難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

筋萎縮性側索硬化症認定基準(公費負担)

特定疾患情報診断・治療診断

8.筋萎縮性側索硬化症/認定基準

1 主要項目

 (1) 以下の@−Cのすべてを満たすものを,筋萎縮性側索硬化症と診断する。
  @ 成人発症である。
  A 経過は進行性である。
  B 神経所見・検査所見で,下記の1 か2 のいずれかを満たす。
    身体を,a.脳神経領域,b.頸部・上肢領域,c.体幹領域(胸髄領域),d.腰部・下肢領域の4 領域に分ける(領域の分け方は,2 参考事項を参照)。下位運動ニューロン徴候は,(2) 針筋電図所見(@またはA)でも代用できる。
   1. 1 つ以上の領域に上位運動ニューロン徴候をみとめ,かつ2 つ以上の領域に下位運動ニューロン症候がある。
   2. SOD1 遺伝子変異など既知の家族性筋萎縮性側索硬化症に関与する遺伝子異常があり,身体の1 領域以上に上位および下位運動ニューロン徴候がある。
  C (3)鑑別診断で挙げられた疾患のいずれでもない。
 (2) 針筋電図所見
  @ 進行性脱神経所見:線維性収縮電位,陽性鋭波など。
  A 慢性脱神経所見 :長持続時間,多相性電位,高振幅の大運動単位電位など。
 (3) 鑑別診断
  @ 脳幹・脊髄疾患:腫瘍,多発性硬化症,頸椎症、後縦靭帯骨化症など。
  A 末梢神経疾患:多巣性運動ニューロパチー,遺伝性ニューロパチーなど。
  B 筋疾患:筋ジストロフィー,多発筋炎など。
  C 下位運動ニューロン障害のみを示す変性疾患:脊髄性進行性筋萎縮症など。
  D 上位運動ニューロン障害のみを示す変性疾患:原発性側索硬化症など。

2 参考事項
 (1) SOD1 遺伝子異常例以外にも遺伝性を示す例がある。
 (2) 稀に初期から認知症を伴うことがある。
 (3) 感覚障害,膀胱直腸障害,小脳症状を欠く。ただし一部の例でこれらが認められることがある。
 (4) 下肢から発症する場合は早期から下肢の腱反射が低下,消失することがある。
 (5) 身体の領域の分け方と上位・下位ニューロン徴候は以下のようである。


a.脳神経領域 b.頸部・上肢領域 c.体幹領域
(胸随領域)
d.腰部・下肢領域
上位運動
ニューロン徴候
下顎反射亢進
口尖らし反射亢進
偽性球麻痺
強制泣き・笑い
上肢腱反射亢進
ホフマン反射亢進
上肢痙縮
萎縮筋の腱反射残存
腹壁皮膚反射消失
体幹部腱反射亢進
下肢腱反射亢進
下肢痙縮
バビンスキー徴候
萎縮筋の腱反射残存
下位運動
ニューロン徴候
顎,顔面
舌,咽・喉頭
頸部,上肢帯,
上腕
胸腹部,背部 腰帯,大腿,
下腿,足


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