冗談ドラゴンクエスト
冒険の書・14

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ナレ1「その夜の一行が泊まる宿屋」
ナタリー「よし!これでいいわ」
ナレ1「なんと勇者がロープで縛られていた」
勇者「これはどういうことじゃあ!?」
ナタリー「借金が30000Gに増えた理由を考えれば分かるでしょ」
勇者「理由……分からん?」
ナタリー「外で頭冷やして考えなさい」
ナレ1「さらに布団でぐるぐる巻きにされて、バルコニーの手すりから吊るされた」
勇者「なんじゃこれはあ!俺は冴羽〇かああ〜!」
ナレ1「身体をよじらせたりして、何とか抜け出そうとする」
ナタリー「これで安心して眠れそうね」
ナレ1「それは甘い考えだぞ!彼は脱獄のプロだし、冴羽〇だって難なく脱出している
ぞ」
コンラッド「勇者さんて、そんなに女好きなんですか?」
ナタリー「好きなんもんじゃない。あいつの頭の中には女しかいない」
リリア「でも、今は女の子……じゃないですか?」
ナタリー「身体はね。中身は全然変わらないんだからね」
リリア「……(意味深な表情)」
ナタリー「さあて、もう寝ましょう。明日は早い」
コンラッド「彼、じゃなくて、彼女。いや、やっぱり彼を放っておいていいんです
か?」
ナタリー「大丈夫よ。そんな軟弱な気性じゃないから」
リリア「と、とにかくもう休みましょう」
ナレ1「なんやかんやで、解散して各自の部屋に別れる」
ナレ2「皆が寝静まった頃、ナタリーの部屋に侵入する怪しげな影」
ナレ1「怪しげな物音に気が付くナタリー」
ナタリー「だれ!ってか、一人しかいないよね。勇者」
勇者「おお、気づかれたか」
ナタリー「気づかないでかあ〜!」
ナレ1「毎度のことなので、敏感になっているのであろう」
ナタリー「あんた、夜這いすることしかできないのかあ」
勇者「ハッキリ言おう。できない!」
ナタリー「まったくう、懲りない奴だな」
勇者「それが俺だ」
ナタリー「女になったんでしょうが、男に興味は持たないの?」
勇者「ない!(キッパリと)」
ナタリー「でしょうね。中身は男なんだから」
勇者「ということで、頂きます(飛び掛かる)」
ナレ1「すばやく枕元にある紐を引くと同時に、体を交わすようにベッドから転げ降り
る」
ナレ2「と突然、天井から網が降りてきて勇者を絡めとった」
勇者「なんやこれはあ!」
ナタリー「脱獄の名人だし、これまでのこともあるしね、罠を仕掛けておいたの」
勇者「罠とは小癪なことを、脱獄名人・縄抜け名人の俺にかかれば朝飯前じゃ……あれ
れ?」
ナレ1「抜け出そうとするが、身動きできない」
ナタリー「残念ね。その網には呪縛の魔法が掛けてあるのよ」
勇者「ち、ちくしょう……」
ナタリー「さてと、そこどいね」
ナレ1「と言うと、魔法を使って勇者を網ごと部屋の片隅に移動させた」
勇者「ここから出せ〜!」
ナタリー「無駄よ。魔法を解かない限り抜けられないわよ」
勇者「この借りは、必ず払ってもらうからなあ」
ナタリー「静かにしてよね、眠れないじゃない。さてと、おやすみなさい」
ナレ1「なんやかんやで、夜が明ける」
コンラッド「おはようございます」
リリア「いい天気ですよ」
ナタリー「おっは〜!」
宿屋「おはようございます。皆さん、ぐっすり眠れたでしょうか?」
勇者「一睡もできなかったぞ(怒)」
宿屋「あらまあ!いかがなされましたか?」
勇者「こいつが(ナタリーを指さして)」
ナタリー「(勇者の口を塞いで)ああ、こいつの言うことは気にしないでいいですよ」
勇者「ぐぐぐぐ〜(口を塞がれて声が出せない)」
コンラッド「私は、一度王宮に伺わなければならないので、出発の準備をしておいてく
ださい」
宿屋「食事をされてからでいいのでは?」
コンラッド「いえ、一秒でもお待たせするわけにはいきませんから」
ナレ1「王宮謁見の間。国王の前で傅くコンラッド」
国王「おお、朝からご苦労であった」
コンラッド「陛下におかれましては、ご健勝のほどお慶び申し上げます」
国王「コンラッドも忙しい身であろう。早速だが、これを遣わす」
ナレ1「侍従から書状を受け取ってコンラッドの前に差し出す」
ナレ2「数歩前に進み、傅きながらうやうやしく受け取るコンラッド」
国王「大神官様への紹介状である。有用に使うが良い」
