難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

遅発性内リンパ水腫/特定疾患情報

診断・治療指針

1. 遅発性内リンパ水腫とは
遅発性内リンパ水腫は、突発性または発症時期のわからない高度の難聴が先にあって、その数年?数十年以上の後にメニエール病と似たぐるぐる回るめまい(回転性めまい)などがおこる病気です。この病気には、先に存在する高度難聴のある耳におきる同側型遅発性内リンパ水腫と、高度難聴のある耳の反対耳に変動する難聴やめまいをおこす対側型遅発性内リンパ水腫があります。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
全国的な調査はまだ行われていません。平成10年度の前庭機能異常調査研究班によって行われた多施設での調査では、同じ調査期間の各施設でのメニエール病患者数に対する遅発性内リンパ水腫の比率は、同側型0.055、対側型0.032であって、両者を合わせた場合でも0.098でした。

3. この病気はどのような人に多いのですか
現在のところ、そこまでの調査や研究が進んでおらず、今後次第に明瞭になってくるものと期待されます。

4. この病気の原因はわかっているのですか
原因は全く分かっていませんが、以前から難聴の存在する耳の内耳病変が新たな内リンパ水腫を引き起こす原因になっていると推測さています。以前から存在する難聴の原因としては、ムンプス、外傷、上気道感染、ジフテリア、ウイルス感染、内耳炎、先天性、若年性一側聾などが主なものです。

5. この病気は遺伝するのですか
現在は全く情報がありません。今後の調査研究に委ねられています。

6. この病気ではどのような症状がおきますか
同側型遅発性内リンパ水腫では、片側または両側の耳が高度難聴ないしは全聾があって、長年月の経過後にメニエール病のようなめまいがおこります。対側型遅発性内リンパ水腫では、片側の高度難聴ないし全聾であるものと反対側の耳に、新たな難聴がおこりそれが変動し、ときにメニエール病のようなめまいがおこります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか
根本的治療法はありません。対症療法として、運動制限、食事療法(減塩、蛋白制限)、高血圧のある患者は血圧のコントロールが大事です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか
同側型については多くは薬で制御することができます。また、もし薬で制御できなくても手術という手段があります。一方、対側型ではすでに一側耳の高度難聴があるので、聴力の良い方の耳の聴力が悪化することは、めまいに加えて日常生活に大きな影響を及ぼします。薬で治らない場合には、長期的にみると両耳の高度難聴になってしまうことも考えられます。


情報提供者
研究班名 聴覚・平均機能系疾患調査研究班(前庭機能異常)
情報更新日 平成14年6月1日

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