22.後縦靱帯骨化症 |
1 自覚症状ならびに身体所見 |
@ | 四肢・躯幹のしびれ,痛み,知覚障害 |
A | 四肢・躯幹の運動障害 |
B | 膀胱直腸障害 |
C | 脊柱の可動域制限 |
D | 四肢の腱反射亢進 |
E | 四肢の病的反射 |
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2 血液・生化学検査所見
一般に異常を認めない。
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3 画像所見
(1) |
単純X線
後縦靱帯骨化は側面像で椎体後縁に並行する骨化像として認められ,4 型に分類される。黄色靱帯骨化は椎弓間に観察される。 |
(2) | 断層写真
単純X 線写真により靭帯骨化の有無の判定が困難な場合は,側面断層写真が有用である。
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(3) |
CT
靭帯骨化の脊柱管内の拡がりや横断面での骨化の形態は,CT によりとらえられる。 |
(4) |
MRI
靱帯骨化による脊髄の圧迫病態を見るには,MRI が有用である。
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4 診断
脊椎X線像所見に加え,1 に示した自覚症状並びに身体所見が認められ,それが靱帯骨化と因果関係があるとされる場合,本症と診断する。
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5 鑑別診断
後縦靭帯骨化症に類似した症状又は徴候を呈するために鑑別診断上注意を要する疾患として次のものがある。強直性脊椎炎,変形性脊椎症,強直性脊椎骨増殖症,脊柱管狭窄症,椎間板ヘルニア,脊柱奇形,脊椎・脊髄腫瘍,運動ニューロン疾患,痙性脊髄麻痺(家族性痙性対麻痺),多発性神経炎,脊髄炎,末梢神経障害,筋疾患,脊髄小脳変性症,脳血管障害,その他。
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6 特定疾患治療研究対象患者の認定基準
下記の(1),(2)の項目を満たすものを認定対象とする。
(1) |
X線写真上で,脊柱靭帯骨化(後縦靭帯骨化)を証明し,しかもそれが神経障害の原因となって,日常生活上支障となる著しい運動機能障害を伴うもの。 |
(2) |
運動機能障害の評価は,日本整形外科学会頸部脊椎症性脊髄症治療成績判定基準(表)の上肢運動機能Tと下肢運動機能Uの評価で認定する。
頸髄症:T上肢運動機能U下肢運動機能のいずれかが2 点以下
(ただし,T,Uの合計点数が7 点でも手術治療を行う場合は認める)
胸髄症あるいは腰髄症:U下肢運動の評価項目が2 点以下
(ただし,3 点でも手術治療を行う場合は認める) |
表:日本整形外科学会頸部脊椎症性脊椎症治療成績判定基準(抜粋)
T 上肢運動機能 |
0. | 箸又はスプーンのいずれを用いても自力では食事をすることができない。 |
1. | スプーンを用いて自力で食事ができるが,箸ではできない。 |
2. | 不自由ではあるが,箸を用いて食事ができる。 |
3. | 箸を用いて日常食事をしているが,ぎこちない。 |
4. | 正常
注1 きき手でない側については,ひもむすび,ボタンかけなどを参考とする。
注2 スプーンは市販品を指し,固定用バンド,特殊なグリップなどを使用しない場合をいう。 |
U 下肢運動機能 |
0. | 歩行できない。 |
1. | 平地でも杖又は支持を必要とする。 |
2. | 平地では杖又は支持を必要としないが,階段ではこれらを要する。 |
3. | 平地・階段ともに杖又は支持を必要としないが,ぎこちない。 |
4. | 正常
注1 平地とは,室内又はよく舗装された平坦な道路を指す。
注2 支持とは,人による介助,手すり,つかまり歩行の支えなどをいう。 |
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