コンラッド「ははっ!重々承知にございます」
ナレ1「コンラッドが宿屋に戻ると、一行の出発準備は整っていた」
リリア「お帰りなさい。出発準備は整ってます」
ナタリー「最初に大神官様にお会いするのよね」
リリア「大聖堂ですよね」
コンラッド「では、参りましょうか」
勇者「おお、気を付けて行けや」
ナタリー「あんたが行かなきゃ始まらないじゃない」
勇者「なんでだよ?」
ナタリー「パーティーの先頭は勇者と決まってるでしょ」
勇者「誰が決めたんだよお」
ナタリー「いいからきなさい(といつものように耳を引っ張り連れ出す)」
ナレ1「というわけで、大聖堂へやってきた一同」
コンラッド「さあ、入りましょうか」
ナレ1「入り口に立つ衛兵に国王印の押された親書を見せると、敬礼して重い扉を開け
て一行を迎え入れた」
ナレ2「大聖堂の身廊(Nave)と呼ばれる長い廊下を突き進む先にその人物は立ってい
た」
大神官「おや、珍しいですな。騎士団団長殿が何用ですかな。それと後ろの方々は?」
コンラッド「こちらは私のパーティーでございます。故あって大神官様にお目通りを願
いました。国王様からの親書をお持ちしました」
ナレ1「うやうやしく国王の親書を手渡す」
大神官「うむ(親書を読みながら)なるほど、クアール最高導師様の居場所を知りたい
と?」
コンラッド「左様にございます」
大神官「最高導師様は引退後は世捨て人として、人里離れた山の奥地に隠居されたの
だ」
コンラッド「重々承知しております」
大神官「それほどまでして、どうしても会わねばならぬ理由を説明してくれまいか?」
リリア「わたしが説明いたします」
ナレ1「身体と心が入れ替わってしまったこと、元の身体に戻りたい、ということを懇
切丁寧に説明するリリア」
大神官「なるほど人体錬成ですか、そういうわけだったのですね」
勇者「大神官様よお、手っ取り早くあんたの力で何とかならんか」
ナタリー「こ、こらあ!大神官様に向かってなんてことを」
勇者「だってよお、ウイスが言うには全宇宙五本の指に入る実力者なんだろ?精神入れ
替えなんざ、朝飯前だろ?」
ナタリー「何の話をしているのよ」
勇者「だから、ドラゴン〇ール超では……」
リリア「ここは、冗談ドラゴンクエストの世界です!」
大神官「ほほう、面白い方ですね」
ナタリー「すみません、すみません(と勇者の頭を押さえつけて十回謝る)」
大神官「あはは、残念ながら精神入れ替えのような術は持っておりませんよ」
勇者「ちぇっ!大した奴じゃないということか……」
ナタリー「すみません、すみません(ともう一度、勇者の頭を押さえつけて十回謝
る)」
リリア「最高導師様がどちらにいらっしゃるかご存知ありませんか?」
大神官「いいでしょう。お教えしましょう」
リリア「ありがとうございます」
大神官「クアール最高導師様は、竜王バハムートの住む龍峡谷のとある祠に住んでいる
という」
勇者「竜王だと?上手くすりゃあ、ロトのつるぎが手に入るか?」
ナタリー「何の話?」
勇者「とその前に、たいようのいし、ロトのしるし、あまぐものつえ、にじのしずく、
とか集めなきゃいかんのか……面倒だな」
ナタリー「だからあ、何の話ししてるって言ってんのよ!!」
勇者「ドラゴンクエストIに決まっているだろ」
ナタリー「もういっぺん死んでこい!(ファイアボールの魔法を勇者に投げつける)」
リリア「きゃああ!その身体はあたしですぅ!!」
ナタリー「あ、ごめんごめん」
大神官「ははは、面白い方だ」
ナタリー「恐縮いたします」
大神官「まあ良い。これを持っていくがよい」
コンラッド「(受け取りながら)これは?」
大神官「それは、最高導師様から預かっていた『道しるべの羅針盤』」
コンラッド「道しるべの羅針盤ですか?」
大神官「通常はただの羅針盤なのだが、ある一定の条件が揃うと、最高導師様の居場所
を指し示してくれるという」
コンラッド「それで羅針盤ですか……で、その条件とは?」
大神官「それは教えて下さらなかったよ。その時がくれば自然に条件は揃うと仰られて
いた」
コンラッド「そうでしたか……おそらく龍峡谷へ向かえば道は開かれるかもしれません
ね」

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