 03:07 ナタリー「たかが花売りと馬鹿にするもんじゃないわね。広い知識も持ち
合わせているんだ」


04/15 03:10 コンラッド「この辺りにははぐれメタルが、うようよいるようです。モト
ス村へ急ぎましょう」


04/15 03:11 ナタリー「そうした方がいいみたいね。急ぎましょう」


04/15 03:11 ナレ1「こうしてモトス村へ駆け込むようにして入る一行だった」


04/15 03:14 ナタリー「いちばん! モトス村に着いたわよ」


04/15 03:52 コンラッド「やれやれ、やっとですね」


04/15 03:53 ナタリー「あたしは、荷物の届け先の道具屋を探すわ。あなた達は、今夜
泊まる宿屋を探してね」


04/15 22:51 リリア「判りました」


04/15 22:52 ナレ1「と解散しようとした時、1匹の猫がリリアの足元にじゃれつい
た」



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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 29
2019.07.23


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 29


04/13 03:14 ナレ1「身づくろいを終えたリリアと共に次の目的地へと出発する一行だ
った」


04/13 03:15 ナタリー「誰かに挨拶する必要はなかったの?」


04/13 03:16 リリア「あったとしても、この姿じゃ……」


04/13 03:17 ナタリー「それもそうね」


04/13 03:25 ナレ1「突然、はぐれメタルが現れた」


04/13 03:26 ナタリー「やっかいなのが出たわね」


04/13 03:26 コンラッド「戦うまでです」


04/13 03:27 ナレ1「コンラッドは剣で切りかかったが、ダメージを与えられない」


04/13 03:27 ナタリー「しようがないわね」


04/13 03:28 ナレ1「ナタリーが呪文を唱えるが、まるで利かない」


04/13 03:29 ナレ2「はぐれメタルはベギラマを唱えた。一行にそれぞれ80Pのダ
メージを与えた」


04/13 03:30 ナタリー「やっぱりだめね。逃げるわよ」


04/13 03:31 ナレ1「しかしはぐれメタルは素早く動いて逃げられない」


04/13 03:32 コンラッド「攻撃が当たらないし呪文も利かない。そして逃げるもかなわ
ずです」


04/13 03:32 ナタリー「こいつには、じっと我慢して退散してくれるのを待つしかない
わ」


04/13 03:33 コンラッド「もしくはまぐれ当たりを期待して攻撃を続けるか」


04/13 03:33 ナレ1「はぐれメタルはベギラマを唱えた。一行にそれぞれ80Pのダ
メージを与えた」


04/13 03:34 ナレ2「リリアがポシェットから何かを取り出して、はぐれメタルに投げ
かけた」


04/13 03:35 ナレ1「はぐれメタルは溶けるように消滅した」


04/13 03:36 ナレ2「一行は10000Pの経験値を得た」


04/13 03:37 ナレ1「リリアのレベルが5上がった。HPが……(以下略)」


04/13 03:37 ナタリー「すごいじゃない。何を使ったの?」


04/13 03:47 リリア「聖水です。メタルスライムとかに効果がありますよ」


04/13 03:47 コンラッド「なるほど、これは便利だ。剣一筋の私ですが、勉強になりま
した」


04/13 03:53 リリア「村から出るときは必ず持ち歩くことにしているんです。弱い魔物
を寄せ付けない効果もありますからね」


04/13 03:55 ナレ1「さてここで疑問に思っている方もいるかも知れないが。町や村の
中には魔物が出ないのに、一歩外にでれば魔物に出くわすのはなぜか?」


04/13 03:57 ナレ2「この世界においては、町や村には必ず教会が存在する。神聖にし
て魔物を寄せ付けない結界が教会にはある。これが魔物を近づけないわけである」


