レイノー症状と花粉症
2019.12.18
○月○日 レイノー症状

 寒い夜、仕事から帰った時、指に異変を感じた。
 両手の指が、血液が通っていないように白く、冷たく硬くなっていた。
「なにこれ、凍傷?」
 はじめての経験だった。
 とりあえず、湯沸かし器からお湯を洗面器に張って、指を漬けてもみほぐす。
 しばらくお湯でもんでいたら、少しずつ赤みを取り戻して、数分で元に戻った。
 一安心するが、なんでこうなった?と考えるが判るはずも無い。
 翌日からも寒い日には、この症状が現れた。

 この病状は、膠原病に特有のもので『レイノー症状』と呼ばれるものである。


 寒いところから帰って暖かい部屋に戻るとどうなるか?
 そう、体温が上がるので蕁麻疹が出るのだ。

 蕁麻疹とレイノー症に悩まされる日々が続く。


○月○日 花粉症


まだ春遠い季節。
ある日突然に、涙が出てしようがなかった。
目薬を買って目に注してみるが、一向に涙が止まらない。
ほとんど30分おきに点眼していた。
目薬をいろいろと買い換えてみたが
一向に症状が治まらないので、思い余って眼科へ行ってみる。

医師が診断して、開口一番

「角膜が炎症を起こしていますね」

である。
目薬の点眼しすぎが原因らしい。

「原因は花粉症でしょう」

ということで、
【フルメトロン】(抗炎症ステロイド混濁点眼液)
【リザベン】(抗アレルギー・抗炎症点眼液)
と飲み薬(名前忘れた)を処方された。

花粉症も蕁麻疹もアレルギーの一種。
どうやらアレルギー体質になったようだ。
蕁麻疹に苦しむ
2019.12.17
○月○日 蕁麻疹

花粉症になると、誰しもが苦しい思いをするが、世間一般的に、原因がある程度解明され
ており、伝染するものではないと理解されているので、
「大変だね、可哀想」
と同情されることが多い。

しかしながら、原因が特定されていない不明な症状では
「近づかないでね」
とばかりに、遠慮されることもある。

その一つが、蕁麻疹である。
そのほとんどがアレルギーによるものだが、伝染病に起因するものもあり、その場合は問
題だ。


蕁麻疹の要因

1、アレルギー
 その名の由来である蕁麻草や漆などの植物、毛皮などの動物質、イヤリングなどの鉱物
質に触れることによって起こる場合。
 卵・牛乳・小麦など、主に蛋白質からくる食品性。
 ダニの死骸や塵芥を吸い込むことによるもの。
 家具・建具に使われる塗料など、ホルムアルデヒドなどの化学物質性。

2、機械的刺激
 時計バンド、下着のゴムなどの締め付けによるもの。
 他の症例に比べて要因がすぐに判断でき、広範囲には起きない。

3、温熱刺激
 コタツやストーブなど温水や温風のような温かい刺激を受けたところにできる。
 原則には蕁麻疹のほとんどが温めると症状が悪化するので、温熱自体が要因だとは判断
しずらい。
 
4、寒冷刺激
 皮膚が赤くなり、鳥肌状の腫れとかゆみが出る。
 体が急に冷たくなるたびに皮膚に発疹が出現したり、温かいところから寒いところに移
動するとかゆみが出てしまう方は、寒冷蕁麻疹の可能性が高い。

4、日光過敏症
 原因は直射日光によるものですので、意識的に防御をしないと日常生活に支障をきたす
場合が多い。
 基本的に皮膚が弱いので、日傘と夏でも長袖の服着用が必要。

5、病原菌による毒素
 ピロリ菌・マイコプラズマ菌などの病原菌が出す毒素によって起こる。

6、コリン性
 あせもに代表される発汗が原因となるもの。
 これは刺激物質を受けた皮膚にある交感神経の末端で、汗腺を刺激するアセチルコリン
という物質が原因。

7、心因性
 あまりにも急激な環境の変化や著しい精神的ショックを体験したり、慢性的に不都合な
状況にさらされた場合などには、対処していく力が及ばず、不安、焦燥、抑うつ、無気力、
引きこもりといったような精神的症状からくる。

8、アナフィラキシーショック
 アナフィラキシーショックとは重症化したアレルギー症状のこと。
 スズメバチに刺されてアナフィラキシーショックに陥る事件で有名で、そのときに体内
でスズメバチ毒素に対して抗体が作られます。2度目に刺されたときが危険で、抗原抗体
反応が過剰に起こり、先ほどのアナフィラキシーショックの症状が見られる。

