病院にたどり着く、病状からはどこの診察科になるか判断がつかないが、問診表に症状を記入して、総合受付に提出した。
結局、前回と同じ主治医の診療科に回された。
消化器外科である。
一応総合病院とはいえ、所詮個人経営で診療科の内容にも限りがある。
問診表の病状に該当する適当な診療科もなく、取りあえず病歴を把握している消化器外科に当たらせてみようというところであろう。
尿検査、血液検査、レントゲンと一通りの検査が行われる。
もちろん歩けないので、車椅子で移動である。
敗血症、クローン病とたて続けに発症した病歴と、今回の病状からいくつかの病名が考えられただろう。
それを特定するためには、入院して精密検査が必要だった。
こちらは入院の準備は万端整っている。
早速入院手続きがなされて、再三度の入院生活となった。
「尿酸値が高いですね」
と言われた。
尿酸値といえば痛風(高尿酸血症)である。
男性は4〜7mg/dl、女性は3〜5mg/dlが正常値で、これ以上だと痛風が疑われる。
◇
発作が起きたのが突然のこと!!
◇ 足の関節近辺が腫れていること!!
◇ 痛風になりやすい場所に該当していること!!
◇
尿酸値が基準以上に高いこと!!
足の甲の激しい痛みを考えれば、痛風が一番怪しいと言える。
「痛風ですか?」
と聞いてみた。
が、医者は煮え切らない返答しかしなかった。
「痛風の症状はあります。しかし、それだけではないようなのです」
確かに、痛風が原因なら全身の脱力症状までは起きないし、激痛は二三日でおさまり、一週間もすれば痛みは和らぐものであるが、今回の症状はいつまでも続いていた。
何らかの他の病気が関与している可能性が高く、痛風もその合併症として発現していると思われる。
最初の頃は、ベッドから起き上がるのも大変だったが、数日するうちに何とか起き上がれるようになった。
しかし歩けないので、ベッドサイドに携帯便器、いわゆる【おまる】を持ってきてもらった。
投薬は、消炎鎮痛剤の「ロキソニン」他。
炎症による腫れ、痛みをやわらげる作用があります。とくに痛みに対してよく効きます。消炎剤では、炎症そのものの原因は治せませんが、炎症に伴う症状を軽くして、治癒を助けます。内服は上気道炎による炎症・痛み、腰、頸肩腕、関節、慢性関節リウマチ、手術後、歯科などの鎮痛に、貼付剤は筋肉痛などの鎮痛に用いられます。
ロキソニンは貼付剤もあるので、足の甲に貼り付ける。
しかし、足の甲の痛みは一向に治まらなかった。
血行不良を起こしていたのか、足の指が変色していた。
もし放置していれば、指を切断する事態にもなったかもしれない。
少しはロキソニンが効いているのだろう。