04/13 03:58 ナレ1「と解説している間にも、一行の旅は進んでいく」


04/13 03:59 ナレ2「一行の目の前に村が見えてきた」


04/14 00:14 ナタリー「うううう……(感涙している)」


04/14 00:14 リリア「どうしたのですか?(首をかしげて)」


04/14 00:16 ナタリー「勇者と関わりを持って旅立ってから冒険の書も29P目。やっと
最初のクエストを達成できそう」


04/14 00:18 リリア「冒険の書? 何ですかそれは」


04/14 00:31 コンラッド「これまでの旅の記録を神様が記録してくれているんです。ま
あ、旅のアルバムというところでしょうか」


04/14 00:33 リリア「そうなんだ……。良く判りませんけど、理解することにします」



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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 28
2019.07.22


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 28


04/10 02:03 ナレ1「一同はニーチェ村に入り、リリアの家に立ち寄った」


04/10 02:46 ナタリー「ここがリリアの家?」


04/10 02:46 リリア「ええ、そうです」


04/10 02:47 ナレ1「と言いながら寂しそうな表情のリリア」


04/10 02:48 ナレ2「かつて暮らしていた自分の家。生活臭がまだそこここに残ってい
た」


04/10 02:49 コンラッド「ご両親は?」


04/10 02:49 リリア「亡くなりました。魔物に襲われて……」


04/10 02:50 ナタリー「そうなの。生活も苦しかったでしょうね」


04/10 02:58 リリア「魔物に襲われて家族を亡くした人はたくさんいますから。自分一
人だけが苦しいんじゃないと、言い聞かせていました」


04/10 02:58 コンラッド「感心しました」


04/10 02:59 ナレ1「そこへ大きな獣がのそりと入ってきた」


04/10 02:59 ナタリー「魔物!?」


04/10 03:00 ナレ1「身構えるナタリーとコンラッド」


04/10 03:01 リリア「(二人を制して)大丈夫ですよ。人を襲ったりはしませんから」


04/10 03:49 ナタリー「飼ってたの?」


04/10 03:50 リリア「そうじゃないですけど、たまに遊びにくるんです。(と言いなが
ら戸棚を探している)まだあるはずなんだけど……」


04/10 03:51 ナレ1「戸棚から小さな缶を持ち出して」


04/10 03:51 リリア「やっぱり、あったわ。はい、お食べ(と獣に差し出す)」


04/10 03:52 ナレ1「獣は、目の前に差し出されたものをクンクンと嗅いでいたが、や
がておいしそうに舐めはじめた」


04/10 03:55 コンラッド「それは何ですか?」


04/10 03:58 ナレ1「獣が舐めている黒い塊を指差してたずねるコンラッド」


04/10 04:00 リリア「近くの森に甘い樹液を出す木があって、それを煮詰めて固めたも
のです」


04/11 03:15 コンラッド「人も食べられるのですか?」


04/11 03:16 リリア「料理の隠し味に使う程度です」


04/12 02:20 ナレ1「獣は餌を舐め終わると、リリアに飛びつくように覆いかぶさると
クーンクーンと鳴いて顔を舐めはじめた」


04/12 02:22 リリア「あはは、やめて。あたしが誰か判るのね」


04/12 02:23 コンラッド「動物の本能というか野生の感で、姿は変わってもリリアさん
だと判るのでしょう」


04/12 02:24 ナタリー「なるほどね。獣も馬鹿にはできないわね」


04/12 02:26 ナレ1「やがて獣は、振り返り振り返りしながら名残惜しそうに去ってい
った」


04/12 02:48 コンラッド「変わった動物でしたね」


04/12 02:49 ナタリー「そうね。目鼻耳と両手足が黒で、全体が白という一見熊のよう
な動物でした」


04/12 02:50 ナレ1「と聞けばジャイアントパンダ(大熊猫)が想像できるであろうが、
なぜこの世界にいるかは謎である」


04/12 02:51 リリア「さてと……。旅の支度をしなくちゃね」


04/12 02:53 ナレ1「リリアが家の中を探して旅に必要な小物を集めて、ポシェットの
ように腰にぶら下げた」


04/12 02:54 リリア「お待たせしました。それでは出発しましょうか」


04/12 02:55 ナタリー「準備は整ったのね。じゃあ、行きましょう」


04/12 02:55 コンラッド「まずはモトス村ですね」


04/12 02:56 ナタリー「そうね。ギルドから請け負った仕事は果たさなくちゃね」



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