9、内臓疾患
 二次疾患としての蕁麻疹として、腎疾患やリウマチ性疾患、循環器障害、皮膚疾患、胃
潰瘍、胃癌などの内臓疾患からくるもの。

?、その他、原因不明


さてさて、ここからが本題。
夏のある日、身体のあちこちに痒みを伴う発疹ができた。
当初は発症原因の判らぬ状態で、別に変わった食べ物を食べた覚えはないし……、いろい
ろと考えた末に、
「一人暮らしで窓を閉め切っているし、夏の暑さでダニが大量発生して身体中を咬まれた
のかも」
と判断した。他には思いつかなかったのだ。
とりあえずダニの燻煙駆除剤と痒み止めを薬局で購入した。
毛布・布団などを部屋干し、外出の機会に室内全体をバルサンしたのだった。

これでダニはある程度駆除できたはず……。

だったのでであるが、発疹はその後も続いた。

??????

ハテナ状態である。


その後に、気づいたことなのだが、
風呂上りとか寝起きなど体温が変調した時に発症し、
数時間続いて、やがて消失する。
闘病記・全身性エリテマトーデスとは?
2019.12.13


自分が患った【全身性エリテマトーデス】とはなんぞや?
というわけで、病名判定基準を見てみましょうか。


全身性エリテマトーデス

① 顔面紅斑
② 円板状皮疹
③ 光線過敏症
④ 口腔内潰瘍(無痛性で口腔あるいは鼻咽腔に出現)
⑤ 関節炎(2関節以上で非破壊性)
⑥ 漿膜炎(胸膜炎あるいは心膜炎)
⑦ 腎病変(0.5g/日以上の持続的蛋白尿か細胞性円柱の出現)
⑧ 神経学的病変(痙攣発作あるいは精神障害)
⑨ 血液学的異常(溶血性貧血又は4,000/mm3 以下の白血球減少又は1,500/mm3 以下の
リンパ球減少又は10 万/mm3 以下の血小板減少)
⑩ 免疫学的異常(抗2本鎖DNA 抗体陽性,抗Sm 抗体陽性又は抗リン脂質抗体陽性(抗
カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラント、梅毒反応偽陽
性)
⑪ 抗核抗体が陽性

[診断の決定]
上記項目のうち4項目以上を満たす場合,全身性エリテマトーデスと診断する。
提供:難病情報センター

 ということなのですが、私の場合1・4・5・6・9・10・11とほとんどの症例が該当
しました。
①では、もう恥ずかしいくらいに、頬から鼻にかけて赤い発疹ができていました。
④では、口腔内潰瘍で咀嚼が難しくて、本来全飯のところをお粥に変えてもらいました。
⑤では、腕を肩から上に上げられないし、膝の関節が異常に腫れていました。筋無力症
で起き上がれなかったり、歩けなかったりしてこれで入院。
⑥では、肺炎と胸膜炎で入院しました。X線写真を見ましたが、蜘蛛の巣状の白い影が
肺の全面を覆い尽くしていました。
⑨では「よく生きていたね」と医者に言われるくらい白血球などが極端に減少していた
らしい。
⑩では、もう一つの難病である抗リン脂質抗体症候群に掛かっています。血液が固まり
やすくなって、血栓症などに掛かりやすくなります。
⑪では、完璧な陽性。抗ds-DNA抗体、補体など血液検査では、もうめちゃくちゃだ
ったらしい。自己免疫疾患である膠原病の有力な指針である。


 というわけでめでたく? 全身性エリテマトーデスという診断が下ったのでした。

 次回から、そんな診断が下る前の、悲惨な病気遍歴を紹介します。

闘病記・序文
2019.10.11


金曜日は、妖奇退魔夜行の連載日ですが、引っ越し準備などで執筆が追い付かずス
トック切れになりました。なので、埋め合わせというか……闘病記を書き綴ること
になりました(;´Д`)

というわけで、よろしくどうぞ。


特定疾患(難病)と診断されるまでに、さまざまな病気を患ったり、いろいろな診
療や治療が繰り返されました。

 わたしも全身性エリテマトーデスという膠原病として正式に確定されるまでに、
蕁麻疹からはじまって、腸閉塞や筋無力症、肺炎・胸膜炎と次々と発症してきまし
た。
 それぞれに前兆症状があって、後から考えるとなるほどそうだったのかと思わせ
ることもあります。
 治療というものは、病名が特定されて初めて、正しい治療を行うことができます。
 病名が確定するまでに、十年以上もの長い間、入退院を繰り返しました。

 難病に苦しむ方の一助として、自分が経験した難病の症状や治療経験を語りたい
と思います。

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