第七章 不時遭遇会戦

 I  ディープス・ロイド少佐と配下の二百隻の艦船を加えて、アレックスの独立遊撃艦 隊はさらに陣容を高めた。  アレックスは新生部隊の今後を検討するために、司令室において三名の少佐及び大 尉、そして各参謀らを交えて協議を計ることとした。 「カラカス基地という要衝を得たことで、当面の我々の課題はこれを死守することで ある……と、統帥本部の命令ではあるのだが……。そこで今後を鑑みて、我々が直面 する問題点と解決方法などについてみんなと協議したい。活発なる意見交換を期待す る」  と言い終えて席についた。 「正直なところ、当基地を守り抜くには艦数が極端に不足しているのは明白なる事実 でしょうね」  ゴードンが最初の口火を切った。 「不足なんて比ではありませんよ。たった七百隻でどうしろというのですか」 「レナード・エステル大尉の言うとおりです。守備にたかだか七百隻。軌道衛星砲を 有効に活用するためには、最低一個艦隊は必要です。敵迎撃ミサイルによる衛星砲の 破壊を守り、艦隊の接近を許さないためにも」 「衛星砲には攻撃力はあっても、防御力はないに等しいからな」 「衛星砲の攻撃力と守備艦隊の防衛力があってこそ、相乗効果をもたらして堅固な要 塞としての機能を果たすことができるのです」 「レナードとカールの言い分はわかるが、ないものねだりしても詮無いこと。出来る 限りを尽くし、やるだけのことをやるだけじゃないのか」 「そうはいいますがね……」 「いっそのこと燃料採掘プラントを破壊して、軌道衛星砲を引き揚げてシャイニング 基地に戻るというのは?」 「それはいいかも知れない。元々我々は第十七艦隊に所属しているわけだし、シャイ ニング基地に軌道衛星砲を取り付ければ守備力は増強されます」 「それは無理だよ。軍部が許すはずがない。チャールズの野郎は、無茶苦茶な作戦指 令を与えて、我が部隊をあわよくば殲滅させようと考えているんだ。そんなことした ら敵前逃亡罪だぞ。奴に格好の題材を与えるだけじゃないか」